青林書院



知的財産訴訟実務大系


知的財産訴訟実務大系
 
知財訴訟実務の確固たる羅針盤。
編・著者牧野利秋・飯村敏明・睇眞規子・小松陽一郎・伊原友己 編集委員
判 型A5判
ページ数574頁
税込価格7,236円(本体価格:6,700円)
発行年月2014年06月
ISBN978-4-417-01623-6
在庫有り
  
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■解説
 現・元知財部裁判官並びに日弁連知財センター委員長経験者等第一線の専
 門家が完全執筆。知的財産実務上の最先端問題(論点)を計80問,全3巻
 構成で徹底解説する。

 第鬼には,知財高裁の歴代所長による座談会「知財高裁設立の経緯と未
 来への展望」を掲載、知的財産実務のあるべき将来像を探求する。
   
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知的財産訴訟実務大系
知財訴訟実務の確固たる羅針盤。
編・著者:牧野利秋・飯村敏明・睇眞規子・小松陽一郎・伊原友己 編集委員
発行年月:2014年06月
税込価格:7,236
在庫:有り


知的財産訴訟実務大系
知財訴訟実務の確固たる羅針盤。
編・著者:牧野利秋・飯村敏明・睇眞規子・小松陽一郎・伊原友己 編集委員
発行年月:2014年06月
税込価格:7,236
在庫:有り



■書籍内容
 迷える知的財産制度―巻頭言に替えて

 本書の執筆陣は現・元知財部裁判官と日弁連知財センター委員長経験者等という豪華
 顔触れであり,知的財産法の実務家による研究が到達した最高峰といえよう。しかも
 文字通り知的財産法全体を網羅しており,実務に焦点を当てた企画としては,今まで
 にないスケールであると言える。一昔前と比べると,実務家による知的財産法研究が格
 段に進み,その極みが本書であると確信している。実務家によりこのような力を見せ
 つけられると,学者としては新たな学問的方法で活路を見いだす必要が生じるであろ
 う・・・  (以下略)                 
                      明治大学特任教授・東京大学名誉教授
                                  中山 信弘

●はしがき

 平成14年(2002年)2月,時の総理大臣により知的財産立国宣言がなされたのを受け
 て,内閣府に「わが国産業の国際競争力を強化し,経済を活性化していくためには,
 研究活動や創造活動の成果を知的財産として戦略的に保護・活用していくことが重要
 」であり,「このため,我が国として知的財産戦略を樹立し,必要な政策を強力に進
 めていくために開催するもの」として知的財産戦略会議が設置された。そして,同年
 7月,同戦略会議は「知的財産戦略大綱」を取りまとめて公表した。その冒頭には,
「日本経済を取り巻く環境は,依然厳しい状況にあり,将来に対する閉塞感を払拭でき
 ない中,我が国の国際的な競争力を高め,経済・社会全体を活性化することが求めら
 れている。そのためには,我が国を,科学技術や文化などの幅広い分野において豊か
 な創造性にあふれ,その成果が産業の発展と国民生活の向上へつながっていく,世界
 有数の経済・社会システムを有する『知的財産立国』とすることが必須である。その
 目標に向けた諸改革を直ちに実行するため,『知的財産立国』実現に向けた政府の基
 本的な構想である知的財産戦略大綱をここに策定する。」と謳われている。さらに,
 同大綱においては,知的財産立国政策の着実かつ円滑な実施を図るため,知的財産戦
 略本部の設置等を定める知的財産基本法の制定が求められ,これを受けて平成15年
 (2003年)3月,知的財産基本法が施行され,知的財産戦略本部が設置されるに至っ
 た。以後毎年,同本部からは,「知的財産推進計画」が発表され,いわゆるプロ・パ
 テント政策が着実に実行されてきた。他方,平成13年(2001年)6月に発表された
「司法制度改革審議会意見書」においては,国民の期待に応える民事司法改革の一環と
 して「知的財産権関係事件への総合的な対応強化」が求められ,裁判所における知的
 財産権関係事件の専門的処理体制の強化方針が打ち出された。上記のプロ・パテント
 の潮流は,司法制度改革の流れとも合流し,大きな知的財産司法改革をもたらせた。
 その象徴が知的財産高等裁判所の設置である。知財高裁は,平成16年(2004年)に同
 高裁の設置法が制定され,平成17年(2005年)4月1日に発足したものであり,所管
 する地域の事件を法分野の区別なく担当する従来の高等裁判所ではなく,取り扱い事
 件を特定の法分野に絞り込まれているという意味において,まさに我が国に類例のな
 い専門高等裁判所である。知財高裁の発足以降,平成26年(2014年)5月末日まで8
 件(予定)の大合議判決がなされるなど,知的財産法の重要課題についての判例解釈
 の統一に向けた積極的な努力がなされているところである。また,審理手法において
 は,米国のアミカス・ブリーフを想起させるような広く一般に意見募集を行うという
 ことも試みられ,判決結果の一層の妥当性向上に向けた新しい取組みもみられる。
 知財高裁の発足から,早10年を迎えようとしているこの時期に,その設置前後の状況
 を検証し,歴史的証言あるいは資料を後世に伝えおく努力も必要であろう。
 プロ・パテント政策の推進は,これまでに多くの知的財産法の実体法や手続法の改正
 ももたらしている。平成14年(2002年)以降でも,例えば,特許法を中心にみると,
 “明の実施行為の明確化・間接侵害規定の拡充等(2002年),
◆‘探付与後異議制度の廃止・審決取消訴訟係属中の訂正審判請求期間の制限等
 (2003年),
 無効の抗弁の創設・秘密保持命令の創設・裁判の公開停止制度の導入・職務発明規
  定の見直し等(2004年),
ぁ…名鐚損楔等登録制度の見直し・不服審判請求期間の拡大等(2006年),
ァ,修靴董さ貽探法(昭和32年法)から50年を迎え特許制度全体の見直し,
  がなされた結果,平成23年(2011年)には,通常実施権の対抗制度の見直し・冒認
  出願等に係る救済措置の整備・審決取消訴訟提起後の訂正審判請求の禁止・再審の
 訴え等における主張の制限・審決確定の範囲等に係る規定の整備・無効審判確定判決
 の第三者効の禁止・新規性喪失の例外規定等の見直し等の抜本的な改正がなされた。
 他の産業財産権法固有の改正としては,例えば,実用新案法では,実用新案登録に基
 づく特許出願制度の導入・実用新案権存続期間の延長等(2004年),意匠法では,意
 匠権存続期間の延長・関連意匠制度の見直し・意匠の類似範囲の明確化等(2005年)
 ,商標法では,商標の使用行為の明確化等(2002年),地域団体商標の導入(2005)
 ,小売等役務商標制度の導入(2006年),商標権消滅後1年間の他人の登録排除規定
 の廃止(2011年)等の改正がなされている。
 不正競争防止法に関しては,例えば,外国公務員不正利益供与罪の一部改正(2004)
 ,営業秘密の刑事罰の強化(2005年),営業秘密侵害罪の強化(2009年),技術的保
 護手段の改正等(2011年)がなされている。
 著作権法に関しては,例えば,放送事業者等の送信可能化権の創設,実演家人格権の
 創設等(2002年),教科用拡大図書の複製・映画の著作権の存続期間の延長等(2003
 年),CD等の逆輸入の禁止等・書籍雑誌への貸与権付与(2004年),国外犯処罰規定
 の創設等(2006年),放送の同時再送信の円滑化・複製権の制限・輸出行為等の取締
 り・侵害罪等の罰則の強化(2007年),インターネット等を活用した著作物利用の円
 滑化を図るための措置・違法な著作物の流通抑止等(2009年),著作物の利用の円滑
 化のための制限規定の追加等(2012年)の改正がなされている。なお,侵害訴訟にお
 ける侵害行為の立証の容易化や営業秘密の保護,損害賠償額の立証の容易化等の手続
 規定については,特許法の規定と他の知的財産法の規定がほぼ統一された状態となっ
 た。ところで,知的財産法の世界は,ビジネスに直結し,ビジネス展開に多大な影響
 が及ぶという極めて実践的な分野であり,しかも国際競争社会の中で事業活動を行う
 に際し知的財産紛争は不可避であるため,知的財産法に関する司法判断に対する予測
 可能性を求める必要性は非常に高いものがある。
 現状をみると,知的財産関係訴訟において,裁判実務がほぼ定着していると思われる
 分野,裁判実務が近年において変化しているのではないか,あるいは裁判実務におい
 て必ずしも一定の指針が示されていないのではないかと思われる分野(進歩性判断,
 クレーム解釈論,均等論等々),今後の裁判実務の動向に期待が寄せられている分野
 (当然対抗制度,冒認等)等が存在すると思われる。
 本書の企画は数年前に検討が開始されたが,そのころは,上記のように次から次へと
 法改正がなされている段階であった。勿論,現時点でも,特許法や意匠法,商標法等
 ,知的財産法全体についてさらなる改正が検討されているテーマも複数ある。しかし
 ながら,平成23年特許法改正等で1つの大きな山を越した感がある。しかも,裁判実
 務において知財高裁判決を中心とする近年の変化の傾向を指摘する声が高く,一方,
 今日でも裁判実務上その方向性が定まっていないのではないかと指摘されるテーマも
 多いと思われる。
 そこで,知的財産を中核とする企業活動にとって関心の高いと思われる重要課題を中
 心に,できるだけ最近の判例も取り入れて裁判実務の到達点ないしは通過点を俯瞰し
 ,かつ最近の法改正によって新たに浮上するような問題点についても鋭意検討を加え
 て実務上の方向性を指し示す羅針盤たり得るものにするというコンセプトで編集する
 こととし,第一線で活躍している裁判官・弁護士等合計60名の知財実務家に執筆をお
 願いした。
 本書が,我が国のプロ・パテント政策による法改正等が,実践の場である裁判実務に
 どのように結実しているのか,あるいは結実しようとしているのか,種々の重要な分
 野におけるビジネス展開にとってどこまで予測可能性を与えているのか,等の視点か
 ら斯界になんらかの寄与をすることがあれば幸いである。
  最後に,座談会の企画に快くご賛同いただき,ご多忙のなかご出席くださった知財
 高裁所長をお務めいただいた皆様並びに知財訴訟実務の最先端のご解説を頂いた執筆
 者各位には心より感謝申し上げる。 
 
                           
                         平成26年(2014年)5月

                         ■編集委員             
                         牧 野 利 秋 
                        (弁護士・弁理士)        
                          飯 村 敏 明       
                        (知的財産高等裁判所所長判事) 
                          癲”堯≠探子       
                        (横浜地方裁判所川崎支部支部長)
                          小 松 陽一郎       
                        (弁護士・弁理士)       
                          伊 原 友 己       
                        (弁護士・弁理士)  



●編集委員・執筆者(敬称略)
 牧野利秋:弁護士
      日弁連知的財産センター委員
 飯村敏明:知的財産高等裁判所長
 睇眞規子:横浜地方・家庭裁判所川崎支部長判事
 小松陽一郎:弁護士・弁理士
       日弁連知的財産センター幹事
 伊原友己:弁護士・弁理士
      日弁連知的財産センター事務局長・同委員

●執筆者 (敬称略,執筆順)

 西 理香:知的財産高等裁判所判事
 武宮英子:神戸地方裁判所判事
 井上泰人:京都地方裁判所判事
 田邉 実:鹿児島地方・家庭裁判所名瀬支部長判事
 岡本 岳:札幌高等裁判所部総括判事
 松本 司:弁護士・弁理士
      大阪弁護士会知的財産委員会委員
 真辺朋子:青森地方・家庭裁判所八戸支部長判事
 齋藤 巌:新潟地方裁判所判事
 塩月秀平:弁護士
 相崎裕恒:特許庁審判官
 東海林保:東京地方裁判所部総括判事
 林いづみ:弁護士
      日弁連知的財産センター委員
 田中孝一:最高裁判所調査官
 三村量一:弁護士
      日弁連知的財産センター委員
 牧野知彦:弁護士
      日弁連知的財産センター委員
 加治梓子:弁護士
 荒井章光:熊本地方・家庭裁判所判事
 磯田直也:弁護士・ニューヨーク州弁護士
 知野 明:宇都宮地方・家庭裁判所真岡支部長判事
 八木貴美子:千葉地方・家庭裁判所松戸支部判事
 飯田秀郷:弁護士
      日弁連知的財産センター委員
 片山英二:弁護士・弁理士
      日弁連知的財産センター委員
 服部 誠:弁護士・弁理士
      日弁連知的財産センター委員
 城山康文:弁護士
      日弁連知的財産センター事務局次長・同委員
 水谷直樹:弁護士・弁理士
      東京工業大学大学院客員教授
      日弁連知的財産センター委員
 岩坪 哲:弁護士・弁理士
      名古屋大学法科大学院講師
      日弁連知的財産センター副委員長
 池下 董Э生傭亙・家庭裁判所伊丹支部長判事
 小田真治:知的財産高等裁判所判事
 西村康夫:東京地方裁判所判事
 古谷健二郎:静岡地方裁判所浜松支部判事
 森川さつき:東京地方裁判所判事
       東京地方裁判所民事第29部勤務
 谷 有恒:大阪地方裁判所判事
      大阪地方裁判所第21民事部勤務
 松川充康:最高裁判所事務総局行政局付
 西田昌吾:横浜地方裁判所川崎支部判事
 網田圭亮:長崎地方・家庭裁判所五島支部長判事補
 睫邉欝廖東京地方裁判所部総括判事
 菊地浩明:裁判所職員総合研修所教官
 大鷹一郎:知的財産高等裁判所判事
 盒供〆漫東京地方裁判所判事
 三山峻司:弁護士・弁理士
      京都産業大学大学院法務研究科教授・
      芦屋大学経営教育学部客員教授
      特許庁工業所有権審議会委員
 寺田利彦:岡山家庭裁判所倉敷支部判事
 菊池絵理:最高裁判所調査官
 末吉 亙:弁護士
      日弁連知的財産センター委員
 松村信夫:弁護士・弁理士
      大阪市立大学法科大学院特任教授
 柴田義明:大阪地方裁判所判事
 大須賀滋:知的財産高等裁判所判事
 早稲田祐美子:弁護士
        日弁連知的財産センター副委員長・
        同センター著作権PT座長・同センター委員
 上田真史:京都地方・家庭裁判所宮津支部長判事補
 中島基至:最高裁判所調査官
 古城春実:弁護士
      日弁連知的財産センター幹事
 山田陽三:大阪地方裁判所部総括判事
      大阪地方裁判所第26民事部勤務
 志賀 勝:佐賀地方・家庭裁判所唐津支部長判事
 三井大有:東京地方裁判所判事
 小川雅敏:高松地方・家庭裁判所丸亀支部判事
 小川卓逸:那覇地方・家庭裁判所石垣支部判事   [平成26年4月現在]



●目 次(全3巻の構成)

第 機ヾ
 第1部 知財高裁歴代所長座談会
     ―歴代所長が語る知財高裁設立の経緯と未来への展望
 第2部 解  説
  第1章 特許法・実用新案法
 1−1 発明者と発明者の保護―発明者の認定
 1−2 発明者と発明者の保護―冒認救済等
 1−3 特許要件
 1−4 特許要件
 1−5 審判手続の手続違背
 1−6 一事不再理
 1−7 特許無効審判事件と侵害訴訟における無効の抗弁・訂正請求
 1−8 審決取消訴訟(1)
 1−9 審決取消訴訟(2)
 1−10 共有者の一部の者による審決取消訴訟の適法性
 1−11 特許権の存続期間延長登録
 1−12 職務発明対価請求訴訟
 1−13 技術的範囲―基本原則
 1−14 技術的範囲―従前の解釈論の位置づけ
 1−15 機能的クレーム
 1−16 プロダクト・バイ・プロセス・クレームと用途発明
 1−17 間接侵害
 1−18 均等論―均等論成立の背景及び適切な活用について
 1−19 均等論―均等の各要件と特徴
 1−20 複数主体の関与と特許権侵害
 1−21 特許無効の抗弁
 1−22 試験研究
 1−23 特許権と国内消尽
 1−24 特許権と並行輸入
 1−25 先使用権と援用



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