青林書院



建築訴訟


リーガル・プログレッシブ


建築訴訟
 
編・著者小久保孝雄・徳岡由美子 編著
判 型A5判
ページ数512頁
税込価格5,508円(本体価格:5,100円)
発行年月2015年03月
ISBN978-4-417-01647-2
在庫有り
  
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■解説
 裁判実務の実際を理解するための必読書。 第14弾。
●建築紛争解決のための必読書。
●大阪地裁建築・調停部に所属してきた裁判官が執筆。
●建築紛争の全体像を明示し,基礎知識,紛争類型,審理方法を整理。
●これまでの類書では取り上げられていなかった問題を含め,実務上遭遇する様々
 な紛争事象を幅広く取り上げ,豊富な実務経験に基づいて深く掘り下げて分析,
 分かりやすく解説。
●裁判官と一級建築士による座談会掲載。建築士から見た建築紛争の実情と専門的
 な見地からの各種事案の解決ポイントを示す。
●実務ですぐに活用できる書式を掲載。


編集者
小久保 孝雄:京都地方裁判所長
徳岡 由美子:大阪地方裁判所判事

執筆者
島戸 真:大阪地方裁判所判事
齋藤 毅:最高裁判所調査官
靄棔‐六:岡山地方・家庭裁判所倉敷支部判事
溝口 優:大阪地方裁判所判事
谷村 武則:最高裁判所調査官
山地 修:最高裁判所調査官


はしがき
本書は,リーガルプログレッシブシリーズの1冊として,法科大学院生及び
比較的経験の浅い裁判官や弁護士,司法書士などの法曹実務家等を対象に,
専門訴訟の一つである建築関係訴訟について,裁判手続の基本的内容を概説
し,実務の解釈ないし運用の面で議論の対象となるものについて,理論的な
水準を確保しつつ,わかりやすく解説をしたテキストである。執筆は,大阪
地裁の建築・調停部(第10民事部)において,建築訴訟事件を実際に担当し
,あるいは担当したことがある実務経験豊富な,かつ理論的な解析力にも長
けた裁判官にお願いするとともに,同裁判所で専門委員や調停委員として建
築紛争の解決に関与している一級建築士にも参画いただき,建築士の側から
見た建築紛争の実情にも触れることができるように配慮したものである。 
本書の解説は,できるだけ具体的な事例を念頭において問題の所在を解明
し,読者に裁判実務の要点を理解させ,裁判におけるダイナミズムを実感さ
せることを目的としている。まず,第吃総論では,建築紛争の全体像を解
説した。その序章では専門訴訟である建築関係訴訟の特徴と審理の在り方に
ついて総括的な説明をし,ついで,建築生産のプロセスについての基礎知識
や建築紛争の主な類型について整理するとともに(第1章,第2章),建築
訴訟の基本的な審理方法を概説した(第3章)。第局各論においては,施
主と施工者(売主)との間の訴訟(第1章から第3章)について,施工上の
瑕疵が問題となる事案,追加・変更工事代金の請求の可否が問題となる事案
,工事の出来高が問題となる事案に分けて実務上の問題点を詳説し,さらに
,施主と設計者との間の訴訟(第4章),施主と工事監理者等との間の訴訟
(第5章)について詳説した。これらの各論考は,訴訟(紛争)類型ごとに
,瑕疵等の基本的な概念や攻撃防御の構造等を含めて主要な理論的問題点を
整理・解説したものであるが,各執筆者が日頃の実務経験に基づき,これま
で類書では取り上げられていなかった問題を含め,実務上遭遇する様々な紛
争事象を幅広くかつ深く掘り下げて分析・検討した内容となっている。
さらに,本書の特徴の一つであるが,第敬瑤箸靴萄唾眠顱峽築訴訟にお
ける専門的知見の活用について」を収録した。これは,大阪地裁建築・調停
部において,現に建築事件を担当している裁判官と一級建築士との座談会で
,建築士の側から見た建築紛争の実情や専門的な見地から各種事案の解決の
ポイントが示される内容となっている。最後に実務ですぐに活用できる書式
等も収録した。 以上のような構成となっている本書が建築関係訴訟の実務
を学ぼうと志す初学者にとっては,基本を正確に身につけるための一助とな
るとともに,実務家にとっても建築紛争の解決にとって有益な指針となれば
幸いである。

平成27年1月
小久保 孝雄
徳岡 由美子

■書籍内容
目次

第吃堯〜輜
序章 建築関係訴訟の特徴と審理の在り方
 機\賁臍幣戮箸靴討侶築関係訴訟
▼続きを読む


 供〃築関係事件の審理の特徴─瑕疵主張のある建築関係訴訟における
   専門的な知見の獲得方法
  1.審理構造(専門家調停の活用)    
  2.専門委員の活用
  3.鑑定の活用  
  4.建築関係訴訟の適正・迅速な解決に向けて 
 慧計資料からみた建築関係訴訟の動向  
  1.新受事件の動向  
  2.建築関係訴訟の統計的な特徴 
第1章 建築生産のプロセスについての基礎知識
 騎祇
  1.建築生産の流れ  
  2.行政上の規制  
  3.保険 
 挟覯茵δ敢挫奮/設計段階  
  1.企画・調査段階 
  2.設計段階
 兄楾段階 
  1.典型的な建築工事の流れ─その1(木造) 
  2.典型的な建築工事の流れ─その2(鉄筋コンクリート造) 
  3.典型的な建築工事の流れ─その3(鉄骨造)  
 献螢侫ーム 
  1.リフォームの種類 
  2.新築工事との相違点
第2章 建築紛争の主な類型 
 技楴腓叛澤彈圓箸隆屬諒響  
  1.設計者の施主に対する請求 
  2.施主の設計者に対する請求 
 驚輅玄圓叛蘇蘓佑箸隆屬諒響 
  1.請負人の注文者に対する請求
  2.注文者の請負人に対する請求
 掲篌腓版禺腓箸隆屬諒響
  1.売主の買主に対する請求 
  2.買主の売主に対する請求 
 源楴腓塙事監理者との間の紛争
  1.工事監理者の施主に対する請求 
  2.施主の工事監理者に対する請求 
 校楾者と第三者との間の紛争
  1.隣地の工事による損害
  2.建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵がある建物に関する
    損害賠償請求
第3章 建築訴訟の基本的な審理方法
 蟻茖渦鷂頭弁論期日 
  1.意義 
  2.建築訴訟に特有の紛争類型や専門分野の見極め
  3.準備事項の指示と弁論準備手続期日の指定
 響菘誓依
  1.瑕疵主張型─その1(多数の瑕疵が主張される類型)
  2.瑕疵主張型─その2(重大な瑕疵〔少数〕が主張される類型)
  3.追加変更工事型 
 契賁臈知見の導入
  1.手続選択の問題─付調停か専門委員関与か 
  2.時期の問題 
  3.調停手続の運営 
  4.専門委員が関与する手続の運営
 絃攀鯆瓦戞ο族髻θ酬
  1.証拠調べ  
  2.和解
  3.判決
第局堯ヽ届
第1章 施主と施工者(売主)との間の訴訟
    ⑴─施工上の瑕疵が問題となる事案
 〔1〕基本的な攻撃防御の構造 
 祇蘇藺絛眄禅畫幣 
  1.訴訟物
  2.請求原因 
  3.抗弁・再抗弁等
 饗山嫁綵請求訴訟
  1.訴訟物 
  2.請求原因 
  3.抗弁・再抗弁等 
 〔2〕請負人の瑕疵担保責任における「瑕疵」の意義 
 軌婬
  1.意義
  2.瑕疵の現象と原因の区別 
  3.設計上の瑕疵と施工上の瑕疵 
  4.瑕疵の具体的類型
 玉鹹螳稟新
  1.「瑕疵」を基礎づける具体的事実 
  2.約定の内容を認定するための基本的書証
  3.実際の施工内容(法令違反型,施工精度型にも共通)
  4.約定の内容と実際の施工内容との不一致が「瑕疵」
    と評価されることを根拠づける具体的事実─約定の
    重要性・違反の重大性 
 桂[甍稟新 
  1.「瑕疵」を基礎づける具体的事実
  2.建築基準法の概要等
  3.実際の施工内容
  4.建築基準法令等の規定の内容と実際の施工内容との不一致が「瑕疵」と評価
    されることを根拠づける具体的事実
  5.特段の事情としての「建築基準法違反の合意」
 源楾精度型
  1.「瑕疵」を基礎づける具体的事実
  2.実際の施工内容 
  3.実際の施工内容を通常の施工として許容することができないこと
 〔3〕瑕疵各論 
 鬼霑叩γ枠廚亡悗垢諤赱 
  1.基礎・地盤の基礎 
  2.基礎・地盤に関する瑕疵;”要な地盤改良工事の不施工
  3.基礎・地盤に関する瑕疵※|枠弉良工事の工法選択の誤り
  4.基礎・地盤に関する瑕疵─地盤改良工事の施工不良
  5.基礎・地盤に関する瑕疵えヾ霑辰斑枠廚良堙合
    (基礎形式の選択〔布基礎かべた基礎か等〕の誤り,布基礎の底盤幅の不足等) 狭渋い亡悗垢諤赱
  1.総論
  2.構造方法に関する技術的基準
  3.構造計算
径儔弌λ媛个亡悗垢諤赱
  1.序論
  2.耐火建築物
  3.準耐火建築物
  4.防火に関する瑕疵の修補方法 
 険漏り(雨水の浸入)
  1.雨漏りの特殊性
  2.雨漏りの原因例
  3.瑕疵の一応の推定
 校転紊嘉 
 〔4〕施工上の瑕疵に関する請負人(施工者)の責任の法律構成
 朽赱喘簡歙嫻い蛤通撹塒行責任との関係
 謹赱喘簡歙嫻ぁ債務不履行責任と不法行為責任との関係
  1.問題の所在
  2.平成19年最判の趣旨は契約当事者間にも及ぶか
  3.「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵」の意義
 〔5〕施工上の瑕疵に関する売主の法的責任
 儀物の売買契約における売主の瑕疵担保責任 
  1.総説
  2.民法570条に基づく売主の瑕疵担保責任
  3.品確法95条に基づく売主の瑕疵担保責任
  4.売主の瑕疵担保責任における「瑕疵」の意義
 暁篌腓類赱喘簡歙嫻い陵弖錙Ω果 
  1.民法570条の瑕疵担保責任の要件・効果 
  2.品確法95条の瑕疵担保責任(瑕疵修補請求)
 〔6〕請負人(施工者)又は売主が賠償責任を負う損害の範囲・損害額の算定
 義輜 
  1.主な損害項目 
  2.法律構成による損害賠償の範囲の相違
 謹赱喀な簇駘囘
  1.瑕疵修補費用
  2.建替費用
  3.引越し費用,代替建物の賃料等(仮住まい費用)
 敬床疎
 犬修梁召虜盪催損害 
  1.調査費用等
  2.逸失利益・営業損害
  3.拡大損害
 弘崋嬶繊な杆郢糧駘
  1.慰謝料
  2.弁護士費用
 魂畆坐蟷Αぢ傘彖蟷
  1.過失相殺
  2.損益相殺
 第2章 施主と施工者との間の訴訟
   ⑵─追加・変更工事代金の請求の可否が問題となる事案
 〔1〕追加・変更工事の意義等
 議媛叩κ儿更事の意義等
 仰媛叩κ儿更事代金をめぐる紛争の概要
  1.背景事情 
  2.典型的な争点
  3.追加・変更工事代金に関する争点の整理
 〔2〕追加・変更工事代金請求の法的根拠と要件
 祇蘇薹戚鵑亡陲鼎代金請求
 蕎λ512条による代金(報酬)請求
 〔3〕本工事(追加・変更工事であるか)の認定
 欺論
 鏡澤彁楾分離型の建築工事(新築工事) 
  1.概要
  2.作成される書面の内容等
 契澤彁楾一体型の建築工事(新築工事)
  1.概要
  2.作成される書面の内容等
 顕修・改装工事
  1.住宅リフォーム工事
  2.店舗等の改装工事
  3.マンション・ビルの修繕工事
 綱楾事の事実認定
  1.見積書に記載された工事
  2.一式見積等の工事項目に該当する工事
  3.見積書に記載がなく,図面に記載がある工事
  4.見積書・図面に記載がない工事
 〔4〕追加・変更工事の合意
 技楾の合意
 仰媛叩κ儿垢旅膂
 〔5〕有償合意
 詰償合意
 桐償合意の推定(事実上の推定)
 渓欺工事の合意
 言Ю宜事 
  1.ダメ工事 
  2.やり直し・やり替え工事 
 〔6〕追加・変更工事の代金額 
 気呂犬瓩
 響蠹額の認定
  1.相当額の認定方法(積算方式・実費精算方式)
  2.積算方式
  3.実費精算方式 
  4.値引き(値引き率)について
第3章 施主と施工者との間の訴訟⑶─工事の出来高が問題となる事案
〔1〕工事未完成の場合の法律関係
 機峭事の完成」の機能
 狭事の完成・未完成の判断基準
  1.判断基準 
  2.若干の検討
 傾事未完成の場合の法律関係
  1.債務不履行の一般原則の適否
  2.未完成につき請負人に帰責事由がある場合
  3.未完成につき注文者に帰責事由がある場合
  4.未完成につき,双方(請負人,注文者)に帰責性がない場合
  5.民法641条との関係
 〔2〕出来高の認定
 気呂犬瓩
  1.工事の出来高が問題となる場面
  2.攻撃・防御方法の構造
 教甸囘出来高の認定
  1.詳細見積りがされている場合
  2.一式見積の場合 
 卦詆佞鮗ける利益
  1.仕掛かり工事の出来高に係る給付を受ける利益
  2.瑕疵のある既施工部分に係る給付を受ける利益
 源頂通海鯡箸譴燭海箸砲茲詬益
第4章 施主と設計者との間の訴訟
〔1〕設計業務の概要及び設計契約の法的性質等
 祇澤弑般海粒詰 
  1.総説
  2.設計業務の意義
  3.建築の仕様に関する合意形成過程としての設計業務
  4.設計業務に関する私法ルールと公法ルール
  5.基本設計と実施設計
  6.訴訟で問題となる設計業務の例
  7.調査・企画業務 
 鏡澤弖戚鵑遼‥性質
  1.総説
  2.請負契約説
  3.委任契約説 
  4.検討
 〔2〕設計業務(設計監理業務)の出来高等が問題となる事案
 祇澤彜突業務の出来高をめぐる紛争の概要
  1.設計監理業務の出来高(報酬額)の紛争
  2.設計者の債務不履行・帰責事由
 鏡澤彜突業務の出来高について
  1.設計監理業務委託契約時の報酬算定方法等
  2.設計業務報酬と監理業務報酬の峻別 
  3.設計業務の出来高
  4.監理業務の出来高 
 契澤弑般鈎奮における債務不履行について
  1.設計の内容に関する債務不履行の主張について
  2.予算超過を理由とする債務不履行の主張について 
  3.設計の遅延を理由とする債務不履行の主張について
 〔3〕設計上の瑕疵(債務不履行・不法行為)が問題になる事案 
 祇澤彎紊類赱咫丙通撹塒行・不法行為)
 極[甍稟新燭寮澤彎紊類赱
  1.法令違反と設計上の瑕疵
  2.施主の承諾
 敬垓餽膸象型の設計上の瑕疵
  1.不具合事象と設計上の瑕疵
  2.設計者の責任範囲について
 弦膂娑稟新燭寮澤彎紊類赱
第5章 施主と工事監理者等との間の訴訟
〔1〕工事監理業務の概要及び工事監理契約の法的性質等 
 宜事監理業務の概要
  1.総説
  2.工事監理業務の意義 
  3.工事監理業務に関する私法ルールと公法ルール
  4.工事監理
  5.訴訟で問題となる工事監理業務の例
 狭事監理契約の法的性質 
  1.総説
  2.請負契約説
  3.委任契約説 
  4.検討 
 〔2〕工事監理上の義務違反・過失が問題となる事案
 宜事監理者の義務 
 挟突義務違反;々舁的な方法による確認の懈怠
  1.確認の対象・項目
  2.確認の方法
  3.確認の時期
 郡突義務違反※\Ю技惻┐輪菎
  1.狭義の是正指示義務違反(是正指示の適否)
  2.是正指示結果の確保義務違反
 弦事監理者の過失(帰責事由)
 拘突義務違反による損害 
 沙楾者の責任と工事監理者の責任の関係等 
  1.両者の責任の関係
  2.相殺について
  3.時効・除斥期間について 
 〔3〕いわゆる「名義貸し」が問題となる事案
 橘承疎澆靴箸修量簑蠹 
  1.名義貸しとは 
  2.問題の所在等
 矯枷塾禝擇啌慇發両況
  1.裁判例
  2.学説 
 景神15年最判
  1.事案 
  2.判断内容
 己神15年最判を前提とする名義貸しをした建築士の責任 
  1.名義貸しをした建築士の行うべき行為等
  2.法的義務を履行すべき時期等 
  3.建築物の購入者以外との関係 
 耕承疎澆靴鬚靴新築士の責任の範囲
  1.学説等
  2.裁判例
  3.考察 
第敬堯〆唾眠
「建築訴訟における専門的知見の活用について」
第1はじめに 
 1座談会の趣旨
 2自己紹介
第2総論─建築訴訟の現状と課題
 1建築訴訟の現状
 2建築訴訟の課題─専門的知見の導入の更なる円滑化と深化
第3各論─建築訴訟における典型的な論点について
 1雨漏り
 2木造の構造─壁量計算,接合部
 3鉄筋コンクリート造建物の施工─ひび割れ,ジャンカ,コールドジョイント,
  かぶり厚さ
■巻末資料1−1 瑕疵一覧表の書式
■巻末資料1−2 瑕疵一覧表の記載例    
■巻末資料1−3 瑕疵一覧表作成にあたってのお願い    
■巻末資料2−1 追加変更工事一覧表(本工事表記)    
■巻末資料2−2 追加変更工事一覧表    
■巻末資料2−3 追加変更工事一覧表(本工事表記)の記載例
■巻末資料2−4 追加変更工事一覧表の記載例 
■巻末資料2−5 追加変更工事一覧表作成に当たってのお願い
      
事項索引/例索引
▲たたむ


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