青林書院



訴状・答弁書・準備書面作成の基礎と実践-規範的要件の主張の要領- 


訴状・答弁書・準備書面作成の基礎と実践-規範的要件の主張の要領- 
 
編・著者植草宏一 = 松嶋隆弘 = 大坪和敏編著
判 型A5判
ページ数416頁
税込価格4,860円(本体価格:4,500円)
発行年月2015年08月
ISBN978-4-417-01660-1
在庫有り
  
在庫があります

■解説
●訴訟を有利に進めるための訴状,答弁書,準備書面とは?
●規範的要件という切り口で訴訟に提出する書面起案の要領
 について基本的な考え方から実践的な記載例まで,わかり
 やすく解説し,「実務のための理論」を明示。
●主張書面の作成術向上を願う訴訟代理人必携の書!


はしがき
 本書は,規範的要件の主張という場面を想定したうえで,裁判実務家,
特に弁護士が訴状,答弁書,準備書面といった主張書面の起案をする際
のポイントを網羅的に取り上げ,解説しようとするものである。
 規範的要件の要件事実については,ゝ範的要件を更に下位の事実
(法律事実)に分解したうえで,△修譴蕕了実をさらに,評価根拠事
実と評価障害事実とに分け,その主張責任,証明責任を原告被告に分配
する,そして規範的要件の主張にあたっては,過剰主張を許容する,
というのが,司法研修所で教えられている考え方であり,われわれ裁判
実務家のバックボーンを構成している思考方法である。
 ところが,借地借家法における正当事由など典型的なものを別にすれ
ば,何が規範的要件であるのか自体曖昧であり,論者によっても見解の
差異があるようである。しかも,間近に控える民法(債権法)改正は,
規範的要件のみならず,要件事実全般について影響を及ぼさざるを得ない。
 このような折りに,あえて規範的要件という場面に焦点を当て,その
「切り口」から,要件事実に関する理解を見つめ直し,主張書面の作成
術向上を図ることは,実務家のスキルアップのため,大変時宜にかなっ
た企画のように思われた。われわれ執筆者一同のかかる思いは,幸いに
して版元である青林書院に容れられ,こうして本書ができあがることと
なった。
 ▼続きを読む


 本書は,まず第喫圓砲いて,要件事実の基礎的理解を確認し,次の
第曲圓砲いて,訴状,答弁書,準備書面ごとに,その主張のポイント
を網羅的に解説する。そしてそのうえで,実践編である第景圓砲いて,
規範的要件ごとに,具体的事例につき,解説と模範記載例を掲げてある。
第曲圓蓮い修良分だけでも主張書面の書き方に関するマニュアルとし
て役立つように練られている。他方,第景圓蓮さ範的要件について,
比較的ベーシックなものを最初に,応用的なものを最後に配し,理解の
便を図っている。もちろん,この部分は,必要に応じて拾い読みしてい
ただいて構わないわけだが,通読いただけると,規範的要件の全体像に
つきご理解いただけるのではないかと思う。
 本書は,実質的には,植草宏一=松嶋隆弘編著『契約書作成の基礎と
実践〜紛争予防のために』(平成24年10月,青林書院)を前著とする
発展版であり,執筆者の多くが前著と共通している。前著は,予防法
務という観点からの契約書のドラフティング(起案)に焦点を当てた
ものであったのに対し,本書は,裁判法務という観点から,主張書面
の起案に焦点を当てたものとなった。ただ,前著は,比較的キャリア
の若い実務家を対象としたものであったのに対し,本書は,規範的要
件という場面を想定しているところからおわかりのように,中堅実務
家が,さらに自己のスキルに磨きをかけるための一助にすべく企画さ
れている(そのコンセプトは,表紙カバーデザインに使われている英
文「Legal Writing for Strategic Lawyers」が端的に示している)。
念頭に置く読者対象の「成長」は,とりもなおさず,われわれ執筆者
一同の成長であり,本書はその記録でもある。
 本書の刊行にあたっては,執筆者が原稿を持ち寄ったうえで,何度
も検討を重ねた。それは単なる企画会議の域を超え,一種の「ゼミナ
ール」といってもよいものであった。本書はその結晶である。本書に
なにがしかの価値があるとすれば,各自がその「経験値」を,かかる
討議の結果,「実務の理論」として「昇華」しようと試みている点に
あると考えている。
 今後,執筆者一同,かかる「実務の理論」を携え,各自のフィール
ドにおいて,再び「経験値」を積み重ねていくことになる。われわれ
のかかる体験をまとめた本書が,裁判に携わる読者のなにがしかの参
考になれば望外の幸せである。
 
平成27年7月
 編著者
 植草 宏一
 松嶋 隆弘
 大坪 和敏


編著者
植草 宏一:弁護士,筑波大学法科大学院教授
松嶋 隆弘:日本大学法学部教授,弁護士
大坪 和敏:弁護士,司法研修所民事弁護教官

執筆者
堀江 泰夫:司法書士,日本大学法学部講師,新日鉄住金化学法務グループマネジャー
鈴木 一洋:弁護士
金澤 大佑:日本大学大学院法務研究科助教,弁護士
佐々木 良行:日本大学大学院法務研究科准教授,弁護士
脇谷 英夫:弁護士
町田 健一:弁護士
(執筆順)




■書籍内容
目 次
第喫坿靄槓

第1章 民事訴訟における弁護士の役割
1 はじめに
2 訴訟代理人として役割
(1) 原告訴訟代理人の訴状の作成
(2) 被告訴訟代理人の答弁書の作成
(3) 双方代理人の訴訟における役割
3 法律構成の選択
(1) 仮説の設定と検証
(2) 訴訟物の選択
4 争点整理における弁護士の役割
(1) 争点整理の最終目標
(2) 争点整理のための弁護士の活動
(3) 準備書面における争点の提示
5 民事訴訟における弁護士のその他の役割
6 訴訟活動における心構え

第2章 弁護士にとっての要件事実の意義
1 要件事実と要件事実論
(1) 要件事実とは
(2) 要件事実の民事訴訟における機能
(3) 要件事実論
(4) 訴訟代理人弁護士と要件事実
2 規範的要件・評価的要件
(1) 意  義
(2) 規範的要件・評価的要件の要件事実
(3) 評価障害事実
3 規範的要件・評価的要件における判断の構造と特徴
(1) 規範的要件・評価的要件における判断の構造
(2) 規範的要件・評価的要件における判断の特徴
(3) 規範的要件・評価的要件を理解した訴訟代理人弁護士の活動

第3章 司法書士からみた要件事実
1 司法書士と裁判
(1) 裁判書類作成業務
(2) 簡裁訴訟代理業務(認定司法書士)
(3) 簡裁代理権と本人訴訟の関係
2 司法書士業務と要件事実
(1) 裁判関連業務
(2) 不動産登記業務(登記原因証明情報)
(3) 法律相談・契約業務
(4) 司法書士の要件事実に関する能力担保

第曲堊幣,答弁書,準備書面作成にあたって

第1章 訴状の作成のコツ
1 事前準備
(1) 訴状作成に先立つ作業
(2) 事実関係の把握と資料の収集
(3) 依頼者の欲するところの確認
(4) 信頼関係の構築・維持
(5) ストーリーの構築
(6) 法律構成
(7) 「勝ち筋」の事件と「負け筋」の事件
(8) 方針の決定
(9) 報酬契約書締結
2 訴状作成にあたっての総論的検討
(1) 裁判形態
(2) 訴訟物の選択
3 訴状の記載事項と書き方
(1) 訴状の記載事項
(2) 訴状を作成する際の注意点(まとめ)
(3) 訴状提出後の対応
4 訴状作成にあたっての具体的点検事項
(1) はじめに
(2) 管  轄
(3) 訴  額
(4) 訴訟費用と無資力者等に対する援助
(5) 送  達
■訴状の主な点検事項■
■訴状作成にあたっての心構え■

第2章 答弁書の作成のコツ
1 答弁書の意義
(1) 意  義
(2) 機  能
2 答弁書作成の準備
(1) 訴状及び甲号証の分析
(2) 紛争に関する情報の収集
(3) 訴訟戦略の策定
3 答弁書の記載事項
4 請求の趣旨に対する答弁
(1) 訴訟要件が備わっていない場合――本案前の答弁
(2) 本案の答弁
(3) 付属的申立て
5 請求の原因に対する認否
(1) 被告の認否の機能
(2) 認否の範囲
(3) 認否の態様
(4) 「認める」場合の留意点
(5) 「否認する」場合の留意点
6 先行自白の援用
7 経験則を意識した間接事実の主張
8 紛争の背景等の説明
(1) 重要性
(2) 危険性
9 抗弁の主張
10 求釈明の申立てとその対応
(1) 求釈明と求釈明の申立て
(2) 求釈明の申立て方法
(3) 原告の主張に対し求釈明の申立てを行うことの是非
■答弁書作成にあたっての心構え■

第3章 準備書面の作成のコツ
1 準備書面に関する規定
(1) 意  義
(2) 準備書面の記載事項
(3) 準備書面の記載方法に関する規定
(4) 提出方法
(5) 提出時期
2 準備書面の分類
(1) 準備書面の作成目的,機能別の分類
(2) 準備書面の段階別の分類
3 主張構築段階の準備書面作成のポイント
――事実に関する主張
(1) 事実主張における説得について
(2) ストーリー提示のための準備書面
(3) 互いのストーリーを攻撃し,自らへの攻撃を防御する準備書面
4 主張構築段階の準備書面作成のポイント
――法律構成・法律論に関する主張
(1) 仮定的主張について
(2) 法律論について
5 中間まとめ準備書面・最終準備書面
(1) 中間まとめ準備書面
(2) 最終準備書面
6 準備書面作成の注意点
(1) 可能な限り短くすること
(2) 主張の一貫性に注意すること
(3) 不利な事実への対処法――ぼかしたり,論点拡散したりしない
(4) 品位を保つ
(5) 提出時期について
(6) 形式面での工夫
●準備書面の(近)未来●

第景埃汰編

1公序良俗
<検 討>
,呂犬瓩
◆峺序良俗」について
K粛行為について
ぢ召亮臘ァ憤媚很鞠塾呂砲茲詭妓等)との関連
イ修梁
準備書面作成の要点
準備書面記載例

2心裡留保
<検 討>
/肝N永櫃砲弔い
金銭消費貸借契約における名義貸し
6睛撒ヾ悗紡个垢詭承疎瀝深圓寮嫻い鯣歡蠅垢訃豺腓陵弖鏤実
準備書面作成の要点
準備書面(Yの代理人として作成した場合)記載例

3登記関係訴訟(通謀虚偽表示)
<検 討>
〔泳94条の通謀虚偽表示と本事例
通謀虚偽表示が適用される事例の訴訟物と攻撃防御方法の構造
L泳94条2項類推適用の類型と各類型についての攻撃防御方法の内容と構造
準備書面作成の要点
被告準備書面記載例

4錯  誤
<検 討>
々格曚箸靴討虜誤の主張
∈誤理論について
F圧,虜誤の要件事実
ず胴格曄宗宿衆媼圓僚轍畆
ズ董更格
準備書面作成の要点
1 錯誤主張について
2 他の論点について
準備書面記載例

5黙示の意思表示
<検 討>
〔杣┐琉媚徂充┐琉婬
¬杣┐琉媚徂充┐陵論的位置づけ
主要事実説と間接事実説
訴状等作成の要点
1 どこまでが主要事実でどこからが事情であるのかのバランス
2 明示の意思表示の主張
3 事実の適切な分析の重要性
4 事実の分析の具体例
5 どの事実をどのように位置づけるのか
請求原因記載例
記載例(被告の反論)

6民法110条の表見代理
<検 討>
〔泳_正案110条の表見代理の意義
¬泳_正案110条表見代理の要件事実
「正当な理由」の意味
準備書面作成の要点
1 表見代理の効果を主張する場合
2 表見代理の効果を争う場合
3 地裁の裁判例の分析
準備書面記載例
<その他>
〆銚∨_正と代理権の消滅(民法改正案112条1項)
⊇転適用の明文化

7代理権の濫用
<検 討>
‖緲権の濫用と債権法改正
代理人の権限濫用の要件事実
準備書面作成の要点
1 「自己又は第三者の利益を図る目的」
2 「相手方がその目的を知り」
3 「知ることができた」
準備書面記載例
<その他>
/童⊆圓梁緲権濫用の法律構成について
⇒益相反行為

8所有権の時効取得
<検 討>
―衢権の時効取得の要件事実
◆崕衢の意思」
B昭臉衢から自主占有への転換
準備書面作成の要点
1 あげるべき事実の程度
2 記載の構成
被告準備書面記載例
<その他>
’愎的悪意

9動産の即時取得
<検 討>
‖┿取得の概要
即時取得における過失の主張
準備書面作成の要点
準備書面記載例

10背信的悪意者
<検 討>
ゝ範的要件としての背信性
土地明渡請求訴訟における要件事実的構造
G愎的悪意の要件事実
で愎的悪意者の類型
準備書面作成の要点
準備書面記載例

11抵当権侵害に基づく妨害排除請求
<検 討>
ヽ機 \
⇒弖鎰╋デ篷験果榲
M弖鎰じ魎慌礎夕存汁乏仮態又は優先弁済請求権行使困難性
ね弖鎰所有者が抵当不動産を適切に維持管理不能
準備書面作成の要点
準備書面記載例

12契約締結の準備段階における信義則上の注意義務違反
<検 討>
ヽ機 \
契約無効事例について
8鮠椎亡事例について
し戚麝効成立事例について
準備書面作成の要点
1 原告の請求
2 準備書面記載上の注意(X社の立場から作成する場合)
準備書面記載例

13売買目的物が契約に適合しなかった場合の売主の責任
<検 討>
,呂犬瓩
∈通撹塒行による損害賠償
債務不履行による契約の解除
で簀齋戚鵑砲ける特則
シ戚麌堙合の債務不履行主張の要点
訴状記載例

14−1 借地借家関係(土地賃貸借契約)
<検 討>
〜蹇 ]
一時使用目的
準備書面作成の要点
準備書面記載例

14−2 借地借家関係(建物賃貸借)
<検 討>
〜蹇 ]
∪掬の事由
準備書面作成の要点
準備書面記載例

15善管注意義務違反
<検 討>
ヽ機 \
∨楫錣砲ける善管注意義務違反
準備書面作成の要点
準備書面記載例

16不法行為における過失
<検 討>
,呂犬瓩
¬泳709条の要件事実
2畆困琉嫐
げ畆困陵弖鏤実
訴状等作成の要点
請求原因記載例
抗弁記載例

17使用者責任と表見代理
<検 討>
ヽ機 \
∋藩兌埓嫻
I集代理
準備書面作成の要点
準備書面記載例

18安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求
<検 討>
^汰看枸元遡
∩幣拱
請求原因のブロック
準備書面作成の要点
準備書面記載例

19消費者契約法10条
<検 討>
‐暖饉垠戚麕10条の構造
∈枷塾
A庵瞥弖錣砲弔い
じ綯瞥弖錣砲弔い
訴状等作成の要点
訴状等記載例
再抗弁(後段要件)記載例
再々抗弁記載例

20法人格否認の法理(形骸化事例)
<検 討>
)/由僻歿Г遼〕の意義
∈波従44・2・27の登場
最判昭44・2・27の評価
に/由僻歿Г遼〕(形骸化事例)の要件事実
準備書面作成の要点
準備書面記載例

21−1 経営判断の原則
<検 討>
〃弍槌獣任慮饗Г琉婬舛抜慙∈枷塾
経営判断の原則の要件事実
準備書面作成の要点
準備書面記載例

21−2 経営判断の原則
<検 討>
Case2に関する拓銀カブトデコム事件の判断
Case2に関する拓銀カブトデコム事件の判断
準備書面作成の要点
準備書面記載例

22−1 取締役の報酬・退職慰労金
<検 討>
(鷭掘β狄Π嶇金の不支給
∈波淑21・12・18
準備書面作成の要点
準備書面記載例

22−2 取締役の報酬・退職慰労金
<検 討>
Case1との違い
東京地判平25・8・5の判旨
M弖鏤実
準備書面作成の要点
準備書面記載例

23破産法上の否認権の行使
<検 討>
〇拱不能・支払停止の機能
否認権行使の要件事実
支払不能等について――支払不能等の評価根拠事実
せ拱不能・支払停止の評価障害事実について
準備書面作成の要点
準備書面記載例

事項索引
判例索引

Copyright © SEIRIN SHOIN All Rights Reserved.