青林書院



少年事件ハンドブック


少年事件ハンドブック
 
編・著者第一東京弁護士会少年法委員会 編
判 型A5判
ページ数400頁
税込価格4,104円(本体価格:3,800円)
発行年月2016年03月
ISBN978-4-417-01680-9
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■解説
こんな本が欲しかった!

●少年事件で必要となる知識とノウハウを一冊に凝縮し,正解のない問題
 も経験豊富な弁護士が対応方針を解説。
●多数の裁判例を取り上げ,25の実践書式,4つのモデルケースも掲載。
●初心者はもちろん中堅・ベテランまで活用できる一冊。
●平成26年の少年法改正,少年院法改正,少年鑑別所法制定に完全対応。


発刊によせて
 第一東京弁護士会では,法律問題・弁護士業務について調査・研究を行うべく,
各種の委員会を設置しており,多くの会員がこれらの委員会に所属し,積極的に
活動しています。これらの委員会のうち,少年法委員会は,少年法全般及び子ど
もの権利に関する諸問題について,調査・研究を行い,その成果を出版等の形で
発表しています。
 今回,少年法委員会では,これまでの少年事件に関する調査・研究,及び所属
委員が実際に担当した少年事件における多くの経験をふまえ,その成果をまとめ
ることができました。
少年事件分野では,平成26年に,国選付添人選任及び検察官関与の対象事件の範
囲拡大等を内容とする少年法改正がなされたほか,少年院法の改正及び少年鑑別
所法の制定がなされるなど,重要な法制の変更が続いています。
 本書は,少年法委員会の委員が自ら担当した事件における弁護人・付添人として
の活動をふまえ,多くの弁護士が少年事件実務において悩むと思われる事項を含
め,少年事件に役立つ必要な知識を収めています。本書は,少年事件に携わる多
くの弁護士にとって役立つものであると確信しています。
 最後になりましたが,本書の発行に尽力された少年法委員会の委員に感謝の意
を表します。
  
平成28年3月
 第一東京弁護士会
 会長 岡 正晶


本書の利用にあたって
 本書は,第一東京弁護士会少年法委員会に所属する中堅及び若手の委員が中心
となり,これまでの自分たちの弁護人・付添人としての経験をふまえつつ,「こ
んな本が欲しかった」と言われるものを目指して作成したものです。
 本書は,はじめて少年事件を担当する弁護士はもちろん,既に一定程度少年事
件の経験を持つ弁護士も読者として想定しています。 

 本書の特徴を挙げると,次のとおりです。
,呂犬瓩鴇年事件を担当する弁護士のために「第1章 少年事件入門」を設け
 ,少年事件全体をコンパクトに解説するとともに,具体的な活動のイメージ
 を持てるように,内容が異なる4つのケースを紹介しています。
第2章以降は,基本的に少年事件の手続の流れに沿って解説していますが,
 少年事件実務において必要となる知識については,やや細かいと思われる事項
 を含め,なるべく解説を加えています。
少年事件実務において注意すべき事項や悩みどころについて,答えがないとも
 思える問題を含め,【事件処理のヒント】を設け,活動の指針を示すようにしました。
ぞ年や保護者から質問されることが多い少年鑑別所内での生活と面会,保護観
 や少年院送致といった保護処分の内容について,詳しく解説しています。
ス街陲箴年法55条移送等,裁判例をふまえた活動が必要と考えられる分野につ
 いては,参考となる裁判例を複数挙げて解説しています。
少年事件を担当する上で必要と思われる25の書式を掲載しました。
平成26年の少年法改正,少年院法改正及び少年鑑別所法制定に対応しています。
┿翩の関係で十分な解説が難しい事項についても,代表的な参考文献を掲げ,
 利用者の調査に資するように配慮しています。

 少年事件を担当する弁護士はもちろん,少年法のテキストからはわからない少年
事件の実際について知りたいと考える研究者,法科大学院生等にとって,本書が
少なからぬ一助となれば,とても幸いなことです。
 
 最後に,本書の刊行にあたって,遅れがちな作業を叱咤激励してくださり,本書
の発行にご尽力いただいた青林書院の関係者の方々に感謝申し上げます。

 平成28年3月
第一東京弁護士会少年法委員会
委員長 浅田 眞弓

同書籍検討部会
部会長 飯田 豊浩



編集
第一東京弁護士会少年法委員会

執筆者  
安藤 知史       竹内 雄一
安藤 尚徳       龍岡 資晃
飯田 豊浩       田中 和人
五十嵐 裕美子     多屋 紀彦
石坂 浩        戸木 亮輔
大場 貴和子      中澤 剛
小口 五大       保坂 康介
木田 飛鳥       堀越 孝
熊谷 真由子      三崎 高治
倉持 政勝       溝上 聡美
小泉 始        守屋 美保
宅見 誠        八木 理
竹内 省吾       湧田 有紀子
(すべて弁護士)




■書籍内容
目  次
  
第1章 少年事件入門
 第1 はじめに――少年事件の特色
 第2 少年事件の手続概要
   1審判の対象となる少年
   2全件送致主義
   3観護措置
   4家庭裁判所の調査・審判
 第3 各手続段階の解説
   1家裁送致前
   2家裁送致後
   3触法少年について
 第4 各処分の具体的内容
   1不処分
   2保護観察
   3児童自立支援施設・児童養護施設送致
   4試験観察(在宅試験観察)
   5試験観察(補導委託)
   6少年院送致決定
   7検察官送致
 第5 実際の少年事件と付添人活動

第2章 弁護人・付添人の選任
 第1 はじめに
 第2 弁護人の選任
   1弁護人の意義・役割等
   2私選
   3国選
 第3 弁護人から付添人への移行
   1私選付添人として選任予定の場合
   2国選付添人として選任されることを希望する場合
 第4 付添人の選任
   1付添人の意義・役割等
   2私選
   3国選
   【事件処理のヒント】少年や保護者が選任に消極的な場合の対応

第3章 家庭裁判所送致前の活動
 第1 少年事件における捜査弁護
   1はじめに
   2接見における注意点
    【事件処理のヒント1】少年とのコミュニケーションの工夫
    【事件処理のヒント2】捜査状況を聴取するテクニック
    【事件処理のヒント3】学校への通報
    【事件処理のヒント4】処分の見通しの伝え方
   3取調べへの対応
   4少年の身体拘束とその対応
    【事件処理のヒント5】接見等禁止決定への対応
    【事件処理のヒント6】学校や職場などへの連絡
   5示談・被害弁償
 第2 家裁送致に向けた準備
   1環境調整活動への着手
   2観護措置への対応の準備
   【事件処理のヒント7】家裁送致後に移送が予想される場合の対応

第4章 家庭裁判所送致時の活動
 第1 家庭裁判所の事件受理
   1はじめに
   2事件送致の概要
   3家庭裁判所による事件受理の経路
 第2 観護措置
   1観護措置とは
   2観護措置の種類
   3観護措置の決定手続と収容期間
   4観護措置決定の執行と通知
   5観護措置中の少年と余罪
   6少年鑑別所における生活
  7不服申立制度
 第3 観護措置の回避及び観護措置決定後の身柄の解放
   1観護措置の回避
  2観護措置決定後の身柄の解放
   【事件処理のヒント】観護措置をめぐる付添人活動の指針
 第4 移送と回付
   1移送
   2回付

第5章 審判手続
 第1 少年審判の基本原理
   1少年審判の基本原理
   2審判の対象
   3審判の開始
 第2 審判期日までの付添人活動
   1付添人活動の開始
    【事件処理のヒント1】スケジューリングの重要性
   2記録の閲覧・謄写
    【事件処理のヒント2】記録内容の取扱いについて
   3少年との面会
    【事件処理のヒント3】少年や保護者から処分の見通しを尋ねられた際の対応
   4保護者との面会
    【事件処理のヒント4】調査・審判に向けた保護者への助言
   5家庭裁判所調査官との関わり
    【事件処理のヒント5】調査官の個性
   6鑑別技官との面会
   7裁判官との面会
   8被害者への対応
   9環境調整活動
  10意見及び証拠の提出
    【事件処理のヒント6】少年院送致相当の意見
    【事件処理のヒント7】証拠の提出について
 第3 審判期日における付添人活動
   1少年審判における諸原則
   2黙秘権の保障
   3予断排除の不適用
   4職権証拠調べ
   5証拠法則の適用の有無
   6審判の場所
   7審判期日の進行
   【事件処理のヒント8】期日当日の進行に関する裁判官との面会・打合せ
    【事件処理のヒント9】抗告についての説明及び抗告意思の確認
   8審判において特に留意すべき事項
 第4 特別な配慮を要する事件の類型
   1否認事件における付添人活動
   【事件処理のヒント10】否認理由の確認の重要性
   2在宅事件における付添人活動

第6章 環境調整(試験観察を含む)
 第1 環境調整総論
   1審判における処分の判断基準
   2環境調整活動における付添人の役割
   3環境調整とは
 第2 環境調整各論
   1少年自身の調整(改善更生)
    【事件処理のヒント1】脳機能障害・精神疾患・薬物依存等が疑われる場合
    【事件処理のヒント2】内省が深まりにくい場合
    (被害者の落ち度・関与がある,被害者がいない,ぐ犯など)
   2少年の環境の調整(居住地の確保・社会資源の活用)
    【事件処理のヒント3】示談交渉のポイント
    【事件処理のヒント4】示談書の作成
    【事件処理のヒント5】保護者の監護能力に問題がある場合の対応
   3在宅事件と身柄事件(環境調整活動の差異)
   4人的環境調整
 第3 試験観察
   1総論
   2在宅試験観察
    【事件処理のヒント6】試験観察中の逃亡・再非行・トラブル
   3補導委託

第7章 少年に対する処分(試験観察を除く)
 第1 家庭裁判所による処分の概要と付添人活動
  1家庭裁判所による処分の概要
   2付添人が処分について理解しておく意義
 第2 審判不開始
   1意義
   2審判不開始決定の要件
 第3 不処分
   1意義
   2不処分決定の要件
 第4 知事又は児童相談所長送致
   1通常の送致
   2強制的措置許可決定による送致
 第5 保護処分
   1保護観察
    【事件処理のヒント1】保護観察処分と付添人活動
    【事件処理のヒント2】保護観察処分少年と元付添人の活動
   2児童自立支援施設又は児童養護施設送致
 第6 少年院送致
   1意義
   2少年院送致決定の概要
   3少年院の種類
   4少年院における処遇
   5仮退院及び退院
    【事件処理のヒント3】少年院送致と付添人活動
    【事件処理のヒント4】少年院送致決定後の元付添人の活動
 第7 終局決定に伴う措置
   1保護処分の執行の概要
   2保護処分決定後の措置
   3終局決定の執行
   4終局決定の通知
   5費用に関する問題
   6押収物に関する裁判
   7事件記録の管理

第8章 抗告等
 第1 付添人が行うことのできる不服申立て
  1不服申立ての種類
   2統計
 第2 付添人による抗告
   1抗告の対象となる決定
   2抗告の理由
   3抗告申立ての準備
    【事件処理のヒント1】抗告を依頼されたとき
    【事件処理のヒント2】抗告申立書の起案
   4抗告後の手続
    【事件処理のヒント3】抗告審(高裁)への対応
   5差戻しになった場合の付添人の活動
 第3 検察官からの抗告受理申立て
   1抗告受理申立て
   2受理申立てから受理・不受理決定までの流れ
   3付添人活動
 第4 付添人による再抗告
   1再抗告の理由
   2再抗告の手続
   3再抗告審における付添人活動
   4再抗告の裁判
 第5 保護処分取消申立て(再審の申立て)
   1概要
   2取消しの対象となる保護処分
   3取消しの要件
   4取消申立ての手続

第9章 検察官送致
 第1 検察官送致とは
   1検察官送致
   【事件処理のヒント1】年齢切迫少年への対応
 第2 検察官送致と付添人活動
   1検察官送致が想定される場合の対応
    【事件処理のヒント2】少年が検察官送致を希望する場合
   2検察官送致決定後の手続
   3検察官送致後の刑事公判手続の流れと留意点
   4少年法55条移送について
   5上訴
   6少年に対する刑罰の特則

第10章 特別な配慮が必要な事件
 第1 ぐ犯事件
   1ぐ犯事件の意義と特徴
   2ぐ犯の要件
   3ぐ犯に関する通告・送致の手続
   4ぐ犯事件の審判の対象,認定に関する諸問題
   5ぐ犯少年に対する保護処分と環境調整
 第2 触法少年
   1触法少年とは
   2触法少年に関する手続
   3事件の発覚・触法少年の発見,児童相談所への通告
   4触法調査
   5一時保護
   6児童相談所による調査・措置
   7家裁送致後
   8触法事件の付添人活動
 第3 外国人少年事件
   1はじめに
   2外国人少年事件の留意事項
   3在留資格に関する留意事項
   4保護者の日本語能力に問題がある場合
 第4 少年交通事件
   1少年交通事件とは
   2交通反則事件の手続
  
巻末付録――書式集
事項索引

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