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独占禁止法の法律相談


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独占禁止法の法律相談
 
独禁法Q&A解説書の決定版
編・著者小林 覚・渡邉新矢・根岸清一・福井 琢・平田 厚・柄澤昌樹 著
判 型A5判
ページ数680頁
税込価格7,344円(本体価格:6,800円)
発行年月2016年05月
ISBN978-4-417-01684-7
在庫有り
  
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■解説
○平成27年4月施行の改正法による審判制度の廃止と,これに伴う排除措置命令・課徴金
 納付命令の取消訴訟の手続等について実践的に解説!

○流通・取引慣行ガイドライン(平27・3改正),知財ガイドライン(平28・1改正)等
 実務上重要となる主要ガイドラインを巻末に一覧整理!

○最新の裁判例・審決例の動向はもとよりTPPを含む国際的執行協力に関する解説も盛り
 込んだ内容充実の一冊!


はしがき

平成22年3月,審判制度(公正取引委員会が検察官と裁判官を兼ねるよう
なものと批判されていました。)の全面廃止等を内容とする独占禁止法の改
正案が国会に提出されました。ところが,その後政権交代もあり,改正に至
りませんでした。
平成25年12月,ようやく独占禁止法が改正され,平成27年4月から既
に施行されています。これにより,公正取引委員会の排除措置命令,課徴金
納付命令について,その取消しを求める場合は,直ちに裁判所に対する取消
訴訟を提起することができるようになりました。また,これに伴い,排除措
置命令に係る意見聴取手続の整備や訴訟手続の整備等も行われました。
これほど実務に大きな影響を及ぼすであろうと思われる改正は初めてといっ
ても過言ではないでしょう。改正法が適用される事件は,裁判所が一般の行
政処分に対する判断と同様の手続で判断を下すことになりますが,これによ
って,取消しが認められ易くなるのか,反対に認められにくくなるのかにつ
いては,今後の判決の動向を見守る必要があります。
他方,前回の平成21年改正以後の主な流れとしては,_歡Ф盡彩叛度の
定着,課徴金金額の高額化,F本企業が関与する国際カルテル事件の増
加等があります。
,砲弔い討蓮げ歡Ф盡彩反柔舛侶鐃瑤平成23年度の143件をピークに
常に毎年50件以上を数えており,同制度は今やすっかり定着し,事業者側
代理人の実務としても,重視すべきものとなっています。
△砲弔い討蓮げ歡Ф發料躋曚蓮な神22年度の720億8000万円をピ
ークに近年最も少なかった平成26年度においても171億4000万円(
1事業者当たり1億3392万円)と高額になっています。
については,液晶パネル,テレビ用ブラウン管,ワイヤーハーネス,自動
車部品等で毎年といっても良いほどに国際的カルテル事件として,日本企業
が摘発され,それらに関連した罰金や反則金も国内事件とは桁違いの金額を
課されています。
このように,以前にも増して,独占禁止法の重要性は増しており,企業にと
っては,コンプライアンスの観点からも目が離せない分野となっています。
私たちは,第二東京弁護士会経済法研究会のメンバーとして,長年にわたり
独占禁止法その他の経済法の実務に関与し,共に研究してきました。その経
験に基づき,実務上の問題点をできる限り分かり易く解説することを目指し
て本書を執筆しました。具体的には,キーワード,手続,ケース・スタディ
の3部構成とし,具体的な設問毎に解説しました。初学者の方から実務家の
方まで,本書が広くお役に立つことを執筆者一同願っています。
的確なアドバイスと暖かい励ましとともに最後まで見守って頂いた青林書院
編集部の高橋広範氏にこの場をお借りして心より感謝の意を表します。

平成28(2016)年5月
執筆者一同


著者紹介
小林  覚:弁護士 小林覚法律事務所
渡邉 新矢:弁護士 外国法共同事業ジョーンズ・デイ法律事務所
根岸 清一:弁護士 弁護士法人霞門法律事務所
福井  琢:弁護士 柏木総合法律事務所,慶應義塾大学大学院法務研究科教授
平田  厚:明治大学法科大学院教授,弁護士
柄澤 昌樹:弁護士 柄澤法律事務所




■書籍内容
第吃 独占禁止法のキーワード

Q1平成25年改正法のポイント――審判制度の廃止
 平成25年に審判制度の廃止を内容とする独占禁止法の改正法が成立したと聞きました
 が,具体的にはどのような内容なのでしょうか。また,改正法はいつから施行された
 のでしょうか。

Q2独占禁止法とは
  独占禁止法の沿革と改正の経緯は,どのようなものですか。関連する法律には,
どのようなものがありますか。
  独占禁止法の構造はどのようなものですか。違反するとどうなるのでしょうか。

Q3事業者・事業者団体
 独占禁止法の適用対象となる事業者とは,どのようなものを含みますか。
 また事業者団体とはどのようなものですか。

Q4競争の実質的な制限
 独占禁止法における「競争の実質的な制限」とは,どういう意味ですか。

Q5公正競争阻害性
 独占禁止法における「公正競争阻害性」とは,どういう意味ですか。

Q6一定の取引分野
 独占禁止法でいう「一定の取引分野」又は「市場」とは何ですか。

Q7ガイドライン
 ガイドラインは何のために作成・公表されているのですか。
 ガイドラインに違反するとどのような制裁があるのですか。

Q8流通・取引慣行ガイドラインの見直し
 流通・取引慣行ガイドラインの見直しが行われたようですが,
 どのような内容になったのですか。

Q9私的独占の禁止
 どのような場合に私的独占の禁止に該当するのですか。
 また過去に私的独占に当たるとされた事例はどのようなものですか。

Q10不当な取引制限の禁止(カルテル,談合)
  不当な取引制限の禁止に該当するのはどのような行為ですか。
  また,カルテルにはどのような種類がありますか。

Q11不公正な取引方法の禁止
  不公正な取引方法の規制とはどのようなものですか。
  また,どのような行為が不公正な取引方法であるとされるのですか。

Q12知的財産権と独占禁止法
  知的財産権と独占禁止法とはどのような関係にあるのでしょうか。
  不正競争防止法と独占禁止法とはどのような関係にあるのでしょうか。

Q13企業結合の規制―株式保有等
  他の会社の株式を保有することについて,独占禁止法上どのような制限があり
  ますか。また,以前に持株会社について一定の制限があると聞いたことがあり
  ますが,今はどうなっていますか。

Q14企業結合の規制―株式保有等以外
  役員の兼任,合併,会社分割,株式移転,事業譲受けあるいは合弁事業といった
  企業結合については,独占禁止法上どのような規制があるのですか。

Q15適用除外制度(消費税転嫁等を含む)
  独占禁止法が定める適用除外制度には,どのようなものがありますか。
  他の法律により適用除外とされているものには,どのようなものがありますか。

Q16国際契約・域外適用・国際的執行協力
  国際的契約について独占禁止法はどのような規制をしているのですか。
  また,外国企業に対して独占禁止法は適用されるのですか。
  独占禁止法の執行について,国際的な協力はどうなっていますか。


第局 独占禁止法の手続
Q17公正取引委員会の手続―組織と権限
  「公正取引委員会が〇〇社に立入検査」という新聞記事をよく見かけますが,
  公正取引委員会とはどのような組織なのでしょうか。
  また,独占禁止法について公正取引委員会はどのような権限を持っているのでしょう
  か。

Q18公正取引委員会の手続―審査手続
  公正取引委員会が行う「審査」というのは何でしょうか。
  また「排除措置命令」「警告」「注意」というのはどういうものなのでしょうか。
  平成26年12月に「独占禁止法審査手続についての懇談会報告書」という報告書が
  公表されたようですが,どのような内容なのでしょうか。

Q19公正取引委員会の手続―意見聴取手続
  排除措置命令・課徴金納付命令の事前手続については,平成27年4月から「意見聴
  取手続」という新しい制度が導入されたと聞きました。「意見聴取手続」とはどのよ
  うなものでしょうか。

Q20公正取引委員会の手続―犯則調査・刑事告発・刑事罰
  独占禁止法に違反した場合,刑事処分を受ける可能性はあるのでしょうか。
  平成17年の独占禁止法改正により犯則調査権限が導入されたとのことですが,
  どのような内容ですか。

Q21公正取引委員会の手続―課徴金制度の概要
 「公取委,〇〇社に〇〇円の課徴金納付命令」という新聞記事をよく見かけますが
 「課徴金とは何でしょうか。どのような場合に課徴金を取られるのでしょうか。

Q22公正取引委員会の手続―不当な取引制限に係る課徴金
 「不当な取引制限」に係る課徴金は,平成17年・平成21年の独占禁止法改正で制度が
  見直されたと聞きましたが,どのような点が見直されたのでしょうか。
  そもそも「不当な取引制限」に係る課徴金はどのような内容になっているのでしょう
  か。

Q23公正取引委員会の手続―課徴金の減免制度
  平成17年の独占禁止法改正により課徴金の減免(リーニエンシー・leniency)制度が
  創設され,平成21年の独占禁止法改正により課徴金の減免制度の拡充が行われたとい
  うことですが,それぞれどのような内容ですか。

Q24公正取引委員会の手続―私的独占に係る課徴金
  平成17年・平成21年の独占禁止法改正で「私的独占」も課徴金の対象とされるように
  なったと聞きましたが,どのような内容になっているのでしょうか。

Q25公正取引委員会の手続―不公正な取引方法に係る課徴金
  平成21年の独占禁止法改正で「不公正な取引方法」も課徴金の対象とされるように
  なったと聞きましたが,どのような内容になっているのでしょうか。

Q26排除措置命令の取消訴訟
  平成25年改正後の現行法は,審判制度を廃止しましたが,
  排除措置命令・課徴金納付命令に不服がある場合,どのような手続をとればよいので
  しょうか。

Q27行政指導と独占禁止法
  当社は,監督官庁から行政指導を受けましたが,その内容はどう考えても独占禁止法
  に抵触するように思われます。どうしたらよいでしょうか。

Q28立入検査・犯則調査への対応
  同業他社が公正取引委員会の立入検査を受けたと聞きました。立入検査とはどうい
  うものですか。万が一,当社にも立入検査があったときは,どのようなことに
  注意して対応したらよいのでしょうか。
  また,犯則調査による臨検・捜索・差押えというのもあるようですが,この場合に
  はどのように対応したらよいのでしょうか。

Q29違反事件の申告方法
  当社の取扱い商品についてメーカーから販売価格の指示がありました。
  当社は,この指示に従わず自由に価格を設定したところ,メーカーから
  商品の供給を停止されました。
  メーカーのこの行為は,独占禁止法に違反するものと思われますので,
  公正取引委員会にやめさせてほしいのですが,どのようにしたらよいですか。

Q30民事的救済―損害賠償請求訴訟
  独占禁止法25条は,損害賠償について定めているとのことですが,
  民法等に基づく損害賠償と何が異なるのですか。

Q31民事的救済―株主代表訴訟
  会社が独占禁止法に違反し,課徴金の納付を命じられた場合には,
  会社の取締役は,株主から代表訴訟を提起され,損害賠償を命じられることはありま
  すか。

Q32民事的救済―私法上の効力と差止め
当社は,A社と契約を締結しましたが,後日検討したところ,
   独占禁止法の不公正な取引方法の禁止に違反する条項が規定されていました。
   この場合には,その契約は当然に無効なのでしょうか。当社がそれを理由に
   履行しないこともできますか。
取引先が独占禁止法に違反している場合には,損害賠償請求のほかに
   違反行為の差止めを請求することもできますか。

第敬 独占禁止法のケース・スタディ

Q33長期の購入義務を課す売買契約
  当社(A社)は,乙製品の原料である甲製品を製造・販売しています。
  乙製品を製造するためには,甲製品は不可欠であり,他の原料に代替することはでき
  ません。
  一方,甲製品は乙製品の原料以外に用途はなく,また輸送費がかかるため,
  海外からの輸入品はありません。甲製品の製造業者は,当社(国内販売シェア60%で
  第1位)のほか3社(2位22%,3位10%,4位8%)あり,その品質には大差がないた
  め,乙製品の製造業者(国内8社)は,いずれも甲製品を複数の製造業者から購入して
  います。半年ほど前から,乙製品の需要が急激に伸び,今後も長期的に好調な販売が
  予想されることから,乙製品の製造業者であるB社ほか数社は,原料である甲製品を確
  保するため,相次いで,当社に対して,甲製品の購入量の大幅な増加(合計で現在の
  約2倍)を求めてきました。当社には,現在,甲製品の製造余力はほとんどありません
  ので,これらの需要に応ずるためには,約100億円を投資して,新たなプラントを建設
  する必要があります。そこで,B社らに対して,新規プラント操業開始後3年間の継続
  的甲製品購入契約の締結を求め,その中に,ア)甲製品の3年間の製品売買単価,イ)
  毎月の最低購入義務数量を盛り込みたいと考えていますが,独占禁止法上問題がある
  でしょうか。

Q34価格カルテル
  当社が製造販売しているX製品は,購入先企業の力が強く,なかなか値上げに応じても
  らえません。そこで,当社の営業担当者は数年前より,国内の同業者A〜D社の営業担
  当者らと3か月に1回の割合で会合を持ち,四半期ごとのX製品の値上げ率についての情
  報を交換し,その結果に基づいて購入先企業と値上げ交渉を行っています。
  このような行為はカルテルとして規制されるのでしょうか。

Q35入札談合と制裁
  当社を含むメーカー5社は,10年程前,特定の電子機器の入札で,今後の入札はA社の
  指示に従うという内容の申し合わせを口頭で行い,それ以降,入札が実施されるたび
  ごとにA社のファックスによる指示を守って入札しています。実際の入札に参加するの
  は,各社の窓口商社なのですが,このような行為は独占禁止法上どのような判断を受
  けるのでしょうか。

Q36業務提携(非ハードコアカルテル)
  日本国内において,X製品(汎用品でA級グレードとB級グレードの2種類がある)を
  製造・販売している化学会社は7社ですが,各社の製品の品質には大差がなく,
  ユーザーはいずれも複数のメーカーから購入しています。各社の国内販売シェアは,
  1位A社26%,2位B社22%,3位C社20%,4位D社14%,5位E社8%,6位F社6%,7位G社
  4%です。当社(B社)は,下記のような業務提携を検討中ですが,独禁法上問題はな
  いでしょうか。
⑴ B社は広島県のコンビナート内に,C社は茨城県のコンビナート内に,
  それぞれX製品の製造工場を有していますが,輸送コストを減らすため,
  静岡県以東のB社の顧客に対してはC社の製品を出荷してもらい,反対に,
  愛知県以西のC社の顧客に対してはB社の製品を出荷し,半年締めで,
  両社の委託出荷量の差を清算すること。
⑵ 事業の選択と集中のため,A級グレードについては,C社は生産をやめ,
  B社に生産を委託し,C社ブランドで販売する,反対に,B級グレードについては,
  B社は生産をやめ,C社に生産を委託し,B社ブランドで販売すること
  (B社はA級グレードについては引き続きB社ブランドでの販売も継続し,
  C社はB級グレードについては引き続きC社ブランドでの販売も継続する)。

Q37合 併
  当社は,国際競争に打ち勝つため,A社と合併したいと考えているのですが,
  独占禁止法上どのような点を考慮しなければなりませんか。

Q38合弁会社(共同出資会社)
  当社とA社は,X製品の製造・販売会社ですが,日本国内では,競争会社7社中当社が4
  位(シェア約14%),A社が5位(シェア約8%)です。今般両社は上位のメーカー
  (1位約26%,2位約22%,3位約20%)に対抗するため,両社が出資して別会社(B
  社)を設立し,両社のX製品の製造部門を譲渡しようと考えています。このような計画
  は独占禁止法上認められるでしょうか。なお,6位のメーカーと7位のメーカーの国内
  シェアは,それぞれ約6%と約4%です。

Q39事業者団体―価格制限行為・情報活動
A組合は,甲製品の事業協同組合ですが,その地域の甲製品の市況回復を図るため
  に,臨時総会で共同受注事業として,あらかじめ甲製品の需用者ごとに見積価格を
  提示して契約すべき者として組合員の1社を割り当て,その販売価格を入札の予定
  価格概算のために公表されている価格からの値引き率10%以内と定めました。
  そのうえで,運営委員会で需用者ごとに契約予定者として割り当てる組合員を記載
  した一覧表を定めました。なお,A組合の構成員が扱う甲製品の販売金額がその地
  域の甲製品の販売金額のほとんどを占めています。A組合の行為は,独占禁止法に
  違反しますか。
石油製品の販売事業者の団体であるB組合は,会議において各事業者が取り扱って
  いる乙製品の仕入価格の上昇の見通しについて情報交換をしたり,その小売価格の
  引上げについて検討しました。そのうえで,組合員の乙製品の小売価格の引上げの
  目処となる価格を決定しました。これらの行為は独占禁止法上の問題となります
  か。

Q40事業者団体―参入規制・自主規制
甲協会は,A県内に営業所を有するバス事業者の団体で,県内の主要駅の駅前にa市
  が設置したバスターミナルの管理運営をa市から委託され,その維持費用は利用者
  から徴収した料金と甲協会の会員が支払った会費によりまかなわれています。
  今回,次の事項を検討していますが,独占禁止法上問題はないでしょうか。
  ア バスターミナルの利用者を甲協会の会員に限定し,県内に営業所を持たないバス
  事業者には利用させないようにすること。
  イ バスターミナルの利用者は限定しないが,利用料金については,会員の価格よ
  りも非会員の価格を高く設定すること。
乙組合は,エアソフトガン(遊戯銃)の製造事業者やエアソフトガンを扱う問屋等
  で構成されています。
  ア 乙組合は,エアソフトガンの威力と弾丸の重量に関する安全規格に関する規約
  を作成し,組合員に対し,その基準に合格したエアソフトガンには乙組合が交付し
  たシールを貼ることを義務づけ,かつ,シールを貼っていないエアソフトガンを取
  り扱わないことを申し合わせています。乙組合のこのよう行為は,独占禁止法に違
  反しますか。
  イ それらの基準が厳格に守られていないにもかかわらず,乙組合は,非組合員で
  あるB社の製品には組合の定めたシールが貼られていないとして,全国の問屋に対
  しB社の製品の使用・販売の中止を申し入れたり,B社の製品を取り扱っている小売
  店に対しては,問屋を通じて組合のシールが貼られていない製品を取り扱わないよ
  うに,もし取り扱えばシールが貼られた製品を出荷しないと通知しました。
  このような行為は,独占禁止法に違反しますか。

Q41取引拒絶
当社は,系列外ルートでの商品販売を一切禁止していますが,系列外のA社がその商品
を販売しはじめています。そこで当社はA社に商品を販売しないように系列会社に指示
しています。A社が系列内のB社に商品を注文したところ,B社が販売を拒絶したとし
て,A社は,当社とB社を独占禁止法違反で訴えると騒いでいます。当社はB社に対し,
A社へ商品を販売しないこととする指示を破棄しなければならないのでしょうか。

Q42差別対価
当社は,首都圏でLPガスを一般家庭に販売していますが,今回新規の顧客に対して
は,従前の価格よりも4割程度安く販売することを計画したところ,同じ首都圏でLPガ
スを販売する当社より小規模な事業者数十社から,不当な差別対価による販売だか
ら,そのような販売や宣伝を即時中止せよと申入れを受けました。当社の販売シェア
は数パーセントですし,安いといっても原価割れをしているわけでもありません。
当社の販売行為は,本当に独占禁止法上の問題となるのでしょうか。
  なお,当社は,これまで,不当な差別対価であるとして公正取引委員会から問題とさ
れたことはありません。

Q43差別的取扱い
当社は販売店を系列化し,仕入高の多寡によってリベートを支払っています。
系列外取引を行うと,当社の支払うリベートの割合は非常に低くなりますので,事実
上系列外取引をすることができなくなったA社が独占禁止法違反を理由として裁判を起
こしてきました。このようなリベートは独占禁止法上問題になるのでしょうか。

Q44不当廉売
当社は宅配便業者です。A社は一般郵便事業を独占している会社ですが,
  当社と競争関係に立つ一般小包郵便について,非常に安い新料金体系でサービスを開
始しました。消費者にとっては,このような競争は利益になるのかもしれませんが,
当社にとっては大きな打撃となっています。このような行為は独禁法上問題にならな
いのでしょうか。また,当社がより低価格で対抗して顧客を取り返そうとした場合に
も独占禁止法上問題となるのでしょうか。

Q45顧客誘引
当社は,有価証券の取引により損失を被った大口顧客からその損失を穴埋めしてく
れなければ当社との取引をやめると言われています。当社としては,この要求に応
じても,今後の取引継続により利益を上げることができるので,損害は生じませ
ん。このような行為が金融商品取引法に違反することはわかりますが,独占禁止法
上も問題になるのですか。
ぎまん的顧客誘引とはどのようなものですか。

Q46抱き合わせ販売等
当社のX商品は,非常に売れ行きがよいのですが,Y商品は,さっぱり売れません。
   そこで,X商品とY商品をセットにして販売しようと思います。何か問題はあります
   か。
中小企業である当社は,大企業のA社にX商品を販売してきました。最近,A社で
   は,Y商品を発売しましたが,未だ知名度が低くあまり売れていないようです。
   すると,A社の購買担当者が当社の営業担当者を呼びつけY商品の購入を勧めまし
   た。当社の営業担当者がY商品は要らないと答えたところ,「うちはお宅のX商品を
   大量に買っているんだから,Y商品を買ってくれて当然ではないか。」と強く言わ
   れ,当社は,Y商品をむりやり買わされました。こういう行為は許されるのでしょ
   うか。

Q47排他条件付取引――専売店制
当社は機械の製造をしている業界第1位のメーカーです。当社は,販売店に特約店契約
を締結させて他社商品を販売しないようにさせています。
  しかし,不景気なので特約店のA社が他社商品の取扱いを開始しました。
当社としては,A社が他社商品を取り扱った以上,特約店契約を解除しなければ他の販
売店に対し示しがつかないと思っていますが,独占禁止法上問題となるのでしょう
か。

Q48再販売価格の拘束―流通経路調査
当社は,個々の商品ごとに流通経路を明らかにさせる表示が付されたA社の商品を販売
しています。これは再販売価格を維持する目的ではなく,商品の卸売業者の販売価格
及び販売先を確認するアフターサービスの必要性のためであると説明を受けていま
す。このような販売方法を行っていると,当社まで独占禁止法違反とされてしまう危
険はないのでしょうか。

Q49再販売価格の拘束―委託販売
メーカーであるA社は販売価格を決め,当社に商品の販売を委託しています。
  契約書では,委託期間を終了した場合の返品は認めているものの,
  委託期間内の損傷については過失の有無を問わず当社に責任を負わせています。
  当社がA社に契約書の見直しを交渉したところ,委託販売であればこのような条項は違
  法にはならないと主張して,一切取り合ってくれません。本当に違法とはならないの
  でしょうか。

Q50拘束条件付取引―一店一帳合制(帳合取引)の義務づけ,仲間取引の禁止,
競争品の取扱い制限
⑴ A社は当社に商品を販売する際に,当社の販売先である小売業者を指定し,
   それ以外の小売業者には販売してはならないと定めています。
   さらに,当社の同業者へも販売してはならないと定めています。
⑵ A社は,最近業界での販売シェアが10%を超え,当社に対し,
   A社製品のみを取り扱うよう申し入れてきました。
   同時にA社製品の販売量を最低月額1億円を下回らないように申し入れてきました。
   この申入れに対して,当社が拒絶した場合,何らかの制裁を行うことまで言及して
   きています。A社のこのような制限は,独占禁止法上許されるのでしょうか。

Q51拘束条件付取引―販売地域制限,販売方法制限
⑴ A社は専門特約店と準特約店の区別を設け,専門特約店には販売地域を定めて,
   販売地域外での販売を禁止しています。A社は当社に対してこの販売地域を守らな
   ければ,特約店契約を解除するといっていますが,独占禁止法上このような制限は
   許されるのでしょうか。
⑵ また,A社は,当社が出したA社の希望小売価格よりも低い価格を設定した安売り広
   告について,この広告を取りやめなければ,特約店契約を解除するといっています
   が,独占禁止法上このような制限は許されるのでしょうか。

Q52優越的地位の濫用―押し付け販売・協賛金の強要
当社は業界のリーダーである販売業者A社からA社の主催するイベントの入場券を買わ
  されたり,協賛金を支払わされたりしています。最近では販売員の派遣まで義務づけ
  られています。独占禁止法上このような行為は許されるのでしょうか。

Q53優越的地位の濫用―セブン - イレブン・ジャパン事件
当社は,コンビニエンスストアを営むフランチャイズ事業者であり,業界第1位の地位
  にあります。当社が,加盟店に提供する商品のうち,デイリー商品(主に食品等の品
  質が劣化しやすい商品で,原則として毎日店舗に提供されるもの)については,当社
  の決定する推奨価格を守るとともに,メーカー等が定める消費期限又は賞味期限より
  前に,当社が独自の基準で販売期限を定めており,この期限を過ぎたデイリー商品は
  すべて破棄するように加盟店には指導しています。また,当社が加盟店から徴求する
  ロイヤリテイーの額は,加盟店の売上額から商品原価相当額を差し引いた額に一定の
  率を乗じて算定しています。そのため,この破棄商品については,ロイヤリティーの
  額を特に減額する等の措置をとっていません。ところが,加盟店の中には,破棄すべ
  き商品を見切り商品として,割引販売する店が出始めたので,これを禁止しようと思
  いますが,独占禁止法上許されるのでしょうか。

Q54取引妨害
当社は,先代からの競争相手であるA社から商品を購入した業者に対しては,
  当社の商品を供給しないことを決め,業者はすべての商品を当社もしくはA社からしか
  購入せざるを得なくなっています。このような当社の方針は独占禁止法上問題となる
  のでしょうか。

Q55リベート
リベートを提供することは,独占禁止法に違反するのですか。
リベートを提供する場合に注意すべきことは何ですか。

Q56総代理店
当社と米国A社は,同種商品を取り扱っていますが,A社のX製品について当社を輸入総
  代理店とする契約を締結しました。この契約には,以下のような条項が定められてい
  ます。このような条項は,独占禁止法上の問題が生じますか。
⒜ 当社からX製品を購入し,販売する業者に,それぞれ販売地域を割り当て,
   割り当てられた地域以外の顧客にはX製品を販売してはならない旨を定めた契約を
   その販売業者と締結すること。
⒝ 総代理店契約期間中及び契約終了後2年間は,X製品と競合する製品を当社は取り扱
  わないこと。

Q57並行輸入の妨害
当社は海外メーカーと有名商品につき輸入総代理店契約を締結していますが,
A社がその商品を第三国経由で並行輸入し,安い価格での販売を開始しました。
   当社としては,海外メーカーを通じて並行輸入をストップさせたいのですが,
   何か問題になるでしょうか。
次に,当社としては並行輸入品を購入した顧客からの修理の依頼は断っています
  が,この方針は問題になるでしょうか。部品在庫の数量に限界がある関係で,
   これに応じると当社の販売した商品の修理に支障をきたすと考えられる場合にも
   断ることができないのでしょうか。

Q58フランチャイズ契約
A社はある高級な有名商品についてフランチャイズ・システムを構築しています。
  当社はA社とフランチャイズ契約を締結しましたが,このたび突然,
  当社が扱っている他の商品がブランド・イメージを害するという理由で,
  商品の供給を拒絶されたうえ,フランチャイズ契約を解除するとの通告を受けまし
  た。一方的にこのようなことが許されるのでしょうか。


Q59継続的取引の打切り
当社は,A社に対して,継続的に商品を販売していますが,A社との取引を打ち切り,
  B社と新たに取引をしようと考えています。継続的取引の打切りが独占禁止法上問題と
  なるのは,どのような場合ですか。

Q60特許・ノウハウライセンス―販売価格・地域・競争品取扱いの制限
当社は,A社(米国法人)に対して,当社が米国で取得した特許の通常実施権を許諾し
  ようと考えています。日本においては,当社は当該特許権を有していませんが,
  特許対象製品のシェアをほぼ独占しています。
  A社に対して次のような制限を課すことは独占禁止法に抵触しないでしょうか。
特許対象製品の日本向輸出の最低価格を設定すること。
特許対象製品について,台湾,韓国など当社が特許権を有していない地域や国に対
  して輸出することを制限すること。
特許対象製品の競争品の製造・販売を制限すること。

Q61特許・ノウハウライセンス―特許権消滅後の実施制限,ライセンス料の請求
2000年,当社はA社より,A社が米国及び日本において有する特許権のライセンスを
15年間の約定で受けましたが,2008年にこれらの特許権が消滅しました。
  当社は特許権の消滅を理由にライセンス料の支払を拒絶しましたが,A社は強硬にライ
センス料の支払を請求しており,支払がない限り,当該技術の実施は認めないと主張
しています。このような要求は独占禁止法違反ではないのでしょうか。

Q62特許・ノウハウライセンス―原材料の購入先の制限・ライセンス期間終了後の制限
X国では,Y製品の輸入が禁止されているため,当社は,X国のA社に,Y製品の製造ノウ
ハウを供与しようと計画しています。ノウハウライセンス契約の中に,次のような条
項を盛り込むことは,独占禁止法上問題ないでしょうか。
Y製品の原料について,当社から購入することを義務づけること。
10年間のライセンス期間終了後も,Y製品の日本への輸出を禁止すること。
同じくライセンス期間終了後,Y製品の競争品の取扱いを制限すること。

Q63特許・ノウハウライセンス―不争条項
当社は,A社に対して,ある製品の製法に関する複数の特許権を一括して実施許諾しよ
うと計画していますが,その際「登録済みの特許について無効審判の申立てその他当
該特許の有効性を争ってはならない。」との契約条項を含むライセンス契約を締結し
ても,独占禁止法上問題ありませんか。「ライセンシーが無効審判を申し立てた場合
その他特許の有効性を争った場合には,当社は,ライセンス契約を解除することがで
きる。」という条項はどうでしょうか。

Q64特許・ノウハウライセンス―クロスライセンス・パテントプール
当社は,ライバル会社3社と,ある製品の製法に関して各社が有する特許権をライセン
スし合うことを計画しています。4社で契約を結ぶ際,次のような取決めをしても,
  独占禁止法上問題ありませんか。
当該製品については,各社がそれぞれ従来の取引先を尊重し,
   他社の取引先に対しては販売しないこと。
4社以外の第三者に対象特許をライセンスしないこと。

Q65商標ライセンス
当社は,Xというブランドを有しており,これをアパレルメーカー等に対して,
  衣類等に商標として使用することを許諾しています。その際,ライセンシーに対し
て,次のような制限を課したり,要求したりすることは許されるでしょうか。
商標を付した商品の販売を,百貨店や専門店に限定すること。
ブランドの認知度や,イメージ向上のための広告を行うに際し,
   その広告費の一部の負担を求めること。

Q66共同研究開発―基本的な考え方と共同研究開発の実施
[設問1] 当社が製造しているX製品と同種の製品を製造しているA社とX製品の新製品
を開発するために共同研究開発をすることになりました。当社とA社とは,
      この製品市場において合計20%を超えるシェアを持っています。
      このような共同研究開発は,独占禁止法上何か問題があるのでしょうか。
      また,この共同研究開発計画とは別に,X製品及びそれと同種の製品の規格
      を統一するため,この製品市場において主要な6〜7社が集まりその規格を共
      同で開発する計画もあります。この場合,独占禁止法上何か問題があります
      か。
[設問2] 当社は,X製品の基礎技術について,A社及びB社と共同研究開発をすること
      になりました。現在,3社間の共同研究開発契約案を作成していますが,こ
      の契約において,⒜守秘義務,⒝共同研究開発テーマと同一又は極めて密接
      なテーマの研究開発の禁止,⒞研究開発の成果である特許権を共有とし,当
      事者は自由にこの技術を使用できること,⒟当事者はこの技術を第三者へ合
      理的な条件で許諾できること,⒠その許諾の利益を参加者へ均等に分配する
      ことを定めたいと思っています。なお,当社,A社及びB社のX製品市場にお
      けるシェアの合計は,60%以上です。このような共同研究開発及び契約は,
      独占禁止法上,何か問題がありますか。

Q67共同研究開発―共同研究開発した技術と製品
[設問1] 当社は,X製品の製造・販売を行っていますが,このたび,同様にX製品を
      製造するA社(販売は行っていません)と同製品の新製品を共同して開発す
      ることにしました。この共同研究開発契約の中に以下のような取決めを定め
      ることにしましたが,独占禁止法上,何か問題がありますか。なお,当社の
      X製品市場でのシェアは,20%を少し超えています。また,X製品市場には多
      数の競争会社が存在しています。
    ⒜ 共同で開発した新製品を当社とA社とがそれぞれのブランドで販売し,
        販売地域をお互いに分けること。
     ⒝ 一方当事会社は,共同して開発した技術を第三者へ実施許諾する場合に
        は,他方当事会社の承諾を得ること。
     ⒞ 共同研究開発した技術について一方当事会社が改良技術を考案したとき
        は,無償で他方当事会社へ開示すること。
[設問2] 当社がX製品の部品を製造し,X製品の完成品メーカーであるA社と部品の共
      同研究開発を行うことになった場合,この共同研究開発契約中に以下のよう
      な取決めを定めることにすると,独占禁止法上,何か問題がありますか。
なお,当社及びA社ともそれぞれの市場において有力なメーカーです。
    ⒟ 開発した部品の原材料購入先をA社の子会社である原材料メーカーだけと
        すること。
    ⒠ 開発した部品の販売先を協議して決めること。
    ⒡ 開発した部品の販売価格を協議して決めること。

Q68標準規格とパテントプール
当社は,情報通信機器Xを製造していますが,他の会社が製造する情報通信機器との
  データの通信速度を速めるための規格αを策定することを計画しました。
  当社は,この規格に関する必須特許のいくつかを保有していますが,やはり情報通信
  機器製造会社であるA,B,C,D各社もその規格に関する必須特許を保有しています。
  そこで当社は,A,B,C,D各社とパテントプールを形成し,規格αを策定しました。
  現在,この規格αを採用している情報通信機器は,この種の情報通信機器の約80%を
  占めています。当社及びA,B,C,D各社は,各社の保有する必須特許をパテントプー
  ルを通じて,規格αを採用している情報通信機器製造会社へライセンスしています。
最近,情報通信機器製造会社E社は,規格αと互換性のある規格βを開発しました。
しかし,この規格βを採用するためには,A社の保有する規格αに関する必須特許
  を実施せざるを得ません。そこでE社は,A社に対し,この必須特許についてライセン
スを許諾してもらうよう申し入れています。
ところで規格αに関するパテントプールの規約には,各社が保有する必須特許は,
  このパテントプールからのみ許諾するとの規定があり,A社はその必須特許をE社へ許
  諾してよいか否かを,当社,B,C,D各社へ相談してきました。当社はじめ他の3社は
  この許諾に反対しましたので,結局,A社は,E社に対してその必須特許についてライ
  センスの許諾をしませんでした。当社が,A社のライセンス許諾に反対したことは,
独占禁止法上何か問題となるのでしょうか。

巻末付録――主要ガイドラインの概要
事業者団体ガイドラインの概要
排除型私的独占ガイドラインの概要
流通・取引慣行ガイドライン(第1部)(事業者間取引の継続性・排他性ガイドライン)の概要
流通・取引慣行ガイドライン(第2部)(流通分野取引ガイドライン)の概要
流通・取引慣行ガイドライン(第3部)(総代理店ガイドライン)の概要
優越的地位の濫用に関するガイドラインの概要
共同研究開発ガイドラインの概要
企業結合ガイドラインの概要(審査の対象)
大規模小売業ガイドラインの概要
知財ガイドライン(私的独占及び不当な取引制限の観点からの考え方)の概要
知財ガイドライン(不公正な取引方法の観点からの考え方)の概要
入札ガイドラインの概要
キーワード索引
判審決例索引

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