青林書院



不動産関係訴訟


最新裁判実務大系


不動産関係訴訟
 
編・著者滝澤 孝臣 編著
判 型A5判
ページ数652頁
税込価格7,452円(本体価格:6,900円)
発行年月2016年11月
ISBN978-4-417-01699-1
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■解説
最新・裁判実務シリーズ第4弾!

不動産関係訴訟において,実務的に問題となる論点を網羅し,裁判官が系統立てて分析・考察!!
●民事訴訟の基本的分野の不動産訴訟のうち,登記を除く訴訟の基本的な論点【確認請求訴訟,引渡・明渡請求訴訟,相隣関係訴訟,境界関係訴訟】について,旧来的なものから現在に至るまで,最新の裁判実務を踏まえてわかりやすく解説!!
●裁判実務の解釈・運用上の問題点を,紛争事例を通して,裁判実務の観点から分析・考察し,具体的な解決指針を実践的に提供!!


はしがき―序章を兼ねて
 本書は,青林書院から「最新裁判実務大系」と題してシリーズ化されて刊行さ
れている訴訟の一つである「不動産訴訟」のうち,「不動産関係訴訟」について
考察する1冊である。不動産訴訟といい,不動産関係訴訟といい,いずれも概念が
はっきりしているようで,はっきりしていないが,本書では,不動産を対象とする
民事訴訟を「不動産訴訟」といい,そのような不動産訴訟のなかでも,不動産登記
に関係する訴訟を「不動産登記訴訟」といい,不動産登記訴訟を除いた不動産訴訟
を「不動産関係訴訟」ということにしている。
 なお,不動産登記訴訟については,本シリーズで,別の1冊として考察している
が,編者を共通にするため,この序章を兼ねた「はしがき」が別の1冊と基調を同
じくしていることをあらかじめお断りしておきたい。
 さて,この最新裁判実務大系は,青林書院がこれまでに刊行してきた「裁判実務
大系」を第1弾,「新・裁判実務大系」を第2弾とすれば,その第3弾ということに
なるが,そのような本書の編集を引き受けるに当たって編者が留意したのは,以下の
点である。
 第1に,最新「裁判実務」大系という以上,裁判実務を考察し得る1冊でなければ
ならないという点であるが,この点は,編者が在官中に一緒に仕事をするなどして知
り合った裁判官であれば,誰でも執筆を依頼するのに適任であったため,編者として
特に苦労するところはなかった。執筆者のうちには,あるいは,編者が割り当てた分
野とは別の分野のほうがさらにその考察に熱が入ったという執筆者もいないわけでは
ないように窺われるが,実際に執筆していただいた分野でも,充分にすぎる考察がさ
れている。編者として,その人選には少なからず自負をもっている。
 第2に,最新裁判実務「大系」という以上,本書に即していえば,不動産関係訴訟
について,同訴訟において実務的に問題となる論点を「系統」立てて考察し得るもの
でなくてはならないという点である。編者は,その見地から,第1章を「確認請求訴
訟」,第2章を「引渡・明渡請求訴訟」,第3章を「相隣関係訴訟」,第4章を
「境界関係訴訟」に大別してみた。
 そのうえで,第1章では,「所有権に関する訴訟」,「用益権に関する訴訟」,
「担保権に関する訴訟」と,「占有権に関する訴訟」に四分して,それぞれ論点を
取り上げた。
まず,所有権に関する訴訟についていえば,具体的には,―衢権確認請求の態様
と当事者,⊇衢権確認請求の要件事実とその主張・立証,所有権確認請求の判
決とその効力といった論点に分類した。,砲弔い討蓮だ儷謀ないし消極的確認訴
訟における当事者適格ないし確認の利益を実務的に論証すること,△砲弔い討蓮
確認訴訟における要件事実をまとめ,その主張・立証,特に所有権取得経過の主張
・立証をめぐる実務的な問題点を論証すること,については,確認訴訟における
請求認容判決あるいは請求棄却判決の効力をめぐる実務的な問題点を論証すること
にした。次に,用益権に関する訴訟についていえば,具体的には,ね儕弩確認請
求の態様と当事者,ド堝飴困陵儕弩△粒稜Я幣戮陵弖鏤実の主張と立証,ν儕
権確認請求の判決とその効力,担保権に関する訴訟についていえば,担保権確認
請求の態様と当事者,担保権確認請求の要件事実と主張・立証,担保権確認請
求の判決とその効力といった論点に分類した。論点の取り上げ方が所有権に関する
訴訟と同一であるのは,後に言及する論点の系統立てた理解を考えたからであるが
,用益権に関する訴訟では,賃借権の存否が問題となる場合を基本に,これを使用
借権,地上権,地役権,永小作権に敷衍して,い砲弔い討蓮だ譴蘚事者をめぐる
実務的な問題点を論証し,イ砲弔い討蓮い修陵弖鏤実の主張・立証をめぐる問題
点を論証し,Δ砲弔い討蓮だ禅畴容判決及び請求棄却判決の効力をめぐる実務的
な問題点を論証したうえで,担保権に関する訴訟でも,抵当権の存否が問題となる
場合を基本に,これを質権,留置権,先取特権に敷衍して,Г砲弔い討蓮だ譴蘚
事者をめぐる実務的な問題点を論証し,┐砲弔い討蓮い修陵弖鏤実の主張・立証
をめぐる問題点を論証し,については,請求認容判決及び請求棄却判決の効力を
めぐる実務的な問題点を論証することにした。これに対し,占有権に関する訴訟に
ついてみると,占有権の意義と確認請求の要否・適否を論点として取り上げた。
占有権の意義・要件を踏まえ,確認訴訟が問題となる得るか否かを論証しているが
,所有権,用益権及び担保権に関する訴訟と論点の取り上げ方が異なるとしても,
編者としては,このような論点の取り上げ方も,系統立てた論点の理解のために
必要であると解されたからであって,その趣旨は,実際の論証をご覧いただけれ
ば納得していただけるのではないかと思うところである。
 第2章では,引渡・明渡請求の根拠に基づき,「所有権に基づく訴訟」,「用益
権に基づく訴訟」,「担保権に基づく訴訟」と,「占有権に基づく訴訟」に四分し
たうえで,まず,所有権に基づく訴訟についてみれば,具体的には,土地を対象と
する訴訟につき,土地引渡・明渡請求の態様と訴訟物,土地引渡・明渡請求の
要件事実とその主張・立証,土地引渡・明渡請求の判決とその効力と,建物を対
象とする訴訟につき,建物引渡・明渡請求の態様と訴訟物,建物引渡・明渡請
求の要件事実とその主張・立証,扱物引渡・明渡請求の判決とその効力にそれぞ
れ論点を細分して,土地を対象とする訴訟では,地上に建物がない場合の土地引渡
・明渡請求,建物がある場合の建物収去土地明渡請求,同建物に所有者以外の占有
者がいる場合の建物退去土地明渡請求といった請求の態様の異同を前提に,建物を
対象とする訴訟では,占有者が所有者と契約関係に立つ場合の請求と,立たない場
合の請求の根拠の相違を前提に,土地を対象とする訴訟と,建物を対象とする訴訟
を総じていえば,及びについては,その訴訟物の捉え方を論証し,及びに
ついては,その要件事実をめぐる実務的な問題点を主張・立証責任に留意して論証
し,及び阿砲弔い討蓮だ禅畴容判決あるいは請求棄却判決の効力をめぐる実務
的な問題点を強制執行の方法に留意して論証したほか,共有権に関する訴訟につき
,蔚ν物に対する妨害排除請求と,俺ν者に対する妨害排除に論点を二分し,
韻砲弔い討蓮ざν物に対する妨害排除請求が問題となる場合における当事者ない
し訴訟物,要件事実,判決の効力を論証し,欧砲弔い討蓮ざν者による妨害を前
提に,その排除請求が問題となる場合の実務的な問題点を論証することとした。
次に,用益権に基づく訴訟と,担保権に基づく訴訟についてみると,それぞれその
目的物に対する妨害排除請求として,具体的には,獲儕弩△量榲物に対する妨害
排除請求,環馘権の目的物に対する妨害排除請求,㉑質権の目的物に対する妨害
排除請求,㉒先取特権の目的物に対する妨害排除請求,㉓留置権の目的物に対する
妨害排除請求に論点を分類して,海砲弔い討蓮つ村攜△量榲物に対する妨害排除
請求が問題となる場合を基本に,これを使用借権,地上権,地役権,永小作権に敷
衍して,請求の可否を含め,当事者ないし訴訟物のほか,要件事実,判決の効力を
めぐる実務的な問題点を論証し,粥㉑,㉒,㉓については,抵当権,質権,先取
特権,留置権の目的物に対する妨害排除請求につき,同請求の可否を含め,当事者
ないし訴訟物のほか,要件事実,判決の効力をめぐる実務的な問題点を論証するこ
ととした。次に,占有権に基づく訴訟についてみると,㉔占有訴権に基づく訴訟と
,㉕占有訴訟と本権訴訟に論点を二分したうえで,㉔については,占有訴権の3類
型のそれぞれの実務的な問題点を論証し,㉕については,占有訴訟における本権の
有無ないし帰すうが実務的に問題となる場合を論証することにした。
 第3章では,「土地の相隣関係に関する訴訟」と,「建物の相隣関係に関する訴
訟」に二分したうえで,まず,土地の相隣関係についてみると,㉖隣地の通行をめ
ぐる訴訟と,㉗隣地の利用をめぐる訴訟に論点を細分し,㉖については,相隣関係
に基づく通行権の有無を前提に,隣地の通行をめぐる実務的な問題点を論証し,㉗
については,隣地の通行以外に問題となる電気・ガス・水道(下水道)の引込みの
ための隣地の利用をめぐる実務的な問題点を論証することにした。次に,建物の相
隣関係についてみると,㉘建物の建築制限をめぐる訴訟に論点を限定したが,隣地
・隣家との関係で建物の建築が制限される場合の実務的な問題点を論証することに
した。
 第4章では,「筆界特定に関する訴訟」と,「境界確定に関する訴訟」に論点を
二分したうえで,前者につき,㉙筆界特定とその効力として,筆界特定制度の意義
を踏まえ,その特定に不服がある場合の取消請求の可否を論証し,後者につき,㉚
境界確定訴訟として,境界確定訴訟の法的性質を踏まえ,当事者,判決の効力をめ
ぐる実務的な問題点を論証することにした。第3に,「最新」裁判実務大系という
以上,本書で取り上げる以上の論点それ自体が最新のものであるかのように誤解さ
れなくもない点である。しかし,不動産訴訟は,本書が対象とする不動産関係訴訟
についても,また,別の1冊が対象とする不動産登記訴訟についても,民事訴訟の
基本的な分野であって,どの論点についてみても,関係する裁判例が少なくない。
その意味で,いずれも実務的な論点としては,古典的であるが,基本的な論点であ
るので,最新の実務を踏まえたその論証は,本シリーズの目的に十分に沿うものに
なっているはずである。なお,本シリーズで「最新」という趣旨につき,編者の理
解するところでは,論点それ自体が今日的という趣旨ではなく,論点それ自体は古
典的であっても,その論証が今日的,すなわち,アップトゥデートなものとなって
いる,あるいは,そう心掛けたものとなっているという意味ではないかと受け止め
ている。そう理解すればこそ,古典的な論点であっても,一部は今日的でなくなっ
ている論点も含めて,これを取り上げてこそ,不動産関係訴訟を系統立てて理解す
ることができるはずである。
 最後に,多分に弁解めいてしまうが,編者が本書の「不動産関係訴訟」と,別の
1冊の「不動産登記訴訟」の編集をお引受けしたのは,いずれも本シリーズの基本
的な,そして,代表的な1冊であるため,本シリーズが企画された当初に遡る。も
とより編者は裁判官として在職中であって,爾来,長年月が経過し,編者の立場も
,裁判官から,弁護士・法科大学院教授へと変わった。その間,執筆者各位におか
れては,引き受けていただいた論点に興味をもっていただいたこともあってか,早
々に原稿を仕上げてお送りいただいた。それから執筆者の記憶も薄らぐようなこの
時期になって,ようやく本書を刊行できる運びになった。刊行の遅れは,ひとえに
編者の怠惰にあって,執筆者の努力をここに何とか結実できたことで,お詫びを乞
う次第である。そのような編者の責に帰すべき刊行の遅れに際して,長島晴美さん
を始めとする青林書院の編集部の辛抱強い我慢には,感謝の言葉が尽きない。本書
の刊行は,その我慢の賜物である。改めて,お礼を申し上げ,序章を兼ねた「はし
がき」の結びとしたい。

 平成28年9月の本書の上梓に向かい安堵する日に
 滝澤 孝臣


編著者
滝澤 孝臣:(日本大学法科大学院教授・弁護士)

執筆者
滝澤 孝臣:(日本大学法科大学院教授・弁護士)
伊藤 大介:(千葉地裁判事)
睇堯≠探子:(知財高裁判事)
森鍵  一:(那覇地裁判事)
武笠 圭志:(法務省大臣官房審議官)
関口 剛弘:(静岡地裁判事)
中島 朋宏:(東京地裁立川支部判事)
松田 浩養:(前橋地裁高崎支部判事)
西田 昌吾:(横浜地家裁川崎支部判事)
蛭川 明彦:(福岡高裁那覇支部判事)
光岡 弘志:(最高裁調査官)
村田  渉:(仙台地裁所長)
桃崎  剛:(東京地裁判事)
内田 義厚:(早稲田大学教授)
水倉 義貴:(東京地裁判事)
永山 倫代:(さいたま地裁川越支部判事)
天野 研司:(東京地裁判事)
松井 雅典:(福岡地裁判事)
近藤 幸康:(新潟地裁判事)
渡辺  諭:(東京地裁判事)
齊藤  顕:(秋田地裁判事)
新谷 貴昭:(法務省訟務局参事官)
杉田  薫:(静岡地裁判事)
睇堯〕缶ぁА柄斡驚浪蛤杞盧蟷拮判事補)
志村 由貴:(司法研修所付)
住友 隆行:(札幌地家裁岩見沢支部判事)
甲良 充一郎:(宇都宮地家裁栃木支部判事)
大畠 崇史:(東京地裁判事)
畠山  新:(東京高裁判事)
野上 誠一:(大阪地家裁岸和田支部判事)
(執筆順・肩書は平成28年10月現在)




   
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■書籍内容
第1章 確認請求訴訟
機―衢権に関する訴訟
1 所有権確認請求の態様と当事者
⑴ 不動産について,所有権に基づく明渡し又は所有権移転登記抹消登記手続を求め
  得る場合でも,当該不動産の所有権確認請求訴訟を提起することはできるか。
⑵ 自分が所有権を有するとの積極的確認を求めるのではなく,相手方が所有権を有
  しないとの消極的確認を求めることはできるか。
⑶ 相手方が所有権者は自分だというのではなく,第三者が所有権者だと主張する場
  合であっても,所有権確認請求訴訟を提起することはできるか。
⑷ 係争不動産が共有の場合,共有者は,一人で共有権を争う第三者に対して共有権
  の確認を求めることはできるか。また,共有権を争う第三者は,共有者の一人を
  相手方として確認請求訴訟を提起することはできるか。
2 所有権確認請求の要件事実とその主張・立証
 不動産の所有権確認請求訴訟において,原告側及び被告側がそれぞれ主張・立証
  すべき事実は何か。所有権が共有に係る場合における留意点は何か。
3 所有権確認請求の判決とその効力
 不動産の所有権が原告にある旨の確認を求める請求に対する判決(請求認容判決
  ,請求棄却判決)がされ,これが確定した場合,どのような効力が生ずるか。当
  該請求が被告に当該不動産の所有権がないことを確認することを求めるものであ
  った場合はどうか。

供〕儕弩△亡悗垢訌幣
4 用益権確認請求の態様と当事者
 賃借権の確認請求の態様としてはどのようなものがあるか。確認の利益はどのよ
うな場合に認められるか。また,賃貸人又は賃借人の地位が変動するのは,ど
  のような場合か。
5 不動産の用益権の確認訴訟の要件事実の主張と立証
⑴ Xは,兄のYからその所有土地を借り受け,同土地上に建物を建てて家族で居住
してきた。Xは,Yに対して月額5万円の使用料を支払っていたが,Yとの間で
  土地の利用期間を定めていなかったため,Yから土地の明渡しを求められた。
⑵ Xは,Yからその所有地の半分を購入し,その際,公道に出るためにY所有地の
  一部を通路として使用することを認められ,通路としての使用を継続してきたが,
  Yは,その好意によりXの通行を認めてきたにすぎないと主張している。
⑶ XはYからテナントビルの1室を賃料月額20万円の約定により期間の定めなく賃
  借したが,契約締結から3年後にYから賃料を月額30万円に増額するよう求められ
た。
6 用益権確認請求の判決とその効力
⑴ 用益権の確認訴訟において,原告は,確認を求める対象をどのような形で設定す
  ることができ,それは本案判決の既判力にどのような影響を与えるか。
⑵ 賃料等の増減額請求により増減された相当賃料額を確認する判決は,同一の賃貸
  借関係について後に提起された相当賃料額の確認訴訟において,相当賃料額等に
  ついての裁判所の判断や,過去に他に増減額請求をしたとの当事者の主張に対し,
  どのような影響を与えるか。また,相当賃料額を確認する判決の確定により,相
  当賃料額に争いがある間に支払われていた賃料はどのように清算されるか。

掘|簡欷△亡悗垢訌幣
7 担保権確認請求の態様と当事者
⑴ 抵当権(根抵当権)の存在又は不存在確認請求の訴えを提起できる者は誰か。
⑵ 同様に,質権,留置権及び先取特権の存在又は不存在確認請求の訴えではどうか。
8 担保権確認請求の要件事実と主張・立証
  担保権確認請求の要件事実とその主張・立証について説明せよ。
9 担保権確認請求の判決とその効力
⑴ 抵当権設定者が,抵当権者に対し,土地についての抵当権設定契約不存在ないし
  錯誤無効を主張して抵当権不存在確認の訴え(以下,「本件訴え」という。)を
  行った場合,
 ⒜ 本件訴えが棄却され,同判決が確定した後,抵当権設定者は本件訴え時に完
    成していた被担保債権の消滅時効を主張して,当該抵当権の不存在確認の訴
    えを行うことができるか。
  ⒝ 本件訴えが棄却され,同判決が確定した後,抵当権設定者は当該抵当権設定
    契約について詐欺に基づく取消しを主張して,当該抵当権の不存在確認の訴
    えを行うことができるか。
 ⒜ 本件訴え提起前に,抵当権設定者が,抵当権者に対し,当該抵当権の設定登
    記抹消手続を求める訴えを行い,認容判決(以下,本設例においては「前訴
    判決」という。)を受け,同判決が確定していた場合,本件訴えにおいて,
    前訴判決の既判力は及ぶか。既判力が及ばない場合,抵当権者は,本件訴え
    において,当該抵当権の存在を主張することができるか(なお,本件訴えに
    ついて訴えの利益があることを前提とする。)。
  ⒝ 本件訴えにおいて,弁済による被担保債権の消滅も併せて主張し,当該主張
    が認められ,本件訴えが認容され,同判決が確定した場合,当該認容判決の
    既判力は,債権者である抵当権者から債務者である抵当権設定者に対する被
    担保債権の支払を求める訴えに及ぶか。また,上記弁済による被担保債権の
    消滅の主張が認められず,本件訴えが棄却され,同判決が確定した場合はど
    うか。
 ⒜ア 本件訴え提起前に,抵当権設定者が,抵当権者に対し,当該抵当権の設定
     登記抹消手続を求める訴えを行い,認容判決(以下,本設例においては「
     前訴判決」という。)を受け,同判決が確定していた場合,本件訴えにお
     いて,抵当権者から,前訴判決の事実審の最終口頭弁論終結後,本件訴え
     の事実審の最終口頭弁論終結前に被担保債権及び抵当権の譲渡を受けると
     ともに抵当権について付記登記を受けた者(訴訟承継をしている。以下,
     本設例においては「譲受人」という。)に対して,前訴判決の既判力は及
     ぶか(なお,本件訴えについて訴えの利益があることを前提とする。)。
   イ 本件訴えが棄却され,同判決が確定した場合,当該棄却判決の既判力は,
     本件訴えの事実審の最終口頭弁論終結後に土地の譲渡及び登記名義の移転
     を受けた者(以下,本設例においては「譲受人」という。)に及ぶか。
   ウ 本件訴えにおける抵当権に後れる抵当権が設定されていた場合において,
     後順位抵当権者が抵当権設定者とともに原告として先順位となる本件訴え
     の抵当権の不存在確認を訴え,当該訴えが棄却され,同判決が確定した場
     合,当該棄却判決の既判力は本件訴えの事実審の最終口頭弁論終結後に上
     記後順位抵当権の被担保債権及び上記後順位抵当権の譲渡並びに付記登記
     を受けた者(以下,本設例においては「譲受人」という。)に及ぶか。
  ⒝ 本件訴えの抵当権設定者が債務者以外の者(物上保証人)の場合,本件訴え
    提起前に,債務者が,債権者である抵当権者に対し,被担保債権不存在確認
    の訴えを行い,認容判決(以下,本設例においては「前訴判決」という。)
    を受け,同判決が確定した場合,前訴判決の既判力は,本件訴えの物上保証
    人である抵当権設定者に及ぶか。及ばないとしても,前訴判決は本件訴えの
    物上保証人である抵当権設定者に何らかの影響を及ぼすか。
⑵ 抵当権不存在確認の訴えにおいて,被担保債権が供託により消滅したと主張する
  場合に供託が過大あるいは不足の場合,判決にどのように影響するか。供託が不
  足していたために棄却判決となった場合に,追加供託したうえで再訴により抵当
  権不存在の確認判決を受けることができるか。

検\衢権に関する訴訟
10 占有権の意義と確認請求の要否・適否
  甲は,現在,本件建物に居住しているが,乙は,本件建物は丙が居住している,
  あるいは,居住していたはずであると主張して,甲が居住していることに異議を
  唱え,連日のように,甲に明渡しを促している。このような場合に,甲は,乙と
  の間で,本件建物の占有権が甲に存在あるいは帰属することを確認する旨の判決
  を求めることができるか。


第2章 引渡・明渡請求訴訟
機―衢権に基づく訴訟
11 土地引渡・明渡請求の態様と訴訟物
  以下の各場合におけるXの請求の訴訟物をそれぞれどう捉えるべきか。
⑴ X所有の土地Aの賃借人Yが同土地上に所有していた建物を第三者Zに譲渡した
  ため,賃貸人Xが,土地賃借権の無断譲渡を理由として,Yとの間の賃貸借契約
  を解除したうえで,Y及びZに対してそれぞれ建物収去土地明渡請求を行う場合
⑵ X所有の土地B上に存するY所有の建物にZが居住してこれを占有しているため,
  Xが,Yに対して建物収去土地明渡請求を,Zに対して建物退去土地明渡請求を
  それぞれ行う場合(XY間に契約関係はないものとする。)
12 土地引渡・明渡請求の要件事実とその主張・立証
  土地引渡・明渡請求の要件事実を検討するにあたり,どのような点に留意す
  べきか。特に,転得者の背信的悪意者の要件事実及び借地の明渡請求におけ
  る正当事由,建物買取請求における主張立証責任について留意すべき点は何か。
13 土地引渡・明渡請求の判決とその効力270
⑴ 甲が乙に対し自己の所有する土地を賃貸し,乙は同土地上に建物を建築して所有
  していたが,乙はこの建物を丙に賃貸し,現在は丙が占有使用している。その後,
  甲は上記土地の所有権に基づき,乙に対し建物収去土地明渡しを,丙に対して建
  物退去土地明渡しを求める訴訟を併せ提起し,裁判所は甲の各請求をいずれも認
  容する判決をし(主文は,「乙は,甲に対し,別紙物件目録記載の建物を収去し
  て同目録記載の土地を明け渡せ。」,「丙は,甲に対し,別紙物件目録記載の建
  物から退去して同土地を明け渡せ。」というものであったとする。),同判決は
  確定した。この場合,甲は乙及び丙に対し,同判決に基づいてどのような強制執
  行をなし得ることになるか。
⑵ 甲が乙に対し自己の所有する土地を賃貸し,乙は同土地上に建物を建築して所有
  していたが,甲は賃貸借期間満了を理由として,乙に対し建物収去土地明渡請求
  訴訟を提起し,裁判所は甲の請求を認容する判決をし,同判決は確定した。その
  後乙は,上記建物につき甲に対して建物買取請求権を行使し,さらに,同判決に
  対して請求異議訴訟を提起して,上記建物買取請求権の行使を異議の事由として
  主張した。このような乙の主張は認められるか。また,認められるとした場合,
  判決主文及びその後の手続はどのようになるか。
14 建物引渡・明渡請求の態様と訴訟物
⑴ Xがその所有する建物をYに賃貸していたところ,Yが賃料の支払を遅滞するよう
  になった。Xが,Yに対し,上記建物の明渡しを求める訴訟を提起する場合,いか
  なる訴訟物を定立することが考えられるか。
⑵ 甲が,Aから,A所有の建物を転貸目的で賃借し,同建物を乙に転貸していたと
  ころ,乙が甲に無断で同建物を丙に再転貸した。甲が,乙及び丙に対し,上記建
  物の明渡しを求める訴訟を提起する場合,いかなる訴訟物を定立することが考え
  られるか。
⑶ Xが,YからY所有の建物を購入し,代金も支払ったが,Yが同建物の引渡しをし
  ない。Xが,Yに対し,上記建物の引渡しを求める訴訟を提起する場合,いかな
  る訴訟物を定立することが考えられるか。
15 建物引渡・明渡請求の要件事実とその主張・立証
  以下の各場合において,甲が乙ないし丙に対してその居住している本件建物の
  引渡し・明渡しを求めるために,また,乙ないし丙が甲の請求を拒むために,
  甲あるいは乙ないし丙は,その要件事実として,それぞれどのような事実を主
  張・立証しなければならないか。
 ⑴ 本件建物は,甲の所有であるが,乙が居住しているため,乙に対し,その引
   渡し・明渡しを求める場合
 ⑵ ⑴の場合に,本件建物に居住していた乙から丙が賃借し,丙が居住している
   ため,丙に対し,その引渡し・明渡しを求める場合
 ⑶ ⑵の場合に,本件建物を丙に賃貸している乙に対し,甲がその引渡し・明渡し
   を求める場合
 ⑷ 本件建物は,甲が乙に賃貸していたが,賃貸借契約の終了後も,乙が居住して
   いるため,乙に対し,甲がその引渡し・明渡しを求める場合
 ⑸ ⑷の場合に,本件建物を賃借していた乙から丙が賃借し,丙が居住しているた
   め,丙に対し,甲がその引渡し・明渡しを求める場合
16 建物引渡・明渡請求の判決とその効力345
  建物の明渡請求を認容する判決は,当事者以外の誰に対して執行力を有するか。
17 共有物に対する妨害排除請求357
  甲は,甲名義の畑(本件土地)を所有していたが,死亡した。甲の法定相続人は
  ,A,B及びCである。
  以下の場合において,Aは,本件土地につき,単独でいかなる請求ができるか。
⑴ Cが,A及びBの承諾を得ずに,本件土地をDに占有使用させている場合
⑵ Cが,A及びBの承諾を得ずに,本件土地につき,相続を原因として甲からCに対
  して所有権全部移転登記を経由した場合
⑶ Cが,A及びBの承諾を得ずに,本件土地に土砂を運び込んで整地し,宅地化した
  場合
⑷ 本件土地につき,相続を原因として,A B Cの持分を各3分の1とする所有権
  移転登記が経由されたが,その後,Cの持分につき,代物弁済を原因としてCか
  らEに対して持分全部移転登記が経由された。しかし,同代物弁済は,虚偽表示
  により無効であった。
18 共有者に対する妨害排除
  共有物により所有権が侵害された場合(土地上に,何らの占有権原なく共有物た
  る建物が建築された場合など),訴訟提起し,その侵害を排除するに際して,ど
  のような問題点があるか。

供〕儕弩△亡陲鼎訴訟
19 用益権の目的物に対する妨害排除請求
  Aは,所有者Bから,建物を所有する目的で甲土地を賃借し,引渡しを受けたが,
  Cが建物の新築工事を妨げている。
  Aは,Cに対し,新築工事の妨害禁止を求めることはできるか。

掘|簡欷△亡陲鼎訴訟
20 抵当権の目的物に対する妨害排除請求
  抵当権者は,第三者が抵当不動産を占有している場合に,その占有を排除するこ
  とができるか。
21 質権の目的物に対する妨害排除請求
  不動産質権者が目的不動産の占有者に対抗するための要件は何か。また,目的不
  動産が賃貸物件であった場合,不動産質権者は貸借人に対し賃貸人としての権利
  を行使することができるか。
22 先取特権の目的物に対する妨害排除請求
  先取特権に基づく妨害排除請求が認められる場合があるか。最判平17・3・10
  (民集59巻2号356頁・判タ1179号180頁・判時1893号24頁)の射程は先取特権に
  まで及ぶか。先取特権に基づく妨害排除が認められる場合があるとすれば,それ
  はいかなる種類の先取特権につきいかなる要件の下に認められるか。
23 留置権の目的物に対する妨害排除請求
  建築請負を業とするA株式会社は,不動産業者であるB株式会社から戸建建物
  (以下「本件建物」という。)に関する改修工事を報酬600万円,竣工日を平成
  23年9月12日として請け負った。
  A株式会社は本件建物の改修工事完成後,注文者であるB株式会社に対する引渡し
  前に,Cに対し,清掃作業を依頼して本件建物の合鍵のうち1本を預けたところ,
  DがCから上記合鍵を騙し取り,A株式会社及びB株式会社の了解なしに本件建物内
  に入り込んだ。
  以下の⑴から⑶までの各場合にA株式会社はDに対していかなる請求をすることが
  できるか。
 ⑴ Dが本件建物の鍵を取り換えてA株式会社の占有を排除し,単独で占有するに
   至った場合
 ⑵ A株式会社が占有を失うには至っていないが,本件建物に荷物を運び入れるな
   どしてDも本件建物を占有している場合
 ⑶ Dがいったん退去したが,本件建物の合鍵を所持しており,再度本件建物内に
   立ち入り,占有するおそれがある場合

検\衢権に基づく訴訟
24 占有訴権に基づく訴訟

 甲が丙から借りていた自転車をマンション前に置いていたところ,何者かに盗まれ
 てしまった。1週間後,甲は近くの本屋の駐輪場に自転車が停められていたのを発
 見した。以下の場合に各請求は認められるか。
⑴ 自転車を乙が使用していることが判明したので,甲は乙に対し占有回収の訴えを
  提起した。その後,自転車を盗んだのは丁であり,乙は丁からこれを賃借したに
  すぎないことが判明したため,甲は別訴で丁に対しても占有回収の訴えを提起し
  た。
⑵ 甲は,発見した自転車を無断で持ち帰ったところ,乙から占有回収の訴えを提起
  された。自転車を盗んだのは乙であり,甲が持ち帰るまでの1週間これを使用して
  いたことが判明した。
⑶ 甲は,発見した自転車を無断で持ち帰ったところ,乙から占有回収の訴えを提起
  された。自転車を盗んだのは丁であり,乙は丁からこれを賃借して使用していた
  にすぎないことが判明した。
⑷ 上記⑶と同様の場合において,甲は丙から自転車の譲渡を受け,乙に対し所有権
  に基づく返還請求の反訴を提起した。
25 占有訴訟と本権訴訟
  占有訴訟と本権の有無ないし本権訴訟との関係をいかに解すべきか。また,占有
  訴訟を本案とする仮処分においてはどうか。


第3章 相隣関係訴訟
機‥效呂料衫抓愀犬亡悗垢訌幣
26 隣地の通行をめぐる訴訟
  これまで通路として利用してきた隣人の所有地の通行をその隣人から妨害された
  場合,従前どおりの通行の確保を求めようとする者がとり得る法的手段にはどの
  ようなものがあるか。
27 隣地の利用をめぐる訴訟
  隣地の通行以外に,建物の建造等のために隣地を使用できるのはどのような場合
  か。また,上下水道・電気・ガス等の引込みのために隣地を利用できるのはどの
  ような場合か。

供〃物の相隣関係に関する訴訟
28 建物の建築制限をめぐる訴訟
  土地の所有者は,隣地の所有者が各土地の境界線に接して建物を建築しようとす
  る場合に,どのような措置をとることができるか。また,当該境界線に関する措置
  をとることができる場合でないとしても,当該建物の建築により,日照,眺望等に
  影響が生じる場合,どのような措置をとることができるか。


第4章 境界関係訴訟
機”界特定に関する訴訟
29 筆界特定とその効力
  登記官による筆界特定がされた後,これに不服がある当事者は,行政庁を相手どり
  ,筆界特定を行政処分としてその違法を主張し取消しを求めることができるであろ
  うか。

供ゞ界確定に関する訴訟
30 境界確定訴訟
  境界確定訴訟の提起・追行(審理)にあたって,どのようなことに留意すべきか。

  事項索引
  判例索引

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