青林書院



詳解 アライアンス契約の実務と条項


詳解 アライアンス契約の実務と条項
 
編・著者奈良輝久・日下部真治・神田孝・元芳哲郎 編
判 型A5判
ページ数544頁
税込価格6,372円(本体価格:5,900円)
発行年月2016年10月
ISBN978-4-417-01701-1
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■解説
企業提携契約作成の指南書!

基本的スキルの向上から最新の理論的問題の理解まで

□主要な契約類型ごとに実践的な設例を掲げ,詳しい解説とともに条文の基本的な
 記載例からバリエーションまでを豊富に掲載。
□契約書作成・チェックの知識,手法,ひな形を基本から体系的に整理。


はしがき
本書は,いわゆるアライアンス契約――企業提携契約――に関する契約書作成
の指南書である。アライアンス契約は,今や,多くの企業間で網の目のように
締結されている契約ないし「契約群」であり,企業法務に携わる者にとって日
常的に扱う,身近な契約ないし「契約群」となっている。したがって,契約書
の作成・チェックが日常的な業務となっている企業法務関係者にとって,基本
的なスキルが要求される業務の一つであると言って過言ではない。
では,かかる現状に対し,専門書が対応できてきたかというと,なるほど,近
時,契約書のドラフトに関する書籍は多数発刊されており,それらの多くは,
アライアンス契約の中核をなす契約――例えば,これを本書について見れば,
フランチャイズ契約,サブ・フランチャイズ契約,技術ランセンス契約等が挙
げられる――に関して触れられてはいる。しかし,ことアライアンス契約(企
業提携契約)という観点に焦点を当てて見てみると,アライアンス契約の契約
書作成,チェックの知識や手法,ひな形について体系的に整理した書籍は未だ
に少なく,企業の法務担当者や弁護士等の実務法曹にとってかゆいところに手
が届く状態からはいまだ程遠い状況にあったと言わざるを得ない。
本書は,常日頃,各種アライアンス契約のドラフト,修正等に携わっている弁
護士が集まり議論しつつ,作成したものであって,アライアンス契約(企業提
携契約)の各種契約書作成,チェックの実務に携わる要点を一通り明らかにし
てある。
また,本書は,総論編(第1章)と各論編(第2章)に分かれているが,総論
編では,秘密保持条項,競業避止義務条項,表明保証条項,完全合意条項等,
アライアンス契約において喫緊の課題となっている理論的な問題についても,
紙数の許す限り突っ込んだ記述を加えており,単に,契約条項のドラフトをす
る上で役に立つ書籍というだけでなく,その条項の文言の背景をなす,理論的,
解釈論上の問題についても,読者において一歩突っ込んだ最新の議論ができる
よう,工夫を凝らしてある。更に,各論においても,冒頭に設例形式で実践的
な問題を設定し,詳しい解説を掲げると共に,解説内で取り上げる条文の記載
例についても,まさに基本となる基本条文のほか,必要に応じ記載例を追加的
に記載するなどして読者の便宜に資するようにしてある。無論,文献,判例等
についても可能な限り引用するよう努めたことは言うまでもない。
本書が,実際に企業法務に携わる者にとって,指南書たり得る書籍であるか否
かは,読者の判断を待つほかないが,筆者らは,自らの業務で使用する際に役
立つ書籍にしようとして本書を作成したのであって,その目的は一定程度,達
成できているのではないか,と自負している。
本書の作成に当たっては,編者に加わっている,日下部真治,元芳哲郎弁護士
の所属するアンダーソン・毛利・友常法律事務所のご厚意により,会議室を提
供していただいたのみならず,同事務所,あるいは他事務所(四樹総合法律会
計事務所等)の若き俊英にも参加していただき,各自,有意義な原稿を作成し
ていただいた。本書は,編者を中心に合計20回を超す編集会議による議論を経
て出来上がったものであり,多忙な業務の合間を使って原稿を用意して下さっ
た方々,議論に参加して下さった方々には,この場を借りて深く御礼申し上げ
る次第である。
最後になるが,本書は,また,青林書院の若き俊英 加藤朋子女史の編集者とし
て類稀な能力に導かれて一冊の書籍として完成したものである。原稿をなかな
か出せずにいた執筆者を叱咤激励して一冊の書籍の完成に導いてくれた加藤女
史の真摯な熱意と努力に,執筆者一同に代わり,深く感謝の意を表させていた
だく。
本書がアライアンス契約実務に携わる企業法務関係者に少しでも役立つことを
希望しつつ,はしがきを終える。

2016年9月
編集者
奈良 輝久
日下部真治
神田  孝
元芳 哲郎



編者・執筆者紹介

編  者
奈良 輝久:四樹総合法律会計事務所
日下部真治:アンダーソン・毛利・友常法律事務所
神田  孝:弁護士法人心斎橋パートナーズ 
元芳 哲郎:アンダーソン・毛利・友常法律事務所
 
執 筆 者(以下,執筆順)
元芳 哲郎:(上掲)
若松  亮:四樹総合法律会計事務所
金子 涼一:アンダーソン・毛利・友常法律事務所 
日下部真治:(上掲)
神田  孝:(上掲)
宮坂 英司:宮坂法律事務所
行村洋一郎:アンダーソン・毛利・友常法律事務所
佐橋 雄介:アンダーソン・毛利・友常法律事務所
林  紘司:四樹総合法律会計事務所
堂免  綾:かなめ総合法律事務所
奈良 輝久:(上掲)
池田 亮平:アンダーソン・毛利・友常法律事務所 
林  達朗:アンダーソン・毛利・友常法律事務所

■書籍内容
目  次
第1章 総  論
第1節 アライアンスの定義・戦略目的
第1 アライアンスの定義
 1 定   義
 2 M&Aとの差異
 3 契約関係であること
 4 解消の可能性
 5 アライアンスが行われる理由
第2 アライアンスにおける戦略目的
 1 新規事業への進出
 2 販売力の強化・補充
 3 技術の相互補完
 4 技術の共同開発
 5 生産力の強化・補充
 6 そ の 他

第2節 アライアンスの種類と分類
第1 アライアンスを分類する視点としての経営環境及び経営資源
第2 アライアンスと経営環境
第3 経営資源獲得の手段としてのアライアンス
 1 経営資源の形態による分類
 2 経営資源の機能による分類
 3 経営資源の価値
第4 アライアンスの種類と分類
 1 資本関係と契約関係(アライアンスの提携方法に着目した分類)
 2 経営資源の種類に着目した分類
 3 企業間の関係に着目した分類
   (水平的アライアンスと垂直的アライアンス)

第3節 企業提携交渉における基本合意書
第1 企業提携交渉のプロセスと基本合意書の性格
第2 基本合意書に定められる主な項目
 1 企業提携の概要・重要事項
 2 法的拘束力の有無
 3 独占交渉権
 4 デュー・ディリジェンスへの協力義務
 5 スケジュール・有効期間
第3 基本合意書と開示
 1 基本合意書の締結と適時開示
 2 インサイダー取引規制との関係での留意点

第4節 基本的な契約条項に盛り込むべき内容
第1 企業提携契約の一般的な構造
第2 基本的な契約条項及びそれらに盛り込むべき内容
 1 前   文
 2 基本原則・目的を定める条項
 3 定義条項
 4 個別契約に関する条項 
 5 知的財産権・ノウハウに関する条項
 6 競業避止に関する条項
 7 秘密保持条項
 8 表明保証条項
 9 取引実行と前提条件に関する条項
 10 契約の期間及び終了に関する条項
 11 期限の利益喪失に関する条項
 12 契約終了後の権利義務に関する条項及び残存条項
 13 損害賠償に関する条項
 14 不可抗力免責条項
 15 支配権移動条項
 16 反社条項
 17 一般条項群
第3 別紙類の扱いについての補足

第5節 競業避止義務条項
第1 競業避止義務の概念
1 競業避止義務とは
2 競業避止義務が認められる場面
第2 アライアンス契約における競業避止義務
1 アライアンス契約における競業避止義務の目的
2 競業避止義務の限界
第3 条項作成上の注意点
1 総   論
2 守るべき利益・目的の確認
3 競業避止義務の内容
4 競業避止義務の効果

第6節 秘密保持条項
第1 序   論
1 秘密保持条項の意義・目的
2 不正競争防止法との関係
第2 秘密保持の対象
1 秘密情報の特定
2 除外規定
第3 秘密保持の方法
1 目的外利用の禁止
2 第三者への開示・漏洩の禁止
3 秘密情報を利用する者の制限(アクセス権者の設定)
4 秘密情報の保管・保存・管理方法に関する制限
5 秘密情報の複写・複製の禁止又は制限
6 役員・従業員の秘密保持義務
7 情報管理状況の報告・検査
8 契約終了時の措置(返還義務等)
第4 存続期間
第5 違反の場合の救済手段
1 損害賠償又は違約罰の請求
2 差止請求

第7節 表明保証条項
第1 表明保証とは
第2 企業提携契約における表明保証の利用方法・役割
第3 表明保証の法的性質
第4 表明保証に関連する条項・留意点
1 補償条項
2 特別補償条項
3 補償請求者の主観
4 補償者の主観
5 重要性による限定・「おそれ」による拡大
6 資料・情報管理

第8節 契約の終了,残存条項・契約の終了後の権利義務
第1 契約の終了
1 継続的契約の解消
2 不当な取引拒絶
3 資本提携を伴う契約における対応
第2 残存条項・契約終了後の権利義務
1 総   論
2 各   論
3 段階的撤退条項

第9節 違約金及び遅延損害金
第1 総   論
1 違約金条項とは
2 法的性質
3 債務者の帰責事由
4 違約金条項の制限とその根拠
5 機   能
第2 アライアンス契約における違約金及び遅延損害金条項
1 総   論
2 違約金条項の基本的構造
3 アライアンス契約類型・条項ごとの分析
4 ま と め

第10節 完全合意条項
第1 完全合意条項とは
1 趣   旨
2 英米法型契約書における完全合意条項
第2 日本法型契約書における完全合意条項
1 英米法型契約書における場合との違い
2 条項例と効果
第3 完全合意条項に関する裁判例
1 東京地裁平成7年12月13日判決(判タ938号160頁)
2 東京地裁平成18年12月25日判決(判時1964号106頁)
3 名古屋地裁平成19年11月12日決定(金判1319号50頁)
4 東京地裁平成23年7月25日判決
  (ウエストロー・ジャパン2011WLJPCA07258018)
5 東京地裁平成23年12月16日判決(判タ1384号196頁)
第4 完全合意条項を設ける際の注意点
1 英米法型契約書と日本法型契約書の違い
2 完全合意条項を設けることの適否
3 完全合意条項の規定の仕方
4 合意事項の変更方法

第11節 アライアンスと付随契約
第1 はじめに
第2 主たる契約と付随契約の終了時期
1 複合契約の終了についての裁判所の考え方
2 下級審裁判例
3 契約の終了・存続に関する規定がない場合の取扱い
第3 契約条項への反映
1 契約条項の要否
2 条 項 例
3 付記事項

第2章 各   論
契約1 販売代理店契約
【設例】
第1 総論(序論)
1 販売代理店契約とは
2 販売代理店契約のメリット(締結目的,動機)
3 法的性質
4 販売代理店契約における具体的なトラブル例
第2 販売代理店契約の契約条項
1 前   文
2 定義・概念
3 販売代理権の付与
4 契約期間
5 基本契約の適用範囲
6 価 格 等
7 納入及び検査,所有権及び危険負担
8 保   証
9 販売促進
10 販 売 先
11 最低購入義務
12 在   庫
13 モニタリング
14 商   標
15 知的財産権
16 同種製品
17 保   険
18 製造物責任
19 乙と顧客との関係
20 販売代理店による保証
21 法令遵守
22 失期条項
23 解   除
24 契約の終了に伴う措置
25 損害賠償
26 遅延損害金
27 秘密保持義務
28 不可抗力
29 権利義務及び契約上の地位の移転の禁止
30 通   知
31 契約変更
32 完全合意
33 準拠法,合意管轄
34 言   語
契約2 フランチャイズ契約
【設例】
第1 総   論
1 フランチャイズ契約の概念
2 契約書作成前の検討事項
第2 フランチャイズ契約の契約条項
1 タイトル
2 前   文
3 定義・概念
4 フランチャイズの付与
5 当 事 者
6 売上保証
7 立地診断,売上予測
8 加盟金(イニシャルフランチャイズフィー)
9 加盟保証金
10 ロイヤルティ
11 コンピュータシステムの導入,システム使用料
12 広告分担金
13 テリトリー権
14 店舗の設置
15 開業前研修
16 開業前準備
17 マニュアルの貸与
18 店舗運営
19 経営指導
20 商標・標章の使用
21 物品供給,仕入,取引条件
22 商品の製造,販売方法
23 商品の販売価格
24 法令順守
25 秘密保持義務
26 競業避止義務
27 個人情報
28 宣伝広告
29 保険加入
30 契約上の地位の譲渡
31 契約期間
32 中途解約
33 契約解除
34 契約終了後の措置
35 連帯保証
36 完全合意条項
37 裁判管轄
第3 サブ・フランチャイズ契約,エリア・フランチャイズ契約
1 サブ・フランチャイズ契約,エリア・フランチャイズ契約の概念
2 エリア・フランチャイズ契約の特徴
3 エリア・フランチャイズ契約の契約条項
契約3 OEM契約
【設例】
第1 総論
1 OEM契約とは
2 OEM契約のメリット・デメリット
3 OEM契約の類型
4 法的性質
5 OEM契約と下請法・独占禁止法との関係
6 OEM契約におけるトラブル例
第2 OEM契約の契約条項
1 前   文
2 製品の製造及び供給の委託等
3 仕   様
4 仕様の変更
5 商 標 等
6 購入予想(最低購入保証)
7 個別契約
8 製 造 等
9 納入価格
10 梱   包
11 納入前検査〔参考〕
12 納   入
13 受入検査
14 所有権の移転及び危険負担
15 代金の支払
16 瑕疵担保責任等
17 交換・補修用部品及びアフターサービス
18 製造物責任
19 知的財産権等
20 改良技術等
21 再委託の禁止
22 競業の禁止
23 秘密保持
24 権利・義務の譲渡禁止
25 製造の中止及び個別契約の解除
26 契約期間
27 解   除
28 期限の利益の喪失
29 契約終了後の取扱い
30 合意管轄
契約4 技術ライセンス契約
【設例】
第1 総論(序論)
1 技術ライセンス契約とは
2 技術ライセンス契約の目的
3 ライセンス契約におけるトラブル例
4 ライセンス契約における典型的な条項
5 ライセンス契約の法的性質
第2 技術ライセンス契約の契約条項例の検討
1 表   題
2 前   文
3 定   義
4 実施許諾
5 再実施権(サブライセンス)
6 実 施 料
7 報告及び支払方法
8 記録及び監査
9 特許の表示
10 契約期間
11 特許の有効性
12 第三者の権利を侵害しないことの保証等
13 第三者からの侵害の排除
14 最恵待遇
15 不争条項
16 改良技術
17 契約の変更
18 契約の解除
19 不可抗力条項
20 譲渡等の禁止
21 完全合意
22 誠実協議・管轄裁判所
23 秘密保持義務
24 契約終了後の処理
契約5 共同研究開発契約
【設例】
第1 総論(序論)
1 共同研究開発契約とは
2 共同研究開発のメリット・デメリット
3 共同研究開発の類型
4 法的性質
5 共同研究開発と独占禁止法との関係
6 共同研究開発契約における具体的なトラブル例
第2 共同研究開発の契約条項
1 前   文
2 定義条項
3 業務分担
4 研究開発期間の設定
5 共同研究開発費の負担
6 情報の交換・開示
7 相手方保有情報についての不争義務等
8 秘密保持義務
9 第三者との共同研究開発の禁止
10 共同研究開発の終了
11 契約の解除
12 共同研究開発の終了の効果
13 共同研究開発の成果の帰属
14 職務発明等の取扱い
15 知的財産権の出願等
16 共同研究開発に係る知的財産権の防衛
17 共有知的財産権の実施等
18 改良技術の取扱い
19 研究成果の公表等
20 表明・保証
21 企業化段階の取決め
契約6 合弁契約
【設例】事例1:非対等出資の場合
【設例】事例2:対等出資の場合
第1 はじめに
1 合弁契約とは
2 合弁事業を行う理由
3 JVの形態の分類
4 合弁契約締結の必要性
5 合弁以外の事業提携と合弁契約の比較
6 JVの組織形態について
7 株式会社を選択する場合
8 合弁契約における株主間の合意とその効力について
9 合弁契約における具体的なトラブル事例
第2 条項例の検討
1 基本方針・目的
2 合弁会社の設立(出資割合)
3 取締役会(機関設計),及び,取締役の選任・解任
4 代表取締役の選定・解職
5 重要事項の決定(拒否権)
6 資金調達
7 剰余金の配当
8 従業員の確保・費用負担
9 知的財産権の処理
10 秘密保持義務
11 競業避止義務
12 株式譲渡制限(株式の処分)
13 損害賠償
14 合弁契約の見直し(期間)
15 デッドロック
16 合弁契約の解除
17 合弁関係の解消時の持分の処理
18 解 散
19 契約解消時の契約関係の処理(知的財産,従業員,付随契約)
20 費用負担
21 準 拠 法
22 紛争処理条項(管轄)
23 一般条項(権利義務の譲渡禁止,誠実協議条項,表明保証等)
 
 判例索引
 事項索引

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