青林書院



紛争解決のための合意・和解条項作成の弁護士実務 裁判官の視点を加えて


紛争解決のための合意・和解条項作成の弁護士実務  裁判官の視点を加えて
 
編・著者滝澤 孝臣・大坪 和敏 編著
判 型A5判
ページ数370頁
税込価格4,428円(本体価格:4,100円)
発行年月2017年07月
ISBN978-4-417-01716-5
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■解説
弁護士・裁判官が,適切な合意書・和解条項作成のための技術を提示。

弁護士が紛争類型別のよくある事案について合意書案を提示。

裁判官が訴状外の合意書の有用性を前提とし債務名義取得のための留意点を指摘。



編著者
滝澤 孝臣:弁護士(関口総合法律事務所)
      日本大学法科大学院教授

大坪 和敏:弁護士(馬場・澤田法律事務所)

執筆者
林 洸太朗:弁護士(関口総合法律事務所)
松井 雅典:福岡地方裁判所判事
野上 誠一:大阪地方裁判所判事
秋山 里絵:弁護士(馬場・澤田法律事務所)
荒井 章光:さいたま家庭裁判所川越支部判事
尾原 央典:弁護士(関口総合法律事務所)
吉野内 謙志:前橋地方・家庭裁判所桐生支部判事
町田 健一:弁護士(町田法律事務所)
矢作 和彦:弁護士(矢作・市村法律事務所)
光岡 弘志:最高裁判所調査官
五島 丈裕:弁護士(本郷綜合法律事務所)

(執筆・掲載順,肩書きは刊行当時)


はしがき
 本書は,本題に「合意・和解条項作成の弁護士実務」と配するほか,その頭部に
「紛争解決のための」と冠し,その脚部に「裁判官の視点を加えて」と付け足して
いる。その結果,書名としては,いささか長々しいものとなっているが,このよう
な書名にしたのは,以下のような理由からである。
 本書の刊行について青林書院の編集部から編集依頼を受けたのは,随分と前に遡
る。裁判所における和解あるいは調停をめぐっては,和解条項集ないし調停条項集
がこれまでに数多く刊行されているほか,そのうちには,実務書・実用書として汎
用されているものもないわけではない。民事紛争の解決のために裁判所における和
解あるいは調停が果たしている機能・役割に鑑みれば,的確で妥当な和解条項ない
し調停条項の作成は,当該紛争の当事者を代理する弁護士の立場からみても,また,
和解ないし調停の成立によって当該紛争の解決を図る裁判所(裁判官のほか,調停
委員を含む。)の立場からみても,その重要な職責であることは疑う余地がない。
 しかも,そこで要求されているのは,単なる和解条項ないし調停条項の記載例で
はない。その条項によって民事紛争それ自体を適正かつ公平に解決し得るものでな
くてはならないからである。また,そのためには,民事紛争の当事者の当該紛争に
至った不服ないし不満を解消し得るものでなくてはならないが,私的自治の原則が
支配する民事事件においては,そこから生ずる紛争についても,私的自治の結果に
よる解決がまずもって望まれるところである。裁判所における和解あるいは調停に
よる解決以前の,裁判前の紛争解決ということになるが,そのような裁判前の紛争
解決の機能・役割を直視すると,その紛争解決に当事者の代理人として関与する弁
護士の職責に注目せざるを得ない。
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本書は,そのために「合意・和解条項作成の弁護士実務」を本題としてまとめる
ことにした。これまでの和解条項集ないし調停条項集として刊行された類書にも,
そのような視点がないわけではないとしても,本書は,この点に主眼を置くことで,
裁判前の紛争解決の重要性を明らかにし,そのためにどのような合意ないし和解が
望まれるかといったスキルを多少でも提供し得るのではないかと考えて刊行するも
のである。「和解・合意条項」といわず,「合意・和解条項」と順序を入れ替えて
いうのも,「作成の実務」といわず,「作成の弁護士実務」というのも,民事紛争
の解決のために弁護士がどのような合意を条項として作成すべきであるかに力点を
置く趣旨である。
 そのような本題に「紛争解決のための」と冠しているのも,そこに,多少でも裁
判所を離れた「訴訟外の」紛争解決といった本書の趣旨を表したいためである。
本題と続けて「紛争解決のための……条項作成の弁護士実務」と読んでいただける
と,編者のいう趣旨もより明確に理解していいただけるのではないかと思う次第で
ある。
 もっとも,そのような訴訟外,すなわち,裁判前の合意・和解であっても,これ
で民事紛争が最終的に解決されずに,その解決が裁判所に持ち込まれる事態も想定
しなくてはならない。その場合に注意しておく必要があるのは,裁判前の合意・和
解が裁判所における紛争解決にとってどのような意義を有するものであるかといっ
た点ではないかと思われる。本書で「裁判官の視点から」といった付け足しをして
いるのも,裁判前の紛争解決と裁判後の紛争解決とを関連づけて理解するには,裁
判所からみた訴訟外の合意の有用性を前提に,その問題点も指摘し,さらに,裁判
所における和解(調停)に至った場合に訴訟外の合意の変更を要する点,反対に,
変更を要しない点を指摘することで,翻って,裁判所を離れた「訴訟外」の合意の
重要性を認識し直すことができるのではないかと考えたためである。
 その意味で,本書は,弁護士と裁判官との協働の成果としてまとめられている。
訴訟外の合意の重要性を直視すればこそであるが,弁護士サイドで作成した合意・
和解条項を裁判官サイドで付加・訂正して,最終的な条項を読者に提供するといっ
た共同作業は試みられていない。そのような共同作業は,本書の以上のような趣旨
からして,かえって,馴染まないものと考えたからである。弁護士サイドて作成し
た合意・和解条項をそれ自体として完結したものとして提供するほか,これに裁判
官サイドからみた視点を付け足すことによって,本書の趣旨を全うすることができ
るという理解がそこにある。
 本書のそのような試みは,弁護士サイドの簡潔的であるが,適切かつ十分な事例
分析を踏まえた合意・和解条項の作成と,これを踏まえた裁判官サイドの訴訟外の
合意の有用性を前提にした問題点の指摘と相まって,いかんなく発揮されているの
ではないかと,編者として,多少の自負をしないわけではないが,その自負は,本
書の第2編を執筆された弁護士各位ないし裁判官各位の力量あってのことである。
改めて執筆者各位にこの場を借りてお礼を申し上げると同時に,本書の刊行に至る
まで編者に対し,さらに,執筆者に対し,時機を得た叱咤・激励を続けられた編集
部御中に深甚の感謝を寄せる次第である。
 本書が,類書の合い間にあって,多少でも民事紛争の適切かつ妥当な解決のため
にお役に立つところがあるとすれば,編者として,これ以上に嬉しいことはない。

  平成29年7月  本書の刊行に寄せて
編著者を代表して  滝澤 孝臣



■書籍内容
目 次
第1編 合意・和解条項の作成に先立って
1 民事紛争の和解による解決
 1 民事紛争と和解
 2 和解の法的意味
 3 裁判所の関与する和解のメリット
 4 和解の手続
2 裁判所における和解
 1 裁判所における和解の意義
 2 訴え提起前の和解(即決和解)
 3 訴訟上の和解
 4 和解条項の作成
3 調停による紛争解決
 1 調停の意義
 2 民事調停
 3 家事調停
第2編 紛争類型別の合意・和解条項の作成について
1 売買契約上の紛争
I 動産売買
 i 契約不適合の場合  
 1 基本合意書例
代物給付請求をする場合
 売買の目的物である新車(不特定物)に契約の内容に適合しない不具合があった
 として,売主甲が買主乙に対して代物給付を行うことを合意する事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例
 ―な篝禅瓩鬚垢訃豺
 売買の目的物である新車(不特定物)に契約の内容に適合しない不具合があった
 として,売主甲が買主乙に対して目的物の修補を行うことを合意する事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
◆’簀齋戚鵑魏鮟する場合
 売買の目的物である新車(不特定物)に契約の内容に適合しない不具合があった
 として,売主甲と買主乙が売買契約を合意解除する事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
 ii 継続的供給契約の解除  
 1 基本合意書例
直ちに合意解除する場合
 供給者甲が被供給者乙に対し精算金を支払うことで,継続的供給契約を合意解除
 する事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例
一定期間経過後に合意解除する場合
 供給者甲が被供給者乙に対し一定期間の供給義務を認めたうえ,継続的供給契約
 を合意解除する事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
 iii 割賦契約  
 1 基本合意書例
残代金を分割返済する場合
 買主乙が割賦金の支払延滞により期限の利益を喪失したが,分割弁済の合意が成
 立した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例
 ―衢権留保を実行する場合
 売主甲が買主乙に対して所有権留保を実行し,自動車の引渡しと清算金の支払を
 合意した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
◆々格杆△寮楝海問題となる場合
 割賦販売の対象商品に契約不適合があることを理由として買主乙が信販会社丙に
 対する割賦金の支払を拒んだ場合において,交渉の結果,契約不適合の商品の処
 理及び割賦金の支払に関し,売主甲(加盟店),買主乙及び信販会社丙の三者間
 にて合意した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
II 不動産売買(契約の解除)
 1 基本合意書例
契約不適合の場合
 土地付建物の契約不適合を理由として,売主甲と買主乙が売買契約の解除に合意
 する事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例
 ゞ睛撒ヾ悗猟馘権が設定されている場合
 売主甲と買主乙が,売買契約の解除において,買主乙が金融機関に対し設定した
 抵当権設定登記の抹消登記手続に係る合意をした事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
◆’禀嫋斂製颪鯏渦鵑垢訃豺
 買主乙が買付証明書を撤回し,売主甲と買主乙が,契約締結上の権利義務関係を
 清算することを合意した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
2 金銭消費貸借契約(債務弁済合意)
 1 基本合意書例
分割弁済合意の場合
 借主乙が貸主甲に対する借入金の返済を延滞したが,分割弁済の合意が成立した
 事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例
(的担保を提供する場合
 借主乙が貸主甲に対する借入金の返済を延滞したが,物的担保を提供することで,
 分割弁済の合意が成立した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
⊆攫臀衢の不動産への仮差押えを取り下げる場合
 貸主甲が借主乙に対する貸金債権を被保全債権として乙所有の不動産を仮差押え
 したが,一時金の支払を条件として仮差押えを取り下げることを合意した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
3 不動産賃貸借契約
I 建物賃貸借契約
 1 基本合意書例
賃貸借契約を合意解除して明渡しを求める場合
 アパートの賃借人乙が賃料を長期間滞納したため,賃貸人甲が,賃貸借契約を解
 除して建物の明渡しと滞納賃料の支払を求めたところ,甲乙間で建物賃貸借契約
 を合意解除し,乙が建物を明け渡すこと及び甲が乙及び連帯保証人丙の未払賃料
 債務の一部を免除することについて合意が成立した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例
〔静呂靴鯲退料の支払と引換給付にする場合
 甲が,乙が建物を明け渡すのと引き換えに立退料を支払うことを合意した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
賃貸借契約を継続する場合
 賃借人乙が賃料を数か月滞納したために,賃貸人甲が契約を解除し,乙に建物の
 明渡しを求めたものの,甲乙間の話し合いにより,今後,賃料をきちんと支払う
 ことを条件として,引き続き賃貸借契約を継続することが合意された事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
II 土地賃貸借契約
 1 基本合意書例
土地賃貸借契約の期間満了にあたり借地権を買い取る場合
 賃貸人甲が賃借人乙に対し,土地賃貸借契約の期間満了を迎えるに際して,賃料
 の増額と更新料の支払を求めたところ,甲乙間で,甲が乙の借地権を買い取る内
 容の売買契約が成立した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例
無断改築の解決金を支払うことで賃貸借契約継続の合意が成立した場合
 土地の賃借人乙が,増改築禁止特約に違反して,所有建物の改装をしたことから,
 賃貸人甲が特約違反を理由として乙に対し契約の解除を通知したところ,乙が解
 決金を支払うことにより賃貸借契約を継続する内容の合意が成立した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
4 建築請負契約
I 建築瑕疵
 1 基本合意書例
請負契約において瑕疵があった場合(損害賠償請求)
 注文者甲は,請負人乙との間で建築請負契約を契約し,建物の完成引渡し後に漏
 水が発生した。漏水の原因が窓の設置の際の施工に瑕疵があったためであること
 が判明し,甲が乙に対して損害賠償を請求した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例
 \蘇薹戚鵑砲いて瑕疵があった場合(修補請求)
 注文者甲が,建築業者乙社と建築請負契約を締結し,完了引渡し後に比較的軽微
 な数個の瑕疵が判明したため,乙社に対して,瑕疵の修補を請求し,合意が成立
 した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
◆\蘇藺絛發判な笋紡紊錣訛山嫁綵金を相殺する場合
 注文者甲が,請負人乙と建築請負契約を締結し,甲が施工に瑕疵があるとして請
 負代金の支払を拒んだため,乙が請負代金の支払を請求したところ,協議の結果,
 乙が瑕疵の存在を認め,甲乙間で請負代金と債務不履行に基づく損害賠償金(改
 正前民法における修補に代わる損害賠償金)を相殺する合意がされた事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
II 契約解除
 1 基本合意書例
出来高清算する場合
 注文者甲が請負人乙との間で建築請負契約を締結したが,工事がある程度進んだ
 段階で,甲乙間の協議により契約を合意解除して終了させ,出来高を算定し清算
 する内容の合意が成立した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
5 業務委託契約・委任契約
I 不動産仲介契約
 1 基本合意書例
宅建業者である売主及び仲介業者に調査・説明義務違反がある場合
 土地の売買契約に関し,宅建業者である売主甲及び仲介業者乙に,売買の目的物
 たる土地に契約不適合があること(改正前民法における「隠れた瑕疵」があるこ
 と)について説明義務違反があるとされ,土地の買主丙に対し損害賠償をするこ
 ととなった事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
応用事例
 …樟楴莪(抜き取引)の場合
 不動産売買に関し,売主乙が,仲介業者甲との間で仲介契約を締結しながら相手
 方と直接交渉をして売買契約を締結した場合に,仲介業者甲が売主乙に対して報
 酬を請求し,売主乙が報酬を支払う旨を約した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
◆ー衂嬖棄による売買契約の解除の場合の仲介報酬について
 売主乙から委託を受けた仲介業者甲の媒介により買主丙との間で売買契約が成立
 したが,買主丙が手付放棄をして当該契約を解除した場合に,売主乙が仲介業者
 甲に対し媒介報酬を支払う旨約した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
II 弁護士等の委任契約の解消
基本合意書例
弁護士の訴訟委任契約が中途で終了した場合
 通常の民事訴訟事件について,依頼者甲が弁護士乙に依頼して訴訟を提起したと
 ころ,訴訟進行中に,甲乙間の信頼関係が失われて,訴訟委任契約を合意解約し,
 当該時点までの業務に相当する弁護士報酬の支払を約した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
応用事例
 ー領済みの着手金の一部を返還する場合
 受任弁護士乙が事件着手後,早い段階で委任契約を合意解約して辞任することに
 なった場合に,受領済みの着手金の一部を依頼者甲に返還する事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
◆_鷦金から成功報酬を差し引いて返金する場合
 事件終了後,受任弁護士乙が訴訟事件の相手方から金員を回収して預かり,成功
 報酬を差し引いてその残額を依頼者甲に返金する旨通知したところ,成功報酬の
 金額について紛争が生じた事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
6 リース契約
 1 基本合意書例
リース対象物件を引き渡す場合
 リース契約のユーザー乙がリース会社甲に対するリース料の支払を延滞したため,
 リース対象物件の引渡しについてユーザーが同意した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
知的財産権紛争
I 著作権事件
基本合意書例
インターネット上の著作権侵害の場合
 乙が甲の保有する著作権を侵害したことを認め,差止めについての合意が成立し
 た事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例
 |作権侵害データの抹消を具体的に規定する場合
応用事例の解説
裁判官の視点
◆^貭蟯間の著作物使用を認める場合
応用事例の解説
裁判官の視点
 違約金を定める場合
応用事例の解説
裁判官の視点
ぁー婪疆を定める場合
応用事例の解説
裁判官の視点
II 商標権事件
 1 基本合意書例
商標権侵害の場合
 乙が甲の保有する商標権を侵害したことを認め,差止めと損害賠償についての合
 意が成立した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例
 /害行為を認めない場合
 被疑侵害者乙が自らの商標を変更する旨の合意が成立した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
◆‐ι幻△陵効性を争わない場合
応用事例の解説
裁判官の視点
 商標権が無効になった場合
応用事例の解説
裁判官の視点
ぁ^貭蟯間の標章使用を認める場合
応用事例の解説
裁判官の視点
ァー婪疆を定める場合
応用事例の解説
裁判官の視点
Α‐ι幻⊃害品の取引先に関係する場合
 侵害品の販売先からの回収等の合意が成立した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
8 会社関係紛争
I 役員の第三者責任
 1 基本合意書例
代表取締役に損害賠償請求する場合
 A社の代表取締役乙が,乙の親族が経営するB社にA社の資金を貸し付けたが,
 それが回収不能に陥り,A社も破産するに至ったため,A社に対する融資を回収
 できなくなった甲社が乙に対して損害賠償を請求し,乙が解決金として損害の一
 部を支払う内容で合意が成立した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例
代表取締役のみならず,他の取締役に対しても損害賠償請求する場合
 A社の代表取締役乙が行った親族の経営するB社への貸付けが回収不能に陥り,
 A社も倒産するに至ったため,A社に融資をしていた甲社が乙及びA社の取締役
 である丙に対して損害賠償を請求し,乙及び丙が解決金として損害の一部を支払
 う内容で合意が成立した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
II 株主代表訴訟
 1 基本和解条項例
会社が原告である株主側に共同訴訟参加した場合
 A社(参加人)の代表取締役乙(被告)が,乙の親族が経営するB社にA社の資
 金を貸し付けたが,それが回収できなくなったため,A社の株主甲(原告)が,
 乙に対し,回収不能となった貸付金相当額について株主代表訴訟を提起したとこ
 ろ,乙がA社に損害賠償金を支払い,共同訴訟参加したA社が甲に弁護士費用を
 支払う内容で和解が成立した事例。
基本和解条項例の解説
裁判官の視点
応用事例
取締役の損害賠償責任のほか,会社が再発防止策を設ける場合
 A社(利害関係人)が,他社と談合行為を行ったとして公正取引委員会から課徴
 金納付命令を受け,課徴金全額を納付したことから,A社の株主甲(原告)が,
 A社の代表取締役乙(被告)に対して課徴金相当額の損害について株主代表訴訟
 を提起したところ,乙が利害関係人として参加したA社に損害賠償金を支払い,
 A社が再発防止策を設ける内容で和解が成立した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
9 M&A(企業買収)
 1 基本合意書例
表明保証違反の場合
 甲がA社の株主である乙からA社の株式を譲り受けたが,その後,簿外債務はな
 いとの表明保証に反してA社に簿外債務があることが明らかになったため,甲が
 乙に対してA社の企業価値の減少分について損害賠償を求め,乙がその損害の一
 部を支払う内容で合意した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例
MAC事由により契約を合意解除する場合
 甲がA社の株主である乙との間でA社の株式譲渡契約を締結し,譲渡代金の一部
 を支払ったが,その後,MAC条項に規定されたA社の事業に重大な悪影響を及ぼ
 す事象が発生したため,甲が乙に対してA社の株式譲渡契約の解除を求め,乙が
 これを受け入れ,A社の株式譲渡代金を返還する内容で合意した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
10 労働事件
I 解  雇
 1 基本合意書例
解雇の場合
 甲社は,従業員乙の度重なる問題行為を理由として,乙を解雇したが,乙は解雇
 に理由はなく無効であると主張をして争われ,甲乙間の協議により労働契約を合
 意解約して甲が退職する内容の和解が成立した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
応用事例
 ”職する場合
 甲社は,従業員乙を解雇したが,甲が解雇を撤回し,乙が元の職場に復帰する内
 容の和解が成立した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
◆…┣解雇の場合
応用事例の解説
裁判官の視点
II ハラスメント
 1 基本合意書例
セクシャル・ハラスメントの場合
 甲が乙社でセクシャル・ハラスメントを受けたことによりうつ病を患い,そのた
 めに乙社を退職せざるを得なくなった事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例
パワー・ハラスメントの場合
 乙の従業員丙が,同じく従業員で丙の部下である甲に対して,パワー・ハラスメ
 ントを行った事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
11 交通事故
I 人損・物損
 1 基本合意書例
人損事故の場合
 乙運転の車両(丙所有)が,交差点横断中の甲に衝突し,甲が傷害を負った交通
 事故で,甲の損害について甲乙丙間で示談が成立した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例
物損事故の場合
 車両同士の接触事故で,双方に過失があり,双方に物損が生じ,相殺合意により
 処理する場合の合意書例。
応用事例の解説
裁判官の視点
II 自転車事故
 1 基本合意書例
自転車事故の場合
 乙が,使用者丙のため業務遂行中に自転車を運転していたところ,甲の運転する
 自転車に接触して甲が損害を受けたところ,甲乙丙間で示談が成立した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
12 医療事故
 1 基本合意書例
医師の手技上の過失を認めた場合
 乙医療法人に勤務する丙医師が,外科的手術の際にガーゼを患者甲の体内に置き
 忘れたため,腹痛を訴えた患者に対して,留置されたガーゼを摘出するために改
 めて外科的手術を施したことについて,手技上の過失があることに争いがないこ
 とから,乙と丙が甲に謝罪して,損害を賠償する内容の和解が成立した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例
 ^綮佞寮睫正遡外稟燭鯒Г瓩疹豺
 乙一般財団法人が開設する病院に勤務する丙医師について,両上目蓋の整形外科
 的手術を施した場合について,手技上の過失は認められないが,手術前に手技の
 内容等についての説明義務を怠ったことから,説明義務違反と相当因果関係の認
 められる損害を賠償する内容の和解が成立した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
◆^綮佞責任を認めない場合
応用事例の解説
裁判官の視点
13 学校事故
 1 基本合意書例
休憩時間に生徒が学校事故を起こした場合
 中学校の休み時間に,男子生徒乙が,校庭で禁止されていたキャッチボールをし
 ていたところ,折から通りかかった女子生徒甲の頭にボールが当たり,転んでけ
 がをした事案において,甲乙間で損害賠償についての合意が成立した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例
 _坦下垈気砲茲觴婪疆を定める場合
応用事例の解説
裁判官の視点
◆〃沙手続が進行中の場合
応用事例の解説
裁判官の視点
 守秘義務等を定める場合
応用事例の解説
裁判官の視点
ぁー談成立後に新たな請求をしないことを合意する場合
応用事例の解説
裁判官の視点
14 ストーカー
 1 基本合意書例
ストーカー行為の場合
 ストーカー乙が,被害者甲に対して損害賠償を合意した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
15 名誉毀損
 1 基本合意書例
名誉毀損をめぐるトラブルを解決する場合
 A法人の理事である甲について,同法人の理事乙が,「甲は関係団体から賄賂を
 受け取って私腹をこやしている。暴力団とも付き合いがある。毎晩クラブ通いを
 して遊び歩いている。」等と記載したビラ数十枚をAの会員に送付したことに関
 して,乙が甲に謝罪し,名誉回復措置をとることなどを約する内容の和解が成立
 した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例
 .ぅ鵐拭璽優奪箸砲ける名誉毀損の場合
 不特定多数の者が閲覧できるインターネット上の電子掲示板において,「○○会
 社に勤務する甲は,未成年者と援助交際している。同僚の○○と不倫もしている。
 」等の書込みが投稿されていることについて,甲と投稿者乙との間で,当該書込
 みの削除や慰謝料の支払などを内容とする和解が成立した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
16 近隣紛争
I 騒  音
 1 基本合意書例
騒音防止の措置を約束した場合
 マンションの住人乙が,隣室の甲に対し,楽器等による騒音により甲に不眠症の
 傷害を負わせたことを認め,将来における騒音を防止するための措置を約束した
 事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
II 境  界
 1 基本合意書例
土地の境界について合意した場合
 相互に隣地となる土地を所有する甲と乙が,公法上の境界が不明確となっている
 場合において,その境界の確定とこれにより認められる所有権を確認した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
17 家事事件
I 離  婚
 1 基本合意書例
協議離婚の場合
 夫甲と妻乙は,甲の不貞行為を理由として離婚することに合意し,子どもの親権
 者を乙とし,財産分与として不動産の分与,慰謝料の支払,年金分割の合意が成
 立した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例
 ‐魴鑄佞で離婚に応じる場合
 甲乙両者の子どもの就職を条件に離婚するとの合意が成立した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
◆〔眠餮鯲について詳細な定めを置く場合
応用事例の解説
裁判官の視点
 財産分与について詳細な定めを置く場合
応用事例の解説
裁判官の視点
II 相続事件
 1 基本合意書例
遺産分割協議書
 夫の死後,相続人である妻と3人の子どもの間で遺産分割協議が成立した事例。
基本合意書例の解説
裁判官の視点
 2 応用事例[1]―通常の相続の場合
 ”堝飴最箋僂靴栃配する場合
応用事例の解説
裁判官の視点
◆〜蠡該盪困乏式があった場合
応用事例の解説
 親の扶養・介護についての条項を入れた場合
応用事例の解説
裁判官の視点
ぁ〆怎承継の問題を入れた場合
応用事例の解説
裁判官の視点
ァ〜蠡垣濃拱Г良要性から遺産の一部について分割協議がなされた場合
応用事例の解説
裁判官の視点
 3 応用事例[2]―事業承継の場合
 〇業承継に関する場合
 A社(非上場)のすべての株式を保有するBが死亡し,Bの子であるA社代表取
 締役甲がA社株式のすべての承継(相続)を希望したが,Bの子である乙が法定
 相続分に従ってA社株式の承継(相続)を主張したため,甲が乙に対して甲の資
 産から一定の金銭を支払う内容で遺産分割が成立した事例。
応用事例の解説
裁判官の視点
◆,修梁召旅膂嬶磧衆篁妻割(合意)に役員退職金を活用する場合
応用事例の解説
裁判官の視点
 事項索引/判例索引

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