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最新裁判実務大系第8巻 労働関係訴訟


最新裁判実務大系


最新裁判実務大系第8巻 労働関係訴訟
 
編・著者山川隆一・渡辺弘編著
判 型A5判
ページ数560頁
税込価格6,912円(本体価格:6,400円)
発行年月2018年6月
ISBN978-4-417-01739-4
在庫有り
  
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■解説
●多くの裁判官が参集して実務家からの視点を提示することを目指し
 て刊行されたもので,裁判手続に関わり労働紛争の解決や予防を担
 当する弁護士にとって,信頼性の高い最良の実務書!
●全国で活躍している労働関係訴訟に通暁する裁判官らによる執筆!
●集団的労働関係に関わる18項目も含めた全86項目。労働関係訴訟に
 通暁している裁判官を中心にして,労働関係訴訟に関する主要な論
 点を取り上げて,それに関する判例,裁判例を理論的に考察し,ま
 た事例に応じた実践的な検討を加えることで,裁判手続に関わる方
 々はもとより,労働紛争の解決や予防を担当する多くの方々の参考
 に供し,さらに,労働法学を学ぶ方々に対して,実務家からの視点
 を提示!


編 著 者
山 川 隆 一 中央労働委員会会長
       前東京大学大学院法学政治学研究科教授
渡 辺   弘 東京地裁立川支部判事

執 筆 者
矢 尾 和 子 東京地裁所長代行(東京簡裁事務掌理)
龍 見   昇 広島地家裁判事
織 田 佳 代 奈良家地裁判事
菊 池 憲 久 東京法務局訟務部長
蓮 井 俊 治 千葉地裁判事
甕福仝一郎 東京高裁判事
多見谷 寿郎 福岡高裁那覇支部判事
村井 美喜子 東京地裁判事補
大 島 眞 一 徳島地家裁所長
篠 原 絵 理 東京高裁判事
戸 取 謙 治 東京地裁判事補
鈴木 千恵子 千葉地裁判事
二宮 正一郎 那覇地家裁沖縄支部判事補
白 石   哲 福岡地裁所長
三 浦 隆 志 東京地裁立川支部判事
早 田 尚 貴 弁護士
田 中 一 隆 松山地家裁西条支部判事
田 辺 暁 志 大阪地家裁堺支部判事
伊藤 由紀子 京都地裁判事
村 主 幸 子 仙台家地裁判事
渡 邉 容 子 高知家地裁判事補
日 比 野 幹 名古屋高裁判事
森 岡 礼 子 知財高裁判事
松 田 典 浩 水戸地家裁土浦支部判事
中 村   哲 関西大学法科大学院教授・前大阪高裁判事
金 子  雄 大阪高裁判事
西村 康一郎 東京地裁判事
足 立 堅 太 静岡家地裁浜松支部判事
山 川 隆 一 上掲
藤 下   健 大阪高裁判事

(執筆順。編著者・執筆者の肩書は平成30年3月現在)


はしがき
 現在の労働関係訴訟を巡る状況を概観すると,国の労働政策が大きく変化する中,
様々な立法や制度改革が行われ,さらなる立法の動きもみられるところである。社会
全体としても,労働契約の形態は,年を追って多様となっており,これまでの労働法
上の枠組みでは把握できない事例も増加している。そして,労働紛争を解決する方法
も,従前からの裁判所や労働委員会の手続による紛争解決手段のほかに,労働審判制
度,都道府県労働局の個別労働紛争解決促進制度等による多様な紛争解決手段が用意
されるに至っている。従前から,労働法制に関しては,最高裁判例を中心とした判例
法理が大きな影響を与えてきたと指摘されているが,上記のような労働法制や労働契
約の大きな変化に応じて,多くの分野で新たな枠組みを用いる裁判例が登場し,また
,新たな立法や枠組みを,様々な内容の事例に適用する裁判例が出されているという
のが現状であろう。
 本書の企画が始まったのは,平成23年(2011年)のことであり,全国で活躍してい
る労働関係訴訟に通暁している裁判官を中心にして,労働関係訴訟に関する主要な論
点を取り上げて、それに関する判例,裁判例を理論的に考察し,また事例に応じた実
践的な検討を加えることで,裁判手続に関わる方々はもとより,労働紛争の解決や予
防を担当する多くの方々の参考に供し,さらに,労働法学を学ぶ方々に対して,実務
家からの視点を提示することができないものかという思いによるものであった。
 この企画によって実務家を中心とする執筆者から寄せられた論稿は、集団的労働関
係に関わる18項目も含めて86項目に及び,その水準といい分析の精緻さといい,上述
の目的を達した内容であると自負するものである。もっとも同時に、これだけ多数の
論稿を掲載するには,多くの時間を要することとなった。そのため,当初予定してい
た項目や論稿の中には,冒頭で述べた大きな変化の中でその意味合いが変化したこと
から,執筆者に大幅な手直しをお願いするなどの対応をせざるを得なくなったものも
ある。また,ごく最近の裁判例の状況や論点、例えば労働契約法20条を巡る裁判例の
増加についても,これを突っ込んで分析するだけの時間的余裕はなかった。ご迷惑を
おかけした各位には,深くお詫び申し上げるところである。
 ともあれ,このたび,上述の86項目の力作を3分冊に収めた本書を世に送り出すは
こびとなり,企画から携わったわれわれとしては,胸をなでおろしているところであ
る。これらの論稿が,労働関係訴訟の手続に携わる方々,多様な労働関係の紛争解決
や予防に関与する方々、労働法を学び,研究する方々の参考に供されるところとなれ
ば,われわれの大きな喜びとするところである。
 最後に,本書の刊行に粘り強くご尽力いただいた青林書院編集部の長島晴美さんに
は,深く謝意をあらわすものである。
  平成30年3月
山川隆一 渡辺弘


■書籍内容
后仝柩冓薪・労働者の人格権
30 男女賃金差別・昇格差別
 女性従業員の賃金が男性従業員に比べて不当に低額であるとして訴訟を提起
 する場合,どのような規定に基づいて,どのような請求をすることができる
 か。また,一般職と総合職のような,コースの異なる雇用管理がされている
 女性従業員と男性従業員の場合はどうか。
〔1〕問題の所在
〔2〕男女雇用平等法制の内容
〔3〕違反の効果
〔4〕コース別雇用管理
〔5〕 訟における審理等
31 セクシュアル・ハラスメント
 会社の従業員が上司から体を触られたり,抱きつかれたりするなどの行為を
 された場合,当該上司及び勤務先の会社はどのような責任を負うか。
〔1〕問題の所在
〔2〕セクシュアル・ハラスメントに関する法律上の規制
〔3〕加害者である従業員の責任
〔4〕会社の責任
〔5〕最 後 に
32 労働者のプライバシー・人格権
 企業が,従業員の私的電子メールを監視することや身だしなみを規制する
 ことは許されるか。
〔1〕問題の所在
〔2〕労働者の人格権・プライバシーの保護に関連する法律上の規定等
〔3〕労働者の人格権・プライバシーに関する裁判例
〔4〕私的電子メールの監視・調査
〔5〕身だしなみの自由と規制
〔6〕まとめ
33 いじめ・パワーハラスメント
 いじめ・パワーハラスメントによる労働者の自殺について,使用者の安全
 配慮義務違反が認められるのはどのような場合か。また,労災保険給付の
 場面において,いじめ・パワーハラスメントによる労働者の自殺の業務起
 因性が認められるのはどのような場合か。
〔1〕問題の所在
〔2〕いじめ・パワハラの定義
〔3〕安全配慮義務違反
〔4〕パワハラによる自殺(労働災害)の業務起因性の判断(因果関係論の
   補足)
〔5〕まとめ

此]働災害と労災保険給付
34 災害性傷病――業務起因性と遂行性
 労働者が,宿泊を伴う業務出張の際,宿泊施設内での夕食時に飲酒した後,
 施設の階段で転倒し,頭部を打撲したことにより急性硬膜外血腫により死亡
 した場合,この死亡は業務災害に当たるといえるか。
〔1〕はじめに
〔2〕労災保険給付の手続
〔3〕業務起因性
〔4〕業務遂行性
〔5〕裁判例の動向について
〔6〕設問について
35 急性脳・心臓疾患の業務起因性
 労働者が急性の脳・心臓疾患(脳出血・心筋梗塞等)により死亡したり,障
 害を負うなどした場合,労災保険給付を受けることができるのはどのような
 場合か。
〔1〕問題の所在
〔2〕労災保険給付の要件
〔3〕業務起因性
〔4〕脳・心臓疾患の業務起因性の判断
〔5〕おわりに
36 自殺の業務起因性
 担当部署において1億円にも上る過去に例のない多額の商品が所在不明となっ
 たことが発覚したうえ,社内規則に反した事務処理をしていたことから自らの
 不正行為を疑われかねない状況となり,その数か月後,自宅に伝票類を持ち帰
 るなどして勤務時間外に月80時間程度をかけて調査したものの,原因が判明せ
 ず,そのような中で,他のことには手がつかず,調査についても効率よく進め
 られず,元気がなく自信を喪失した様子を示すようになり,その半月後に自殺
 した場合
(1) うつ病を発病したと認めることができるか。
(2) 業務の過重性をいかなる労働者を基準として判断すべきであるか。また,
   業務の過重性と本人の素因や業務外の負荷要因とをどのような順序で判断す
   べきであるか。
(3) 業務の過重性の判断を認定基準の心理的負荷評価表等を使用して行うことは
   相当か。
(4) 業務の過重性判断において自宅への持ち帰り残業を考慮することができるか。
〔1〕問題の所在
〔2〕精神障害発病の認定(設例(1))
〔3〕基準労働者及び判断の順序(設例(2))
〔4〕判断手法
〔5〕その他の問題点――認定基準により改善された点等
〔6〕終わりに
37 通勤災害
 通勤災害として、どのようなケースが問題となり、どのように判断されるか。
〔1〕通勤災害の概要
〔2〕通勤災害の要件

察]働災害と損害賠償
38 安全配慮義務の内容・主張立証責任
 使用者が労働者に対して負う安全配慮義務の内容及びその主張立証責任はど
 のようなものか。
〔1〕問題の所在
〔2〕安全配慮義務が認められる根拠
〔3〕安全配慮義務の内容
〔4〕安全配慮義務の主張立証責任
〔5〕安全配慮義務違反の効果
39 過労死・過労自殺と損害賠償責任
 労働者の過労死又は過労自殺の事例において,使用者が損害賠償責任を負う
 のはどのような場合か。その際に考慮される事情は具体的にどのようなものか。
〔1〕問題の所在
〔2〕業務と死亡の結果との因果関係
〔3〕使用者側が果たすべき具体的な義務の内容
〔4〕過失相殺・素因減額の判断要素
〔5〕民法上の損害賠償と労災補償制度との調整
〔6〕電通事件
〔7〕まとめ
40 過失相殺・素因減額
 労働者が,業務による疲労の蓄積を原因として虚血性心疾患を発症して死亡
 したところ,労働者に基礎疾患があった場合,その基礎疾患を損害額の認定
 にあたって考慮すべきか。
〔1〕問題の所在
〔2〕過失相殺・素因減額について
〔3〕労災事故における過失相殺について
〔4〕過失相殺・素因減額の具体的な適用について
〔5〕まとめ
41 資格外就労外国人労働者の労災による損害賠償額の算定
 資格外就労外国人労働者の労災事件において,損害賠償額はどのように算定
 されるか。
〔1〕問題の所在
〔2〕各損害項目の算定
42 損害賠償責任と労災保険給付(過失相殺との先後・年金給付の扱い)
 XはAの従業員であるが,Aの業務に従事中、第三者Yの過失による事故に
 より負傷して後遺障害が残存し,治療費100万円,休業損害100万円,逸失利
 益3000万円及び慰謝料2000万円の合計5200万円の損害が発生した。Xは,Y
 に対し,不法行為に基づく損害賠償請求として上記損害額及びこれに対する
 事故の日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払
 を求めた。Xは,口頭弁論終結時(11月)において,労働者災害補償保険法
 に基づき,療養補償給付90万円,休業補償給付60万円,9月分までの障害補
 償年金合計300万円(1か月当たり20万円)を受給していた。また,上記事故
 につきXにも過失があり,Xの過失割合は5割であった。
 XのYに対する損害賠償請求権の額をどのように算定すべきか。
〔1〕総  論
〔2〕災害補償,労災保険給付及び民法上の損害賠償の関係
〔3〕過失相殺との先後
〔4〕年金給付の扱い
〔5〕まとめにかえて

次]働契約の終了
43 労働契約上の地位確認訴訟の運営
 解雇や雇止めの無効を争って,労働契約上の権利(雇用契約上の権利)を
 有することの確認を求める訴訟において,原告(労働者)や被告(使用者)
 は何を主張・立証すべきか。また,当該訴訟を運営する裁判所が留意すべき
 ことは何か。
〔1〕はじめに
〔2〕解雇権濫用法理
〔3〕解雇権濫用法理の適用要件(判断枠組み)
〔4〕地位確認訴訟における訴訟物と請求の趣旨
〔5〕地位確認訴訟において当事者が主張・立証すべき事実――要件事実の
   検討を中心に
〔6〕使用者が主張する解雇事由(解雇権の濫用でないことを証明する事実=
   評価障害事実)についての制限等
〔7〕解雇権濫用の有無を判断する具体的事情
〔8〕当事者の訴訟活動における留意点
〔9〕最後に――合理的な和解による解決
44 能力不足・職務不適格を理由とする解雇
(1) Xは,Yの統括事業部長兼務取締役を務めていたが,酒に酔った状態で
   出勤したり,取引先の担当者も同席する展示会の会場でろれつが回らな
   くなるほど酔ってしまうことなどがあり,Xの勤務態度や飲酒癖につい
   ては,従業員や取引先からYの社長に苦情が寄せられていた。しかし,
   Yの社長は,Xに対し,飲酒を控えるよう注意したことはあるが,それ
   以上に勤務態度や飲酒癖を改めるよう注意・指導したことはなく,Xが
   飲酒を控えるということはなかった。そのような中,Xは,取引先の担
   当者と打合せの予定があったのに出勤せず,Yから電話で出勤するよう
連絡を受けたのに対し,日曜日だと思っていたと弁解し,その日は出勤
   しなかった。社長は,Xに代わって取引先の担当者と打合せをしたが,
   取引先の関係者でありYの大口取引先でもある会社の代表者から,Xを
   解雇するよう求められたうえ,同日夜,Xと電話で話をした際には,X
   が酒に酔った状態で,「(自分を)辞めさせたらどうですか。」と述べ
   たことから,Yの社長は,苦情を寄せている従業員や取引先からXをか
   ばいきれないと考え,懲戒処分などの解雇以外の方法を採ることなくX
   を普通解雇した。
(2) Xは外資系のYの人事本部長として雇用された者である。Xは,Yが人
   事本部長という地位を提供するというのでYに入社したが,YもXを人
   事本部長以外の地位・職務で採用する意思はなかった。ところで,Xは,
   前任の人事本部長であったXの指導担当者から,Yの給与職のうちの55
   の職について,各担当者と面談等を行い,これらに基づいた分析結果等
   をレポートするよう指示されていたにもかかわらず,5つの職の者と面
   談をすませただけでこれを完了しなかった。途中,進捗状況等を指導担
   者から尋ねられたが,その際には,Xは面談は大部分が完了しているな
   どと虚偽の報告をしていた。Xは,指導担当者から,社内連絡等の文書
   の起案は,部下に任せるのではなく,自らが行って欲しいと指導・勧告
   を受けたが,Xの執務態度には変化がなかった。Yでは,従業員の配置
   転換にはアジア太平洋地域本部の承認を必要としたが,Xは部下の助言
   にもかかわらず,事前の承認なく従業員の配置転換を実施した。Yは,
   上記の経緯で,Xの人事本部長としての能力に疑問を抱いていたところ,
   Xが承認なく配置転換を実施したことから,Xには人事本部長としての
   能力・適性が欠如しているとして,配置転換や降格を実施することなく,
   Xを普通解雇した。
  設例(1),設例(2)の解雇の効力はどう考えたらよいであろうか。
〔1〕はじめに
〔2〕能力不足・職務不適格を理由とする解雇
〔3〕上級の管理職,技術者,営業社員等
〔4〕まとめ
45 整理解雇
 整理解雇とは何か。どのような場合に,整理解雇による労働契約の終了は
 是認されることとなるか。
〔1〕問題の所在
〔2〕要件説か要素説か
〔3〕主張立証責任
〔4〕人員整理の必要性について
〔5〕解雇回避努力について
〔6〕人選の合理性について
〔7〕いわゆる不利益緩和措置について
〔8〕おわりに
46 疾病労働者
 メンタルヘルス休職者を労働基準法19条に違反して解雇した場合,賃金債権
 はどのように取り扱われるか。また,休業補償給付等の労災保険制度との関
 係はどうなるか。
〔1〕問題の所在
〔2〕労働基準法19条の構造
〔3〕労務の履行不能の場合の賃金請求権
〔4〕残された問題
〔5〕民法(債権法)改正における解釈論
47 傷病休職の休職期間の満了
 就業規則に休職について下記の定めがあり,業務外の傷病(私傷病)による
 従業員の欠勤が6か月を超えたとして,当該従業員に対し,就業規則10条1
 項1号に基づき休職期間を1年間として休職が命じられ,その後,休職期間
 が満了したとして,同条3項に基づき退職扱いとされた場合,労働契約は終
 了するか。

第10条(休職)
1 従業員が次の場合に該当するときは,会社は,従業員に対し,所定の期間
  の休職を命じることができる。
 (1)私傷病による欠勤が6か月を超え,なお療養を継続する必要があるため
   勤務できないと認められたとき
 (2)前号のほか,特別な事情があり休職させることが適当と認められるとき
   必要な期間
2 休職期間中に休職事由が消滅したときは,もとの職務に復帰させる。ただ
  し,もとの職務に復帰させることが困難であるか,又は不適当な場合には,
  他の職務に就かせることがある。
3 1項1号により休職し,休職期間が満了してもなお傷病が治癒せず就業が
  困難な場合は,休職期間の満了をもって退職とする。
4 本条に定める休職期間中は,賃金を支給しない。
(以下,省略)
〔1〕はじめに
〔2〕典型的な争点及び主張立証責任の所在
〔3〕休職事由の消滅(「治癒」)の意義及び裁判例の紹介
〔4〕設問の検討(まとめ)
48 退職の意思表示
 労働者が退職の意思表示を撤回したり取り消したりできるのは,どのような
 場合か。
〔1〕問題の所在
〔2〕退職の意思表示の法的性質
〔3〕口頭による退職の意思表示
〔4〕合意解約の申込み撤回の根拠
〔5〕合意解約の申込みを撤回できる場合
〔6〕退職の意思表示に瑕疵がある場合
〔7〕まとめ
49 違法解雇の効果
 解雇された労働者が,解雇が違法であるとして,賃金相当額を逸失利益とし
 て賠償請求することはできるか。また,慰謝料を請求することはできるか。
〔1〕問題の所在
〔2〕違法解雇を理由とする賃金相当額の損害賠償請求の可否
〔3〕逸失利益の賠償額
〔4〕違法解雇を理由とする慰謝料請求の可否
〔5〕まとめ
50 解雇後の中間収入,再就職した際の取扱い
 解雇が無効の場合の解雇期間中の未払賃金請求について,労働者がその期間
 中に他の職に就いて利益(中間収入)を得た場合,使用者は,未払賃金を支
 払うにあたり,この中間収入を賃金額から控除することができるか。
〔1〕問題の所在
〔2〕解雇が無効の場合の賃金請求
〔3〕解雇期間中の中間収入の控除
〔4〕再就職に伴う問題等
〔5〕まとめ
51 変更解約告知
(1) 使用者は,期間の定めのない労働契約の労働者に対し,労働条件の変更
   を申し入れるとともに,これに応じない場合には解雇すると告げた。
   このような解雇の有効性は,どのように判断されるか。
(2) 使用者が,更新が繰り返された期間の定めのある労働契約の労働者に対
   し,その期間満了に際し,従前と異なる労働条件での更新を申し入れ,
   労働者が,その申入れに応じずに従前と同一の労働条件での更新を求め,
   両者で更新の合意に至らなかった場合,解雇権濫用法理の類推適用につ
   き,どのような問題が生じるか。
〔1〕問題の所在
〔2〕変更解約告知の裁判例
〔3〕変更解約告知と就業規則の合理的変更の法理との関係
〔4〕留保付き承諾
〔5〕変更解約告知の有効性の判断基準
〔6〕有期労働契約の更新と労働条件の変更
〔7〕まとめ
52 会社分割と労働契約の承継
 会社分割の際の労働契約の承継において,労働者の権利はどのように保護
 されているか。
〔1〕問題の所在
〔2〕会社分割
〔3〕企業組織再編成関連の法整備の一環としての会社分割制度創設と労働
   契約承継法の成立の経緯
〔4〕会社分割制度の創設に伴う労働者保護の必要性
〔5〕労働契約承継法の概要
〔6〕労働者との協議,労働者の理解と協力を得る努力義務の不履行の効果
〔7〕まとめ
53 退職後の競業避止義務
  退職後の競業避止義務違反に基づく損害賠償責任は,どのような場合に
  認められるか。
〔1〕問題の所在
〔2〕退職後の競業避止義務の根拠
〔3〕競業禁止特約等に基づく場合
〔4〕不法行為に基づく場合
〔5〕まとめ

宗‖人佑箆働関係
54 有期労働契約の更新
 有期労働契約が締結されている場合,定められた期間満了時に労働契約は
 終了(雇止め)となるか,同雇止めについて,解雇における解雇権濫用法
 理が類推適用されるか,同類推適用が認められるとして,それが認められ
 る場合はどのような場合か。また,雇止めに解雇権濫用法理の類推適用が
 認められる場合,期間の定めのない労働契約との間で同法理の適用内容に
 相違があるか。そして,労働者が更新に対する合理的期待をもった後の労
 働契約更新の際に,使用者から提示された不更新予定条項を含む更新後の
 労働契約の締結を労働者が拒否した場合,使用者からの更新拒絶は正当と
 されるか。
〔1〕問題の所在
〔2〕前提事項
〔3〕雇止めについて,解雇における解雇権の濫用法理が類推適用される場合
〔4〕雇止め(期間の定めのある労働契約)の場合と解雇(期間の定めのない
   労働契約)の場合における解雇権濫用法理適用時における内容
〔5〕雇止めが濫用として当該労働契約が更新された場合における労働契約
   の内容
〔6〕更新時における次回更新時の更新を拒絶する旨の不更新予約条項を
   含んだ契約条項の意義
〔7〕その他(損害賠償請求)
〔8〕おわりに
55 有期雇用の期間途中解雇
 甲は,派遣会社である乙社と期間6か月の派遣労働契約を締結し,I社に
 派遣されて働いていたが,雇用開始後3か月目に,I社が業績不振を理由
 に乙社との労働者派遣契約を解除することになったため,乙社は30日前に
 予告したうえ,甲を解雇した。
 甲が乙社と締結していた労働契約書には「甲又は乙の都合により,契約期
 間中であっても,いつでも契約を解除できる」旨の記載がある。甲が解雇
 に不満がある場合,乙社に対して,どのような請求ができるのか。その場
 合の要件はどのようなものか。
〔1〕問題の所在
〔2〕有期労働契約の期間中解雇について
〔3〕まとめ(設例について)
56 パートタイマー
 正社員といわゆるパートタイム労働者との間に賃金格差がある場合,その
 差別の有無についてはどのように判断されるべきか。
〔1〕問題の所在
〔2〕〔丸子警報器事件〕判決とパートタイム労働法改正の経緯
〔3〕平成26年改正法の内容
〔4〕裁判例の動向
〔5〕まとめ
57 高年齢者雇用
 A社には,就業規則で60歳定年制が定められていたところ,満60歳に達す
 る正社員Bは,A社に再雇用を希望する旨申し出たが,A社はこれを拒否
 した。
(1)A社に60歳以降の従業員の継続雇用又は再雇用に関する就業規則がない
  場合の問題点としていかなるものが考えられるか。
(2)A社に,満60歳に達した正社員については^き続き継続して勤務する
  ことに健康上の問題がないと会社が認めた者で,過去3年間に懲戒免
  職事由がない場合,E該従業員が希望すれば,再雇用契約社員就業規
  則により1年更新の嘱託社員として再雇用する旨の就業規則がある。
  A社はBに懲戒免職事由があったことを理由に再雇用を拒否していたが,
  審理の結果,懲戒免職事由がないことが判明した。Bにはいかなる請求
  権が認められるか。
〔1〕問題の所在
〔2〕定年制について
〔3〕高年齢者雇用確保措置に関わる紛争の変化
〔4〕高年法による高年齢者雇用確保措置の義務化に関する立法の経過
〔5〕高年齢者雇用確保措置の具体例
〔6〕「私法上の効力」の多義性
〔7〕高年法の私法上の効力
〔8〕継続雇用制度がある場合に生起する問題
〔9〕就業規則の不利益変更
〔10〕請求の趣旨ないし判決の主文の記載
〔11〕要件事実の分配
〔12〕問題についての解答
58 国際労働関係と適用法規
 国際的な労働関係への労働法規の適用のあり方について,以下のような場合
 をどう考えるか。
(1)外国企業の日本支店で勤務する外国人に対する解雇の適法性が争われた
  場合,当該契約において外国法が準拠法として定められているときは,
  日本の裁判所はいずれの国の法を適用すべきか。
(2)日本企業に雇用されて勤務している日本人従業員が海外子会社に派遣さ
れた場合,その労働契約についての準拠法はどうなるか(準拠法につい
  ての合意はなかったものとする。)。
(3)日本企業の海外支店の従業員により結成された労働組合が日本の本店に
  赴いて団体交渉を申し入れたが,これを拒否された場合,その労働組合
  は、日本の労働委員会に救済を求めることができるか。
〔1〕問題の所在
〔2〕適用法規の決定のしくみ
〔3〕労働契約の準拠法
〔4〕国際労働関係と労働法規の適用範囲
59 国際裁判管轄
 渉外的要素を有する個別労働関係民事紛争について,日本の裁判所に訴えを
 提起することができるのはどのような場合か。
〔1〕意  義
〔2〕民事訴訟法改正前の状況
〔3〕改正法の成立
〔4〕労働関係訴訟の国際裁判管轄についての民事訴訟法の規定
〔5〕国際裁判管轄の審理

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