青林書院



時効の法律相談


時効の法律相談
 
編・著者鈴木銀治郎・滝口博一・椿原直 編著
判 型A5判
ページ数384頁
税込価格4,428円(本体価格:4,100円)
発行年月2018年09月
ISBN978-4-417-01744-8
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■解説
■改正前民法と新民法における取扱いの架け橋となる1冊!
■新民法で大きく変わる時効の実務を豊富な判例・裁判例とともに簡潔明快に解説!
 ●時効成立を阻止するには?ー時効の「完成猶予」と「更新」
 ●いつから?いつまで? ー消滅時効の起算点・時効期間
 ●廃止される制度は? ー職業別短期消滅時効,商事債権の消滅時効
 ●改正後の消滅時効が適用されるのは? ー施行日前後の債権の取り扱い



はしがき
 かねてより,民事の時効について多種多様な判例が積み上がっており,条文
だけからでは時効のしくみが容易にわからず,債権を管理していくうえで簡潔
明快な字引のような本があったらどんなに便利なことかと思っていたところ,
ちょうど青林書院より民法改正に伴う『時効の法律相談』の出版の話があり,
お引き受けした次第です。
 今回の民法改正により時効制度は大きく変わろうとしています。
 新民法(債権関係)は,平成29(2017)年5月26日に成立し,同年6月2日に
公布されました。明治29(1896)年に制定されて以来121年ぶりの大改正となり
ました。
 この民法改正により,時効制度も様々な改正がなされました。
職業別短期消滅時効の廃止,消滅時効の起算点・時効期間の見直し,人の生
命又は身体の侵害による損害賠償請求権の特例,時効の障害事由としての時効
の完成猶予と時効の更新制度などです。また,これに伴いこれまで民事の消滅
時効とは別にあった商事消滅時効制度は廃止されることとなりました。
 民法改正は,消滅時効制度の見直しのほかにも法定利率の引下げや定型約款
規定の創設など経済取引に重大な影響を与えることから,成立後,国民や企業
に対し十分な周知期間が必要とされ,新民法の施行日は平成32(2020)年4月
1日となりました。
 このため,新民法成立(2017年)後から施行日までにも新たな債権が発生し
たり,時効中断・停止事由等が発生していきます。さらにもともと時効期間は,
5年,10年,20年など中長期の期間が想定されていますので,新民法施行日の
前後にまたがるものも少なくありません。このような場合,新民法の時効制度
が適用されるのか,あるいは,これまでの改正前民法の規定が適用されるのか,
確認が必要となります。
 そのため『時効の法律相談』は,改正前民法やこれまでの判例等も十分反映
されるようにし,かつ新民法の改正内容や,新旧の適用の区分などをわかりや
すく解説して,「簡潔明快な字引」のようなものを作成するよう心掛けました。
 『時効の法律相談』は,65の設問を設け,取り扱う範囲は民法だけでなく,
商法・会社法,倒産法,労働法,知財法,保険法,農地法,行政法も対象とし
ています。これら特別法にも新民法の影響が様々に出てきます。そして1つ1
つの設問について,QとA,キーワード,解説(改正前民法における取扱いと
新民法における取扱い),判例,参考文献というように構成しました。判例は
原則として最高裁判例を引用し,重要なものには下級審判例も引用しています。
 読者の皆様の債権管理に少しでもお役に立てれば幸甚に存じます。

  平成30年7月18日
編集代表 弁護士 鈴木 銀治郎


編 者 
鈴木銀治郎:弁護士(隼あすか法律事務所)
滝口 博一:弁護士(隼あすか法律事務所)
椿 原 直:弁護士(隼あすか法律事務所)

執 筆 者 
(執筆順)
神村 泰輝:弁護士
鈴木銀治郎:弁護士
椿 原 直:弁護士
鈴木 一平:弁護士
宮 内 望:弁護士
加藤 裕之:弁護士
大倉 丈明:弁護士
鈴木 康之:弁護士 
茂木 香子:弁護士
滝口 博一:弁護士





■書籍内容
第1章 民  法
第1節 時効総則(効力)
Q1■時効総論
  時効とは,どのような制度ですか。また,時効にはどのような種類がありますか。
Q2■消滅時効に似た制度
  時効以外に,期間の経過に伴って権利が行使できなくなる制度はありますか。
Q3■民法改正
  いわゆる債権法の改正に伴って,時効制度はどのように変更されましたか。また,
  これに伴う影響はどのようなものがありますか。
第2節 時効の援用
Q4■時効の援用
  時効の援用とは何ですか。時効の援用は,いつ,どこで,どのように行えばよいで
  すか。また,援用の効果はどのようなものですか。
Q5■時効の援用権者
  (1)時効を援用できる者かどうかは,どのような基準で定まりますか。
  (2)判例上,時効の援用権者となるか議論があるのは,どのような者ですか。
Q6■時効の利益の放棄・援用権の喪失
  (1)時効を援用しないと時効の完成前に約束することは可能ですか。
  (2)時効の利益の放棄はどのような方法で行われますか。時効の利益を放棄すると
    どのような効果が生じますか。
  (3)時効が完成した後にそのことを知らずに債務の存在を前提とした行為を行った
    場合も時効を援用することができますか。
Q7■時効援用権の濫用
  時効期間が経過してさえいれば,当然に時効を援用することができますか。
第3節 時効の中断(時効の完成猶予と更新)
Q8■時効の中断(総論,事由,効果)
  時効の中断とはどういう意義を有しますか。時効の中断事由にはどのようなものが
  ありますか。また,時効中断の効果としてはどのようなものがありますか。
Q9■裁判上の請求
  時効の中断事由となる,裁判上の請求にはどのようなものが含まれますか。これら
  の類型において注意すべき点はどのような事項ですか。また,裁判上の催告とはどの
  ようなものでしょうか。
Q10■差押え(強制執行等),仮差押え及び仮処分
   時効の中断事由となる,差押え,仮差押え及び仮処分に関して,どのような点に注
   意が必要ですか。
Q11■承  認
   時効の中断事由となる承認にはどのようなものが含まれますか。
Q12■協議を行う旨の合意
   (1)当事者間において,時効期間の満了以前に,時効期間を延長することは可能で
     すか。
   (2)債権について債権者と債務者との間で交渉が続いている間に,債権の時効期間
    が満了しそうな場合はどうすればよいですか。
第4節 催告・停止(時効の完成猶予)
Q13■催  告
   催告はどのような効果を有しますか。催告として認められる例,認められない例は
   どのようなものがありますか。また,催告を行う際に注意すべき点はどのような事項
   ですか。
Q14■時効の停止
   時効の停止とはどのような効果を有しますか。時効の停止の事由として法律上認め
   られているのはどのような事由ですか。また,判例上,法律に定めがない時効の停止
   の事由が認められた事例はありますか。
第5節 取得時効
Q15■取得時効(総論)
   取得時効が認められる要件について教えてください。また,その効果は,どのよう
   なものですか。
Q16■取得時効の起算点
   取得時効はどの時点から起算されますか。また,当事者が自由に選択することがで
   きますか。
Q17■取得時効の目的物
   次のような目的物は,取得時効の対象となりますか。ゞν物,一筆の土地の一部,
   8共用財産,の木,テ会権,δ鵡埣鰐鮓◆きЪ己の物。
Q18■登記と取得時効
   次の者と,時効取得者とのいずれが,所有権を取得することになりますか。〇効
   完成前に所有権を取得して所有権移転登記を経た者,∋効完成後に所有権を取得し
   所有権移転登記を経た者,時効完成後に所有権を取得しその移転登記を経た者(登
   記後,更に時効期間が経過した場合)。
第6節 消滅時効
Q19■消滅時効の起算点
   消滅時効の起算点は法律上どのように定められていますか。また,判例上どのよう
   に考えられていますか。
Q20■時効期間
   消滅時効の時効期間の原則は,法律上どのように定められていますか。また,判例
   上どのように考えられていますか。法律上特別の定めがあるものも教えてください。
Q21■短期消滅時効等
   消滅時効の時効期間の例外(短期消滅時効等)は,法律上どのように定められていま
   すか。また,判例上どのように考えられていますか。
Q22■判決で確定した権利の消滅時効
   債権に関して,判決を得た場合の消滅時効は,法律上どのように定められています
   か。この場合の「確定判決と同一の効力を有するもの」には,どのようなものがあり
   ますか。
第7節 物  権
Q23■地役権と時効
   (1)他人の土地を長期間利用している場合,地役権を時効により取得することはでき
    ますか。反対に,(2)長期間利用しないことで,地役権が時効により消滅することはあ
    りますか。
Q24■抵当権の消滅時効
   (1)抵当権は,どのような場合に時効によって消滅しますか。また,(2)抵当不動産が
    時効取得された場合,抵当権は消滅しますか。
Q25■物上保証人と時効の援用
   被担保債務の消滅時効完成後に,〆通骸圓時効の利益を放棄した場合,∈通骸
   が時効援用権を喪失した場合,物上保証人は被担保債務の消滅時効を援用することが
   できますか。
Q26■物上保証人と時効の中断・停止
   消滅時効完成前に(上保証人が被担保債務の承認に該当する行為をした場合,
   債務者が被担保債務を承認した場合,それぞれ物上保証人に対する関係で時効中断の
   効果は生じますか。また,物上保証人に対する不動産競売手続によって,債務者に対
   する関係で時効中断の効果は生じますか。
Q27■(根)抵当権と時効の中断
   根抵当権が実行された場合,被担保債権の時効中断の効力は,極度額の範囲に限ら
   れますか。
Q28■仮登記担保と消滅時効
   仮登記担保権は,どのような場合に時効により消滅しますか。また,仮登記担保権
   に関して,消滅時効が問題となるのはどのような場合ですか。
Q29■譲渡担保と消滅時効
   譲渡担保権に関して,消滅時効が問題になるのはどのような場合ですか。
第8節 多数当事者
Q30■保証人と時効の援用
   主債務の消滅時効完成後に,(歉攤通海砲弔時効中断事由が生じた場合,⊆腓
   る債務者が時効の利益を放棄した場合,J歉攷佑保証債務を履行した場合,ぜ腓
   る債務者が時効援用権を喪失した場合につき,保証人は主たる債務の消滅時効を援用
   することができますか。
Q31■保証人の時効の中断・停止
   保証人が主たる債務を相続した後,保証債務を弁済した場合,主たる債務の消滅時
   効を中断する効力は生じますか。
Q32■保証人の求償権の消滅時効
   (1)保証人の主たる債務者に対する事前求償権又は事後求償権に関し,,修両談
    時効期間,起算点,N昇銚△隆屬了効中断効の関係を教えてください。
   (2)共同保証人間の求償関係について,主たる債務者に対する求償権の行使によっ
    て,共同保証人間の求償権の消滅時効は中断されますか。
Q33■連帯保証債務と消滅時効
   連帯保証の場合,消滅時効について,どのような点が単純な保証と異なりますか。
Q34■多数当事者の債権債務と消滅時効
   保証以外の多数当事者の債権及び債務において,消滅時効の規律はどのようになっ
   ていますか。
第9節 債  権
Q35■損害賠償(債務不履行)と消滅時効
   契約の相手方に債務不履行がありました。相手方に対する損害賠償請求権の消滅時
   効期間・起算点を教えてください。
Q36■解除と消滅時効
   契約の相手方に債務不履行がありました。相手方に対する(1)契約解除権又は(2)契約
   解除に基づく原状回復請求権の消滅時効期間・起算点を教えてください。
Q37■相殺と消滅時効
   消滅時効にかかった債権を自働債権として,相殺することはできますか。
Q38■債権者代位権・詐害行為取消権と消滅時効
   (1)債権者は,債権者代位権により,債務者に代位して他の債権者に対する債務の
    消滅時効を援用することができますか。
   (2)債権者代位訴訟・詐害行為取消訴訟の提起により,消滅時効は中断されますか。
   (3)詐害行為取消権の行使期間について教えてください。
Q39■民事売買と消滅時効
   民事売買(商事を除く)の買主は,売主に対して,いつまで担保責任を追及すること
   ができますか。
Q40■請負と消滅時効
   請負人の担保責任は,いつまで請求できますか。
Q41■賃借権と時効
   賃借権は,どのような場合に時効取得できますか。また,賃貸借契約に関する消滅
   時効も教えてください。
Q42■過払金と消滅時効
   過払金返還請求権の?消滅時効期間及び?起算点を教えてください。
Q43■不法行為と消滅時効1
   不法行為による損害賠償請求権の期間制限を教えてください。
Q44■不法行為と消滅時効2
   継続的不法行為等の特殊な損害の場合,消滅時効の起算点がどうなるか教えてください。
第10節 相  続
Q45■相続と取得時効
   相続人は,不動産等の相続財産を,時効により取得することはできますか。以下の
   場合について教えてください。“鐐蠡蛙佑砲茲訐衢,∩蠡蛙佑砲茲訐衢,H鐐
   続人及び相続人による占有
Q46■相続回復請求権
   相続回復請求権は,いつまで行使することができますか。
Q47■遺留分減殺請求権
   遺留分減殺請求権は,いつまで行使することができますか。
Q48■その他の相続法上の定め
   相続法における期間制限を教えてください。

第2章 商法・会社法
第1節 商  法
Q49■商事消滅時効
   商事消滅時効が適用される範囲を教えてください。
Q50■商事売買と消滅時効
   商事売買の買主は,いつまで売主の責任を追及することができますか。
第2節 会?社?法
Q51■会社法上の請求権
   (1)会社法上,特別に定められた消滅時効はありますか。また,(2)会社法上,特別に
  消滅時効の定めがない場合,商事消滅時効の適用が必ずありますか。
第3節 手形・小切手法
Q52■手形・小切手の時効
   手形や小切手の消滅時効について,特徴や注意すべき点を教えてください。
Q53■原因債権との関係
   (1)原因債権と手形・小切手債権との関係,あるいは,(2)手形・小切手債権とこれを
     保証する債務に係る債権について,消滅時効の観点から注意すべき点を教えてください。

第3章 倒 産 法
第1節 破 産 法
Q54■債権届出・調査・認否と時効中断(破産)
   債務者が破産した場合,(1)破産手続開始の申立てや決定,(2)債権の届出・調査・確
   定等には消滅時効を中断する効力がありますか。
Q55■主債務者の破産と保証人等への影響
   保証人は,主債務者が破産した場合,消滅時効についてどのような影響を受けますか。
第2節 民事再生法・会社更生法
Q56■債権届出・調査・認否と時効中断(再生)
   債務者に民事再生手続開始決定又は会社更生手続開始決定があった場合,(1)民事再
   生手続開始又は会社更生手続開始の申立てや決定,(2)債権の届出・調査・確定等に,
   消滅時効を中断する効力がありますか。
Q57■主債務者の再生手続と保証人等への影響
   保証人は,主債務者に民事再生手続開始又は会社更生手続開始があった場合,消滅
  時効についてどのような影響を受けますか。
第3節 倒産各法
Q58■否認権・倒産各法の時効等の定め
  (1)破産管財人は,いつまで否認権を行使することができますか。
  (2)倒産各法における,時効等に関する特別の定めも教えてください。

第4章 そ の 他
第1節 労 働 法
Q59■労働事件
  (1)私は従業員として,勤務先に対して,未払の給与(残業代を含む)や退職金を請
   求したいと思います。どの時点まで遡って請求することができますか。
  (2)また,勤務先の安全配慮義務違反に起因する損害賠償を請求する場合,消滅時
   効の期間や起算点はどのように解されていますか。
第2節 知的財産権
Q60■職務発明の利益請求
   私は技術者として,勤務先に対して職務発明の利益請求を行いたいと思います。勤
   務先の規則には,利益の支払時期に関する条項があります。この場合,利益請求の消
   滅時効の起算点はいつとなりますか。
第3節 保 険 法
Q61■任意保険
   生命保険に加入していた夫が,行方不明になった後3年以上経過して,行方不明に
   なった直後に死亡していたことがわかりました。生命保険の約款中には,被保険者の
   死亡の日の翌日を死亡保険金請求権の消滅時効の起算点とする定めがありますが,こ
   のような場合でも時効期間は満了となってしまうのでしょうか。
Q62■自賠責保険
   交通事故の被害者が加害車両の保有者であると考えられる者を相手どって,運行供
   用者責任を訴訟で追及していたものの,3年以上が経過して敗訴となりました。この
   被害者は,加害者不明として,自動車損害賠償保障法72条1項前段の規定に基づき後
   遺障害による損害の?補を請求することができますか。
第4節 農 地 法
Q63■農地と消滅時効
   農地の売買契約を締結後,農業委員会に対して許可の申請手続を行わず放置してい
   たところ,売主が協力してくれなくなりました。買主として売主に対し申請手続に協
   力を求めたいのですが,時効の問題が生じるでしょうか。
Q64■農地と取得時効
   農地法3条の売買の許可や同法5条の転用のための売買の許可を得ていないことを
   知らずに,土地の占有を開始していました。(1)土地の占有は,所有の意思をもって行
   われたものといえますか。また,(2)善意・無過失であるといえますか。
第5節 行 政 法
Q65■行政法と消滅時効
   国や地方公共団体に対する債権の消滅時効はどのように定められていますか。また,
   国や地方公共団体が有する債権の消滅時効はどのように定められていますか。

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