青林書院



知的財産権訴訟


最新裁判実務大系


知的財産権訴訟
 
精選した重要論点全50問!
編・著者睇堯≠探子 編著
判 型A5
ページ数592
税込価格7,344円(本体価格:6,800円)
発行年月2018年12月
ISBN978-4-417-01745-5
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■解説
精選した重要論点全50問!
●知財高裁,東京地裁・大阪地裁の知財部に所属する裁判官が執筆
●最新裁判例を豊富に取り入れ,平成30年改正法等にも言及
●「裁判実務」を念頭においた記述をし,実務的な解決策を提示
●全体を俯瞰する序章を設け,各論点の位置付けを明確化・大系化
「最新」の裁判実務を詳解した,知的財産権訴訟に携わる専門家必携書


はしがき
 テクノロジーの急速な発展は,知的財産権訴訟を専門化・複雑化させ,また,企業活動
の国際化は,知的財産権訴訟を国境を越えたものとさせている。特許権・実用新案権・意
匠権・商標権・著作権・育成者権その他の知的財産権をとりまく社会情勢は,大きく変化
し,たびたび重要な法改正が行われている。また,重要な判例が法改正に結びつくことも
少なくない。
 「知的財産権」が広く知られるようになり,社会の知的財産権に対する考え方の変化が
,法改正をもたらし,また裁判実務にも影響を与えている。「知的財産権訴訟」が注目さ
れるようになって,久しい。
 特許権・実用新案権・プログラム著作物に係る著作権等をめぐる,技術的な要素を含む
専門的な訴訟については,東京地裁及び大阪地裁の専属管轄となり,その控訴審は知財高
裁に専属する。また,それ以外の知的財産権訴訟についても,東京地裁及び大阪地裁が競
合管轄を有している。このような専門訴訟の処理に当たっては,豊富な経験を有する裁判
官が担当し,専門的な知見を取り入れて事件の処理に当たっている。
 知的財産権に係る事件の判決は,全件,ウェブサイトで公開し,企業活動の指針となっ
ている。これらの裁判例の英訳は,ウェブサイトを通じて,世界各国にも発信されている
ところである。また,近時,世界各国の裁判官の参加する国際シンポジウムも開催され,
世界的な調和の潮流がある。
 本書は,知的財産権訴訟において,しばしば問題となる論点のうち,特に重要な事項を
精選して,実務的な解決策を模索することを目的とするものである。
 本書が,他の類書と違う特徴は,4つある。
 まず,第1に,様々な種類の知的財産権訴訟全般において,問題となる50の重要論点を
精選し,それぞれ「裁判実務」を念頭においた記述をしたことである。
 第2に,上記50の項目を俯瞰する序章を設けて,それぞれの論点・項目の位置付けを明
確にし,「大系」化したことである。
 第3に,最新の裁判例を豊富に取り入れ,平成30年改正を含む法改正にも言及して,
「最新」の裁判実務を念頭に置いたことである。
 第4に,執筆者は,知的財産権訴訟の専門部である,知財高裁,東京地裁及び大阪地裁
の知財部に現に所属し,又は所属していた知的財産権訴訟の経験が豊かな裁判官であるこ
とである。
 本書が,「最新裁判実務大系」の名前にふさわしく,知的財産権訴訟に携わる方々に有
用な書籍であることを確信して,ここに出版する次第である。出版にあたっては,青林書
院の長島晴美さんにお世話になったことを記して,お礼に代えたい。

平成30年8月
睇堯≠探子


編著者
睇眞規子:知財高裁所長

執筆者
睇眞規子:上掲
古河 謙一:知財高裁判事
中武 由紀:大阪地裁判事
鈴木わかな:山形地・家裁鶴岡支部長判事
知野  明:東京地裁判事
田中 孝一:東京高裁判事
萩原 孝基:札幌地・家裁判事
関根 澄子:知財高裁判事
島田美喜子:東京地裁判事補
林  雅子:最高裁事務総局民事局付
天野 研司:青森地・家裁八戸支部判事
嶋末 和秀:東京高裁判事
眈勝々之:大阪地裁判事
廣瀬  孝:東京地裁判事
片瀬  亮:知財高裁判事
柴田 義明:東京地裁判事
矢口 俊哉:仙台地・家裁石巻支部長判事
笹本 哲朗:最高裁調査官
杉浦 正樹:知財高裁判事
永田 早苗:福岡地・家裁判事
清水知恵子:東京地裁判事
森岡 礼子:知財高裁判事
大寄 麻代:最高裁調査官
(執筆順・肩書は平成30年11月1日現在)








■書籍内容
序章
知的財産権訴訟への招待
〔1〕知的財産権訴訟の種類と特色
〔2〕知的財産権訴訟の手続的な特徴
〔3〕知的財産権訴訟の主要な論点と本書の概要

第1章 総論
1 知的財産権訴訟の管轄
 知的財産権訴訟の国内管轄はどのように考えるべきか。特に専属管轄とされる「特許権に関する訴え」
 に該当する訴訟は,どのようなものか。
〔1〕侵害訴訟
〔2〕行政訴訟
〔3〕知的財産高等裁判所の取扱事件
2 立証の容易化と営業秘密
 知的財産権訴訟において侵害行為及び損害の計算のための立証を容易化する方策としてどのような手段
 があるか。営業秘密を含む証拠について文書提出命令・秘密保持命令はどのような要件・手続で発令さ
 れるか。
〔1〕はじめに
〔2〕侵害行為及び損害の計算のための立証容易化のための方策
〔3〕書類提出命令について
〔4〕秘密保持命令について
〔5〕おわりに
3 知的財産権訴訟の国際裁判管轄
 知的財産権訴訟の国際裁判管轄について,どのように考えるべきか。
〔1〕問題の所在
〔2〕知的財産権の存否又は効力に関する訴えの国際裁判管轄
〔3〕知的財産権の登録に関する訴えの国際裁判管轄
〔4〕知的財産権の侵害に係る訴えの国際裁判管轄
〔5〕インターネットが絡む知的財産権侵害
4 渉外的要素を含む知的財産権訴訟の準拠法
 渉外的要素を含む知的財産権訴訟の準拠法について,どのように考えるべきか。
〔1〕問題の所在
〔2〕属地主義
〔3〕知的財産権の存否及び効力についての準拠法
〔4〕知的財産権の侵害に基づく請求の準拠法
〔5〕知的財産権の侵害に係る訴えにおける抗弁の準拠法
〔6〕知的財産権の譲渡の準拠法
〔7〕その他,準拠法選択が問題となる論点
〔8〕インターネットが絡む知的財産権侵害

第2章 特許・実用新案関係
5 特許・実用新案の登録要件
 特許・実用新案の登録要件である,発明該当性(考案該当性),新規性・進歩性,明細書及び特許
 請求の範囲(実用新案登録請求の範囲)の記載要件は,それぞれどのように判断すべきか。
〔1〕はじめに
〔2〕発明該当性
〔3〕新規性・進歩性
〔4〕明細書及び特許請求の範囲の記載要件
6 クレーム解釈
 特許権侵害訴訟において,特許発明の技術的範囲の確定はどのような資料に基づいて行われるか。
 プロダクト・バイ・プロセス・クレームや機能的クレームなど,特殊なクレームについては,
 どのように解釈されるか。
〔1〕クレーム解釈の原則
〔2〕特許請求の範囲(クレーム)の解釈の資料
〔3〕最近のクレーム解釈の実例
〔4〕プロダクト・バイ・プロセス・クレームの解釈
〔5〕機能的クレームの解釈
7 均等論
 均等侵害が認められるための要件及びその判断手法について,主張立証責任の所在を含めて説明せよ。
〔1〕均等論及び均等侵害の意義
〔2〕均等の5要件と位置付け
〔3〕均等の5要件の主張立証責任
〔4〕均等の5要件の解釈と判断手法
8 特許権の間接侵害
 特許法101条1号・4号の間接侵害について,「その物の生産にのみ用いる物」,「その方法の使用
 にのみ用いる物」とは何か,同条2号・5号の間接侵害について,「その発明による課題の解決に不
 可欠なもの」とは何か,説明せよ。また,特許権の間接侵害が成立する場合の救済について,判決主
 文の在り方を中心に説明せよ。
〔1〕間接侵害の立法趣旨
〔2〕専用品型間接侵害
〔3〕非専用品型間接侵害
〔4〕間接侵害の適用範囲
〔5〕間接侵害が成立する場合の救済
9 特許無効の抗弁
 特許法104条の3の抗弁について,その要件と主張すべき時期について説明せよ。無効の抗弁に対する
 訂正の再抗弁についても,要件を説明せよ。
〔1〕問題の所在
〔2〕特許法104条の3の抗弁について
〔3〕訂正の再抗弁
10 冒認と共同出願違反
 発明者はどのように認定すべきか。冒認出願及び共同出願違反は,特許権侵害訴訟・審決取消訴訟・
 特許権の移転登録訴訟においてどのように位置付けられるか。
〔1〕はじめに
〔2〕発明者の認定
〔3〕冒認・共同出願違反をめぐる法律関係
11 消尽
 物の発明に係る特許権及び方法の発明に係る特許権の消尽について,それぞれの要件を説明せよ。
 また,部品が譲渡された場合の製品特許の消尽についてはどのように考えられるか。
〔1〕特許権の消尽
〔2〕物の発明に係る特許権の消尽
〔3〕方法の発明に係る特許権の消尽
〔4〕物の発明に係る特許権の特許権者等が部品を譲渡した場合の特許権の消尽
〔5〕国際消尽
〔6〕むすび
12 特許権侵害による損害
 特許権侵害による損害賠償の算定において,特許法102条1項から3項までは,どのように解釈され
 るか。複数の権利者・義務者の場合についても言及されたい。
〔1〕はじめに
〔2〕特許法102条1項
〔3〕特許法102条2項
〔4〕特許法102条3項
〔5〕結びに代えて――損害論の審理について
13 延長登録をめぐる諸問題
 特許権の延長登録の要件について説明せよ。また,存続期間が延長された特許権の効力はどのよう
 に解釈されるべきか。
〔1〕はじめに
〔2〕特許権の延長登録の要件
〔3〕存続期間が延長された特許権の効力
〔4〕おわりに
14 実用新案権に係る侵害訴訟の特色
 特許権侵害訴訟と異なる点を中心に,実用新案権侵害訴訟について説明せよ。
〔1〕はじめに
〔2〕製造方法の記載があるクレームの解釈
〔3〕訂正の対抗主張の可否
〔4〕権利行使のための要件の加重
〔5〕実用新案登録が無効となった場合等の権利者の責任
15 職務発明訴訟
 職務発明の利益に係る訴訟において留意すべき事項は何か。特許法35条4項所定の「相当の利益」
 は,どのように算定されるべきか。
〔1〕職務発明の利益に係る訴訟
〔2〕法改正の経緯
〔3〕訴訟において留意すべき事項
〔4〕「相当の利益」の算定

第3章 意匠関係
16 意匠の登録要件
 意匠の登録要件は何か。意匠の新規性,創作非容易性について説明せよ。また,意匠の不登録事
 由には,どのようなものがあるか。
〔1〕意匠の登録要件
〔2〕意匠の新規性
〔3〕意匠の創作非容易性
〔4〕意匠の不登録事由
17 意匠の類否 
 意匠の登録要件及び意匠権侵害の成否で問題となる意匠の類否について,その判断基準及び判断
 手法について説明せよ。
〔1〕意匠の類否
〔2〕意匠の類否の判断基準
〔3〕意匠の類否の判断手法
18 意匠権の効力とその制限
 意匠権は,どのような範囲においてどのような効力を有するか。その効力はどのような場合に
 制限されるか。
〔1〕意匠権の効力
〔2〕登録意匠の範囲
〔3〕意匠の類似の範囲
〔4〕部分意匠の効力
〔5〕意匠権の効力の制限

第4章 商標関係
19 商標の登録要件
 商標の登録要件は何か。商標法3条,4条1項各号のうち,実務上特に問題となる,主要なもの
 について説明せよ。
〔1〕商標登録要件の概要
〔2〕商標法3条
〔3〕商標法4条
20 商標の類否
 商標の登録要件及び商標権侵害の成否において問題となる商標の類否について,その判断基準及
 び判断手法について説明せよ。
〔1〕はじめに
〔2〕一般的な商標の類否についての判断基準及び判断手法
〔3〕商標の登録要件及び商標権侵害の成否の各場面における「商標の類否」の判断基準等の違い
   について
〔4〕特殊な商標の類否についての判断基準及び判断手法
21 商品・役務の類否
 商標の登録要件及び商標権侵害の成否において問題となる商品・役務の類否の判断基準及び判断
 手法について説明せよ。
〔1〕問題の所在
〔2〕商品・役務の類否の判断基準及び判断手法
22 商標権の効力とその制限
 どのような行為が商標権の侵害となるか。商標権の効力とその制限について述べよ。
〔1〕はじめに―商標権の発生と消滅
〔2〕商標権の効力
〔3〕商標権の効力の制限
23 並行輸入
 真正商品の並行輸入であるとして,商標権侵害の実質的違法性を欠くとされる要件をどのように
 考えるべきか。
〔1〕問題の所在
〔2〕〔フレッドペリー事件〕最高裁判決まで
〔3〕第1要件における付された商標と登録商標との異同
〔4〕第1要件における外国商標登録の有無
〔5〕広告に商標を使用する行為
〔6〕ライセンス契約違反の場合
〔7〕第3要件の管理されるべき「品質」とは何か
24 商標権の濫用
 商標権の行使が濫用とされるのはどのような場合か。不正競争防止法に基づく請求に対して,
 商標権行使の抗弁は有効か。
〔1〕商標権の濫用が比較的認められやすいこととその理由
〔2〕商標権の濫用が認められる具体的な場合
〔3〕10号周知型の権利濫用の抗弁と無効の抗弁との関係
〔4〕商標権行使の抗弁について
25 特殊な商標
 立体商標・地域団体商標・小売等役務商標・新しいタイプの商標について,登録要件とその
 判断手法について説明せよ。
〔1〕問題の所在
〔2〕立体商標
〔3〕地域団体商標
〔4〕小売等役務商標
〔5〕新しいタイプの商標
〔6〕おわりに
26 商標権侵害による損害
 商標権侵害による損害賠償請求の審理と損害の算定について説明せよ。特許権侵害による損害
 と対比しつつ,説明されたい。
〔1〕はじめに
〔2〕商標権侵害による損害賠償請求の審理
〔3〕商標法38条1項に基づく損害の算定
〔4〕商標法38条2項に基づく損害の算定
〔5〕商標法38条3項に基づく損害の算定
〔6〕商標法38条1項ないし3項相互の関係

  判例索引/事項索引

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