青林書院



知的財産権訴訟


最新裁判実務大系


知的財産権訴訟
 
精選した重要論点全50問!
編・著者睇堯≠探子 編著
判 型A5判
ページ数472
税込価格6,156円(本体価格:5,700円)
発行年月2018年12月
ISBN978-4-417-01746-2
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■解説
精選した重要論点全50問!
●知財高裁,東京地裁・大阪地裁の知財部に所属する裁判官が執筆
●最新裁判例を豊富に取り入れ,平成30年改正法等にも言及
●「裁判実務」を念頭においた記述をし,実務的な解決策を提示
●全体を俯瞰する序章を設け,各論点の位置付けを明確化・大系化
「最新」の裁判実務を詳解した,知的財産権訴訟に携わる専門家必携書


はしがき
 テクノロジーの急速な発展は,知的財産権訴訟を専門化・複雑化させ,また,企業活動
の国際化は,知的財産権訴訟を国境を越えたものとさせている。特許権・実用新案権・意
匠権・商標権・著作権・育成者権その他の知的財産権をとりまく社会情勢は,大きく変化
し,たびたび重要な法改正が行われている。また,重要な判例が法改正に結びつくことも
少なくない。
 「知的財産権」が広く知られるようになり,社会の知的財産権に対する考え方の変化が
,法改正をもたらし,また裁判実務にも影響を与えている。「知的財産権訴訟」が注目さ
れるようになって,久しい。
 特許権・実用新案権・プログラム著作物に係る著作権等をめぐる,技術的な要素を含む
専門的な訴訟については,東京地裁及び大阪地裁の専属管轄となり,その控訴審は知財高
裁に専属する。また,それ以外の知的財産権訴訟についても,東京地裁及び大阪地裁が競
合管轄を有している。このような専門訴訟の処理に当たっては,豊富な経験を有する裁判
官が担当し,専門的な知見を取り入れて事件の処理に当たっている。
 知的財産権に係る事件の判決は,全件,ウェブサイトで公開し,企業活動の指針となっ
ている。これらの裁判例の英訳は,ウェブサイトを通じて,世界各国にも発信されている
ところである。また,近時,世界各国の裁判官の参加する国際シンポジウムも開催され,
世界的な調和の潮流がある。
 本書は,知的財産権訴訟において,しばしば問題となる論点のうち,特に重要な事項を
精選して,実務的な解決策を模索することを目的とするものである。
 本書が,他の類書と違う特徴は,4つある。
 まず,第1に,様々な種類の知的財産権訴訟全般において,問題となる50の重要論点を
精選し,それぞれ「裁判実務」を念頭においた記述をしたことである。
 第2に,上記50の項目を俯瞰する序章を設けて,それぞれの論点・項目の位置付けを明
確にし,「大系」化したことである。
 第3に,最新の裁判例を豊富に取り入れ,平成30年改正を含む法改正にも言及して,
「最新」の裁判実務を念頭に置いたことである。
 第4に,執筆者は,知的財産権訴訟の専門部である,知財高裁,東京地裁及び大阪地裁
の知財部に現に所属し,又は所属していた知的財産権訴訟の経験が豊かな裁判官であるこ
とである。
 本書が,「最新裁判実務大系」の名前にふさわしく,知的財産権訴訟に携わる方々に有
用な書籍であることを確信して,ここに出版する次第である。出版にあたっては,青林書
院の長島晴美さんにお世話になったことを記して,お礼に代えたい。

平成30年8月
睇堯≠探子


編著者
睇眞規子:知財高裁所長

執筆者
柵木 澄子:福岡地・家裁判事
佐藤 達文:東京地裁判事
森  義之:知財高裁判事
大川 潤子:広島高裁判事
荒井 章光:さいたま家・地裁川越支部判事
岡田 慎吾:大津地・家裁判事
小川 卓逸:最高裁調査官
勝又来未子:長野地・家裁佐久支部判事
大須賀 滋:前横浜家裁所長
東海林 保:千葉地・家裁松戸支部長判事
天野 研司:青森地・家裁八戸支部判事
寺田 利彦:知財高裁判事
鈴木わかな:山形地・家裁鶴岡支部長判事
今井 弘晃:新潟地・家裁判事
森崎 英二:大阪高裁判事
西田 昌吾:広島高裁岡山支部判事
廣瀬 達人:名古屋地・家裁岡崎支部判事
鈴木 千帆:静岡地裁判事
田邉  実:松山地・家裁宇和島支部長判事
田原美奈子:さいたま地・家裁川越支部判事
沖中 康人:東京地裁判事
中嶋 邦人:岐阜地・家裁大垣支部判事補
中島 基至:仙台地裁判事
山門  優:知財高裁判事
(執筆順・肩書は平成30年11月1日現在)





■書籍内容
第5章 審決取消訴訟
27 審決取消訴訟の審理範囲と判決の効力
 審決取消訴訟についての審理範囲及び取消事由について説明せよ。また,審決取消訴訟
 の判決が確定するとどのような効力があるか。
〔1〕審決取消訴訟の審理範囲
〔2〕審決取消訴訟における取消事由
〔3〕審決取消訴訟の判決の効力
28 審決取消訴訟の当事者
 審決取消訴訟の原告となるべき者,被告となるべき者について説明せよ。
 権利が共有の場合や,当事者の承継についても触れられたい。
〔1〕原告及び被告適格
〔2〕訴えの利益
〔3〕複数当事者の場合
〔4〕承継
〔5〕参加
29 侵害訴訟と審決取消訴訟の関係
 ダブルトラック下における侵害訴訟と審決取消訴訟の関係,両訴訟が同時期に係属する
 場合の審理上の留意点を説明せよ。侵害訴訟と審決取消訴訟において,クレーム解釈が
 異なることがあるか。判決確定の前後による法律関係を説明せよ。
〔1〕はじめに
〔2〕侵害訴訟と審決取消訴訟が同時に係属する場合の審理上の留意点及び判断が異なる
   場合等における法律関係
〔3〕特許の有効性を判断する前提となる発明の要旨の認定と特許発明の技術的範囲の
   認定との関係
〔4〕おわりに
第6章 著作権関係
30 著作物性
 著作物と認められるための要件は何か。実務において特に著作物性が問題となる,居住
 用建築,印刷用書体,応用美術,設計図,プログラムについて,著作物性が認められる
 ための要件を説明せよ。
〔1〕はじめに
〔2〕居住用建築の著作物性
〔3〕印刷用書体(タイプフェイス)の著作物性
〔4〕応用美術の著作物性
〔5〕設計図の著作物性
〔6〕プログラムの著作物性
〔7〕まとめ
31 著作者
 著作者はどのように認定すべきか。共同著作者及び編集著作者の場合についても,説明
 せよ。また,映画の著作物についてはどうか。
〔1〕問題の所在
〔2〕著作者の認定
〔3〕共同著作物の著作者
〔4〕編集著作物の著作者
〔5〕映画の著作物の著作者
〔6〕まとめにかえて
32 職務著作
 職務著作の要件について述べよ。特に,「法人等の発意」,「法人等の業務に従事する
 者が職務上作成する著作物」について説明されたい。
〔1〕はじめに
〔2〕職務著作の要件
〔3〕法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物であることについて
〔4〕「法人等の発意に基づくこと」について
〔5〕審理上の留意点
〔6〕その他の職務著作の要件について
33 著作権の保護期間
 著作権の保護期間はどのように計算するのか。映画の著作物の場合に,どのように考え
 るべきか。
〔1〕著作権の保護期間(総論)
〔2〕映画の著作物の著作権の保護期間
34 著作権侵害の主体
 著作権侵害訴訟において被告となるべき者はどのような者か。物理的な意味で著作権を
 侵害しているといえない者に対して,侵害訴訟の被告として,どのような請求が可能か。
〔1〕問題の所在
〔2〕侵害主体に関する最高裁判例
〔3〕物理的な意味で著作権を侵害しているとはいえない者に対する請求について
〔4〕侵害主体が問題となる事件類型
〔5〕結論
35 著作権の侵害
 複製・翻案に係る著作権侵害の成否の判断手法について説明せよ。また,公衆送信権の
 侵害の成否について説明せよ。
〔1〕複製・翻案に係る著作権侵害の成否の判断手法
〔2〕公衆送信権侵害の成否について
36 引用の抗弁
 引用の抗弁が認められるための要件を説明せよ。従前の裁判例と著作権法32条の条文の
 文言の関係に留意しつつ,説明されたい。
〔1〕問題の所在
〔2〕引用の抗弁における判断基準をめぐる裁判例の傾向
〔3〕引用の抗弁の判断基準をめぐる学説の状況
〔4〕引用の抗弁の各要件の検討
〔5〕最後に
37 著作権の制限
 著作権が制限されるのはどのような場合か説明せよ。一般的なフェアユースについて,
 裁判例ではどう考えられているか。
〔1〕はじめに
〔2〕権利制限規定の分類
〔3〕各論
〔4〕「フェアユース」の抗弁
38 著作者人格権 
 公表権,氏名表示権及び同一性保持権の侵害の成否について,その判断基準を説明せよ。
 また,著作者人格権が侵害された場合の救済措置として,どのようなものがあるか。
〔1〕侵害成否の判断基準について
〔2〕侵害された場合の救済措置について
39 著作隣接権
 著作隣接権について説明せよ。
〔1〕問題の所在
〔2〕総論
〔3〕実演家の権利
〔4〕レコード製作者の権利
〔5〕放送事業者・有線放送事業者の権利
40 著作権侵害による損害
 著作権侵害による損害賠償請求の審理と損害の算定について説明せよ。特許権侵害による
 損害と対比しつつ,説明されたい。
〔1〕問題の所在
〔2〕著作権・著作者人格権侵害による損害賠償請求の審理
〔3〕著作権法114条1項による損害額の算定
〔4〕著作権法114条2項による損害額の算定
〔5〕著作権法114条3項による損害額の算定
〔6〕著作権法114条の5による相当な損害額の認定
〔7〕不当利得返還請求
〔8〕著作者人格権侵害による損害賠償請求
〔9〕書類提出命令
第7章 不正競争関係
41 混同惹起行為
 不正競争防止法2条1項1号該当の要件とその判断基準を説明せよ。商品形態が「商品等
 表示」に当たるのはどのような場合か。また,商品形態が技術的機能に由来する形態であ
 る場合はどのように考えるべきか。
〔1〕問題の所在
〔2〕不競法2条1項1号の要件及びその判断基準
〔3〕商品形態による商品等表示性の取得及びその保護の限界
42 著名表示冒用行為
 不正競争防止法2条1項2号該当の要件とその判断基準を説明せよ。同項1号の場合との
 相違は,どこにあるか。
〔1〕著名表示冒用行為の立法趣旨
〔2〕「他人の著名な商品等表示」の要件該当性とその判断基準
〔3〕「同一若しくは類似のもの」に当たるか否かの要件該当性とその判断基準
〔4〕「自己の商品等表示として」の「使用」の要件該当性とその判断基準
43 形態模倣行為
 不正競争防止法2条1項3号該当の要件とその判断基準を説明せよ。また請求の主体と
 なり得るのは,どのような者か。
〔1〕はじめに
〔2〕「商品の形態」要件とその判断基準
〔3〕「模倣」要件とその判断基準
〔4〕対象行為に係る要件とその判断基準
〔5〕請求の主体
44 営業秘密侵害行為
 不正競争防止法2条1項4号ないし10号該当の要件とその判断基準を説明せよ。
 営業秘密が問題になる事案における審理についての留意点は何か。
〔1〕はじめに
〔2〕営業秘密の意義
〔3〕不正競争防止法2条1項4号ないし10号の要件
〔4〕営業秘密が問題になる事案の審理についての留意点
45 ドメイン名に係る不正競争行為
 不正競争防止法2条1項13号該当の要件とその判断基準を説明せよ。
〔1〕はじめに
〔2〕図利加害目的
〔3〕特定商品等表示
〔4〕特定商品等表示と同一又は類似
〔5〕おわりに
46 品質誤認行為
 不正競争防止法2条1項14号該当の要件とその判断基準を説明せよ。
〔1〕品質誤認行為
〔2〕誤認惹起表示
47 営業誹謗行為
 不正競争防止法2条1項15号該当の要件とその判断基準を説明せよ。知的財産権を侵害
 する旨の告知は不正競争行為に該当するか。
〔1〕趣旨
〔2〕「競争関係にある他人」
〔3〕「営業上の信用を害する」
〔4〕「虚偽の事実」
〔5〕「告知,流布」
〔6〕知的財産権を侵害する旨の告知について
〔7〕おわりに
第8章 その他の知的財産権訴訟
48 品種登録に係る訴訟
 種苗法の品種登録を受けた育成者権の侵害訴訟について,侵害の成否の判断手法を説明
 せよ。品種登録処分に種苗法49条1項所定の取消事由が存在する場合については,どの
 ように考えるべきか。
〔1〕品種登録制度と育成者権
〔2〕育成者権侵害訴訟における請求の趣旨
〔3〕育成者権侵害訴訟の審理方法
〔4〕育成者権侵害訴訟における充足論
〔5〕品種登録に取消事由があることを理由とする抗弁
49 パブリシティ権
 パブリシティ権侵害の判断手法を具体的事例に即して説明せよ。
〔1〕はじめに
〔2〕パブリシティ権侵害の3類型
〔3〕3類型の射程範囲
50 ライセンス契約をめぐる訴訟
 特許発明や商標のライセンス契約をめぐり,訴訟において問題となった事項を中心に
 説明せよ。
〔1〕問題の所在
〔2〕ライセンス契約をめぐり問題となった事項
〔3〕おわりに

 判例索引/事項索引

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