青林書院



講座 現代の契約法 各論2


講座 現代の契約法 各論2
 
編・著者内田貴=門口正人 編集代表
判 型A5判
ページ数448頁
税込価格5,940円(本体価格:5,500円)
発行年月2019年04月
ISBN978-4-417-01762-2
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■解説
「契約法における理論と実務の架橋」となる講座【各論58項目】刊行
◆現役裁判官と各専門分野の弁護士,各業界の一線で活躍する実務家が執筆。
◆改正民法の問題意識を背景に実務の現場で生じる課題に焦点を当て,
 現代の実務を総覧するテーマを幅広く選択,最新実務の状況を解説,今後の
 展望を示す契約法における実務の最新の到達点を示す。


はしがき

本講座は,その題名のとおり,現代の契約法の分野における実務の状況と学
問的業績を顕すもので,3つの特色を持つ企画である。
1つは,契約法の全般にわたる現代的課題を取り上げる。あたかも2017 年
には民法が改正され,その施行が2020 年に迫っている。改正法の制定過程に
おける問題意識を背景に実務の現場において生じている様々な課題に焦点を当
て,一般の契約はもとより,スポーツ・芸能,システム開発,国際売買から各
種企業活動における契約に至るまで,現代日本の契約実務を総覧するテーマを
選択した。
2つは,契約法の領域における理論と実務の架橋を目指す。民法の改正の過
程では,学界と実務界の間で,当初,学者グループより学問的観点から斬新な
改正案が提示されたのに対し,実務界から反発が巻き起こるなどせめぎ合いが
見られたが,ここで見られた対立は,120 年間の民法運用の過程で知らぬ間に
できた学界と実務界の間の溝の深さを感じさせた。本講座では,この溝に橋を
架け,相互理解を促進するための道をつけることを期した。
3つは,執筆者に人を得たことである。法曹界からは現役裁判官と各専門分
野の弁護士,各業界からは第一線で活躍する実務家,そして学者からは気鋭の
研究者が選抜された。各執筆者は,それぞれの分野で最新の情報を掌握し,卓
抜した専門的知見を有する方々である。
先行して刊行される各論3巻(実務編)では,現代日本の契約実務における
テーマごとに多角的な視点から最新の実務の状況を解説するとともに,今後の
展望を示す。実務編は,日本の実務の最新の到達点を示す実務的解説として幅
広く活用されるであろう。続いて刊行される総論(理論編)では,各論で示され
た日本の契約実務の実情を踏まえて,それを横断的に俯瞰することによって,
従来の理論が反省されるとともに,実務を踏まえた理論の再構築が試みられる。
理論編は,単に学問的に意味があるにとどまらず,現実に対応できる理論とし
て,実務,とりわけ裁判実務において有益であるに違いない。こうして理論と
実務のひとつの対話が実現され,この対話は,さらなる対話へのスタートとな
るものと確信する。
本書が,現代日本の契約法に関心のある実務家,研究者の双方にとって,有
用な講座となることを期待している。同時に,2017 年改正民法の施行に伴い,
改正法が実務にどのようなインパクトを与えるかについての充実した解説書と
しても有用性を見出していただけるであろう。
本書は,編集委員各位をはじめ,多忙な中,企画の趣旨に賛同して貴重な原
稿を寄せられた執筆者の方々の熱意の産物である。ご協力に感謝したい。ま
た,野心的な大型企画ゆえの困難も多かったが,担当編集者として獅子奮迅の
活躍をしてくださった長島晴美さんにも厚くお礼申し上げる。

2019 年4月3日

内田貴
門口正人



編集代表

内田 貴:早稲田大学特命教授,東京大学名誉教授,弁護士
門口正人:弁護士,元名古屋高等裁判所長官


編集委員

大村敦志:学習院大学法務研究科教授
岡 正晶:弁護士
近藤昌昭:東京高等裁判所部総括判事
中原利明:株式会社三菱UFJ銀行法務部部長


執筆者

寺田昌弘:日鉄エンジニアリング株式会社
 法務・契約室シニアマネジャー,弁護士
本村洋平:内閣府再就職等監視委員会再就職等監察官
三浦雅生:弁護士
荒井正児:弁護士
北澤純一:富山地方・家庭裁判所長
近藤昌昭:上掲
鈴木和彦:東京地方裁判所判事補
松井秀樹:弁護士
池村 聡:弁護士
齋藤浩貴:弁護士
沖中康人:東京地方裁判所部総括判事
廣瀬達人:名古屋地方裁判所岡崎支部判事
山内真之:弁護士
佐藤亮太:弁護士
中崎 尚:弁護士
出井 甫:弁護士
齋藤宏一:弁護士
小野愛菜:弁護士
戸倉圭太:弁護士
姜 明訓:弁護士
菅野龍太郎:弁護士
塩越 希:弁護士
生島芙美:弁護士
佐賀洋之:弁護士
白石佳壽朗:弁護士
長野秀紀:弁護士
高橋祐太朗:弁護士
柴田育尚:弁護士
野村菜々:弁護士
岡田 淳:弁護士
平田憲人:弁護士
原 悦子:東京大学大学院法学政治学研究科准教授,弁護士
西向美由:弁護士
中林憲一:弁護士

(執筆順,2019 年4月1日現在)


■書籍内容
19 建設請負契約・プラント契約

はじめに
1 建設請負契約・プラント契約と契約実務
2 建設請負契約・プラント契約の特徴
3 本稿の目的
「間接損害」免責
1 条文例
2 「間接損害」の内容に関する問題
3 重過失との関係
4 他分野の状況
遅延予定損害賠償
1 条文例
2 違約金との関係
3 解除との関係
不可抗力時の「危険負担」
1 条文例
2 善管注意義務による責任の限定
3 個人住宅等の場合
瑕疵担保責任
1 条文例
2 瑕疵担保期間
3 瑕疵の内容
終わりに

20 請負契約における瑕疵概念

はじめに――本稿の目的
請負契約における瑕疵概念の特殊性
1 規範的概念
2 売買契約における瑕疵概念との違い
3 瑕疵の意義
4 瑕疵の推定
5 瑕疵の類型
瑕疵の判断基準
1 明示の合意型
2 黙示の合意型
損害の範囲
1 履行利益
2 補修費用
3 瑕疵の補修が不能である場合の損害額
4 損害額の算定の実際
おわりに――民法(債権関係)改正を踏まえた今後の課題

21 旅行契約

はじめに
企画旅行契約に基づく旅行業者の債務と特別の責任
企画旅行契約における手配債務
1 「手配」の意義
2 手配債務の法的性格
3 手配債務不履行をめぐる紛争
旅程管理債務
安全確保債務
旅行業者の政策的な責任
1 特別補償責任
2 旅程保証責任

22 製作物供給契約

はじめに
製作物供給契約
1 製作物供給契約の意義
2 製作物供給契約と契約実務
3 製作物供給契約の実務上の論点
OEM契約
1 OEM取引の意義
2 OEM契約の法的性質
3 OEM契約の実務上の論点

23 教育関係の契約

はじめに
教育の「場」としての家庭と学校
1 家庭
2 学校
教育関係契約の特質と問題点
1 教育制度(川上)からするアプローチ
2 紛争の現場(川下)からするアプローチ
3 本稿の考察対象
学納金の返還又は賠償をめぐる紛争
1 訴訟物
2 訴訟物,砲ける請求原因と抗弁
3 訴訟物△砲ける請求原因と抗弁
4 訴訟物における請求原因事実と抗弁
5 特定商取引に関する法律の対応
6 若干の感想
教育関係契約と安全配慮義務に関わる紛争
1 問題の所在
2 学校事故について
3 いじめ問題について
おわりに

24 診療契約

はじめに
診療債務の特殊性
1 公益性
2 専門性
3 段階性・可変性
診療契約に関する諸問題
1 債務不履行と不法行為との関係
2 注意義務の基準――医療水準論
3 説明義務
4 保護法益論――「相当程度の可能性」法理の意義及び射程
5 現代的問題
おわりに

25 コンサルティング契約

コンサルティング契約とは
コンサルティング業務の内容
コンサルティング業務の遂行方法
コンサルティング報酬
1 コンサルティング報酬の形態
2 民法(債権関係)改正の影響
3 受託者による報酬確保のための特約
コンサルティングに要する費用負担
委託者と受託者間の責任範囲の分担
受託者の責任限定
1 責任を負う要件や賠償金額の限定
2 損害の範囲の限定
競合他社への役務提供の禁止,競業避止
中途解約
再委託の可否と責任
将 知的財産権に関する定め
1 知的財産権の帰属
2 知的財産権に関する表明・保証
将 守秘義務と案件関与の公表の承諾
1 守秘義務
2 案件関与の公表
将掘.灰鵐汽襯謄ング契約とコンプライアンス


第7章知的財産

26 共同研究開発契約,映画製作委員会契約

はじめに
共同研究開発契約
1 はじめに
2 法的性質
3 主な契約条項と留意点等
映画製作委員会契約
1 はじめに
2 法的性質
3 主な契約条項と留意点

27 知的財産のライセンス契約

はじめに
ライセンス契約の種類
1 特許ライセンス契約
2 商標ライセンス契約
3 著作権ライセンス契約
4 営業秘密(ノウハウ)ライセンス契約
ライセンス契約に一般的に規定される事項
1 ライセンスの対象となる知的財産の特定
2 ライセンシーが許諾を受ける実施等の範囲の特定
3 ライセンスの独占性の有無
4 ライセンシーがサブライセンスする権利の有無
5 ライセンシーが支払う対価
6 保証条項――権利を有効に保有していること・第三者の権利を侵害していないことの保証
7 侵害排除・侵害行為報告に関する条項
8 対象知的財産から派生する知的財産に関する取扱い
9 第三者対抗要件について
10 その他の条項
特許ライセンス契約に特有の条項
1 不争義務条項
2 ライセンス料の不返還条項
民法(債権関係)改正とライセンス契約

28 知的財産侵害訴訟における和解について

はじめに
知的財産侵害訴訟における和解の実情
1 和解の活用
2 特許権侵害訴訟における和解
3 特許権侵害訴訟以外の知的財産権(著作権,商標権など)侵害訴訟等における和解
知的財産侵害訴訟の和解条項について
1 総論
2 製造・販売等の中止に関する条項
3 製品等の廃棄に関する条項
4 ライセンス等に関する条項
5 特許の有効性を争わない旨の条項
6 謝罪・信用回復等に関する条項
7 秘密保持条項
8 清算条項

29 知的財産権譲渡契約

はじめに
知的財産権譲渡契約の特徴と一般的な注意点
特許権譲渡契約
1 譲渡対象の特定
2 対価の設定
3 移転登録と名義変更
4 移行期間中の当事者の権利義務
5 表明保証及び譲渡人の責任
6 その他一般条項
著作権譲渡契約
1 著作者人格権
2 著作権隣接権
3 著作権の一部の譲渡
4 未知の利用態様が出現した場合の契約解釈
商標権譲渡契約
1 部分譲渡
2 類似する商標権の分離譲渡
意匠権譲渡契約・実用新案権譲渡契約
まとめ

30 クラウドサービス契約

はじめに
1 クラウドサービスとは
2 クラウドの特徴
3 クラウドサービスを支える技術的特徴
4 クラウド利用のメリット
5 クラウド利用のデメリット
6 近時のクラウドサービスの活用モデル
クラウドサービス契約の法的分析
1 クラウドサービス契約の法的性質
2 SLA(Service Level Agreement)について
3 クラウドサービス契約の主要条項について
その他の法律上の論点(利用者側の事情)
1 民法上の論点(定型約款の該当性)
2 会社法上の論点(経営判断の原則を適用する際の考慮要素)
3 個人情報保護法上の論点(第三者提供・委託・外国にある第三者への提供の該当性)
4 不正競争防止法上の論点(営業秘密の該当性)
その他の法律上の論点(ベンダー側の事情)
クラウドサービス契約上の法的責任について
1 債務不履行
2 帰責事由
3 損害の範囲
4 過失相殺
国境を越えたクラウドサービス契約の締結にあたっての留意事項
1 個人情報の取扱い(ベンダー側の留意事項)
2 輸出規制について
3 紛争解決方法及び適用法令について


第8章会社設立・出資・提携

31 出資契約
総論
1 出資契約(資本提携契約)の意義・機能
2 会社法との関係
3 金融商品取引法及び金融商品取引所の規則
契約書に通常盛り込まれる主要条項
1 株式発行に関する条項
2 譲渡制限に関する条項
3 買増制限に関する条項
4 希釈化防止条項
5 役員派遣
6 その他の条項


32 株主間契約・合弁契約

はじめに
1 株主間契約・合弁契約
2 合弁契約の分類
3 合弁契約ドラフティング時の一般的な視点
合弁契約の主要な契約条項
1 合弁会社の目的
2 合弁会社のガバナンス・意思決定
3 共同意思決定事項
4 デッドロック
5 合弁会社の事業運営等に関する事項
6 知的財産の取扱い
7 労務関係
8 合弁会社の株式
9 合弁契約の終了
10 一般条項

33 業務提携契約

総論
1 業務提携契約の意義・機能
2 業務提携と独占禁止法
各論――各種業務提携契約における特徴的検討項目
1 技術提携に関する契約
2 開発提携に関する契約
3 生産提携に関する契約
4 販売提携に関する契約
5 その他一般的な規定


第9章組織再編・出資以外のM&A

34 合併契約

はじめに
1 合併契約とは
2 吸収合併と新設合併
合併における留意事項
1 合併に必要な手続
2 合併と税務
3 合併形態ごとの契約の違い
主要な契約条項の解説
1 必要的記載事項
2 任意的記載事項
おわりに

35 会社分割契約

はじめに
1 会社分割契約とは
2 会社法との関係
吸収分割契約に通常盛り込まれる主要条項(必要的記載事項)
1 分割会社及び承継会社の商号・住所
2 承継する権利義務に関する事項
3 分割会社又は承継会社の株式を承継会社に承継させる場合の当該株式に関する事項
4 分割の対価に関する事項
5 分割会社の新株予約権の新株予約権者に対して交付する承継会社の新株予約権に関する事項
6 効力発生日
7 人的分割に関する事項
吸収分割契約に通常盛り込まれる主要条項(任意的記載事項)
1 株主総会に関する事項
2 効力発生日までの各当事会社の義務に関する事項
3 競業避止義務に関する事項
主要な論点
1 会社分割と債務承継
2 吸収分割契約に詳細な前提条件等を記載することの是非
その他の留意事項
1 独占禁止法上の手続
2 金融商品取引法上の手続
3 分割と税務
おわりに

36 株式交換契約

はじめに
1 株式交換契約とは
2 株式交換に必要な手続
3 株式交換における対価
4 株主総会による承認を必要としない場合
株式交換契約の内容(必要的記載事項)
1 はじめに
2 当事者の表示
3 株式交換完全子会社の株主に交付する金銭等
4 株式交換完全子会社の株主に対する金銭等の割当て
5 株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対する完全親会社の新株予約権の交付及び割当て
6 効力発生日
7 株式移転に特有の事項
株式交換契約の内容(任意的記載事項)
1 はじめに
2 株主総会に関する事項
3 定款の変更
4 善管注意義務(事業の運営)
5 剰余金の配当
6 自己株式の消却
7 解除条件
8 重大な変動が生じた場合の条件変更及び解除
その他の留意事項
1 金融商品取引法上の手続
2 株式交換と税務

37 事業譲渡契約

はじめに
1 事業譲渡契約とは
2 会社法との関係
契約書に通常盛り込まれる主要条項
1 譲渡資産・負債の特定
2 個別財産の移転
3 従業員の承継
4 競業禁止・勧誘禁止
主要な論点及び事業譲渡の特徴
1 会社法上の事業譲渡の該当性
2 略式事業譲渡等及び簡易事業全部の譲受け
3 株式買取請求権
4 事業譲渡と債務承継
5 競争法との関係
6 倒産法との関係
7 開示規制との関係
おわりに

38 株式譲渡契約

はじめに
1 株式譲渡契約とは
2 契約当事者・構成
主要な契約条項の解説
1 譲渡の合意
2 譲渡価格
3 取引の実行(クロージング)
4 クロージングの前提条件
5 表明保証
6 誓約事項
7 補償
8 契約の終了・存続条項
9 その他の一般条項


第10章組織型取引

39 代理店契約
はじめに
1 代理店契約とは
2 販売代理店に関する法規制
具体的な条項
1 総論
2 契約形態の決定に関する規定
3 メーカー,販売代理店の義務に関する規定
4 顧客への販売条件に関する規定
5 商品の取扱いに関する規定
6 商標等のライセンス
7 契約の終了に関する規定

40 フランチャイズ契約

はじめに
1 フランチャイズの定義
2 フランチャイズ契約の性質
3 契約締結前の情報提供義務
主要な契約条項及び実務上問題となる論点
1 主要な契約条項
2 対価
3 販売価格の制限
4 販売方法の制限
5 テリトリー制
6 仕入先の指定・仕入数量の強制
7 損害賠償責任
8 競業禁止義務
9 継続的契約の終了

事項索引
判例索引


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