青林書院



新版 行政法総論 下巻


新版 行政法総論 下巻
 
編・著者藤田 宙靖 著
判 型A5判
ページ数372頁
税込価格5,280円(本体価格:4,800円)
発行年月2020年4月
ISBN978-4-417-01785-1
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■解説
信頼と実績に裏打ちされた藤田『行政法総論』の最新版!

■平成26年行政不服審査法,それに基づく行政関係各法の改正,その他最新の法令,
 判例等に対応した最新刊!
■内容の更なる充実に伴い,上巻(行政法通則),下巻(行政救済法)に分けて大幅
 なリニューアル。完熟した藤田行政法学へ向けてのリスタート! 


新版 はしがき
 本書は、平成二八年(二〇一六年)における(新)行政不服審査法(平成二六年に
旧法全面改正)の施行に対応するために、旧著『行政法総論』(青林書院、平成二五
年)の改訂を試みたものである。ただ、結果的にはそれに止まらず、それ以外の部分
についてもかなりの範囲にわたる加筆・補訂等を行うこととなったため、全体のペー
ジ数が増え、上巻(行政法通則)及び下巻(行政救済法)の二分冊とせざるを得なく
なった。しかし、全体としての結構及び本書執筆の趣旨・目的においては、基本的に
、旧版と変わるところはない。このあたりの詳細については、本書の冒頭においてと
いうよりも、むしろ、全巻を通読された上でこそ理解されやすかろうと思われるので
、この種の書物としては異例であるが、下巻の末尾に「あとがき」を付してその説明
を加えることとした。関心を持たれる向きにおかれては、そちらの方も御一読頂けれ
ば幸いである。
 改訂に当たっては、その企画当初から最終段階に至るまで、青林書院編集部の宮根
茂樹氏による献身的な御助力を頂いた。また、このような市場性の乏しい書物の発刊
を快諾して頂いた、同社逸見慎一社長に、厚く御礼を申し上げる次第である。
 なお、改訂作業に際し、必要な諸資料の入手や事項索引の作成などで、個人的に、
東北大学大学院助教高畑柊子氏の大なる助力を頂いた。また、東北大学教授飯島淳子
氏におかれては、公務甚だ御多忙であるにも拘らず、全く個人的な立場において、本
書再校の段階で全文に目を通し、重大な誤り等についてのチェックをするという労を
執って下さった。
 今回の改訂は、私が自らの傘寿を記念し、(旧版とは異なり)いわば「人手を借り
る」ことなく単独で企画・遂行したものであって、本書中の記載については、その内
容・表現等をふくめ、実質的にも形式的にも一切私が責任を負うものである。しかし
それにしても、上記の方々の御助力がなければ、到底ここまで辿り着くことはできな
かった。改めて、関係の方々に深く感謝申し上げるともに、本書の上梓を共に慶ばせ
て頂きたい。

令和二年(二〇二〇年)三月
藤田 宙靖


藤田宙靖(ふじた ときやす)
[略歴]
1940年 4月6日東京に生まれる
1963年 東京大学法学部卒業,東京大学法学部助手
1966年 東北大学法学部助教授
1977年 東北大学法学部教授
2000年 東北大学大学院法学研究科教授
2002年 東北大学名誉教授,最高裁判所判事
2010年 最高裁判所判事退官
2014年 日本学士院会員
     現在に至る



■書籍内容
第四編 行政救済法
序 章
一 行政救済法の課題
二 「法律による行政の原理」と「近代行政救済法の原理」
三 現代行政救済法の基本的問題点

第一章 行政争訟法(その一)──行政訴訟法
第一節 概   説
一 独立の裁判所による裁判手続の要請
二 明治憲法下の行政訴訟制度
三 行政裁判制度のモデル
四 わが国現行の行政訴訟制度──司法国家制度の採用
五 行政事件訴訟法の制定まで
六 平成一六年の改正
第二節 行政事件訴訟法の定める諸制度
第一款 訴訟類型 I 抗告訴訟
一 取消訴訟
二 無効等確認訴訟
三 不作為の違法確認訴訟
四 義務付けの訴え(義務付け訴訟)・差止めの訴え(差止訴訟)
五 無名抗告訴訟(法定外抗告訴訟)
供‥事者訴訟
一 形式的当事者訴訟
二 実質的当事者訴訟
掘〔噂袷幣
一 主観訴訟と客観訴訟
二 民衆訴訟提起の可能性
三 民衆訴訟の適用規定
検ゝヾ愾幣
一 客観訴訟としての機関訴訟
二 「行政主体」と「私人」の相対化と機関訴訟
第二款 訴えの提起に関する諸問題
第一項 訴訟要件
第一目 取消訴訟の訴訟要件
機 崕菠性」の充足
一 「処分」の概念
二 「形式的行政処分」概念
供”塢申立て前置
一 自由選択主義の採用
二 例外的不服申立て前置
三 他の抗告訴訟の場合
掘〜覆┐陵益──「法律上の利益」
一 原告適格
二 その他の訴えの利益
検“鏐霤格
一 国又は公共団体
二 行政庁の概念
三 被告となる国又は公共団体
四 取消訴訟における行政庁の役割
五 他の行政事件訴訟の場合
后ヾ鼻 ヽ
一 行政事件訴訟法の定める原則
二 個別法の定める例外
三 関連請求の移送
此―仭粉間
一 出訴期間並びに除斥期間
二 他の行政事件訴訟の場合
察々埓庁の教示義務
第二目 その他の抗告訴訟の訴訟要件
一 無効等確認訴訟
二 義務付け訴訟・差止訴訟
第二項 仮の救済
第一目 執行停止
一 執行不停止原則
二 内閣総理大臣の異議
第二目 仮の義務付け及び仮の差止め
第三款 訴えの審理に関する問題
第一項 訴えの対象(訴訟物)
第二項 職権主義の問題等
一 当事者主義と職権主義
二 行政事件訴訟法による原則
三 釈明処分の特則
四 文書提出命令
第三項 主張制限
一 「自己の利益に関係のない違法」の主張制限
二 いわゆる「違法性の承継」の問題
三 理由の差し替え
第四項 自由裁量行為の審査
第五項 立証責任(挙証責任)
一 抗告訴訟と立証責任
二 裁判官の心証形成
第六項 違法性の判断基準時
一 問題の所在──「処分時説」と「判決時説」
二 「処分時説」適用の前提条件
三 不行為訴訟における違法性判断基準時について
第四款 判決に関する問題
第一項 事情判決
第二項 取消判決の第三者効力(対世効)
一 取消判決の第三者効力(対世効)
二 第三者効力の範囲をめぐる諸問題
三 その他の抗告訴訟とりわけ無効確認訴訟と第三者効力
第三項 判決の拘束力
一 「拘束力」の内容
二 判決の「拘束力」と既判力

第二章 行政争訟法(その二)──狭義の行政争訟法
第一節 概   説
一 狭義の行政争訟の機能
二 狭義の行政争訟の限界──より簡便な救済制度
三 行政不服審査法
第二節 行政不服審査法の定める諸制度
第一款 不服申立ての種類
一 不服申立ての三類型
二 不服申立ての内容
第二款 不服申立ての提起に関する諸問題
第一項 不服申立て要件
一 不服申立て事項
二 不服申立ての利益
三 不服申立て期間
第二項 教示制度
一 行政庁の教示義務
二 教示制度の担保
三 情報の提供
第三項 執行停止の問題
一 執行不停止原則と例外的執行停止
二 不服申立てと内閣総理大臣の異議
第三款 不服申立ての審理に関する問題
一 公平な立場にある者による審理
二 審理手続について 第四款 裁決及び決定
一 「裁決」と「決定」
二 行政不服審査法上の諸規律
第三節 その他の行政争訟
第一款 行政審判
一 「行政審判」の意義
二 わが国現行法上の行政審判
三 行政審判制度の特徴
第二款 その他特別の行政争訟

第三章 行政法上の損害賠償制度
第一節 概   説
一 「国家の無責任」の原則とその克服の試み
二 現行法のシステム
第二節 国家賠償法に基づく損害賠償責任
第一款 公権力の行使に基づく損害の賠償責任
一 国又は公共団体の責任
二 公務員個人の責任と国又は公共団体の責任
三 自己責任説の理論的根拠について──「行政機関モデル」と「公務員モデル」
四 被害者に対する公務員個人の賠償責任について
五 国家賠償法一条の責任の成立要件
六 新しい救済原理への諸動向
第二款 公の営造物の設置・管理の瑕疵に基づく損害の賠償責任
一 「無過失責任」説
二 「瑕疵」の概念
三 「営造物」の概念
四 求償権について
第三款 費用負担者の責任
第三節 その他の賠償責任
一 公務員の違法無過失な行為による損害
二 違法性と過失の統一的把握の試み
三 損害賠償制度の側からのアプローチ
四 損失補償制度の側からのアプローチ
五 結果責任を認める立法について
第四節 国家賠償制度の過重負担とその解消
一 他の法制度の未発達とその国家賠償制度へのしわ寄せ
二 今後のあり方について

付 章 損失補償制度
第一節 損失補償制度の根拠
第一款 「損失補償」と「国家賠償」との異同
一 損失補償の概念
二 損失補償制度の理論的根拠
第二款 制定法上の根拠
第二節 損失補償の要否の基準
一 憲法二九条三項の法意
二 憲法二九条二項との関係
三 財産権の内在的制約
第三節 損失補償の内容
第一款 「正当な補償」と「完全な補償」
一 理論的相互関係(二八〇)
二 「完全な補償」と「相当な補償」との交錯──土地収用法の例
三 補償額の算定基準時
四 「開発利益」の取扱い方
五 土地区画整理事業の場合
第二款 「通常生じる損失」に対する補償
一 「通常生じる損失」
二 その一──事業損失と損失補償
三 その二──精神的な損失その他無形の損失と損失補償
四 その三──いわゆる「生活補償」の問題
五 その四──いわゆる「生活再建措置」について
第三款 財産権の制限と損失補償
一 財産権の制限と「正当な補償」
二 都市計画法に基づく土地利用制限
三 保全地区における土地利用制限
第四款 公用使用と損失補償
第四節 損失補償の方法──土地収用法の場合
一 個別払いの原則(土地収用法六九条)
二 金銭払いの原則
三 同時(事前)補償の原則
あとがき──私と行政法学
判例索引(下巻)/事項索引(下巻)

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