青林書院




新刊情報


コンメンタール家事事件手続法


コンメンタール家事事件手続法
編・著者秋武憲一・片岡武 編著
発行年月2021年10月
ISBN978-4-417-01822-3
税込価格7,590円(本体価格:6,900円)
在庫有り
  
在庫があります

■解説
第鬼 第1条〜第158条
<家事事件の実務家による,家事事件の実務に携わる人たちのための解説書>
●家事事件を担当し家事法を適用した裁判実務家による逐条解説書
●条文の解釈だけではなく,実務で当面する課題や問題点についても明快に解説
●家事事件の実務に携わる者必携!


はしがき
 本書は,家事事件の実務家が家事事件手続法を逐条解説したもの(コンメンタール
)である。
 家事事件手続法の解説書には,すでに立法に携わった人たちによるもの,家事事件
の研究者を中心とした人たちによるものなどいろいろ公刊されている。
 本書の特色は,解説者が実際に家事事件を担当し,家事事件手続法を適用した裁判
官(現又は元)であること,想定する読者が家事事件の実務に携わる人たちであるこ
とにある。つまり,本書は,家事事件の実務家による,家事事件の実務に携わる人た
ちのための家事事件手続法の解説書である。
 法律の紛争解決機能は,具体的事件に法律を適用することでなしとげられる。法律
の適用は,その立法趣旨,つまり,どのような目的で立法されたのか,どのような制
度であるかを知らなければならない。そのためには,我が国のみならず,各国におけ
る同趣旨の制度とその来歴,解釈・運用の実際等を知る必要もある。
 他方,家事事件手続法は,民法等の実体法が定めた内容を実現するための手続を定
めた法律(手続法)であるから,これを適用するについては,実体法の立法や制度の
趣旨等をも理解しなければならない。
 本書の執筆者は,全員が家庭裁判所において,裁判官として家事事件を担当し,家
事事件手続法を適用している。実務家は,担当事件について,事案ごとに,事実を認
定し,適用する法律,適用した結果の具体的妥当性と一般的普遍性を検討する。これ
は容易ではない。そのため,ときに悩み,苦しむ。しかし,実務家がこうしたことを
繰り返すことで次第に実務ができあがるのである。
 本書においては,家事事件の実務家が,条文の解釈だけではなく,実務において当
面する課題や問題点をも含めて解説するようにした。家事事件の実務に携わる人たち
の解釈適用の一助にしてもらいたいからである。その目的が十分果たせたかは自信が
ないが,問題があるとすれば,それは,執筆担当者ではなく,編集担当者の力不足に
よるものである。
 執筆者は,その大半が東京家庭裁判所における執務をしながら執筆した。実務を担
当する者にとって最優先にすべきことは,担当する事件を迅速かつ的確に処理するこ
とである。本書は,こうした状況で,しかも,折からの新型コロナウイルス感染の蔓
延のさなかに執筆したものである。執筆者には,いろいろと苦労,苦心があったもの
と思われる。ここに編集者を代表して執筆者の皆様に感謝と敬意を表する次第である。
 なお,令和3年4月21日に民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)
が成立し,同月28日に公布された。これにより民法の一部が改正され,これにともな
って家事事件手続法のうち,相続人の不存在に関する審判事件,相続財産の保全に関
する処分の審判事件,遺産の分割の審判の申立て及び遺産の分割の調停の申立ての取
下げの制限等についての改正がされた。これらについては,改正された旨を明示した
が,詳細な解説はしていないことをお断りする。ちなみに,これに先立って平成30年
7月6日に民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(平成30年法律第72号)
が成立し,令和元年7月1日から施行されている。本書において改正法と記載してい
るのは,この平成30年法律第72号による改正のことである。
 本書の編集は,東京家庭裁判所で一緒に仕事をして以来,公私ともどもに親しくし
ている岡武弁護士(元東京家庭裁判所部総括裁判官)とともに行った。岡武弁護士は,
多忙であるにもかかわらず,執筆担当者の選定,全体の構成及び内容等の検討を担当
してくれた。大いに助けられ,また,励まされた。心からの感謝を申し上げる。
 同じく,東京家庭裁判所以来,家事事件の実務についての相談相手となってくれて
いる七尾聡書記官(元東京家庭裁判所家事首席書記官)には,同裁判所の総務課の皆
さんととともに統計数値をまとめていただいた。大変な作業であったと思われる。感
謝申し上げる。
 最後になったが,本書ができあがるについては,株式会社青林書院の長島晴美氏に
多大なる尽力を賜り,苦労をおかけした。氏の励まし,尽力がなければ,執筆者が多
数であり,しかも,コロナ禍の下での本書の出版はできなかった。心から感謝申し上
げる次第である。
  令和3年7月
編集者代表   秋武 憲一


編著者
秋武憲一:山梨学院大学法学部客員教授(元仙台家庭裁判所長)
片岡 武:弁護士(元東京家庭裁判所判事)

執筆者
(執筆順)
蘯菴人子:千葉地方裁判所判事
近藤ルミ子:弁護士(元東京家庭裁判所所長代行)
平城 恭子:東京地方裁判所判事
草野 真人:仙台家庭裁判所長
國分 隆文:東京地方裁判所判事
下澤 良太:東京地方裁判所判事
細矢  郁:東京家庭裁判所判事
松谷 佳樹:静岡地方・家庭裁判所浜松支部長判事
浅岡千香子:宇都宮地方裁判所判事
村井みわ子:横浜地方・家庭裁判所川崎支部判事
島田壮一郎:熊本家庭裁判所八代支部判事補
眈譟‖臙蓮大阪地方裁判所岸和田支部判事
渡辺 健一:札幌高等裁判所判事
吉田純一郎:東京高等裁判所判事
大島 淳司:元東京家庭裁判所判事
藤枝 祐人:静岡家庭・地方裁判所判事補
中井 彩子:裁判所職員総合研修所教官
楠 真由子:松山地方裁判所判事補
小西 俊輔:札幌地方裁判所判事
香川 礼子:横浜地方裁判所判事
山田 一哉:東京地方裁判所判事
水野 有子:広島家庭裁判所長
田野倉真也:東京地方裁判所判事
數間  薫:水戸地方・家庭裁判所麻生支部判事
關 隆太郎:東京地方裁判所判事
神野 律子:東京高等裁判所判事
山城  司:長野地方・家庭裁判所松本支部長判事
寺田さや子:松山地方裁判所判事
(2021年6月末日現在)



コンメンタール家事事件手続法


コンメンタール家事事件手続法
編・著者秋武憲一・片岡武 編著
発行年月2021年10月
ISBN978-4-417-01823-0
税込価格8,250円(本体価格:7,500円)
在庫有り
  
在庫があります

■解説
第挟 第159条〜第293条
<家事事件の実務家による,家事事件の実務に携わる人たちのための解説書>
●家事事件を担当し家事法を適用した裁判実務家による逐条解説書
●条文の解釈だけではなく,実務で当面する課題や問題点についても明快に解説
●家事事件の実務に携わる者必携!


はしがき
 本書は,家事事件の実務家が家事事件手続法を逐条解説したもの(コンメンタール
)である。
 家事事件手続法の解説書には,すでに立法に携わった人たちによるもの,家事事件
の研究者を中心とした人たちによるものなどいろいろ公刊されている。
 本書の特色は,解説者が実際に家事事件を担当し,家事事件手続法を適用した裁判
官(現又は元)であること,想定する読者が家事事件の実務に携わる人たちであるこ
とにある。つまり,本書は,家事事件の実務家による,家事事件の実務に携わる人た
ちのための家事事件手続法の解説書である。
 法律の紛争解決機能は,具体的事件に法律を適用することでなしとげられる。法律
の適用は,その立法趣旨,つまり,どのような目的で立法されたのか,どのような制
度であるかを知らなければならない。そのためには,我が国のみならず,各国におけ
る同趣旨の制度とその来歴,解釈・運用の実際等を知る必要もある。
 他方,家事事件手続法は,民法等の実体法が定めた内容を実現するための手続を定
めた法律(手続法)であるから,これを適用するについては,実体法の立法や制度の
趣旨等をも理解しなければならない。
 本書の執筆者は,全員が家庭裁判所において,裁判官として家事事件を担当し,家
事事件手続法を適用している。実務家は,担当事件について,事案ごとに,事実を認
定し,適用する法律,適用した結果の具体的妥当性と一般的普遍性を検討する。これ
は容易ではない。そのため,ときに悩み,苦しむ。しかし,実務家がこうしたことを
繰り返すことで次第に実務ができあがるのである。
 本書においては,家事事件の実務家が,条文の解釈だけではなく,実務において当
面する課題や問題点をも含めて解説するようにした。家事事件の実務に携わる人たち
の解釈適用の一助にしてもらいたいからである。その目的が十分果たせたかは自信が
ないが,問題があるとすれば,それは,執筆担当者ではなく,編集担当者の力不足に
よるものである。
 執筆者は,その大半が東京家庭裁判所における執務をしながら執筆した。実務を担
当する者にとって最優先にすべきことは,担当する事件を迅速かつ的確に処理するこ
とである。本書は,こうした状況で,しかも,折からの新型コロナウイルス感染の蔓
延のさなかに執筆したものである。執筆者には,いろいろと苦労,苦心があったもの
と思われる。ここに編集者を代表して執筆者の皆様に感謝と敬意を表する次第である。
 なお,令和3年4月21日に民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)
が成立し,同月28日に公布された。これにより民法の一部が改正され,これにともな
って家事事件手続法のうち,相続人の不存在に関する審判事件,相続財産の保全に関
する処分の審判事件,遺産の分割の審判の申立て及び遺産の分割の調停の申立ての取
下げの制限等についての改正がされた。これらについては,改正された旨を明示した
が,詳細な解説はしていないことをお断りする。ちなみに,これに先立って平成30年
7月6日に民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(平成30年法律第72号)
が成立し,令和元年7月1日から施行されている。本書において改正法と記載してい
るのは,この平成30年法律第72号による改正のことである。
 本書の編集は,東京家庭裁判所で一緒に仕事をして以来,公私ともどもに親しくし
ている岡武弁護士(元東京家庭裁判所部総括裁判官)とともに行った。岡武弁護士は,
多忙であるにもかかわらず,執筆担当者の選定,全体の構成及び内容等の検討を担当
してくれた。大いに助けられ,また,励まされた。心からの感謝を申し上げる。
 同じく,東京家庭裁判所以来,家事事件の実務についての相談相手となってくれて
いる七尾聡書記官(元東京家庭裁判所家事首席書記官)には,同裁判所の総務課の皆
さんととともに統計数値をまとめていただいた。大変な作業であったと思われる。感
謝申し上げる。
 最後になったが,本書ができあがるについては,株式会社青林書院の長島晴美氏に
多大なる尽力を賜り,苦労をおかけした。氏の励まし,尽力がなければ,執筆者が多
数であり,しかも,コロナ禍の下での本書の出版はできなかった。心から感謝申し上
げる次第である。
  令和3年7月
編集者代表   秋武 憲一


編著者
秋武憲一:山梨学院大学法学部客員教授(元仙台家庭裁判所長)
片岡 武:弁護士(元東京家庭裁判所判事)

執筆者
(執筆順)
蘯菴人子:千葉地方裁判所判事
近藤ルミ子:弁護士(元東京家庭裁判所所長代行)
平城 恭子:東京地方裁判所判事
草野 真人:仙台家庭裁判所長
國分 隆文:東京地方裁判所判事
下澤 良太:東京地方裁判所判事
細矢  郁:東京家庭裁判所判事
松谷 佳樹:静岡地方・家庭裁判所浜松支部長判事
浅岡千香子:宇都宮地方裁判所判事
村井みわ子:横浜地方・家庭裁判所川崎支部判事
島田壮一郎:熊本家庭裁判所八代支部判事補
眈譟‖臙蓮大阪地方裁判所岸和田支部判事
渡辺 健一:札幌高等裁判所判事
吉田純一郎:東京高等裁判所判事
大島 淳司:元東京家庭裁判所判事
藤枝 祐人:静岡家庭・地方裁判所判事補
中井 彩子:裁判所職員総合研修所教官
楠 真由子:松山地方裁判所判事補
小西 俊輔:札幌地方裁判所判事
香川 礼子:横浜地方裁判所判事
山田 一哉:東京地方裁判所判事
水野 有子:広島家庭裁判所長
田野倉真也:東京地方裁判所判事
數間  薫:水戸地方・家庭裁判所麻生支部判事
關 隆太郎:東京地方裁判所判事
神野 律子:東京高等裁判所判事
山城  司:長野地方・家庭裁判所松本支部長判事
寺田さや子:松山地方裁判所判事
(2021年6月末日現在)



デジタルプラットフォームの法律問題と実務


デジタルプラットフォームの法律問題と実務
編・著者渡邊涼介・梅本大祐・今村敏 編著
発行年月2021年08月
ISBN978-4-417-01821-6
税込価格6,270円(本体価格:5,700円)
在庫有り
  
在庫があります

■解説
デジタル・プラットフォーム(PF)に関する最新法制解説書!!
●「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」を
 はじめ,消費者法,競争法,個人情報保護法などPFに関わる法律とそのポイン
 ト,紛争対策の実務について具体的に解説。
●PF事業者と取引企業・消費者の間の法律問題・トラブル対策の実務も収録。


はしがき
 Amazon.co.jpや楽天市場で買い物をする,App Storeからアプリケーションをダ
ウンロードする,Google検索をする,LINE・Facebookで友達とやりとりをする,メ
ルカリで買い物をするというように,デジタル・プラットフォーム(PF)の利用は
,多くの人の日常生活に組み込まれています。それぞれの利用時に,PFの利用規約
に同意していることになりますが,それぞれの規約の内容について,完全に理解し
ているという人は極めて稀です。
 企業が物品を販売する際も,Amazon.co.jpや楽天市場といったオンラインモール
を利用することが一般的であり,自社のホームページでしか販売をしていないとい
う事業者は例外的になっています。企業がオンラインモールを利用する場合も,Am
azon.co.jpや楽天市場の利用規約に従うことが一般的であり,これらのサービスの
運営事業者との間で,何らかの特約を締結するということは例外的です。
 このように,PFを運営するデジタル・プラットフォーム事業者(PF事業者)は,
自らが定める利用規約を通じて,個人や企業に対して,大きな影響力を及ぼしてい
ます。EUでは,影響力が大きすぎることが認識され,2010年代後半から,具体的な
対応が進められてきました。
 日本でも,近年になり,PF事業者への対応について,政府の研究会を中心に検討
がなされ,立法にも反映されています。 崙団螢妊献織襯廛薀奪肇侫ームの透明
性及び公正性の向上に関する法律」(取引透明化法)が成立して,2021年2月から
施行され,⊂暖饉坿愀犬砲いても同年4月に「取引デジタルプラットフォームを
利用する消費者の利益の保護に関する法律」が成立したほか,6チ菲ヾ愀犬任蓮
2019年12月に「デジタル・プラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者
との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」が公表され,
2020年5月には,外国法人等に対する法執行の実効性強化を含む電気通信事業法
の一部を改正する法律が成立するなど,個人情報・プライバシー保護,インターネ
ット上の情報の取扱いなどについても,検討が進められています。
 さらに近時では,国家も,デジタル通貨の発行などにより,PF事業者に自らの役
割を奪われることに危機感を持っているように見受けられます。
 本書では,このような状況を踏まえ,PF事業者について(総論),PFに関係
する法律,PFと消費者関係,PFと取引透明化法,PFと競争法,PFと個人情
報・プライバシー保護という観点から,PF事業者及びPFとの関係で問題となるポイ
ントを整理し,分析を試みています。
 また,近年検討が非常に進んでいる上記の各問題について,最新の情報に基づき
,検討に必要となるPF事業者についての説明や,PF事業者に関連する規律・約款を
含めた説明をすることで,PF事業者の法律問題に関して網羅的に解説することとし
ています。さらに,PF事業者と取引をしている企業,消費者からの視点も取り入れ
ています。
 その上で,本書では,紛争事例や法的課題も取り上げ,設問形式で具体的に記述
しています。
 さらに,執筆者は執筆分野の専門家として執筆内容に精通しているとともに,全
員任期付公務員を経験しており,自らが関わった事案を踏まえ,政府の動きを的確
に把握して執筆しています。
 なお,本書に記載されているうち,意見にあたるものは,すべて執筆者の私見で
あることを念のため付言しておきます。
 PFについては,人々や企業を媒介する場を提供するという,社会インフラとして
評価される重要な役割を果たす反面,その運営主体であるPF事業者があまりにも強
大になっていることから弊害も大きくなってきています。日々,諸外国を含め,PF
事業者に関する多くの問題が報道されています。
 私自身は,GAFAと総称される4つの企業が日本を含めた国・地域でグローバルに
事業を展開する反面,現時点で日本企業がグローバルに展開することは限定的と考
えています。本書が日本企業の発展の一助となれば幸甚です。
 最後となりますが,本書の出版にあたり,コロナ禍にもかかわらず,企画段階か
ら積極的に各執筆者をサポートいただくなど献身的にご尽力いただいた青林書院編
集部の森敦氏に,厚く御礼申し上げます。
 令和3年6月
編者代表 渡邊 涼介


編集・執筆者
渡邊 涼介:弁護士 光和総合法律事務所
梅本 大祐:弁護士 ブレークモア法律事務所
今村  敏:弁護士 池田・染谷法律事務所

執筆者
石田  健:弁護士 アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
岡本 健太:弁護士 光和総合法律事務所


 


民事執行法〔改訂版〕


民事執行法〔改訂版〕
編・著者中野貞一郎・下村正明 著
発行年月2021年08月
ISBN978-4-417-01813-1
税込価格13,750円(本体価格:12,500円)
在庫有り
  
在庫があります

■解説
令和元年民事執行法・ハーグ条約実施法改正に対応した最新改訂版!!

名著・中野『民事執行法』の真髄を現代に継承する信頼の体系書!!
執行制度の理論と実務を令和新時代もリードし続ける!!


この数年の間に公表された民事執行法関連の裁判例おびただしく,また,令和元年
には民事執行法・ハーグ条約実施法の改正が成り,本書もそれらに合わせてアップデ
ートする必要を生じていたところ,読者諸賢のお支えをいただき,また,青林書院は
逸見慎一社長や同社編集部の宮根茂樹氏に督励いただき,改訂版の刊行にこぎつける
ことができた。まずもって,感謝を申し上げたい。
 本書に求められるのは,民事執行法の体系書としての記述のなかに中野説を明らか
にすることであろうから,今回の改訂に当たっても,前回の共著への移行時と同様,
中野説不変更主義を維持している。師自身,反対説に耳を傾けながらも,「中野説と
して流布しているものを簡単に変えることはできない」とおっしゃっられた教えが,
その基礎にある。その共著移行時に,権利能力なき社団に対する不動産執行手続の解
釈につき,改説があった(第6章第3節?参照)のは,師の指示に従って書き改め
た部分であって,私の恣意によるものではない。
 ところで,本来民法屋の端くれにすぎない私ごときが畏れ多くも本書の共著者とし
て名を連ねることに,ご不審を抱かれている向きも多いことと想像する。この際,そ
の経緯を説明しておきたい。師とのご縁は,私の大阪大学法学部・大学院法学研究科
在学時以来,不断のご指導を仰いできたことによる。実体法学と手続法学の間に垣根
があってはならないと教えてくださったのも,師である。私事にわたるけれども,妻
(下村眞美。裁判官を辞した後,大阪大学法科大学院教授を経て,令和2年4月より
関西学院大学法科大学院教授)も師の直接の弟子に当たるから,師は,私にとって,
公私にわたり到底頭のあがらない,大元帥陛下ともお呼びする存在であらせられた。
平成の某日,大阪市内某所に呼び出され,また校正を頼むとの趣旨でのお食事のお誘
いと思いきや,共著にする,とおっしゃられて困惑した。本書の唯一無二の存在価値
は,師がその研究の超絶豊富な蓄積の成果として単独執筆されたことに存するわけだ
から,かねてと同様に校正や下調べならいくらでもお手伝いするので共著というのは
ご勘弁願いたいと,固辞はした。しかしながら,「自分亡き後にも本書の生命を保た
せたい」との師の強い意向には執念というべきものがひしひしと感じられ,大命降下
したものとして,固辞ももはやこれまでと,お引き受けするのほかなきに至ったもの
である。それにしても,自分の浅学菲才はだれよりも自分がわかっているから,その
プレッシャーたるや,尋常ではない。前回の共著発刊時にD教授から「これは大変だ
ったと思います。緊張されたことと存じます。」と記されたお葉書を頂戴したときは
,心底救われる思いがした(私法学会の折にひとことご挨拶と御礼を申し上げたとこ
ろ,「そこが琴線に触れたか!」と一笑しておられた)。そのお葉書は,今も常時携
行して励みの糧としている。
 今回の改訂も,お前の筆のせいで水準が落ちたと言われることを恐れ,主観的には
懸命に努めたつもりであるが,客観的にはなお不十分にちがいないと思う。もしまた
許されるなら,次の機会に補うべく,諸賢のご叱正を賜っていきたい。
 株式会社青林書院,逸見慎一社長,編集部宮根茂樹氏には,原稿の遅れをご辛抱い
ただきつつ,脱稿まで温かく見守っていただいた。重ねて御礼申し上げる。
 また何よりも,中野俊一郎先生(神戸大学大学院法学研究科教授)はじめ中野家の
方からお許しをいただかずしては,本書改訂はそもそも成り得なかった。頭を垂れて
深甚の謝意を表したい。
 師と,先日ご逝去された奥方,周先生のご霊前に,本書を捧げさせていただこうと
思う。果たして報恩の一片とお受けとめいただけるであろうか。
 令和3年7月
妻と長男・次男・娘の応援に感謝しつつ     
 下村 正明 

※なお,今回の改訂に当たり,文中での混乱を避けるため,青林書院現代法律学全集
 23巻として刊行された増補新訂6版までの本書を,「本書原著」と称することとし
 た。


中野 貞一郎
東京大学法学部卒業
大阪大学名誉教授 日本学士院会員(平成29年逝去に伴い退任)

下村 正明
関西大学法科大学院教授



     


判例からひも解く 実務民法


判例からひも解く 実務民法
編・著者近藤 昌昭 著
発行年月2021年07月
ISBN978-4-417-01819-3
税込価格4,400円(本体価格:4,000円)
在庫有り
  
在庫があります

■解説
民法(財産法)の主要な論点について,元裁判官が,判例の立場を中心として,
設例を用いて,詳しく解説!
 ●元裁判官による簡明な解説
 ●民法(財産法)の主要な論点について,判例の立場を基本として,論点相互
  の関連も解説しているので,実務における民法(財産法)全体の基本的構造
  を体得できる。
 ●判例を素材とした設例を通して,紛争の実像を捉え,どのような権利関係に
  あるのかを理解できる。
 ●現在の実務において採用されている要件事実についても解説。


はしがき
民法を含め私法の存在意義について,兼子一博士は「訴訟制度が,社会に起こる無数
の種々雑多な事件を取上げ,そのために多くの裁判官が分担して裁判をしなければな
らないことになれば,当然に裁判の公正と統一が要求されるし,又当事者の期待に副
う納得の行く合理的な判断が考慮されなければならなくなる。人民としても国家の法
廷へ持ち出せばどんな規準方針で裁判されるかが予想できないようでは安心してこれ
に頼れない。特に取引界では,取引上の紛争が画一的に確実に裁判されることが,予
め勘定に入れられることを強く要求する。このために国家として,明確な体系と網羅
的な内容をもった私法を制定することによって,訴訟制度の機能を合理的効果的に発
揮させようとするのである。したがって,私法法規は,元来実体法として,民事裁判
による紛争解決の基準として生成し又存在するものである。」(兼子一『實體法と訴
訟法―民事訴訟の基礎理論』(有斐閣,1957年)42頁)と述べている。民法の解釈に
あたっても,この裁判規範としての民法の実像を明らかにすることが必要である。そ
のために法曹実務家及び法曹を目指す者にとっては,最高裁判所の判例(その中でも
法理判決を中心として)を素材として,社会に生起する紛争の実像を捉え,その中で
どのような権利関係として位置づけているのかを理解することが重要である。最高裁
判所の判例をひも解いて,実体法の有権解釈について理解することは法曹実務家とし
て必須条件と言っても過言ではないといえよう。ただ,裁判例は具体的な事件を前提
として,その事件を解決する限りで判断することを前提としており,紛争の実像に迫
ることはできるものの,判例相互の関係を理解することは必ずしも容易ではない。
そのような判例の特色を意識して本書を作成している。本書の特徴をいくつか挙げる
と,本書はいわゆる民法の基本書ではない。したがって,各条文や制度をすべてカバ
ーしているものではなく,初めて民法を学ぼうとする者に適した本とはいえないであ
ろう。しかしながら,ある程度の民法の知識がある者や民法の基本書の理解を深めた
いと思っている者には,民法(財産法)の主要な部分に関して,判例の立場を基本と
して論点相互の関連にも意識して解説をしているので,実務における民法全体の基本
的構造を体得できると思われる。例えば,物権変動の対抗問題と94条2項との関係は
一連の問題であり,民法の体系書では,「民法総則」と「物権法」とで別々に記述さ
れているが,一緒に検討しておく必要がある。債権法の構造についても,特定物債権
,契約の解除,債務不履行,担保責任,危険負担の相互の関係も債権総論,契約総論
,契約各論で各別の検討では理解しづらい。これらについて全体構造を理解しやすい
ように,相互の関連について理解する必要がある。また,不法行為法と債権法との関
係についても意を用いたつもりである(どこまでが債権法の問題かを意識する必要が
ある。)。他方,そのような構成をとっている関係で,多くの民法の体系書の構造を
採用しておらず,また,判例の立場を中心として解説を加えているため,学説上の諸
見解の紹介はほとんどしておらず,全体構造を理解するうえで有益な場面に限定して
いる。そのようにすることによって,理解がむしろ簡明になると思われるからである。
さらに,民法の基本的な事項だけでなく,実務家にとって教科書等ではわかりづらい
論点についても,筆者が考える判例の立場で整理し,新たな整理を提示している部分
もある。この関係では,不法行為法における要件の整理として,新たな法益を認める
ことの利害得失,受忍限度論をどのように位置づけるか,不当利得返還請求権と189
条等の規定の関係,被相続人のために事務管理として支出をした場合に703条の法律
上の原因の問題として処理してよいかなど極めて実務的な問題についても触れてい
る。
民法は裁判規範であるので,要件事実的な整理も必要不可欠である。そのため,現在
の実務において採用されている要件事実についても説明を加えている。
また,民法以外の周辺の法的知識についても,それらの知識があることで民法自体の
理解が深まると思われるものについては,コラムで簡単な解説を加えることとしてい
る。
若い法曹実務家が民法(財産法)全体の理解を深めることが訴訟における争点整理を
促進させる原動力になると思われるが,そのために本書が少しでも役に立ち,民事裁
判の発展の一助となることを願っている。
最後に,本書の原稿整理から最終校正に至るまで,私のわがままを聞いていただき,
尽力していただいた青林書院編集部の長島晴美氏に対し謝意を表するものである。
令和3年6月
近藤 昌昭


同一労働同一賃金の実務と書式


同一労働同一賃金の実務と書式
編・著者村田浩一 編
発行年月2021年07月
ISBN978-4-417-01818-6
税込価格4,620円(本体価格:4,200円)
在庫有り
  
在庫があります

■解説
同一労働同一賃金問題に取り組む実務家必携の書
●同一労働同一賃金問題の考え方,対応例,書式例について,
 裁判例を踏まえ分かりやすく解説。
●基本給・賞与・退職金・私傷病休職等各種手当について,
 裁判例・ガイドラインの考え方,就業規則の改定例,正社員と
 非正規社員の待遇差を説明する際のヒントを示した。
●判例・裁判例を多数収録し,判断の要点を分かりやすく整理。


同一労働同一賃金問題について,令和2年10月に5件の最高裁判決が出され,
令和3年4月から中小企業にも同一労働同一賃金に関するパートタイム・有期
雇用労働法が施行され,いよいよ各企業で同一労働同一賃金問題への対応が急
務となりました。
この問題は,一言でいうと,通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間の
労働条件の相違が不合理といえる状況にないかを労働条件ごとに個別に分析し
,不合理といえる状況がある場合には,これを是正するということです。ただ
,よりかみ砕いて考えると,本書181頁以下で解説したとおり,比較対照する
[1]自社の通常の労働者及び短時間・有期雇用労働者それぞれの区分,/
務の内容,⊃雄牾萢僂了伝函きその他の事情の状況を確認,整理する必要が
ありますし,[2]各労働条件の相違,趣旨を確認,言語化し,さらには労働
条件の相違が不合理かどうかを裁判例等に照らし分析し,不合理と思われるも
のについては是正する必要があります。この作業は,非常にオーダーメイド色
が強く,言語化にも難しさがあります。例えば,一言で契約社員といっても,
期間の定めがある以外,業務内容,異動,役職就任などにおいて正社員とまっ
たく相違がない企業もあれば,3年ないし5年といった更新の上限を定め,長
期雇用を予定していない企業もあります。/μ海瞭睛董き⊃雄牾萢僂了伝函
その他の事情についても,本書181頁から183頁で示したとおり,採用,教育
・研修,評価制度,キャリア,業績目標の有無など視点は多岐にわたり,人事
担当者でも状況を理解していなかったり,同じ企業の中でも部門によって状況
が異なることもあります。労働条件の趣旨についても,実態に合っている必要
があるものや,会社固有のものもあり,例えば同じ慶弔金でも,一般的には親
族等の慶弔につき金銭を支給するもので役職や企業への貢献度は関係ないです
が,役職に応じて慶弔金の金額が異なり企業への貢献度に応じた手当となって
いたこともあります。さらに,有期雇用労働者を雇用する意義についても,単
に安くて雇止めできる労働力と考えるだけでは,採用に苦戦するケースもあり
ますし,通常の労働者との間の労働条件の相違が不合理と判断される懸念もあ
り,臨時的な雇用と整理するのか,限定正社員,正社員への登用を前提とする
のかなど,見直しの時期が来ているといえます。このように,同一労働同一賃
金問題は,企業の働き方の抜本的な見直しの問題でもあるといえます。他方で
,ダイバーシティ(多様性)の広がりの中で家族の在り方が変化したり,ジョ
ブ型雇用の広がりもみられ,家族手当,子供手当,住宅手当といった属人的な
手当を見直す動きもみられます。また,COVID-19禍以降,休業やオンライン化
,テレワークの急速な普及を経て,改めて企業は人であるとの実感を得,有為
な人材を確保・定着するための労働条件の改革に取り組む企業もみられます。
そのため,今まさに,同一労働同一賃金問題を契機として,各企業で働き方を
抜本的かつ前向きに見直す良いタイミングともいえます。
このように,同一労働同一賃金問題は,対応を間違えれば紛争の火種になりま
すが,この問題の検討を通じて,社員の区分,労働条件を見直したり,労働条
件に対する納得感や長く働いてもらうための制度作りの契機,短時間・有期契
約労働者を雇用する意義を考え直す契機になり,前向きに捉えることもできま
す。私が関与した企業でも,契約社員の大規模な正社員化に踏み切った企業や
,手当類を整理し,一部の手当は廃止したものの,別の手当は短時間・有期雇
用労働者にも支給するようにし,納得感のある整理をするなど,前向きな取り
組みの契機になったと捉えています。
本書では,このような分析,規定化,前向きな取り組みの指針を提供できれば
と思い,労働法を専門とする法律事務所で経験を積んだ執筆陣とともに,同一
労働同一賃金問題の考え方の解説,労働条件ごとの一般的な知識,考え方,裁
判例,実務対応・規程改定例,待遇差の説明のヒントを示し,同一労働同一賃
金問題に関するノウハウ,書式をちりばめました。本書が同一労働同一賃金問
題に悩んでいる企業担当者,弁護士や社会保険労務士,税理士等の専門家にと
って,紛争予防や紛争解決の一助になれば幸いです。
最後に,青林書院編集部の留守秀彦氏には,本書の刊行にあたり都度丁寧なご
意見やご提案をいただき,おかげさまで本書がより読者にとって懇切丁寧な書
籍になったと考えております。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
令和3年6月
弁護士 村田 浩一


編者
村田 浩一:弁護士(根本法律事務所)

執筆者
村田 浩一(上掲)
瀬戸 賀司:弁護士(杜若経営法律事務所)
鈴木 芳信:弁護士(熊隼人法律事務所)
下平  学:弁護士(恵比寿パートナーズ法律事務所)
梅本茉里子:弁護士(杜若経営法律事務所)





新・商標法概説〔第3版〕


新・商標法概説〔第3版〕
編・著者小野昌延・三山峻司 著
発行年月2021年07月
ISBN978-4-417-01811-7
税込価格9,460円(本体価格:8,600円)
在庫有り
  
在庫があります

■解説
令和3年改正と最新の裁判例に対応した信頼と実績の「第3版」
●令和3年改正商標法にも対応し、過去の度重なる法改正前後の
 仕組みや内容にも随所で詳解。商標法実務書の最新決定版
●商標法に関する重要判例を広範囲に取り入れ、第3版で新たに
 設けた「脚注」に一挙掲載。令和3年の主要裁判例まで解説


『新・商標法概説〔第2版〕』の刊行からすでに8年余り(「補遺」を付して
から6年余り)が経過した。この間に「新しい商標」を取り入れた平成26年改
正をはじめとする平成27年,平成30年,令和元年,令和3年の各改正があった。
 これら法律の改正やこの間の審査基準の改定を取り込みつつ,最高裁判所の
判例や重要な知的高等裁判所の裁判例も出ており,はやくから品薄になり,品
切れとなっていた『新・商標法概説〔第2版〕』の改訂を行い現在の役に立つ
ようにリニューアルすべく出版を促されてきた。小野昌延先生もそのご準備に
取り掛かられようとしていた矢先に,体調を崩され平成30年8月に不帰の人と
なられた。
 そのような中,小野先生のご遺族のご了解のもと熱心に改訂の刊行をお勧め
いただいたものの,限られた実務経験に影響を受け事例にこだわった狭い視野
しか持たない浅学な一実務家にすぎぬ私がその役目を果たし得るか疑問であり,
改訂とは名ばかりの恥しい結果になりはしないかと危惧しためらって,ご辞退
することを何度となく真剣に考えた。
 しかし他方で,これまで一方ならずお世話になり育てていただいた小野先生
のご恩に何とかお応えし何程かのものでもお返しできればという思いは強かっ
た。そして,「中間作業的なもの」とおっしゃっていた第2版の改訂作業を続
けることは小野先生のお考えに添いお許しいただける作業ではないかと考える
ようになっていった。
 改訂にあたっては,「訴訟実務のために役立つ概説書」という本書の基本ス
タイルを堅持した。そして「できるだけ異説はとらず判例中心・通説中心に改
訂を行い」「つとめて平凡な基本的ないし客観的記述に努める」との第2版の
方針を変えることなく,そのもとで改正,審査基準等を取り入れる一方で,で
きるだけ参考となる最近の新しい裁判例を取り込むように努めた。記載の形式
は,本文の叙述を読者にとって読み易くするために,本文中の裁判例などの記
載は原則的に各頁下の注記に移動させた。その過程で新旧の裁判例や参考文献
の入れ替えにも努めたが未だ十分とはいえないままに残された箇所も少なから
ずある。
 巨人の肩の上に立つこともできない小人は小人として自覚しつつ歩むしか術
はなく,小人としての務めを力不足でも果たすしかない。初版の改訂,第2版
の改訂作業の過程で小野先生をお伺いした際に,お話が先生のこれまでの歩み
のご経験にしばしば及んだ。その折のお姿が今も彷彿としてくる。先生は,「
吉田恒」のペンネームでブッダに関する本を出されている。法然院で寄宿され
たご経験もあり,弁護士になってから仏教書に興味をもち始めたとその著書に
は書かれているが,「すべてのものは変化する」「日々努力しなければならな
い」と静かに励まし続けていただいている思いがしてならない。「形質は草露
の如く運命は電光に似たり」だ,「復び還し得ない一日一日を大切にしなさい
よ」とおっしゃられているに違いない。この改訂の作業の中で先生に幾度とな
く心の中でお会いできたように思う。遇い難きご縁の巡り会わせに深く感謝申
し上げたい。
 小野先生のお考えを直接に伺いつつ今回の改訂の作業をお手伝いし,ご一緒
できないのが本当に残念でならない。しかし,こうして本書を刊行することが
できたのは,過去そして現在においてもなお多くの教えを与え続けてくださる
小野先生のご指導とご縁を頂けたればこそであり,そのご恩に改めて感謝申し
上げるとともに,本書の内容に大変有意義な示唆を頂き広く引用させていただ
いた多くの著者の方々に厚くお礼申し上げたい。
 そしてご多忙にもかかわらず,海外の知財情報を提供して下さった竹内耕三
先生に感謝したい。なおまた,しばしば遅れを重ねたにもかかわらず,初版,
第2版に引き続き第3版の刊行まで,終始好意を持って丁寧にお世話下さった
青林書院の宮根茂樹氏にもこの場をかりてあらためて御礼をのべさせていただ
くことにしたい。
 2021年5月
三山 峻司


小野 昌延
1953年 京都大学法学部卒業
1974年 特許庁・工業所有権審議会委員
1975年 日本工業所有権法学会常任理事
1978年 日弁連・無体財産権制度委員会委員長
1999年 日本商標協会会長
2018年 逝去
〔主要著書〕
『註解不正競争防止法』(有信堂,1961年)
『営業秘密の保護』(有信堂,1968年)
『商標法概説』(有斐閣,1988年)
『注解商標法〔新版〕上・下巻』(編著)(青林書院,2005年)
『新・注解不正競争防止法〔第3版〕上・下巻』(編著)(青林書院,2012年)など


三山 峻司
1975年 中央大学法学部法律学科卒業
2004年 京都産業大学大学院法務研究科教授
2008年 大阪弁護士会・知的財産委員会委員長
2010年 芦屋大学経営教育学部客員教授
2012年 特許庁・工業所有権審議会委員
現 在 弁護士・弁理士・社会福祉士,日本商標協会理事
〔主要著書〕
『知財実務ガイドブック─知財の活用とトラブル対策』(編著)(青林書院,2017年)
『事例から考える特許法』(編著)(法学書院,2013年)
『著作権法要説〔第2版〕実務と理論』(共著)(世界思想社,2013年)
『新・注解不正競争防止法〔第3版〕上・下巻』(共著)(青林書院,2012年)
『ロースクール演習 知的財産法』(共著)(法学書院,2009年)
『知的財産契約の理論と実務』(共著)(商事法務,2007年)
『注解商標法〔新版〕上・下巻』(編著)(青林書院,2005年)など






詳解 LGBT企業法務


詳解 LGBT企業法務
編・著者第一東京弁護士会司法研究委員会LGBT研究部会 編
発行年月2021年06月
ISBN978-4-417-01812-4
税込価格3,630円(本体価格:3,300円)
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■解説
企業が直面するLGBT対応の問題を法務の専門研究部会が徹底解説!
●LGBTの基礎知識から,企業対応の具体的問題・ビジネスにおける問
 題・就業規則による対応・事例検討まで,実践的かつ充実のコンテン
 ツ!
●令和新時代の企業法務,ビジネスにとって不可欠となる貴重な1冊!


刊行のごあいさつ
 第一東京弁護士会では,昭和43年に「司法研究基金」の制度を創設し,会員
が弁護士の身近な業務や弁護士制度の改善進歩に寄与する問題について調査研
究し,今日までにその研究成果のいくつかを叢書として世に送り出しています
。当会司法研究委員会内に設置されたLGBT研究部会は,企業法務の現場におけ
るLGBTの諸問題について研究を重ね,2020年3月に,当会会員向け小冊子「企業
法務としてのLGBT」を発行し,この度,この小冊子を改訂した上,一般読者に
向けて書籍化することとなりました。LGBTを取り巻く問題は,年々,社会にお
ける重要度を増しており,例をあげれば,経団連は「ダイバーシティ・インク
ルージョン社会に向けて」(2017年5月16日)を提言し,連合も「LGBTに関する
職場の意識調査」(2016年8月25日)を公表して,企業・労働組合が対応すべき
労働問題として位置付けています。本書はその労働問題を中心に,実務の現場
において生じている様々な課題を取り上げ,考え方を示すものです。
 本書では,まず,入門編としてLGBTについての基礎知識を確認し,それを土
台として各論編として企業法務において生じうるLGBTに関する法律問題を検討し
ています。さらに,ビジネスの現場におけるLGBTの問題,就業規則対応,事例研
究を取り上げ,実務と理論を横断的に俯瞰できる構成となっており,幅広い読者
にご利用しやすい内容となっています。本書が企業法務に携わる方に広く活用さ
れることを祈念致します。
 令和3年5月
 第一東京弁護士会
 会長 三原秀哲


『詳解 LGBT企業法務』の発刊について
 企業法務に携わる方の中には,LGBTという言葉こそ聞いたことがあっても法
律問題のテーマとして捉えたことがない方々も少なくないと思います。そこで,
まず,性の多様性の問題の根底には,人がありのままで尊重されるべきことや,
自らの人生を自らで決定する自己決定権が存在することを理解していただき,
その上で,この考えが,既定の規律と一定の慣行に基づき形成された労働環境
の中で今まで明示的に意識されなかった問題を提起していることを知っていた
だきたいと考えております。
近年,LGBTに関係する裁判例が出てきていますが,裁判例はあくまで個別事例
に対するものであり,必ずしもすべてのケースに当てはまる基準とはなり得ま
せん。
 本書は,企業が個別具体的な問題に直面した場合にどのように対応すべきか,
その指針を示しております。LGBTと企業法務について検討をしたことがない方
も,そうではなくある程度対応の経験がある方にとっても十分お役に立つもの
と考えております。本書が,多くの皆様にご活用いただけましたならば,それ
は当委員会の大いなる喜びであります。
 令和3年5月
 第一東京弁護士会司法研究委員会
 委員長 多賀亮介


刊行にあたって
 LGBTという言葉はこの数年で社会に浸透し,判例も少しずつ蓄積されLGBTを
取り巻く法律問題についても関連書籍が多数刊行されています。
 ところが,企業法務という視点でいえば,啓発活動や福利厚生の充実以外に
も,まだ尽くされていない論点が様々に存在しています。2017年に第一東京弁
護士会がLGBT研究部会を発足させた趣旨は,まさにここにあります。企業から
の相談依頼に接することの多い当会の弁護士が,LGBT企業法務に関する理解を
深めています。
 2020年3月,本部会は企業の労働問題の相談を受ける弁護士が,LGBTに関する
理解を深め,企業側の相談の要所を摑むための小冊子を編纂し,第一東京弁護士
会の全弁護士に配布いたしました。そうしたところ,読者の弁護士より,この小
冊子は弁護士に限らず企業法務に携わる方々にとっても有益なものというお言葉
をいただきました。本書の刊行にあたっては,さらに最新の情報と労働問題以外
のビジネスにおける法律問題や事例研究等を盛り込み,最新の知見を解説したも
のと自負しております。多くの皆様の手に取っていただき,企業法務実務の一助
としてお役立て頂けましたら,この上ない喜びです。
 最後になりましたが,本書の企画・編集における青林書院編集顧問の宮根茂樹
氏の丁寧なサポートのおかげで本書刊行の運びとなりました。同氏に厚く御礼を
申し上げます。
 令和3年5月
 第一東京弁護士会司法研究委員会LGBT研究部会
 部会長 安倍嘉一


編集者・執筆者一覧
■編集者・執筆者
安倍 嘉一:森・濱田松本法律事務所
石橋 達成:東京経済綜合法律事務所
立石 結夏:新八重洲法律事務所
宮崎  綾:阿部・井窪・片山法律事務所
森川 紀代:森川法律事務所

■執 筆 者
安藤 尚徳:東京フィールド法律事務所
宇野 康枝:宇野康枝法律事務所
岡 紳吾:岡法律事務所
河本みま乃:番町総合法律事務所
白木 麗弥:ハミングバード法律事務所
竹村 将志:中村法律事務所
伊達有希子:新千代田法律事務所
三輪 記子:三輪記子の法律事務所
吉村 佳代:SMBCコンシューマーファイナンス株式会社








類型別 労働関係訴訟の実務〔改訂版〕


類型別 労働関係訴訟の実務〔改訂版〕
編・著者佐々木 宗啓ほか 編著
発行年月2021年06月
ISBN978-4-417-01816-2
税込価格4,950円(本体価格:4,500円)
在庫有り
  
在庫があります

■解説
さらに充実,待望の改訂版!
わかりにくい労働関係紛争のルールを客観的にわかりやすく解説! 
個別的労働紛争に携わる者必携!

●東京地裁労働部に所属して労働関係事件を担当した裁判官が執筆
●働き方改革関連法等による改正をフォロー,新たな判例や裁判例を収録
●新章「非正規労働者の不合理な待遇差等を争う損害賠償請求」を掲載
●コンパクトかつ実務上必要なことを一通り記載,使いやすい仕様


改訂版はしがき
 『類型別 労働関係訴訟の実務』の初版は,平成29年8月に上梓された。
同書は,東京地裁労働部に所属していた裁判官の有志が,わかりにくい労働関
係紛争のルールを,できる限り整理して客観的に叙述することにより,世の人
の役に立つことを目指して刊行された。特に,これから個別的労働紛争の対処
の方法を学んでその解決に携わろうとする者にとって,役に立つものであるこ
とを目標としていた。
 以来,3年半余が経過した。この短い間にも,少なからぬ最高裁判例及び注
目すべき下級審裁判例が出現した。また,平成30年には,労働法の基幹をなす
労働基準法,労働契約法などの8法律を改正するいわゆる働き方改革関連法(
働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律〔平成30年法律第71
号〕)が成立し,労働関係法令に大きな変化が生じた。しかも,令和2年4月1
日からは新民法も施行され,賃金の時効期間や遅延損害金などの取扱いが変化
した。そのため,これらの労働関係訴訟に影響する法改正を取り込み,最高裁
判例や下級審裁判例を補充する改訂が喫緊の課題となった。そこで,まず,い
わゆる働き方改革関連法による改正をフォローすべく,本書の目的に賛同する
新たな執筆者に加わってもらい,「非正規労働者の不合理な待遇差等を争う損
害賠償請求」を解説する新たな章を設け,従前の各章にも必要なQ&Aを追加し
た。また,新しい最高裁判例や下級審裁判例を追加収録するとともに,基本書
及び実務書等の法律文献との繋がりが乏しかった部分を改め,本書の記載に対
応する基本書及び実務書等の引用を増やすことで,利便性をいっそう高めた。
その一方で,コンパクトでありながら実務上必要なことが一通り記載されてい
る使いやすさという要請にも,適合するよう配慮することにも努めた。
 本書の改訂版を執筆する際,執筆者一同は,本書の目的が,ルールの整理と
客観化にあるとする初版以来の使命を認識したうえで,執務外の時間を割いて
草稿を分担し,その草稿をもとに議論しながら推敲を重ねた。もとより各筆者
の分担部分における見解は,東京地裁労働部の統一的見解でも,筆者らに共通
の見解でもなく,執筆者それぞれが,議論の末に到達した個人的な見解である
ことは,初版と変わりがない。しかし,執筆者は,いずれも東京地裁労働部
(民事第11部,第19部,第33部,第36部)に所属して,専門的に労働関係事件
を担当していた裁判官の有志であり,改訂版は,本書の目的と使命に,よりい
っそう沿うものとなったと自負している。本書が,労働関係紛争に携わる裁判
官,弁護士をはじめ,労働法制を学習しようとする関係者にとって,少しでも
役に立つものであれば幸いである。
 最後に,本書の刊行にあたり,新型コロナウイルス感染症の影響で様々な障
害がある中,初版から引き続いて,甚大なるご尽力をいただいた青林書院の長
島晴美編集長に対し,厚くお礼を申し上げたい。
  令和3年4月20日
執筆者を代表して
佐々木 宗啓
伊藤 由紀子



編著者・執筆者紹介
編著者
佐々木 宗啓:盛岡地方・家庭裁判所長(元東京地方裁判所民事第11部部総括判事)
清水   響:大阪高等裁判所第2民事部部総括判事
       (元東京地方裁判所民事第19部部総括判事)
𠮷田   徹:東京地方・家庭裁判所立川支部長判事
       (元東京地方裁判所民事第36部部総括判事)
佐久間 健吉:函館地方・家庭裁判所長(前東京地方裁判所民事第11部部総括判事)
伊藤 由紀子:東京地方裁判所民事33部部総括判事(元東京地方裁判所民事第19部判事)
遠藤  東路:東京高等裁判所第24民事部判事(元東京地方裁判所民事第36部判事)
湯川  克彦:東京高等裁判所第2民事部判事(元東京地方裁判所民事第11部判事)
阿部  雅彦:水戸地方裁判所民事第1部部総括判事
       (前東京地方裁判所民事第11部判事)

執筆者
石田  明彦:東京地方裁判所民事第8部判事(元東京地方裁判所民事第36部判事)
五十嵐 浩介:東京地方裁判所民事第16部判事(元東京地方裁判所民事第11部判事)
鷹野   旭:最高裁判所調査官(元東京地方裁判所民事第11部判事)
宮川  広臣:札幌家庭裁判所判事(元東京地方裁判所民事第19部判事)
堀田  秀一:東京地方裁判所民事第23部判事(元東京地方裁判所民事第19部判事)
水倉  義貴:法務省訟務局訟務支援対策官(元東京地方裁判所民事第36部判事)
(肩書きは刊行当時)





類型別 労働関係訴訟の実務〔改訂版〕


類型別 労働関係訴訟の実務〔改訂版〕
編・著者佐々木 宗啓ほか 編著
発行年月2021年06月
ISBN978-4-417-01817-9
税込価格5,170円(本体価格:4,700円)
在庫有り
  
在庫があります

■解説
さらに充実,待望の改訂版!
わかりにくい労働関係紛争のルールを客観的にわかりやすく解説! 
個別的労働紛争に携わる者必携!

●東京地裁労働部に所属して労働関係事件を担当した裁判官が執筆
●働き方改革関連法等による改正をフォロー,新たな判例や裁判例を収録
●新章「非正規労働者の不合理な待遇差等を争う損害賠償請求」を掲載
●コンパクトかつ実務上必要なことを一通り記載,使いやすい仕様


改訂版はしがき
 『類型別 労働関係訴訟の実務』の初版は,平成29年8月に上梓された。
同書は,東京地裁労働部に所属していた裁判官の有志が,わかりにくい労働関
係紛争のルールを,できる限り整理して客観的に叙述することにより,世の人
の役に立つことを目指して刊行された。特に,これから個別的労働紛争の対処
の方法を学んでその解決に携わろうとする者にとって,役に立つものであるこ
とを目標としていた。
 以来,3年半余が経過した。この短い間にも,少なからぬ最高裁判例及び注
目すべき下級審裁判例が出現した。また,平成30年には,労働法の基幹をなす

働基準法,労働契約法などの8法律を改正するいわゆる働き方改革関連法(働
き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律〔平成30年法律第71
号〕)が成立し,労働関係法令に大きな変化が生じた。しかも,令和2年4月1
日からは新民法も施行され,賃金の時効期間や遅延損害金などの取扱いが変化し
た。そのため,これらの労働関係訴訟に影響する法改正を取り込み,最高裁判例
や下級審裁判例を補充する改訂が喫緊の課題となった。そこで,まず,いわゆる
働き方改革関連法による改正をフォローすべく,本書の目的に賛同する新たな執
筆者に加わってもらい,「非正規労働者の不合理な待遇差等を争う損害賠償請求」
を解説する新たな章を設け,従前の各章にも必要なQ&Aを追加した。また,新し
い最高裁判例や下級審裁判例を追加収録するとともに,基本書及び実務書等の法
律文献との繋がりが乏しかった部分を改め,本書の記載に対応する基本書及び実
務書等の引用を増やすことで,利便性をいっそう高めた。その一方で,コンパク
トでありながら実務上必要なことが一通り記載されている使いやすさという要請
にも,適合するよう配慮することにも努めた。
 本書の改訂版を執筆する際,執筆者一同は,本書の目的が,ルールの整理と客
観化にあるとする初版以来の使命を認識したうえで,執務外の時間を割いて草稿
を分担し,その草稿をもとに議論しながら推敲を重ねた。もとより各筆者の分担
部分における見解は,東京地裁労働部の統一的見解でも,筆者らに共通の見解で
もなく,執筆者それぞれが,議論の末に到達した個人的な見解であることは,初
版と変わりがない。しかし,執筆者は,いずれも東京地裁労働部(民事第11部,
第19部,第33部,第36部)に所属して,専門的に労働関係事件を担当してい
た裁判官の有志であり,改訂版は,本書の目的と使命に,よりいっそう沿うもの
となったと自負している。本書が,労働関係紛争に携わる裁判官,弁護士をはじ
め,労働法制を学習しようとする関係者にとって,少しでも役に立つものであれ
ば幸いである。
 最後に,本書の刊行にあたり,新型コロナウイルス感染症の影響で様々な障害
がある中,初版から引き続いて,甚大なるご尽力をいただいた青林書院の長島晴
美編集長に対し,厚くお礼を申し上げたい。
  令和3年4月20日
執筆者を代表して
佐々木 宗啓
伊藤 由紀子



編著者・執筆者紹介
編著者
佐々木 宗啓:盛岡地方・家庭裁判所長(元東京地方裁判所民事第11部部総括判事)
清水   響:大阪高等裁判所第2民事部部総括判事
       (元東京地方裁判所民事第19部部総括判事)
𠮷田   徹:東京地方・家庭裁判所立川支部長判事
       (元東京地方裁判所民事第36部部総括判事)
佐久間 健吉:函館地方・家庭裁判所長(前東京地方裁判所民事第11部部総括判事)
伊藤 由紀子:東京地方裁判所民事33部部総括判事(元東京地方裁判所民事第19部判事)
遠藤  東路:東京高等裁判所第24民事部判事(元東京地方裁判所民事第36部判事)
湯川  克彦:東京高等裁判所第2民事部判事(元東京地方裁判所民事第11部判事)
阿部  雅彦:水戸地方裁判所民事第1部部総括判事(前東京地方裁判所民事第11部判事)

執筆者
石田  明彦:東京地方裁判所民事第8部判事(元東京地方裁判所民事第36部判事)
五十嵐 浩介:東京地方裁判所民事第16部判事(元東京地方裁判所民事第11部判事)
鷹野   旭:最高裁判所調査官(元東京地方裁判所民事第11部判事)
宮川  広臣:札幌家庭裁判所判事(元東京地方裁判所民事第19部判事)
堀田  秀一:東京地方裁判所民事第23部判事(元東京地方裁判所民事第19部判事)
水倉  義貴:法務省訟務局訟務支援対策官(元東京地方裁判所民事第36部判事)
(肩書きは刊行当時)







行政関係訴訟〔改訂版〕


リーガル・プログレッシブ


行政関係訴訟〔改訂版〕
編・著者西川 知一郎 編著
発行年月2021年05月
ISBN978-4-417-01814-8
税込価格5,390円(本体価格:4,900円)
在庫有り
  
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■解説
 ますます充実!行政事件訴訟の実際を理解するための必携書!!
●行政事件訴訟の性格や特質の正しい理解,紛争の核心の的確な把握,関係法令や判例法
 理の正確な理解に資する解説
●改正法下の最高裁判例・下級審裁判例,現時点の制度,運用実務,議論状況を踏まえ
 た,体系的でわかりやすい解説
●行政事件訴訟実務の豊富な経験を有する裁判官による解説


 本書の初版が出版されてから12年が経過した。その間,情報通信技術の急速な発展
と普及,グローバル化の一層の進展,昨今の感染症の拡大とそれに伴う生活様式の変
容等,社会経済が大きく変化する中で,行政作用の果たす機能,役割や日常生活,経
済社会に及ぼす影響は質,量ともに拡大,変化しつつあり,行政の適法性を確保し,
違法な行政作用から国民の権利,利益を救済するため,行政事件訴訟を通じて国民と
行政主体との間の紛争の実効的な解決を図ることの重要性は,益々増大しているよう
に思われる。他方で,平成16年法律第84号による行政事件訴訟法の改正が施行されて
16年が経過し,改正法の下での最高裁判例や下級審裁判例が改正法により新しく導入
された制度に関するものを含めて数多く蓄積され,判例法の分野に一層の厚みと深み
を与えるとともに,実務運用の面においても紛争の実効的な解決を目指して様々な工
夫が重ねられてきたところであり,今後も裁判手続のIT化の取組みの進展に伴って
行政事件訴訟についても斬新な視点を交えた更なる運用上の工夫が試みられることと
思われる。
 以上のような状況の下において,行政事件訴訟に携わる実務家にとって,行政事件
訴訟の性格や特質を正しく理解した上で,その法理や手続に十分習熟し,これを縦横
に使いこなすことのできる高度の資質と能力を備えることは,以前にも増して不可欠
なものとなっているということができる。変化の激しい経済社会の中で,裁判手続を
通じた紛争の実効的な解決を図るためには,適正な手続で充実した審理を迅速に遂げ
ることが必要であり,このことは,行政事件訴訟においても異なるところはなく,行
政事件訴訟を通じて国民の権利,利益の実効的な救済を図るためには,行政事件訴訟
に携わる実務家において,行政主体と国民との間で生じている紛争の核心を的確に把
握し,関係法令や判例法理の正確な知識と理解を踏まえた適切な主張,立証活動を適
時に行い,争点についての議論を深めていくことが必要であり,それに耐え得るだけ
の資質,能力を備えることが不可欠であるといえるのである。
 本書の初版は平成16年の改正行政法が施行されて間もない時期に刊行されたこと
もあって,その後,改正法の下での最高裁判例や下級審裁判例が数多く蓄積され,新
たな実務運用も生み出され,制度を取り巻く議論状況が深化する中で,これらを踏ま
えた本書の改訂を早急に施す必要性がかねてから指摘されていたところ,この度,各
執筆者の協力を得て,本書を改訂する運びとなった。本書の改訂に当たっては,リー
ガル・プログレッシブ・シリーズの編集方針にのっとり,行政事件訴訟をあくまでも
実務家の視点でとらえ,項目ごとにその概要をできる限り分かりやすく説明すること
を心がけるという,初版の執筆方針の基本を踏襲しつつ,単に初版以降に現れた最高
裁判例や裁判例を項目ごとに追補したり,法改正の内容を紹介したり,項目間の整合
性を補ったりするにとどめず,その間の最高裁判例や裁判例,関連する議論の積み重
ねによって発展的に形成された現時点における行政事件訴訟の法状態,議論状況を踏
まえ,その視点から初版を振り返り,必要と思われる改訂を行うことを心がけたつも
りである。そのため,改訂原稿の執筆は,可能な限り,初版の執筆者にお願いするこ
とにした。他方で,新たに加わった執筆者も含め,各執筆者がいずれも行政事件訴訟
実務の豊富な経験を有しておられることから,基本的に各執筆者の記述を尊重するこ
ととした。
 初版に引き続き,本書が行政事件訴訟の実務を学ぼうと志す読者諸兄の理解の一助
となれば幸いである。
 最後に,初版に引き続き今回の改訂版の刊行についても大いにご尽力いただいた青
林書院編集部の長島晴美さんに重ねて敬意を表する次第である。

令和3年3月
編集代表  西川 知一郎


編集者
西川 知一郎:大阪高等裁判所判事

執筆者
徳地  淳:福岡地方裁判所判事
廣谷 章雄:東京高等裁判所判事
直江 泰輝:最高裁判所総務局付
棚井  啓:東京地方裁判所判事
石田 明彦:東京地方裁判所判事
田中 健治:那覇地方裁判所長
和久 一彦:最高裁判所調査官
森田  亮:最高裁判所調査官
岡田 幸人:東京地方裁判所判事
森鍵  一:大阪地方裁判所判事
山田 亜湖:岐阜家庭裁判所多治見支部判事
釜村 健太:東京地方裁判所判事
仲井 葉月:岡山地方裁判所倉敷支部判事
(執筆順・肩書きは刊行時)




使用者のための解雇・雇止め・懲戒相談事例集


使用者のための解雇・雇止め・懲戒相談事例集
編・著者高井・岡芹法律事務所 編
発行年月2021年04月
ISBN978-4-417-01815-5
税込価格6,160円(本体価格:5,600円)
在庫有り
  
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■解説
●弁護士をはじめとした実務家や企業の労務担当者のために具体的な相談事例66件を
 わかりやすく解説!
 法的に問題なく,確実に解雇等を行うための知識とノウハウを凝縮した相談事例集!


はしがき
解雇や雇止め,懲戒は,古くから訴訟等や議論がなされ,裁判例,文献の蓄積も多い
ですが,その相談,訴訟等はなくなりません。また,特に労働事件では,同種の解雇
事由,雇止め事由,懲戒事由に関する類似の案件であっても,使用者の必要性,労働
者の非違行為の程度や理由,使用者の態度等の具体的事実が異なれば,処分の可否や
程度が異なることや,結論が真逆になることさえ少なくありません。例えば,同じ無
断欠勤を理由とする懲戒処分でも,就業規則の規定が不十分であったり,労働者に出
勤できないやむを得ない事情があったり,業務への影響が小さい場合,欠勤がメンタ
ルヘルス不調に起因する場合,使用者の管理がずさんな場合,類似行為を黙認したり
,軽度の処分にとどめ,過去の処分との均衡を欠いている場合などには,重度の処分
を行うことが難しくなることがあります。さらに,懲戒処分については,けん責から
懲戒解雇まで処分の程度に幅があり,相場感を知りたいとのニーズも多いです。そし
て,昭和から平成になり,労働紛争が組織的紛争から個別的紛争に変化し,ハラスメ
ント事案やメンタルヘルス不調が増加し,ワークライフバランスやダイバーシティが
意識されるようになり,IT,SNSの発達やそれに伴う情報漏えいリスクの増大,令和に
入りCOVID-19禍によりテレワークや副業の拡大など働き方も急速に変化するなど,時
代の変化に合わせて非違行為やそれに対する企業の配慮,対応も変化しています。こ
のように,労働事件では企業の状況,スタンス,規定の定め方,時代の変化に則した
ケースバイケースの分析,検討が必要不可欠であり,その解決のためには,伝統的な
最高裁判例や新しい裁判例の分析,多くの企業からの相談を踏まえたノウハウの蓄積
によるところが大きくなります。
本書では,解雇,雇止め,懲戒それぞれについての総論的な解説に加え,伝統的な問
題意識や多くの企業から相談を受ける重要な問題を中心に解雇,雇止め,懲戒につい
て66のケースを設定し,各々について,回答,新しい問題意識や裁判例も踏まえ着目
すべき事実を説明する解説,プラスアルファのワンポイントアドバイスという構成で
解説を加えました。おそらく本書をお手に取っていただいたみなさまにとっても,一
度は直面したり,頭を悩ませたことのある問題が少なくないのではないでしょうか。
また,人事労務に関する案件を数多く扱ってきた高井・岡芹法律事務所とその出身者
で執筆を行い,そのノウハウを盛り込みました。本書が解雇,雇止め,懲戒に悩んで
いる企業担当者,弁護士や社会保険労務士,税理士等の専門家にとって,紛争予防や
紛争解決の一助になれば幸いです。
最後に,本書の刊行にあたっては,青林書院編集部の留守秀彦氏に企画のご提案から
執筆の打診,丁寧なご指摘も賜り,大変にお世話になりました。同氏とは15年以上に
わたりご縁を賜り,その間にお互いのライフステージや職場も変わりましたが,この
たび一緒に単行本を刊行できたことを大変うれしく思っています。ご縁とご尽力に感
謝申し上げます。
令和3年4月
弁護士 村田浩一


編 者
高井・岡芹法律事務所

執筆者
岡芹 健夫:弁護士(高井・岡芹法律事務所)
帯刀 康一:弁護士(高井・岡芹法律事務所)
秋月 良子:弁護士(森・濱田松本法律事務所)
村田 浩一:弁護士(根本法律事務所)
渡辺 雪彦:弁護士(西村あさひ法律事務所)
若林 眞妃:弁護士(築地四丁目法律事務所)
宇井 一貴:弁護士(高井・岡芹法律事務所)
菅原 裕人:弁護士(三浦法律事務所)
福地 拓己:弁護士(岩田合同法律事務所)
清水 裕大:弁護士(三浦法律事務所)
櫛橋 建太:弁護士(高井・岡芹法律事務所)
八木 麻美:弁護士(高井・岡芹法律事務所)


大コンメンタール刑事訴訟法〔第三版〕第8巻


大コンメンタール刑事訴訟法〔第三版〕〔全11巻〕


大コンメンタール刑事訴訟法〔第三版〕第8巻 待望の第三版刊行開始!
編・著者中山善房・古田佑紀・原田國男・河村博・川上拓一・田野尻猛 編
発行年月2021年04月
ISBN978-4-417-01810-0
税込価格9,900円(本体価格:9,000円)
在庫有り
  
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■解説
待望の第三版刊行開始!
捜査・公判協力型協議・合意制度の導入をはじめ, 刑事司法における実務の変化に応える本格的注釈書!

●最新の法律及び規則の改正を盛り込むとともに,近時の判例・学説も取り入れて全
 11巻を全面的に改訂・増補。
●実務の動向を踏まえ,現行刑事訴訟法の客観 的な解釈・運用について詳細に解説し,
 利用価値の高いコンメンタールをめざす。


大コンメンタール刑事訴訟法〔第三版〕【全11巻】
第1巻〈第1条〜第56条〉
第2巻〈第57条〜第127条〉
第3巻〈第128条〜第188条の7〉
第4巻〈第189条〜第246条〉
第5巻〈第247条〜第281条の6〉
第6巻〈第282条〜第316条〉
第7巻〈第316条の2〜第328条〉
★第8巻〈第329条〜第350条の29〉
第9巻〈第351条〜第434条〉
第10巻〈第435条〜第507条〉
第11巻〈刑事訴訟特別法〉


第三版はしがき
 本書の初版(全8巻)の第1回刊行から四半世紀が経過して,裁判員制度の
導入などの刑事手続の大きな改正が相次ぎ,刑事司法の実務はその姿を大きく
変えた。一部とはいえ,検察官と被疑者との間でいわゆる司法取引が行われ,
また一般の国民から選任された裁判員が法壇に座って事前に整理された争点を
中心とした集中審理が行われるという今日の捜査・公判の形は,初版刊行の当
時においては到底現実感を持って想像できなかった姿と言っても過言ではない
であろう。
 そのような変化の中にあって,本コンメンタールは,刑事訴訟法の解釈・運
用の状況を的確に示すものとして,幸いにも多くの実務家及び研究者の方々に
参照され,支持されてきたものと自負している。
 本コンメンタールは,第二版(全11巻)の刊行により,法律及び諸規則の改
正や判例・学説の動きに合わせ,アップデートを行ったが,第二版の第1回刊
行から10年が経過し,この間,実務においては裁判員裁判の定着と運用の改善
が進められるとともに,立法においては,実体法の改正に伴うものを含め,累
次にわたり注目すべき改正が行われてきた。中でも,協議・合意制度や取調べ
の録音・録画制度の導入など,法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」
の調査審議の結果に基づく刑事訴訟法等の改正(平成28年法律第54号)は,裁
判員制度を導入するなどした司法制度改革以上に,より直接的に捜査実務に変
化をもたらしており,この改正を機に,第二版の内容を全面的に見直して改訂
を図り,最新の法令,判例,学説はもとより実務の動向をも織り込んで現行刑
事訴訟法の客観的な解釈・運用状況を明確にし,利用価値の一層高いコンメン
タールを目指し,第三版を刊行することとした。
 第三版では,平成23年法律第74号以降の改正を取り扱っているが,同法は,
サイバー犯罪その他の情報処理の高度化に伴う犯罪等に対処するための刑法及
び刑事訴訟法の改正等を内容とするものであり,また,第二版刊行後の最重要
判例の一つである最〔大〕判平29・3・15集71巻3号13頁も,GPS捜査を題材
として,強制処分と任意処分の限界について,最高裁が判断を示したもので,
刑事訴訟法及び刑事司法の実務も,情報通信技術の高度化,国際化など社会の
変化に大きく影響を受けていることが特徴的である。
 第三版の編集・解説の方針も,基本的に初版・第二版と同様であるが,実務
に精通した第一線の執筆陣を新たに迎え,最新の法令,判例,学説,実務の動
向を幅広く盛り込み,今日の刑事訴訟法の解釈・運用の到達点を的確に描出す
るようお願いした。
 この第三版が,初版及び第二版と同様,実務家及び研究者の方々に広く支持
され,活用されることを切に願うものである。
 2021年3月
中山 善房 
古田 佑紀 
原田 國男 
河村  博 
川上 拓一 
田野尻 猛 


編集者 
中山 善房 元東京高等裁判所判事
古田 佑紀 弁護士・元最高裁判所判事
原田 國男 弁護士・元東京高等裁判所判事
河村  博 同志社大学法学部教授・元名古屋高等検察庁検事長
川上 拓一 弁護士・元東京高等裁判所判事
田野尻 猛 富山地方検察庁検事正

執筆者 
中谷雄二郎 弁護士・元大阪高等裁判所判事
田口 守一 早稲田大学名誉教授
三好 幹夫 弁護士・元東京高等裁判所判事
河村  博 前掲
田野尻 猛 前掲
  (伊藤 栄二〔第二版執筆〕)
(所属・肩書きは本書刊行時)






民事執行の法律相談


最新青林法律相談


民事執行の法律相談
編・著者盪蛙鯢Аθ藤正憲 編
発行年月2021年03月
ISBN978-4-417-01809-4
税込価格6,160円(本体価格:5,600円)
在庫有り
  
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■解説
令和元年改正民事執行法
 改正概要:
〆通骸圓虜盪詐況の調査の実効性の向上,
不動産競売における暴力団員の買受け防止,
子の引渡しの強制執行に関する規律の明確化及び国際的な子
 の返還の強制執行に関する規律の見直し、
ず慌ゞ愡澪銚△亡悗垢覽律及び債権執行事件の終了に関する規律の見直し
 下の運用実務を踏まえて,実務上重要な諸問題と手続を詳解! 全76問のQ&A!

・手続の流れを理解しつつ,実務上しばしば直面する個別具体的な問題への対応策
 を知ることができる
・実際の法律相談及び手続の利用において活用しやすいように体系的に整理,実務
 対応の指針を示しつつわかりやすく解説


編 者
 盪魁/鯢А (杆郢
 尾藤 正憲  弁護士

執筆者(執筆順)
 尾藤 正憲  弁護士
 森安 博行  弁護士
 川中 啓由  弁護士
 三田村大介  弁護士
 花渕 悠果  弁護士
 笹川 大智  弁護士
 長澤 淳哉  弁護士
 山田 皓介  弁護士
 内野 寛信  弁護士
 南   悠樹  弁護士
 佐々木政明  弁護士
 小古山和弘  弁護士
 合田 顕宏  弁護士
 岩田 幸剛  弁護士
 井上 卓士  弁護士
 井坂和香子  弁護士
上記編者・執筆者の所属(令和3年2月現在)

 TMI総合法律事務所
  〒106-6123 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー23階
            (東京オフィス) URL:http://www.tmi.gr.jp/


はしがき
 民事執行手続は,国家権力を利用して私法上の権利を強制的に実現する重要な手続
であり,債務者の財産の差押え,換価,配当により債権の回収を図ることができます
。このような権利の実現はできるだけ簡易・迅速に行われる必要があり,そのために
は,民事執行実務を円滑に利用すべく,手続全体の流れを理解しつつ,実務上しばし
ば直面する個別具体的な問題への対応策を知ることが不可欠であるといえます。
 令和元年5月10日に,「民事執行法及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する
条約の実施に関する法律の一部を改正する法律」(令和元年法律第2号)が成立し,
同月17日に公布されました。また,これに対応して,同年11月27日に,「民事執行規
則等の一部を改正する規則」(令和元年最高裁判所規則第5号)が公布されました。
いずれも,一部の規定を除き,令和2年4月1日から施行されています。民事執行法に
関しては,平成15年における「担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一
部を改正する法律」(平成15年法律第134号)による改正以来の大規模な改正となり
ます。また,「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律」
(ハーグ条約実施法)に関しては,平成25年の制定後最初の大改正となります。
 主な改正の目的は,〆通骸圓虜盪詐況の調査の実効性の向上,不動産競売にお
ける暴力団員の買受け防止,子の引渡しの強制執行に関する規律の明確化及び国際
的な子の返還の強制執行に関する規律の見直し,ず慌ゞ愡澪銚△亡悗垢覽律及び債
権執行事件の終了に関する規律の見直しという点にあります。これらは,民事執行を
めぐる最近の情勢に鑑み,養育費の履行確保や市民生活の平穏確保等を含む喫緊の個
別的な課題に対応したもので,とりわけ,第三者からの情報取得手続の新設は,債権
回収業務に影響を与えています。
 本書は,このような改正後の民事執行実務の運用状況を踏まえ,民事執行法上重要
な諸問題と手続について,弁護士等の法律実務家が,実際の法律相談及び手続の利用
にあたって活用しやすいように,体系立てて整理し,具体的な法律実務対応の指針を
示す内容として,Q&Aでわかりやすく解説をすることを目指して執筆したものです。
 本書が皆様の民事執行法制への実務対応の一助となれば幸いです。
 最後になりましたが,本書の企画・提案から出版まで長期間にわたるご尽力をいた
だいた青林書院編集部の長島晴美氏に心より御礼申し上げます。

令和3年2月
TMI総合法律事務所
弁護士 盪蛙鯢
 同  尾藤正憲





感染症と憲法


感染症と憲法
編・著者大林 啓吾 編
発行年月2021年03月
ISBN978-4-417-01808-7
税込価格3,850円(本体価格:3,500円)
在庫有り
  
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■解説
コロナ禍を素材に憲法の視点から感染症問題を考察!

●リスク社会の立憲主義を念頭に,国家と公衆衛生の関係を探り,自由と安全のバラン
 スのとれた感染症対策のあり方を検討。感染症法制を考える際の基盤となる研究書!


はしがき
 2020年3月11日にWHO が新型コロナウイルスのパンデミックを宣言して
から約1年が経つ。今後は,ワクチン接種により,多少なりとも改善するので
はないかという期待が寄せられている状況にある。
 もっとも,ここまでの道のりは平たんではなかった。日本では,2020年4月
に新型インフルエンザ等特別措置法上の緊急事態宣言を出すか否かで,発令に慎
重な国(政府)と発令を求める地方自治体との間で見解が分かれ,しびれを切ら
した一部の地方自治体が独自の緊急事態宣言を発令するに至った。4月7日の国
の緊急事態宣言発令後,外出自粛や営業自粛などの要請が相当の効果をあげたが
,一部に従わない者がいたことから,同調圧力の問題が生じたり,強制力を付与
するように法改正すべきとの声が上がったりした。その後,いったん状況が改善
され,5月には緊急事態宣言が解除されたものの,第2波や第3波により,一進
一退の状況が続いた。政府はGo ToTravel やGo To Eat などのGo To キャンペ
ーンを推進していたが,これを停止するかどうかについても物議をかもした。
10月には感染者数が10万人を突破し,日本医師会はGo To キャンペーンの停
止を求め,世論も停止に傾いていたが,政府はGo To キャンペーンと感染増加
との因果関係が定かではないとし,地方自治体の判断に委ねる姿勢を示した。
これに対して地方自治体は責任を押し付けられることを嫌い,国が判断すべきと
して反発した。
最終的には両者の協議によって一時的に停止するに至ったが,医療がひっ迫し,
再び緊急事態宣言を発令すべきではないかという声も上がった。一方,12月に
入るとイギリスやアメリカでワクチン接種が始まり,日本も2021年の前半には
ワクチン接種が始まる見通しになっている。
 以上は一部をかいつまんでコロナ禍の流れを振り返っただけであるが,それだ
けでも新型コロナ対策が難しい問題であることがわかる。そしてそれは諸々の憲
法問題をはらんでいる。すなわち,国家の公衆衛生維持の責務の問題,緊急事態
宣言発令の問題,規制態様と権利の問題,国と地方の関係の問題など,様々な憲
法問題を惹起しているのである。
 マクロ的視点からみれば,感染症が惹起する憲法問題は自由と安全の一断面と
いえる。すなわち,生命や身体の安全を目指す感染症対策とそれによって制約さ
れる自由との関係をどのように考えるかという問題である。ただし,コロナ禍は
従来の自由と安全の対立構図とはいささか異なる様相を呈している側面がある。
 それは,自由と安全を追求する主体において顕著である。日本では,政府が厳
しい新型コロナ対策には消極的であり,むしろ経済活動や人の移動を重視し,
強制力を加える法改正には慎重な姿勢を示してきた。それは結果として営業の
自由や外出の自由を重視することになり,安全よりも自由を優先するスタンスを
とったといえる。一方,地方自治体や世論は新型コロナ対策の厳格化に肯定的
であり,強制力を辞さない態度であったように思える。
 かかる状況は日本だけでなく,一見するとアメリカなどにおいても似たような
状況が創出されていた。トランプ大統領は新型コロナ対策よりも経済重視の姿勢
を崩さなかったのに対し,人口が多い州や地方自治体はロックダウンに踏み切り
,それに賛同する市民も少なくなかったからである。自由と安全という観点から
みた場合,これは従来とは異なる構造になっているようにみえる。戦争やテロと
いった問題に直面したとき,これまでは政府が安全対策を積極的に行い,それに
よって自由を制限される市民が反発するという構図が一般的であったからである
。もっとも,アメリカの場合は保守とリベラルというイデオロギーの違い,州の
役割,ロックダウンの実施という側面からみれば,一応の説明がつく。たしかに
,緊急時において安全を重視する保守派と緊急時においても一定の自由を確保し
ようとするリベラル派という構図からすると,今回の状況は異例のようにみえる。
しかし,保守派はもともと小さな政府を標榜し,リベラル派が大きな政府を目指
すという点に着目すると,前者が新型コロナ対策に消極的で,後者が積極的であ
ってもおかしくない。また,連邦制をとるアメリカでは州が感染症対策に関する
権限を持つ。そのため,州が積極的に感染対策を行うのは当然のことであり,複
数の州がロックダウンを行うなど,強制的に営業,外出,集会などを規制した。
そのため,結果的には公権力(州)が安全のために自由を制限したという点では
従来と変わらない。実際,アメリカでは市民がロックダウンに対して訴訟を提起し
ており,古典的な自由と安全の対立の構造を創出している。
 一方,日本はこれとはやや異なる状況にある。政府は緊急事態宣言の発令に消
極的で,また2020年の間は強制的措置を含めた法改正にも慎重であり,実際に行
った新型コロナ対策も自粛要請というソフトな手法だったのに対し,地方自治体
や市民からはより厳しい措置を求める声が上がり続け,古典的な自由と安全の対
立とは異なる様相を呈している。
 安全保障が国の責務であることからすれば,それが不十分な場合に,市民が適
切な対応を求めるのは自然なことである。しかし,ここでは市民自らが強制力の
行使による自由の制約を望んでいるような形になっており,国家権力に対して懐
疑的姿勢を貫いてきた立憲主義にはそれに対する応答が迫られることになる。
こうした状況につき,公権力に対峙する強い個人像から外れるとしてそれを問題
視するか,政府の誘導に慣れきった現代社会の弱い個人を想定して強制的介入を
も積極的に受容するか,個人やコミュニティによる自主的な公共秩序を形成すべ
きという観点から公権力の介入に否定的なスタンスをとるか,市民自らが望む場
合に限り国家の強制力発動を肯定していくか,それともやはり現代における立憲
主義像をあらためて模索するかなどいくつかの回答が考えられるが,現時点にお
いて確かな答えが提示されているわけではない。
 リスク社会を迎えた現代においては自由と安全の両方が必要であることからす
れば,近代立憲主義のように常に権力統制のみに焦点を絞るのではなく,自由と
安全の調整をはかることが必要である。つまり,自由と安全の関係をトレードオ
フで捉えるということである。これについては安全の利益が大きくなるがゆえに
自由が優先される可能性が低くなるのではないか,さらにはゼロサムの結果とな
るがゆえに安全が優越した場合には自由が回復不可能なダメージを被るのではな
いかという点が懸念される。しかし,トレードオフで考えるからといって,その
得失の対比や計算が必ずしも安全優位になるわけではない。得失の対比は新型コ
ロナ対策による生命の安全とそれによって制約される自由との対立という形にな
るが,しかし,その調整は両者の利益を生のまま天秤に乗せて判断するわけでは
ない。そこにはリスク計算が必要である。すなわち,〈損害発生確率×損害の大き
さ〉である。そのため,安全の利益が大きくなる傾向があっても,損害の発生確
率が低ければ優先される可能性は低くなり,また損害の大きさについても長期的
視点からみた利益を含めれば自由が被る損害の程度は必ずしも常に小さいわけで
はない。ただし,緊急時においてはやはり安全の利益が高まることが予測される
ことから,たとえその問題については安全を優先する形になっても―その意味で
はゼロサムである―統治プロセスの維持などについては墨守する必要がある。
 また,リスク社会はリスクの循環に耐えうる憲法秩序を要請することから,三
権のいずれもがリスク対応の責務とそれによって生じるリスクの責任を負うこと
になり,近代立憲主義が憲法保障のコアと位置付けてきた司法審査のみならず,
全体的な視野から統治構造を見つめ直す必要がある。そのため,コロナ禍の問題
については,感染症対策に関する法制度のあり方や対策によって被った損害に対
する救済のあり方を検討することが不可欠となり,またコロナ禍において実際に
生じた憲法問題を考察する必要がある。
 そこで本書では,コロナ禍を素材にして,憲法の観点から感染症問題を考察す
る。第1章は,リスク社会における憲法秩序のあり方など総論的なテーマを扱い
ながら,歴史的に公衆衛生がどのように維持されてきたのかを振り返り,国家が
公衆衛生維持の責務を負っていることを明らかにし,それに関する法学的分析と
して公衆衛生法学の必要性を提示する。第2章では,日本の新型コロナ対策を概
観しつつ,制度上の課題や緊急事態宣言の問題を取り上げる。第3章では,アメ
リカとフランスの感染症予防モデルを考察し,その意義と課題を考える。第4章
は,隔離制度について歴史的展開を踏まえながらその連続する面と転換した面を
明らかにし,現行制度の特徴を描き出す。第5章は,緊急時の流言やデマについ
て法制度や調査など法社会学的アプローチを用いながら,その実態を考察する。
第6章は,パンデミック時における選挙の問題を取り上げ,選挙日の延期,郵便
投票への転換,郵便投票期日の延長などの問題を考える。第7章では,コロナ禍で
話題になったマスク着用の問題を取り上げ,マスクの機能を考察しながら,その着
脱規制の是非について検討する。第8章では,コロナ禍の際に憲法改正による緊急
事態条項の創設を求める声があったことから,その必要性について検討する。第9
章では,日本の新型コロナ対策をもとに,憲法の観点からそれを考察し,その意義
と課題を考える。
 本書はコロナ禍を素材に検討するものであることから,その内容は試論的側面が
強く,なお検討の余地がある点も少なくない。他面,これまで十分に検討されてこ
なかった領域であるがゆえに,従来の枠に捉われずに考察を試みるべく,憲法のみ
ならず,英米法,法社会学,法哲学の先生方にも本書に加わっていただいた。
本書が今後の感染症対策を考える上でわずかにでも貢献できる部分があれば幸甚で
ある。
 なお,コロナ禍をめぐる状況は日々変化しており,国や地方自治体の対応にも変
化がみられる。本書でも可能な限り新しい情報を反映させようと試みたが,どこか
で線を引かなければ章ごとに内容や情報にズレが生じてしまうおそれがある。そこ
で,本書で扱う対象範囲は,原稿の締切であった2020年10月末までを基本とし,
章によってはその後の校正作業において2020年12月末までの情報を取り込むこと
にした。そのため,本書は2021年以降の状況を対象に入れていない。この「はしが
き」を書いている2021年1月の時点で2回目の緊急事態宣言が発令され,また法改
正が進められている状況にあり,これらについても検討対象に含めたいところであっ
たが,今回はそれらを対象に含めていないことを断っておく。
 本書を編むにあたり,青林書院の留守秀彦氏には企画,編集,校正のすべての点に
おいて大変お世話になった。コロナ禍の中,感染症対策に留意しながら何度か打合を
行ったのは忘れられない思い出になりそうである。また,こうした中,本書の刊行に
快く応じてくださった逸見慎一社長にも厚く御礼を申し上げたい。
  
2021年1月22日   感染症法等の改正案が国会に提出された状況を注視しながら
編者 大林 啓吾


〔編 者〕
大 林 啓 吾(千葉大学大学院専門法務研究科教授)
  
〔執筆者(執筆順)〕
大 林 啓 吾(上掲)
西 迫 大 祐(沖縄国際大学法学部准教授)
溜 箭 将 之(東京大学大学院法学政治学研究科教授)
森   大 輔(熊本大学法学部准教授)




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