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新刊情報


所有者不明の土地取得の手引 -売買・相続・登記手続


所有者不明の土地取得の手引 -売買・相続・登記手続
編・著者東京弁護士会法友会 [編]
発行年月2017年04月
ISBN978-4-417-01709-7
税込価格4,320円(本体価格:4,000円)
在庫印刷中
  
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■解説
●相続,売買,登記手続等の実務に役立つ書式・参考資料が充実!(68点)
●全国に点在する所有者不明土地。その取得手続上の諸問題につき,
 相続,売買,登記,税務等の実務上の論点を整理した手引の決定版!
●取得したい土地の所有者の相続人が多数の場合や相続人の中に外国
 人がいる場合の対策についても解説!


発刊にあたって
 法友会は,東京弁護士会所属の弁護士によって構成された任意団体
(会員数約2700名)であり,会員の研修や相互親睦,司法制度の調査
・研究,さらには市民のための司法を実現すべく様々な政策提言等の
活動に取り組んでいます。
 平成23年3月11日に東日本大震災が起き,被害の大きさが甚大なる
ものであることから,法友会では翌4月に東日本大震災復興支援特別
委員会を設置し,被災者・被災地の支援に取り組んできました。岩手
県,宮城県,福島県の被災地を今日まで14回にわたって訪問し,仮設
住宅住まいの皆様と懇談し,復旧・復興に取り組む自治体職員,被災
者の支援に取り組む社会福祉協議会の職員,NPOの代表者等との意見交
換を毎回行い,仮設商店街を訪れるなど,被災者や被災地の置かれ
た実情を認識して,立法提言に結びつけてきました。
 そうしたなか,平成28年4月に熊本地震が起き大きな被害が発生し
ました。東日本大震災における活動の経験を活かして,熊本地震によ
る被災からの復旧・復興のための提言も行いました。
 これまでの被災地支援の取り組みのなかで,防災集団移転用地の取
得にあたって所有者不明の土地を避けて用地を取得せざるを得なかっ
たなどの事例の存在を知り,かつ,自治体の職員の中には災害時にお
いては用地取得のための詳細な知識を身につける前にその職務を担当
しなければならない場面があるとの声を聞き,この「所有者不明の土
地取得の手引―売買・相続・登記手続」の編纂チームを作り,調査・
執筆にあたりました。
 本書は,被災地にとどまらず全国至るところにみられる土地所有者
の確定と土地取得をめぐる問題について検討したものです。全国の自
治体職員のみならず弁護士等土地取得にかかわる方々において利用し
ていただくことを目的としたものであり,広くご活用いただきたくこ
とを願っております。
 最後に,調査・執筆をした若手弁護士,執筆に加え編集を行った中
堅とベテランの弁護士に仙台高裁長官を務められた田中康久弁護士が
加わって本書をまとめました。多忙な中,編集・執筆にあたられた各
位に深く感謝いたします。
  
  平成29年3月
東京弁護士会 法友会 
平成28年度 幹事長 伊井 和彦 


推薦の辞
このたび,東京弁護士会に所属する弁護士の団体である法友会によっ
て『所有者不明の土地取得の手引―売買・相続・登記手続』が上梓さ
れることになりました。
 東日本大震災や熊本地震による被災地においては,移転先の用地の
取得や被災地一帯の復興の際に,土地の所有者の確定が難しい事案が
少なからずあったとのことです。また,登記簿上の名義人が古くに亡
くなっており,相続人を調査してみると,相続人が多数になり相続登
記手続がままならない事案,相続人のなかに所在が不明な方がいる事
案などがあって,用地の取得を断念した例もあったとのことです。
 上記の土地取得の際の問題は被災地に限ったことではありません。
全国各地においてみられます。そして,外国籍の方が相続の当事者に
なられる例が増えています。したがって,土地を取得しようとする際
には,我が国の相続法の変遷に関する知識,所有者の調査方法,登記
に関する知識,渉外相続に関する知識が必要となっています。
 本書は任意で土地を取得する際の様々な問題を検討し,土地売買と
いう典型的な土地取得の場面において,地方自治体の職員,弁護士,
その他土地取得に関わる方に必ずお役に立つものと確信します。
 東京弁護士会は,被災者・被災地の支援に取り組むだけでなく,市
民の皆様に寄り添い,法的サービスを拡充して,その期待に応えるべ
く活動を行っているところです。そのためにも,弁護士各位が,質の
高い法的サービスと市民のニーズの的確な把握にたゆまない努力と研
鑽が必要であることは申し上げるまでもありません。本書は,土地取
得をめぐる実務においてその一助となることを期待し,また,所有者
不明の土地の解消が求められている現在において発刊されたことは誠
に時宜を得たものと存じます。
 最後に,本書が,弁護士のみならず多くの実務家に広く活用され,
スムーズな土地取得に役立てられることを祈念し,推薦の言葉といた
します。
  
  平成29年3月  
東京弁護士会 会長 小林 元治


はしがき
 東日本大震災によって自宅を喪失した住民の方々は避難所生活を送
り,その後仮設住宅が公立学校のグランドや公園等の公共用地に設置
・用意ができ次第に仮設住宅に移り住まれている。その後,被災地で
は,津波被害に2度と遭遇しないために防災集団移転促進事業の一環
として,地盤の嵩上げ,高いところでの住宅地造成,高層住宅の建設,
道路・鉄道の築替工事等の復興作業が精力的に行われている。震災発
生から丸6年を経過したが,いまだに仮設住宅暮らしを強いられてい
る被災者の方々が多数おられ,速やかに終の棲家の確保が待ち望まれ
ている。
 これらの復興作業のためには,土地の権利関係の確定が避けられな
い。特に,新たな土地での住宅地造成,道路・鉄道の拡幅・移転工事
関係では,移転先の土地の権利関係の確認が必要となる。
 東京弁護士会法友会では東日本大震災発生後から,年に2回から3
回,被災地支援目的の訪問を繰り返し,今までに訪問回数は合計14回
に及んでいる。この現地訪問の際に,被災地の市町村の担当者らから,
復興作業の苦労話をお聞きすることがあった。例えば,移転先用地を
調査するなかで,相続手続が済んでいない土地がかなり存在し,登記
の所有名義人の相続人の調査に時間がかかったもの,相続人が多数に
及び所有者の確定に時間を要したもの,戸籍上は相続人がいるが当該
相続人が所在不明となっているものなどの事案が存在しているため,
作業の遅れを避けるため,そのような土地を避けて用地取得を進める
こともあるということであった。
 用地取得にあたっては,目的の土地を速やかに,かつ,確実に取得
できること,そして,取得土地が用途に応じた利用ができるものであ
ることの確認が必要であることは言うまでもない。このような被災地
の置かれている現状に少しでも法律家として支援できることはないか
と考えて,法友会の一部のメンバーで被災地の土地問題についての勉
強会を開いていた。その成果が本手引きである。
 この手引きは,移転先用地の任意取得をする場合を想定し,場面ご
とに法律上の課題を整理しようとしたものである。例えば,登記名義
人が実在するかどうかの調査をどのように行うのか,すでに死亡して
いた場合に所有者を確定するにはどうするのか,共同相続人から特定
の相続人に権利を集中するにはどのような方法があるかなどについて
は,登記実務についての知識もないと円滑に手続を進めることができ
ないので,登記処理に至るまでの検討・調査すべき事項について,法
律家,登記専門家でなくても理解できるように説明することに努めた。
 もちろん,防集事業のため移転先用地を取得する方法として,土地
収用制度を利用することもできる。都道府県収用委員会による収用裁
決手続に,不明裁決制度が設けられており,起業者が真摯な努力をし
ても土地所有者等の氏名又は住所を知ることができない場合でも収用
裁決申請をすることを可能としている。国土交通省は防集事業の進展
のため,平成26年5月に「不明裁決申請に係る権利者調査のガイドラ
イン」をまとめている。この手引きは,用地の任意取得(購入)の際
に,土地所有名義人が所在不明の場合や生死不明の場合,相続があっ
たにもかかわらず名義人の変更がなされていない場合の対応について
整理したものであるが,土地収用の前提となる検討・調査も,任意取
得の際のものと重なる部分もあるため,土地収用の際にも利用価値が
あるものと思っている。
 この手引きは,もともと,用地の任意取得に関わった経験が少ない
市町村の用地担当者を想定して執筆したものである。したがって,経
験を積んだ方にとっては分かりきったことを記述した部分もあるが,
そうした方にとっても,改めて初歩的な部分を読むことにより忘れか
けていたことを思い出して,落ち度のない取引の実現に寄与すること
につながれば幸いである。
 また,本手引きは,被災地の土地問題に限らず,一般的な,相続登
記が未了の土地について所有者を特定して当該土地を取得する際にも
利用していただけるものとなるよう心掛けた。広く土地所有者の特定
と,円滑な所有権移転登記手続を進めていく際の参考になるならば幸
いである。
  
  平成29年春  
監修者  田中 康久
(元:仙台高等裁判所長官・法務省民事局
第2課長・同第3課長)       
編集者代表  皺 信男


《監修者・編集者・執筆者一覧》
  
監修者
田中 康久(弁護士 丸の内法律事務所)
  
編集者  
黒須 克佳(弁護士 黒須法律事務所)
小林 芳夫(弁護士 東京市ヶ谷法律事務所)
皺 信男(弁護士 皺綜合法律事務所)
高田 弘明(弁護士 暁総合法律事務所)
仲   隆(弁護士 東京不二法律事務所)
西中 克己(弁護士 西中・宮下法律事務所)
村林 俊行(弁護士 ロア・ユナイテッド法律事務所)
  
執筆者
池田 大介(弁護士 池田・高井法律事務所)
伊藤  献(弁護士 東京ブライト法律事務所)
植草 美穂(弁護士 東京四谷法律事務所)
上田 啓子(弁護士 梅本・栗原・上田法律事務所)
遠藤 啓之(弁護士 田島・寺西法律事務所)
大植 幸平(弁護士 鈴木武志法律事務所)
小野  傑(弁護士 西村あさひ法律事務所)
柿原 達哉(弁護士 司綜合法律事務所)
金山 裕亮(弁護士 国会通り法律事務所)
苅安 高明(弁護士 苅安総合法律事務所)
黒須 克佳(上掲)
後藤  大(弁護士 晴海パートナーズ法律事務所)
小林 芳夫(上掲)
高木理恵子(弁護士 弁護士法人多摩パブリック法律事務所)
高砂 太郎(弁護士 小野田高砂法律事務所)
皺 信男(上掲)
富澤 章司(弁護士 セントラル法律事務所)
仲   隆(上掲)
西中 克己(上掲)
長谷 正宏(弁護士 弁護士法人ATB)
濱田 六法(弁護士 まどか法律事務所)
水上  理(弁護士 水上法律事務所)
三原 利教(弁護士 若松総合法律事務所)
山内  隆(弁護士 セントラル法律事務所)
横山 宗祐(弁護士 横山山王法律事務所)
渡部 孝至(弁護士 はるかぜ総合法律事務所)
  
〔所属・肩書は本書刊行時〕





事例解説 子どもをめぐる問題の基本と実務 ―学校生活、インターネット、少年事件、児童福祉、離婚・親権―


事例解説  子どもをめぐる問題の基本と実務 ―学校生活、インターネット、少年事件、児童福祉、離婚・親権―
編・著者第二東京弁護士会子どもの権利に関する委員会[編]
発行年月2017年04月
ISBN978-4-417-01710-3
税込価格3,672円(本体価格:3,400円)
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■解説
相談窓口で培われたノウハウの集大成!
  
  だから……
 ○具体的な解決方法や実践的な考え方を身につけることができます。
 ○精神医学,臨床心理学等の専門的観点からもポイントを抽出。
 ○事案の背後にある複雑な要因の理解の仕方がわかります。

 さらに〔事例〕〔Q&A〕〔おさえておきたい知識〕〔コラム〕
 多彩な形式で実務を網羅!


はじめに
 第二東京弁護士会子どもの権利に関する委員会は,いじめ,体罰,
虐待,少年事件など子どもを取り巻く様々な問題を幅広く取り扱って
おり,また,子どもに関わる法令等の研究,改正の是非,児童福祉や
法教育のあり方等について検討するなど,子どもの人権を守るために
活動を行っている団体です。現在において,深刻ないじめ自殺事件が
継続的に発生する状況が続いており,また,児童虐待の認知件数も年
々増加するなど,子どもの人権に関する状況は深刻さを増しています。
また,社会環境の激しい変化に伴い,子どもを取り巻く問題も多様化
及び複雑化の様相を呈してきております。例えば,インターネットが
社会インフラとして不可欠な地位を確立するとともに,インターネッ
トトラブルに子どもたちが巻き込まれることが増えていますし,また,
いじめや児童虐待などの深刻な問題の背景として,子どもの貧困など
の社会的要因や,発達障がいなど精神医学的な要因の存在が意識され
るようになってきました。このように多様化・複雑化した問題に弁護
士が対応するためには相当の知識及びノウハウの習得が不可欠ですが,
弁護士がこれらを獲得する機会は,かなり限られていたというのが実
情でした。
 当委員会では,平成2年以降「子どもの悩みごと相談」という相談
窓口を開設し,電話及び面接により子どもに関する相談に取り組んで
きました。現在では「キッズひまわりホットライン」
(http://niben.jp/or/kodomo/)に名称を変更し,26年以上にわたり,
いじめ,体罰,虐待,少年事件に留まらず,なかには法的問題とは言
えない純然たる「悩みごと相談」も含めた様々な内容について,保護
者だけでなく子ども本人からも相談を受け,その解決に努めてまいり
ました。当委員会には,このような実際の事件処理を通じて培った経
験があり,また,その過程で,子どもの問題に関わる様々な専門家と
連携する機会も得て参りました。
 本書は,当委員会が有する資源を活用し,主として次の2点につい
て,子どもの問題の解決のために関与したいと考えておられる法律家
をはじめとする全ての方に対して,ご提供することを目的としており
ます。  
 〇劼匹發量簑蠅龍饌療な解決方法やそれに向けた実践的な考え方
を,実際の事件を参考に作成されたモデル・ケースに即してご紹介す
ること◆\鎖整絣悄の彎何翰学,社会学等の観点から,多様化・複
雑化した子どもの問題の理解の仕方をご紹介すること以上の目的が,
本書をもって達成できていることを願うばかりです。最後に,遅れが
ちな執筆作業にも粘り強くお付き合いいただき,本書の発行に並々な
らないご尽力をいただいた青林書院編集部の長島晴美様,加藤朋子様
に,心より感謝申し上げます。
  
平成29年4月
第二東京弁護士会子どもの権利に関する委員会委員長         
竹田 真
同副委員長/編集委員代表
下瀬 隆士


執筆者紹介
編 者
第二東京弁護士会子どもの権利に関する委員会

編集委員(五十音順)
青木 智子
伊東亜矢子
太田 絢子
佐田 理恵
下瀬 隆士
馬場 和佳
執筆者(五十音順)
青木 智子(弁護士)
赤石  理(弁護士)
伊東亜矢子(弁護士)
上沼 紫野(弁護士)
太田 絢子(弁護士)
大森 啓子(弁護士)
辛嶋 如子(弁護士)
倉田  徹(弁護士)
佐田 理恵(弁護士)
下瀬 隆士(弁護士)
大門あゆみ(弁護士)
竹内 彩香(弁護士)
多田  猛(弁護士)
張  文涵(弁護士)
寺谷 洋樹(弁護士)
馬場 和佳(弁護士)
平尾  潔(弁護士)
前岨  博(弁護士)
森本 周子(弁護士)
山本  翔(弁護士)
山本雄一朗(弁護士)
…………………………
阿部 愛子(臨床心理士)
田中  哲(医師)
松本 俊彦(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所,医師)
宮崎 豊久(インターネット博物館代表)
山本 直子(神奈川工科大学・清泉女子大学非常勤講師(社会学))
(肩書きは刊行時)







スポーツの法律相談


最新青林法律相談


スポーツの法律相談
編・著者菅原哲朗・森川貞夫・浦川道太郎・望月浩一郎 監修
発行年月2017年03月
ISBN978-4-417-01708-0
税込価格4,212円(本体価格:3,900円)
在庫有り
  
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■解説
被害救済や予防をいかに実践するか?
ゞサ纂圈指導者,団体関係者,9埓関係者の3つの視点から,事例を元に
具体的な【Q】を掲げ,実務を端的に解説!


はしがき
2020東京オリンピック・パラリンピック開催は,声高な経済効果とともに
新国立競技場などスポーツ環境の改善・金メダル獲得をめざすアスリート
層への鍛錬・国際社会を揺り動かすアンチドーピング対策などプロアマを
問わずスポーツの大衆化・国際化・持続可能性を希求する先進国日本社会
に大きな影響とレガシー(遺産)を残すことになる。
スポーツ基本法は「スポーツは,世界共通の人類の文化」「スポーツを通
じて幸福で豊かな生活を営むことは,全ての人々の権利」(前文)と謳う。
生涯スポーツとして身体を動かす楽しみ,健康を維持する手段,チームワ
ークの協調性を超えて,この「スポーツ権」を基本的人権として生きた権
利にするには,まずスポーツ弱者からの権利主張が必須であろう。そして
公正な代表選考・スポーツ事故・スポーツ体罰・スポーツハラスメントの
被害救済など弁護士がスポーツ弱者の訴えを聞き,民事刑事の裁判・スポ
ーツ仲裁・交渉等で権利救済をなす実践的な活動がなければならない。
権利救済の結果が判例・先例としてメディアで広がり,国・地方自治体・
学校・企業・スポーツ団体などでスポーツのガバナンス(組織統治)・コ
ンプライアンス(法令遵守)が強化されて,スポーツ・インテグリティ
(高潔性)が確立していく。スポーツ弱者救済・規制法の個別立法に至る
前に,同じ被害を再発させない「生ける法」としての予防法学こそがスポ
ーツ法学の面目躍如たる分野である。
本書は2000年10月に発刊され,スポーツ法の礎となった日本スポーツ法学
会による『スポーツの法律相談』の全訂版として新進気鋭の学者・研究者
・法律実務家がQ&Aの形で書き下ろした。スポーツに挑戦し,エンタテ
イメントとして楽しみ,頑張れと声援する人々の法的悩みにやさしく答え
るため,スポーツ法に専門的に取り組む法律家が執筆した。法律相談の第
1章はアスリート・コーチ・トレーナー向け,第2章はスポーツ団体向け,
第3章はスポーツ行政向けである。
スポーツコラムもスポーツ法学の経験豊かな先達に依頼した。その意味で
スポーツ現場に携わる競技者・指導者・観客など様々な読者の解決の指針
となる実践的な法律指導書とも言える。
なお,最後になるが,一般社団法人日本スポーツ法支援・研究センターの
事務局員,青林書院編集部加藤朋子氏にお世話になったことを記して謝意
とするものである。
 2017年3月
監修者    
 菅原 哲朗
 森川 貞夫
 浦川道太郎
 望月浩一郎


監修者・編集者・執筆者一覧

監 修 者
菅原 哲朗(弁護士)
森川 貞夫(市民スポーツ&文化研究所代表)
浦川道太郎(早稲田大学名誉教授,弁護士)
望月浩一郎(弁護士)

編 集 者
合田雄治郎(弁護士)
徳田  暁(弁護士)
飯田 研吾(弁護士)
石堂 典秀(中京大学法務研究科教授)
高松 政裕(弁護士) 
安藤 尚徳(弁護士) 
堀田 裕二(弁護士) 
鈴木 知幸(国士舘大学法学部客員教授) 
松本 泰介(早稲田大学スポーツ科学学術院准教授,弁護士)

執筆者(執筆順)
合田雄治郎(上掲) 
渡邉健太郎(弁護士) 
椿原  直(弁護士) 
恒石 直和(弁護士)
栗木  圭(弁護士) 
諏訪  匠(弁護士)
佐藤 貴史(弁護士) 
小嶋 一慶(弁護士) 
山口 純子(弁護士) 
多賀  啓(弁護士) 
工藤 杏平(弁護士) 
阿部新治郎(弁護士) 
徳田  暁(上掲)
安富 真人(弁護士)
井手 裕彦(読売新聞大阪本社編集委員,日本障がい者スポーツ協会評議員) 
内田 和利(弁護士) 
石堂 典秀(上掲) 
水越  聡(弁護士) 
葊田 和彦(弁護士) 
岡本 大典(弁護士) 
今井 千尋(弁護士) 
金刺 廣長(弁護士) 
松原 範之(弁護士)
堀田 裕二(上掲)
八田  茂(日本オリンピック委員会キャリアアカデミー事業ディレクター) 
飯島  俊(弁護士)
佐伯 昭彦(弁護士)
石原 遥平(弁護士) 
川井 圭司(同志社大学政策学部教授)
竹之下義弘(弁護士) 
高松 政裕(上掲) 
飯田 研吾(上掲) 
生田  圭(弁護士)
八木 由里(弁護士)
小川 和茂(立教大学法学部特任准教授) 
大橋 卓生(金沢工業大学虎ノ門大学院イノベーションマネジメント研究科准教授,弁護士) 
安藤 尚徳(上掲) 
宅見  誠(弁護士)
阿部 慎史(公認会計士,税理士) 
萩原 崇宏(弁護士) 
岡村 英祐(弁護士) 
加藤 智子(弁護士) 
中川 義宏(弁護士)
宍戸 一樹(弁護士)
齋 雄一郎(弁護士)
西脇 威夫(弁護士)
浅川  伸(日本アンチ・ドーピング機構専務理事兼理事局長) 
関口 公雄(弁護士) 
矍掘]駄蕁癖杆郢痢法
堀口 雅則(弁護士) 
白井 久明(弁護士) 
渡辺  久(弁護士) 
斎藤 真弘(弁護士) 
伊東  卓(弁護士) 
冨田 英司(弁護士) 
山内 貴博(弁護士,弁理士)
足立  勝(米国ニューヨーク州弁護士,早稲田大学知的財産法制研究所招聘研究員)
山田 尚史(弁護士) 
桂  充弘(弁護士)
相川 大輔(弁護士)
吉田 勝光(桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部教授) 
岸  郁子(弁護士) 
鈴木 知幸(上掲) 
森川 貞夫(上掲) 
井上 洋一(奈良女子大学研究院生活環境科学系教授)
関谷 綾子(弁護士)
(肩書きは刊行時)


争点整理と要件事実 -法的三段論法の技術-


争点整理と要件事実 -法的三段論法の技術-
編・著者永島賢也 著
発行年月2017年03月
ISBN978-4-417-01707-3
税込価格3,456円(本体価格:3,200円)
在庫有り
  
在庫があります

■解説
本書のビジョンは民事訴訟の活性化である!!
●法的三段論法がなされる以前の段階にあって判決結果に対して決定的な影響
 を及ぼす法的な思考過程に着目し,争点整理手続において何を口頭でやり取
 りすべきかについて圧倒的な筆致で綴る訴訟実務家による意欲作!!

はしがき
   
 本書のビジョンは民事裁判の活性化である。そのため,争点整理の道標とな
る要件事実や,争点整理手続中に示される暫定的な心証開示,訴訟代理人や担
当裁判官との間でなされる口頭でのやり取りなどに触れながら述べている。
法的(判決)三段論法に代表される法的思考は,今や争点整理手続を通じた要
件事実論的な裁判実務によってミクロ正当化の領域に閉じ込められてしまいそ
うにも見える。本書は改めて法的思考の活動領域を回復し要件事実論の内側と
外側とを行ったり来たり自由にできるようになることを目指している。私の筆
力では甚だ力不足であるが,本書によって既に見慣れたはずのものが見知らぬ
もののように見えてきたとすればひとまずは成功といってもよいかもしれない。
法的(判決)三段論法は論理ではない。あくまで論理「風」のものであって,
演繹ではない。アリストテレス流の論理ではもとより,現代の述語論理をもっ
てしても法的(判決)三段論法を捉えることはできない。こうして,見慣れた
法的(判決)三段論法が見知らぬものに変わっていくとき,法的思考は活性化
するきっかけをつかむのではないかと思われる。一度,見知らぬものに見えて
しまうと,もう同じところへ戻ることはできないかもしれない。しかし,活性
化とはもともとそういう不安さえも前進するエネルギーに換えていくものであ
ろう。法的思考は発見の過程と正当化の過程に区別することができ,正当化の
過程はマクロ正当化とミクロ正当化に区別することができる。発見の過程を単
なる心理的なものと位置づけるのではなく,生活事態と規範仮説との間を行っ
たり来たりしながら暗黙知の働く領域と位置づけてみてはどうか。マクロ正当
化の過程では発見の過程で見出された普遍化可能性等のある規範仮説が,主に
制定法から解釈によって導き出される複数の法規範から対応するものを見つけ
出せるかという領域と位置づけてみてはどうか。大前提たる法規範の正当化の
ほか,小前提たる事実認定の正当化もマクロ正当化を構成する過程と位置づけ
てみてはどうか。そのうえで大前提と小前提を行ったり来たりする視線の往復
をアブダクションとインダクションの繰り返しの過程と描いてみてはどうか。
そのうえで最終的にディダクション風に整えられたあたかも検算の役割を果た
すようなものが法的(判決)三段論法と呼ばれてきたものではないか。そして,
演繹風の法的(判決)三段論法がなされる場面以外でも,原告訴訟代理人,被
告訴訟代理人,裁判所の三者間で対話が可能になれば,法的思考の全体で裁判
過程に関わり合うことができるのではないか。そのための方法として口頭での
やり取りという手法は使えないであろうか。ミクロ正当化だけでなく,マクロ
正当化や発見の過程まで対話可能であるとするならば,価値判断にかかわるよ
うなやり取りが成り立つ前提が必要になるであろう。そのためには法とは何ら
かの客観的なるもの,各人の生を実現できるような公正さを目指すものと想定
されなければならないのではないか。現代社会においてもはや素朴な自然法論
に回帰することが難しいとすれば,仮に何らかの法実証主義的な視点で見ると
してもなお客観的なるものを志向できる前提が必要になるのではないか。現在
の民事裁判実務の主流といえる要件事実を意識した争点整理という観点から法
的思考のできるだけ全容を捉えてみたいと思う。
本書の成り立ちには高橋文彦教授,嶋津格名誉教授,亀本洋教授に貴重なご示
唆をいただいた。ここに記して謝意を表したい。また,とくに第10章について
は,日本弁護士連合会の民事裁判手続に関する委員会や,同委員会を通じて実
施されている最高裁民事局との協議会,各地の単位会での意見交換会,東京弁
護士会の民事訴訟問題等特別委員会や研修講座における私の経験が基礎となっ
ている。各委員会の弁護士の委員や,裁判官,研究者などから学ぶことができ
たことは誠に幸運であった。そして,なにより本書の原稿の出版を勧めていた
だいた松嶋隆弘教授に心から感謝の気持ちを伝えたい。
本書は,序章のほか12の章からなっている。最終章は,第1章から第11章まで
(第9章を除く)のエッセンスを短文形式でまとめたものである。第9章は比
較的最近の最高裁判決を具体例として用いたものである(最判平成27・4・9
と同28・3・1である)。原稿が出来上がった当初は12章のみであったが,本
書がめざす活性化の具体例があったほうがわかりやすいと考え序章を最後に執
筆した。モデルとなった今井和男先生(虎門中央法律事務所代表弁護士)には
日頃からその活動に尊敬の念を抱いており,改めて感謝の意を伝えたい。
最後に青林書院の長島晴美氏の力添えと,宮根茂樹編集長に短い期間である
にもかかわらず詳細な原稿チェックをしていただいたことに改めて謝意を表し
たい。宮根氏の力がなければ,この時期にこの原稿が書籍になることはなかっ
たと思う。本当にありがたいと感じている。

平成29年1月
筑波アカデミア法律事務所にて   
弁護士 永島賢也 


■著者
永島賢也:弁護士(筑波アカデミア法律事務所)


執行関係訴訟の実務 -基礎知識と手続の全体像の把握-


執行関係訴訟の実務 -基礎知識と手続の全体像の把握-
編・著者園部 厚 著
発行年月2017年02月
ISBN978-4-417-01706-6
税込価格3,132円(本体価格:2,900円)
在庫有り
  
在庫があります

■解説
裁判官が、執行関係訴訟の基本と重要な論点、手続の全体の流れを平易に解説!
■執行関係訴訟の法的性質等をどのように考えるのか?
■執行関係訴訟の手続上の問題をどのように考え訴訟を進行していくのか?
■訴訟、申立書等の記載例、判決主文など掲載!


執筆者紹介
園部 厚(そのべ あつし)
東京簡易裁判所判事


はしがき

 本書は,民事執行法に規定されている,請求異議の訴え,配当異議の訴え,
第三者異議の訴え,取立訴訟,執行文付与の訴え,執行文付与に対する異議の
訴えの民事執行に関する訴訟〔執行関係訴訟〕についての解説をしている。
 このような執行関係訴訟は,訴訟手続自体は,通常の訴訟手続と同様の手続
で行われるが,民事執行に関わる訴訟ということで,通常の訴訟とは異なる部
分も多い。このような執行関係訴訟に関わるのであれば,その点について理解
をしておかなければならない。そして,その執行関係訴訟については,執行に
関係するということで,同じような考え方に基づくものもあり,それらの訴訟
をまとめて説明することには意味があると思われる。
 執行関係訴訟については,その法的性質等について見解が分かれているとこ
ろもあり,その点について詳しく説明している文献も多い。もちろん,執行関
係訴訟の法的性質等をどのように考えるかにより,その訴訟の手続に影響する
のであるから,その点を考えることは大事であるが,問題はその点を検討した
上で,その後の手続上の問題をどのように考え,どのように進行していくかが
大事になってくると思われる。本書では,そのように考え,執行関係訴訟の法
的性質等を検討した上で,その後の手続上の問題をどのように考え,どのよう
に進行していくかについて,検討して解説をしており,執行関係訴訟における
実際の実務上の問題をどのように考えるかを中心に記載したつもりである。そ
のような意図で作成された本書が,執行関係訴訟に携わる者にとって,執行関
係訴訟について理解し,実務に携わる上で有用のものとなれば幸いである。
 最後に,本書の企画から携わり,本書の形式や判例等の資料の調査・表示等
に至るまで検討配慮いただき,刊行に導いていただいた長島晴美さんと,校正
をお手伝いいただいた皸羚疇犹泙気鵑法た瓦ら感謝を申し上げる。
  
  平成29年1月
   園部 厚





労災事件救済の手引 -労災保険・損害賠償請求の実務-


労災事件救済の手引 -労災保険・損害賠償請求の実務-
編・著者古川 拓 著
発行年月2017年01月
ISBN978-4-417-01704-2
税込価格4,644円(本体価格:4,300円)
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■解説
●労災事件に取り組むなら見落とせない!
●過労死、過労自殺、メンタル、熱中症、アスベスト、腰痛・・・etc!
●労災認定実務とこれまでの裁判例をふまえた、すぐに役立つ知識とノウハウ、
 見落とせない注意点などを盛り込んだ労災事件の手引書!


はしがき
 弁護士登録以来,過労死・過労自殺や災害性の労災事故など様々な種類の労
災事案に取り組む機会が,比較的多くありました。被災労働者本人とその家族
(遺族)にとって「労災に遭(あ)う」ことは,突然生活の基盤である収入の
途を絶たれ途方に暮れることに加え,消えない後遺障害の苦痛や死亡事案では
かけがえのない家族との絆が断ち切られるという大きな悲哀であることを,こ
れまでの取り組みの中で痛感してきました。労災保険や損害賠償は,そのよう
な場合のせめてものセーフティ・ネットとなります。
 一方,労災事案は,労災請求等の行政手続と民事訴訟等の司法手続が基本的
にはそれぞれ独立していながら,一方の手続において生じたことが他方の手続
に対して法律上又は事実上の影響・効果を及ぼす場合があり,相互に密接な関
連性を有している点に特徴があります。
 そのため,労災事案に携わる弁護士等の専門家・関係者としては,取り組み
の対象となる事案の事実関係について,行政手続と司法(民事)手続それぞれ
の視点から検討・整理し,それらの関係を十分に踏まえた見通しを立てながら
,平行あるいは前後させて手続を進めていく必要があります。特に行政手続は
,通常業務において取り扱うことが必ずしも多くないにもかかわらず,関係法
令や裁判例等に加えて労災認定基準をはじめとする関連通達や行政実務の運用
実態を十分に踏まえて取り組む必要があります。
 また,労災事案のもう一つの特徴として,迅速で正当な補償や救済が求めら
れているにもかかわらず,被災者や遺族の手元に証拠資料が少なく,認定・救
済のために多大な苦労を強いられることがしばしばある点があげられます。
弁護士等の専門家・関係者にとっても,事実調査や証拠収集においてなすべき
ことが多く,それらの活動が功を奏するか否かが認定・救済の成否を左右する
といっても過言ではありません。
 本書は,労災事案において労災請求あるいは民事上の損害賠償請求等を通じ
て正当な認定・救済が得られるようにするために,請求実務上重要と考えられ
る事項についての解説を行ったものです。労災分野における深化は日々めざま
しいものがあり,近年でも平成26年の過労死等防止対策推進法の制定・施行を
はじめ,日々多くの法令・通達等の新設・改正等が行われるだけでなく,本書
執筆中も重要裁判例が数多く出され,実務に大きな影響を与えています。この
点をとってみても,労災保険・損害賠償請求の分野は広範かつ深遠であり,同
分野のあらゆる事項や関連法令・通達,具体的なノウハウ等のすべてを一冊の
書籍で網羅することはできません。とはいえ,具体的な事案に取り組むにあた
って最低限踏まえておくべき事項や知識をできる限り盛り込んだものであると
考えております。本書が被災者・遺族に正当な認定・救済を届ける一助となる
ことを願ってやみません。
 最後に,青林書院の逸見慎一社長及び宮根茂樹編集長には,執筆スケジュー
ルやレイアウト等に関し多大なご尽力をいただき,又無理をお聴き入れいただ
きました。その他,編集に携わっていただいた皆様にも格段のご協力をいただ
きました。末尾となり恐縮ですが,厚く感謝を申し上げる次第です。
  平成28年12月
  弁護士 古川 拓


古川 拓:弁護士(弁護士法人 古川・片田総合法律事務所)




示談・調停・和解の手続と条項作成の実務


示談・調停・和解の手続と条項作成の実務
編・著者園部 厚 著
発行年月2017年01月
ISBN978-4-417-01705-9
税込価格3,564円(本体価格:3,300円)
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■解説
裁判官の目から見た,より良い合意・和解とはどのようなものか?
●紛争解決までの一連の手続と書式を明示。
 □手続きがどのように機能し,どのように利用され,紛争が解決されている
  のか。
 □裁判所で手続がどのように進行し,どの紛争がどの手続きに適している
  のか。
●調停・示談・和解条項作成の留意点と実際の記載例を多数掲載。
 □どのような交渉をし,どのような合意をし,どのような条項を作成する
  のか。
 □当事者の合意内容を反映した的確・合理的な条項とは。


はしがき
 
人が沢山の他の人と関わりをもちながら社会生活を営む以上,他の人との
間で,紛争が生ずるのは避けられない。その紛争は,紛争の当事者間の交
渉によって解決することができれば,それが一番良いことであるが,それ
によって解決しないこともある。紛争の当事者間の交渉によって解決し
た場合,それは「示談」の成立により解決したことになる。紛争が当事者
間の交渉によって解決しない場合の紛争解決手段として,第三者としての
ADR機関が関与する,ADR〔裁判外紛争解決手続〕がある。ADR機関としては,
行政機関と民間機関がある。司法機関である裁判所にも,広い意味でのADR
に当たる「民事調停」,「家事調停」もあるが,これら裁判所で行われる
調停の手続では,成立した調停調書の給付条項が任意に履行されない場合
強制執行ができる効力が認められるという,他の行政機関や民間機関が行
うADRと異なるところがある。そのほか,裁判所で行われる広い意味での
ADRとして,他に,労働事件について行われる「労働審判」がある。労働審
判では,調停も行われるが,そこで合意が成立しなければ,裁判所の判断が
審判として示される。また,借地に関する紛争について,その権利関係を
最終的に確定するものではないが,裁判所の判断を示して,紛争を解決する
ものとして「借地非訟」がある。また,紛争解決について,ある程度の合意
ができているが,将来の紛争の可能性がある場合には,裁判所で和解手続を
行ってもらう「訴え提起前の和解」の手続もある。そして,それらの手続で
も紛争が解決しない場合は,紛争解決の最終的方法として判断を示すものと
して,「訴訟」がある。その訴訟手続の中には,相手方である債務者の話を
聞かずに(民事訴訟法386条),裁判所の判断に異議(督促異議)があれば
訴訟へ移行する,特別訴訟(略式訴訟)手続である「支払督促」がある。
通常の訴訟手続では,最終的に,当事者が自己の権利について立証し,紛争
に対する裁判所の判断が,「判決」として出されることになる。訴訟手続に
おいても,最終的判断である判決を出す前に,当事者間で紛争解決の合意が
されることがあり,その場合には「(訴訟上の)和解」として和解調書(民
事訴訟法89条・267条)が作成される。また,簡易裁判所では,最終的合意
に至らない場合でも「和解に代わる決定」(民事訴訟法275条の2)を出して
事件が終了することもある。
 本書では,それらの紛争解決のための手続を横断的に捉え,それぞれの解
決手段がどのように機能し,どのような紛争で利用され,どのように紛争が
解決しているのかを解説している。具体的には,示談,ADRについて説明し,
簡易裁判所で行われる手続である,民事調停,訴え提起前の和解,支払督促,
訴訟手続について説明する。訴訟手続の中では,訴訟上の和解,和解に代わる
決定についての説明もしている。そして,裁判所で行われる手続が,どのよう
に進行し,それぞれどのような紛争がその申立てに適しているのか,そしてそ
の中で調停,和解等をする場合,どのような合意をし,どのような条項を作成
するのかなどについて説明することとする。
 本書においては,これらの紛争解決についての一連の手続について,それぞ
れの手続がどのような場合にどのように行われるかについて説明をすることに
よって,それぞれの手続の意味合いを理解することができ,どのように利用す
ることができるか理解することができると思われる。それにより,紛争解決の
ための手続の利用の促進につながれば幸いである。
 最後に,本書の企画の段階から携わっていただき,本書刊行までお世話にな
った青林書院の長島晴美さん,校正をお手伝いいただいた高井香奈枝さんに感
謝を申し上げます。  

 平成29年1月
 園部 厚





プラクティス交通事故訴訟


プラクティス交通事故訴訟 「概説」と「Q&A」で裁判直結の知識・ノウハウを伝授
編・著者梶村太市・西村博一・井手良彦 編
発行年月2016年12月
ISBN978-4-417-01703-5
税込価格5,940円(本体価格:5,500円)
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■解説
◆「交通事故訴訟」のプラクティスを判例理論及び裁判所の運用例等に
 基づいて徹底解説する。         
◆自賠責・任意保険,運行供用者責任,遺失利益,慰謝料,修理費等,
 代車,評価損,過失相殺,示談,自転車事故,好意同乗者,消滅時効
 など交通事故の重要論点が満載。


はしがき

 本書『プラクティス 交通事故訴訟』は,交通事故訴訟をめぐる諸問題に
ついて,概説部分とQ&A方式部分に分けて,わかりやすく解説したもので
ある。類書は数多くあるが,本書の特色は,交通事故をめぐる紛争解決につ
いて詳しい簡易裁判所判事,弁護士を中心とする実務家が,実務の経験を通
して習得した知見をフルに活用して,交通事故訴訟において遭遇する諸問題
について全般的に検討を加えているところにある。地方裁判所や簡易裁判所
あるいは高等裁判所等における交通事故訴訟について,主として弁護士等の
訴訟代理人が知っておくべき基本的事項について,そこで出てくる実体法上
あるいは手続法上あらゆる観点から問題点を摘出し,過不足のない解説を目
指している。
『概説』部の解説の中心は,主として判例理論及び裁判所における実務運用
の実情の紹介にあり,学説はそれらに関する説明に必要な範囲で紹介するに
とどめている。『Q&A』部は,概説部の各論に相当する部分であり,概説
部で触れた裁判上の重要事項や争点などを個別に取り上げて詳述するほか,
紛争事例(設例)を設けてそれを丁寧に解説し,その中で当該章の要点を掘
り下げることとしている。設例では,必要に応じて申立人代理人・原告代理
人等(債権者・債務者双方)の作成する書面例(書式)なども掲載する。
 本書の章立ては,第1章から第5章まで,「交通事故をめぐる保険制度」
「交通事故における責任原因」「損害」「過失相殺」「交通事故訴訟の手続
」に分類し,Q45まで細分化して解説している。本書が,交通事故訴訟にお
ける弁護士代理人・司法書士やご本人あるいは裁判官や裁判所書記官などの
関係者はもちろんのこと,交通事故調停の代理人・調停委員あるいは各種相
談者などにおいて,幅広く利用されるよう願ってやまない。
 本書の出版にかけてはご多忙にもかかわらず,原稿を完成していただいた
各執筆者の方々には厚くお礼申し上げるとともに,編集の労をとっていただ
いた青林書院編集部の宮根茂樹氏には謝意を表したい。

 平成28年12月
 編集者
 梶村 太市
 西村 博一
 井手 良彦



編集者・執筆者一覧

編 集 者
梶村 太市(常葉大学法学部教授・弁護士)
西村 博一(宇治簡易裁判所判事)
井手 良彦(東京簡易裁判所判事)

執 筆 者(執筆順)
井手 良彦(上 掲)
小泉 孝博(東京簡易裁判所判事)
堀田  隆(東京簡易裁判所判事)
太田 和範(弁護士)
増田 輝夫(明石簡易裁判所判事)
笹本  昇(取手簡易裁判所判事)
中林 清則(富山簡易裁判所判事)
藤岡 謙三(東京簡易裁判所判事)
宇都宮庫敏(明石簡易裁判所判事)
辰已  晃(岩国簡易裁判所判事)
神谷 義彦(佐伯簡易裁判所判事)
野藤 直文(岡山簡易裁判所判事)
丸尾 敏也(福岡簡易裁判所判事)
織田 啓三(千葉簡易裁判所判事)
〔平成28年11月現在〕





不動産関係訴訟


最新裁判実務大系


不動産関係訴訟
編・著者滝澤 孝臣 編著
発行年月2016年11月
ISBN978-4-417-01699-1
税込価格7,452円(本体価格:6,900円)
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■解説
最新・裁判実務シリーズ第4弾!

不動産関係訴訟において,実務的に問題となる論点を網羅し,裁判官が系統立てて分析・考察!!
●民事訴訟の基本的分野の不動産訴訟のうち,登記を除く訴訟の基本的な論点【確認請求訴訟,引渡・明渡請求訴訟,相隣関係訴訟,境界関係訴訟】について,旧来的なものから現在に至るまで,最新の裁判実務を踏まえてわかりやすく解説!!
●裁判実務の解釈・運用上の問題点を,紛争事例を通して,裁判実務の観点から分析・考察し,具体的な解決指針を実践的に提供!!


はしがき―序章を兼ねて
 本書は,青林書院から「最新裁判実務大系」と題してシリーズ化されて刊行さ
れている訴訟の一つである「不動産訴訟」のうち,「不動産関係訴訟」について
考察する1冊である。不動産訴訟といい,不動産関係訴訟といい,いずれも概念が
はっきりしているようで,はっきりしていないが,本書では,不動産を対象とする
民事訴訟を「不動産訴訟」といい,そのような不動産訴訟のなかでも,不動産登記
に関係する訴訟を「不動産登記訴訟」といい,不動産登記訴訟を除いた不動産訴訟
を「不動産関係訴訟」ということにしている。
 なお,不動産登記訴訟については,本シリーズで,別の1冊として考察している
が,編者を共通にするため,この序章を兼ねた「はしがき」が別の1冊と基調を同
じくしていることをあらかじめお断りしておきたい。
 さて,この最新裁判実務大系は,青林書院がこれまでに刊行してきた「裁判実務
大系」を第1弾,「新・裁判実務大系」を第2弾とすれば,その第3弾ということに
なるが,そのような本書の編集を引き受けるに当たって編者が留意したのは,以下の
点である。
 第1に,最新「裁判実務」大系という以上,裁判実務を考察し得る1冊でなければ
ならないという点であるが,この点は,編者が在官中に一緒に仕事をするなどして知
り合った裁判官であれば,誰でも執筆を依頼するのに適任であったため,編者として
特に苦労するところはなかった。執筆者のうちには,あるいは,編者が割り当てた分
野とは別の分野のほうがさらにその考察に熱が入ったという執筆者もいないわけでは
ないように窺われるが,実際に執筆していただいた分野でも,充分にすぎる考察がさ
れている。編者として,その人選には少なからず自負をもっている。
 第2に,最新裁判実務「大系」という以上,本書に即していえば,不動産関係訴訟
について,同訴訟において実務的に問題となる論点を「系統」立てて考察し得るもの
でなくてはならないという点である。編者は,その見地から,第1章を「確認請求訴
訟」,第2章を「引渡・明渡請求訴訟」,第3章を「相隣関係訴訟」,第4章を
「境界関係訴訟」に大別してみた。
 そのうえで,第1章では,「所有権に関する訴訟」,「用益権に関する訴訟」,
「担保権に関する訴訟」と,「占有権に関する訴訟」に四分して,それぞれ論点を
取り上げた。
まず,所有権に関する訴訟についていえば,具体的には,―衢権確認請求の態様
と当事者,⊇衢権確認請求の要件事実とその主張・立証,所有権確認請求の判
決とその効力といった論点に分類した。,砲弔い討蓮だ儷謀ないし消極的確認訴
訟における当事者適格ないし確認の利益を実務的に論証すること,△砲弔い討蓮
確認訴訟における要件事実をまとめ,その主張・立証,特に所有権取得経過の主張
・立証をめぐる実務的な問題点を論証すること,については,確認訴訟における
請求認容判決あるいは請求棄却判決の効力をめぐる実務的な問題点を論証すること
にした。次に,用益権に関する訴訟についていえば,具体的には,ね儕弩確認請
求の態様と当事者,ド堝飴困陵儕弩△粒稜Я幣戮陵弖鏤実の主張と立証,ν儕
権確認請求の判決とその効力,担保権に関する訴訟についていえば,担保権確認
請求の態様と当事者,担保権確認請求の要件事実と主張・立証,担保権確認請
求の判決とその効力といった論点に分類した。論点の取り上げ方が所有権に関する
訴訟と同一であるのは,後に言及する論点の系統立てた理解を考えたからであるが
,用益権に関する訴訟では,賃借権の存否が問題となる場合を基本に,これを使用
借権,地上権,地役権,永小作権に敷衍して,い砲弔い討蓮だ譴蘚事者をめぐる
実務的な問題点を論証し,イ砲弔い討蓮い修陵弖鏤実の主張・立証をめぐる問題
点を論証し,Δ砲弔い討蓮だ禅畴容判決及び請求棄却判決の効力をめぐる実務的
な問題点を論証したうえで,担保権に関する訴訟でも,抵当権の存否が問題となる
場合を基本に,これを質権,留置権,先取特権に敷衍して,Г砲弔い討蓮だ譴蘚
事者をめぐる実務的な問題点を論証し,┐砲弔い討蓮い修陵弖鏤実の主張・立証
をめぐる問題点を論証し,については,請求認容判決及び請求棄却判決の効力を
めぐる実務的な問題点を論証することにした。これに対し,占有権に関する訴訟に
ついてみると,占有権の意義と確認請求の要否・適否を論点として取り上げた。
占有権の意義・要件を踏まえ,確認訴訟が問題となる得るか否かを論証しているが
,所有権,用益権及び担保権に関する訴訟と論点の取り上げ方が異なるとしても,
編者としては,このような論点の取り上げ方も,系統立てた論点の理解のために
必要であると解されたからであって,その趣旨は,実際の論証をご覧いただけれ
ば納得していただけるのではないかと思うところである。
 第2章では,引渡・明渡請求の根拠に基づき,「所有権に基づく訴訟」,「用益
権に基づく訴訟」,「担保権に基づく訴訟」と,「占有権に基づく訴訟」に四分し
たうえで,まず,所有権に基づく訴訟についてみれば,具体的には,土地を対象と
する訴訟につき,土地引渡・明渡請求の態様と訴訟物,土地引渡・明渡請求の
要件事実とその主張・立証,土地引渡・明渡請求の判決とその効力と,建物を対
象とする訴訟につき,建物引渡・明渡請求の態様と訴訟物,建物引渡・明渡請
求の要件事実とその主張・立証,扱物引渡・明渡請求の判決とその効力にそれぞ
れ論点を細分して,土地を対象とする訴訟では,地上に建物がない場合の土地引渡
・明渡請求,建物がある場合の建物収去土地明渡請求,同建物に所有者以外の占有
者がいる場合の建物退去土地明渡請求といった請求の態様の異同を前提に,建物を
対象とする訴訟では,占有者が所有者と契約関係に立つ場合の請求と,立たない場
合の請求の根拠の相違を前提に,土地を対象とする訴訟と,建物を対象とする訴訟
を総じていえば,及びについては,その訴訟物の捉え方を論証し,及びに
ついては,その要件事実をめぐる実務的な問題点を主張・立証責任に留意して論証
し,及び阿砲弔い討蓮だ禅畴容判決あるいは請求棄却判決の効力をめぐる実務
的な問題点を強制執行の方法に留意して論証したほか,共有権に関する訴訟につき
,蔚ν物に対する妨害排除請求と,俺ν者に対する妨害排除に論点を二分し,
韻砲弔い討蓮ざν物に対する妨害排除請求が問題となる場合における当事者ない
し訴訟物,要件事実,判決の効力を論証し,欧砲弔い討蓮ざν者による妨害を前
提に,その排除請求が問題となる場合の実務的な問題点を論証することとした。
次に,用益権に基づく訴訟と,担保権に基づく訴訟についてみると,それぞれその
目的物に対する妨害排除請求として,具体的には,獲儕弩△量榲物に対する妨害
排除請求,環馘権の目的物に対する妨害排除請求,㉑質権の目的物に対する妨害
排除請求,㉒先取特権の目的物に対する妨害排除請求,㉓留置権の目的物に対する
妨害排除請求に論点を分類して,海砲弔い討蓮つ村攜△量榲物に対する妨害排除
請求が問題となる場合を基本に,これを使用借権,地上権,地役権,永小作権に敷
衍して,請求の可否を含め,当事者ないし訴訟物のほか,要件事実,判決の効力を
めぐる実務的な問題点を論証し,粥㉑,㉒,㉓については,抵当権,質権,先取
特権,留置権の目的物に対する妨害排除請求につき,同請求の可否を含め,当事者
ないし訴訟物のほか,要件事実,判決の効力をめぐる実務的な問題点を論証するこ
ととした。次に,占有権に基づく訴訟についてみると,㉔占有訴権に基づく訴訟と
,㉕占有訴訟と本権訴訟に論点を二分したうえで,㉔については,占有訴権の3類
型のそれぞれの実務的な問題点を論証し,㉕については,占有訴訟における本権の
有無ないし帰すうが実務的に問題となる場合を論証することにした。
 第3章では,「土地の相隣関係に関する訴訟」と,「建物の相隣関係に関する訴
訟」に二分したうえで,まず,土地の相隣関係についてみると,㉖隣地の通行をめ
ぐる訴訟と,㉗隣地の利用をめぐる訴訟に論点を細分し,㉖については,相隣関係
に基づく通行権の有無を前提に,隣地の通行をめぐる実務的な問題点を論証し,㉗
については,隣地の通行以外に問題となる電気・ガス・水道(下水道)の引込みの
ための隣地の利用をめぐる実務的な問題点を論証することにした。次に,建物の相
隣関係についてみると,㉘建物の建築制限をめぐる訴訟に論点を限定したが,隣地
・隣家との関係で建物の建築が制限される場合の実務的な問題点を論証することに
した。
 第4章では,「筆界特定に関する訴訟」と,「境界確定に関する訴訟」に論点を
二分したうえで,前者につき,㉙筆界特定とその効力として,筆界特定制度の意義
を踏まえ,その特定に不服がある場合の取消請求の可否を論証し,後者につき,㉚
境界確定訴訟として,境界確定訴訟の法的性質を踏まえ,当事者,判決の効力をめ
ぐる実務的な問題点を論証することにした。第3に,「最新」裁判実務大系という
以上,本書で取り上げる以上の論点それ自体が最新のものであるかのように誤解さ
れなくもない点である。しかし,不動産訴訟は,本書が対象とする不動産関係訴訟
についても,また,別の1冊が対象とする不動産登記訴訟についても,民事訴訟の
基本的な分野であって,どの論点についてみても,関係する裁判例が少なくない。
その意味で,いずれも実務的な論点としては,古典的であるが,基本的な論点であ
るので,最新の実務を踏まえたその論証は,本シリーズの目的に十分に沿うものに
なっているはずである。なお,本シリーズで「最新」という趣旨につき,編者の理
解するところでは,論点それ自体が今日的という趣旨ではなく,論点それ自体は古
典的であっても,その論証が今日的,すなわち,アップトゥデートなものとなって
いる,あるいは,そう心掛けたものとなっているという意味ではないかと受け止め
ている。そう理解すればこそ,古典的な論点であっても,一部は今日的でなくなっ
ている論点も含めて,これを取り上げてこそ,不動産関係訴訟を系統立てて理解す
ることができるはずである。
 最後に,多分に弁解めいてしまうが,編者が本書の「不動産関係訴訟」と,別の
1冊の「不動産登記訴訟」の編集をお引受けしたのは,いずれも本シリーズの基本
的な,そして,代表的な1冊であるため,本シリーズが企画された当初に遡る。も
とより編者は裁判官として在職中であって,爾来,長年月が経過し,編者の立場も
,裁判官から,弁護士・法科大学院教授へと変わった。その間,執筆者各位におか
れては,引き受けていただいた論点に興味をもっていただいたこともあってか,早
々に原稿を仕上げてお送りいただいた。それから執筆者の記憶も薄らぐようなこの
時期になって,ようやく本書を刊行できる運びになった。刊行の遅れは,ひとえに
編者の怠惰にあって,執筆者の努力をここに何とか結実できたことで,お詫びを乞
う次第である。そのような編者の責に帰すべき刊行の遅れに際して,長島晴美さん
を始めとする青林書院の編集部の辛抱強い我慢には,感謝の言葉が尽きない。本書
の刊行は,その我慢の賜物である。改めて,お礼を申し上げ,序章を兼ねた「はし
がき」の結びとしたい。

 平成28年9月の本書の上梓に向かい安堵する日に
 滝澤 孝臣


編著者
滝澤 孝臣:(日本大学法科大学院教授・弁護士)

執筆者
滝澤 孝臣:(日本大学法科大学院教授・弁護士)
伊藤 大介:(千葉地裁判事)
睇堯≠探子:(知財高裁判事)
森鍵  一:(那覇地裁判事)
武笠 圭志:(法務省大臣官房審議官)
関口 剛弘:(静岡地裁判事)
中島 朋宏:(東京地裁立川支部判事)
松田 浩養:(前橋地裁高崎支部判事)
西田 昌吾:(横浜地家裁川崎支部判事)
蛭川 明彦:(福岡高裁那覇支部判事)
光岡 弘志:(最高裁調査官)
村田  渉:(仙台地裁所長)
桃崎  剛:(東京地裁判事)
内田 義厚:(早稲田大学教授)
水倉 義貴:(東京地裁判事)
永山 倫代:(さいたま地裁川越支部判事)
天野 研司:(東京地裁判事)
松井 雅典:(福岡地裁判事)
近藤 幸康:(新潟地裁判事)
渡辺  諭:(東京地裁判事)
齊藤  顕:(秋田地裁判事)
新谷 貴昭:(法務省訟務局参事官)
杉田  薫:(静岡地裁判事)
睇堯〕缶ぁА柄斡驚浪蛤杞盧蟷拮判事補)
志村 由貴:(司法研修所付)
住友 隆行:(札幌地家裁岩見沢支部判事)
甲良 充一郎:(宇都宮地家裁栃木支部判事)
大畠 崇史:(東京地裁判事)
畠山  新:(東京高裁判事)
野上 誠一:(大阪地家裁岸和田支部判事)
(執筆順・肩書は平成28年10月現在)






不動産登記訴訟


最新裁判実務大系


不動産登記訴訟
編・著者滝澤 孝臣 編著
発行年月2016年11月
ISBN978-4-417-01700-4
税込価格6,588円(本体価格:6,100円)
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■解説
最新・裁判実務シリーズ第5弾!

不動産登記訴訟において,実務的に問題となる論点を網羅し,裁判官が系統立てて分析・考察!!
●民事訴訟の基本的分野の不動産訴訟のうち,登記に係る訴訟の基本的な論点【登記手続の全般に関する訴訟(登記の申請/登記の効力),個々の登記手続に関する訴訟(表示登記/保存登記/区分登記/移転登記/抹消登記/回復登記/仮登記/仮処分)に関する裁判実務上の論点】について,旧来的なものから現在に至るまで,最新の裁判実務を踏まえてわかりやすく解説!!
●裁判実務の解釈・運用上の問題点を,紛争事例を通して,裁判実務の観点から分析・考察し,具体的な解決指針を実践的に提供!!


はしがき―序章を兼ねて
 本書は,青林書院から「最新裁判実務大系」と題してシリーズ化されて刊行さ
れている訴訟の一つである「不動産訴訟」のうち,「不動産登記訴訟」について
考察する1冊である。不動産訴訟といい,不動産登記訴訟といい,いずれも概念
がはっきりしているようで,はっきりしていないが,本書では,不動産を対象と
する民事訴訟を「不動産訴訟」といい,そのような不動産訴訟のなかでも,不動
産登記に関係する訴訟を「不動産登記訴訟」ということにしている。
 なお,不動産登記訴訟を除いた不動産訴訟については,これを「不動産関係訴
訟」といい,本シリーズで,別の1冊として考察しているが,編者を共通にする
ため,この序章を兼ねた「はしがき」が別の1冊と基調を同じくしていることを
あらかじめお断りしておきたい。
 さて,この最新裁判実務大系は,青林書院がこれまでに刊行してきた「裁判実
務大系」を第1弾,「新・裁判実務大系」を第2弾とすれば,その第3弾というこ
とになるが,そのような本書の編集を引き受けるに当たって編者が留意したのは,
以下の点である。
 第1に,最新「裁判実務」大系という以上,裁判実務を考察し得る1冊でなけ
ればならないという点であるが,この点は,編者が在官中に一緒に仕事をするな
どして知り合った裁判官であれば,誰でも執筆を依頼するのに適任であったため,
編者として特に苦労するところはなかった。執筆者のうちには,あるいは,編者
が割り当てた分野とは別の分野のほうがさらにその考察に熱が入ったという執筆
者もいないわけではないように窺われるが,実際に執筆していただいた分野でも,
充分にすぎる考察がされている。編者として,その人選には少なからず自負をも
っている。
 第2に,最新裁判実務「大系」という以上,本書に即していえば,不動産登記訴
訟について,同訴訟において実務的に問題となる論点を「系統」立てて考察し得る
ものでなくてはならないという点である。編者は,その見地から,第1章を「登記
手続の全般に関する訴訟」,第2章を「個々の登記手続に関する訴訟」に大別して
みた。
 そのうえで,第1章では,「登記の申請」と,「登記の効力」に二分して,それぞ
れ論点を取り上げた。まず,登記の申請についていえば,具体的には,‥亠請求
権,登記請求の当事者,8⇒能力のない社団と登記,ち蠡海硫雕澆氾亠,
債権者代位権と登記,ε亠引取請求権,登記手続を命ずる判決といった論点に
分類した。,砲弔い討蓮づ亠請求権の法的性質を踏まえ,実務的にどのような点
が問題となるのかを論証すること,△砲弔い討蓮づ亠請求の実体法上の当事者と,
手続法上の当事者との理論的な異同を踏まえ,実務的にその異同を論証すること,
については,権利能力のない社団が登記申請の主体となる場合と,客体となる場
合に生ずる実務的な問題点を論証すること,い砲弔い討蓮ち蠡海介在した場合の
登記請求について,権利者側の相続と,義務者側の相続に場合分けをして,実務的
な問題点を論証することにした。イ砲弔い討蓮ず銚⊆埖絨霧△旅垰箸亡陲鼎登記
の申請につき,裁判実務において多く見られるところであるだけに,その実務的な
問題点を論証することにしたが,それが有意義に思われるからである。Δ砲弔い
は,講学的には問題とされているが,実務的にはそう問題となることがないとして
も,不動産登記訴訟を系統立てて考察するためには,欠かせない論点であるため,
ここで取り上げることにした。さらに,Г砲弔い討蓮づ亠の申請に係る裁判実務
のまとめとしてだけでなく,次の登記の効力に係る裁判実務の橋渡しも併せて,
ここで,登記を命ずる判決の意義を踏まえ,登記を命ずる判決の効力として問題
となる点を論証することとした。
 次に,登記の効力についていえば,具体的には,といっても,そう具体的にな
っていないが,登記の処分性,登記の有効・無効,登記の推定力,登記
の対抗力,滅失登記の効力,不動産登記の流用,二重登記とその効力を取
り上げた。実務的な視点からみれば,原則的に問題となるのが─き,及び
の論点であるのに対し,,及びの論点は例外的に問題となるといって差し
支えないが,ここでも,系統立てて不動産登記訴訟を考察するには,前者だけで
なく,後者までも含めて論証する必要があるからである。
 第2章では,個々の登記を対象に,まず,表示に関する登記の効力について,
以歛古亠の効力及び蔚菠登記の効力につき,それぞれその効力をめぐる実務
的な問題点を論証した後,次に,移転登記として,屋榲湘亠請求,核消に代
わる移転登記請求,歓神気陛亠名義の回復を原因とする移転登記請求及び㉑中
間省略登記請求につき,その実務的な問題点を論証した。移転登記をめぐる問題
点を以上のように細分したことも,前同様,系統立てた理解に資すると解された
からである。次に,抹消登記として,㉒抹消登記請求,㉓承諾請求及び㉔更正登
記請求につき,回復登記として,㉕抹消回復登記請求につき,仮登記として,
㉖仮登記の効力,㉗仮登記に基づく本登記請求及び㉘仮登記の抹消につき,それ
ぞれその効力をめぐる実務的な問題点を論証した。論点を細分した趣旨は前同様
である。そして,個々の登記を離れ,仮処分を対象に,㉙仮処分と登記及び㉚仮
登記仮処分につき,その実務的な問題点を論証した。
 第3に,「最新」裁判実務体系という以上,本書で取り上げる以上の論点それ
自体が最新のものであるかのように誤解されなくもない点である。しかし,不動
産訴訟は,本書が対象とする不動産登記訴訟についても,また,別の1冊が対象
とする不動産関係訴訟についても,民事訴訟の基本的な分野であって,どの論点
についてみても,関係する裁判例が少なくない。その意味で,いずれも実務的な
論点としては,古典的であるが,基本的な論点であるので,最新の実務を踏まえ
たその論証は,本シリーズの目的に十分に沿うものになっているはずである。
なお,本シリーズで「最新」という趣旨につき,編者の理解するところでは,
論点それ自体が今日的という趣旨ではなく,論点それ自体は古典的であっても,
その論証が今日的,すなわち,アップトゥデートなものとなっている,あるいは
,そう心掛けたものとなっているという意味ではないかと受け止めている。
そう理解すればこそ,古典的な論点であっても,一部は今日的でなくなっている
論点も含めて,これを取り上げてこそ,不動産登記訴訟を系統立てて理解するこ
とができるはずである。
 最後に,多分に弁解めいてしまうが,編者が本書の「不動産関係訴訟」と,
別の1冊の「不動産関係訴訟」の編集をお引受けしたのは,いずれも本シリーズ
の基本的な,そして,代表的な1冊であるため,本シリーズが企画された当初に
遡る。もとより編者は裁判官として在職中であって,爾来,長年月が経過し,
編者の立場も,裁判官から,弁護士・法科大学院教授へと変わった。その間,
執筆者各位におかれては,引き受けていただいた論点に興味をもっていただい
たこともあってか,早々に原稿を仕上げてお送りいただいた。それから執筆者
の記憶も薄らぐようなこの時期になって,ようやく本書を刊行できる運びにな
った。刊行の遅れは,ひとえに編者の怠惰にあって,執筆者の努力をここに何
とか結実できたことで,お詫びを乞う次第である。
 そのような編者の責に帰すべき刊行の遅れに際して,長島晴美さんを始めと
する青林書院の編集部の辛抱強い我慢には,感謝の言葉が尽きない。
本書の刊行は,その我慢の賜物である。改めて,お礼を申し上げて,序章を兼
ねた「はしがき」の結びとしたい。

平成28年9月の本書の刊行に向かい安堵する日に
滝 澤 孝 臣


編著者
滝澤 孝臣:(日本大学法科大学院教授・弁護士)

執筆者
滝澤 孝臣:(日本大学法科大学院教授・弁護士)
本多 知成:(横浜地裁判事)
金子 直史:(東京地裁判事)
新谷 祐子:(大阪高裁判事)
齋藤 岳彦:(東京地裁判事)
藤井 聖悟:(東京地裁立川支部判事)
田中 良武:(和歌山地裁判事)
松井 雅典:(福岡地裁判事)
村瀬 洋朗:(徳島地裁判事補)
井上 泰人:(東京高裁判事)
白井 幸夫:(裁判所職員総合研修所所長・判事)
西澤 健太郎:(大分地家裁判事補)
鈴木 美智子:(神戸地裁判事補)
太田 雅之:(東京地裁判事)
内藤 和道:(福島地裁判事)
吉野内 謙志:(前橋地家裁桐生支部判事)
中野 達也:(東京地裁判事)
宮崎 拓也:(法務省訟務局付)
平野  望:(国連アジア極東犯罪防止研修所教官)
齋藤  巌:(新潟地裁判事)
荒井 章光:(熊本地裁判事)
樋口 正樹:(宇都宮家地簡裁判事)
鈴木 和典:(東京高裁判事)
藤倉 徹也:(那覇地家裁沖縄支部判事)
前澤 利明:(函館地裁判事補)
吉村 弘樹:(東京地裁判事)
眦帖仝輝:(東京高裁判事)
芹澤 俊明:(山口地家裁判事)
眦隋〕拡子:(長野家地裁松本支部判事)
渡邉 健司:(名古屋地裁判事)
(執筆順・肩書は平成28年10月現在)



事例解説 成年後見の実務


事例解説 成年後見の実務
編・著者赤沼康弘・土肥尚子 編
発行年月2016年10月
ISBN978-4-417-01702-8
税込価格3,996円(本体価格:3,700円)
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■解説
経験豊富な弁護士・裁判官経験者が具体的・詳細な事例に沿って実務を解説!
◆全体像を把握しトラブルを未然に防止する。
◆必要な判断・プロセス・裏付けとなる法的制度を整理。
◆2016年法改正についてもフォロー。


はじめに
現行成年後見制度は,かつての禁治産制度に比べて格段に利用しやすくなり,
運用の改善も加わり,利用件数は飛躍的に増加した。2015年12月末現在の利
用者数は,19万1335人となっている(「成年後見関係事件の概況平成27年」)。
ただし,利用は後見類型に集中し,法定後見制度を判断能力に応じて弾力的な
ものとするため創られた補助や自己決定権を最も尊重する制度として創設され
た任意後見制度の利用件数はきわめて少ない。また,事件数の増大に対する家
庭裁判所の監督体制の整備も追いつかない状況が生じている。
これらを踏まえて,現行法定後見制度に対しては,さまざまな課題が提起され,
また根源的な批判もされている。主なものを以下にあげよう。
まず,制度の枠組みとして多元主義を採用している点である。本人の判断能力
を補助,保佐,後見という3類型にわけ,保佐の代理権,補助の代理権・取消
権は必要に応じて付与するものとし,補助から後見まで,切れ目なく連続的に
柔軟かつ弾力的な措置を可能にする制度にしたとされているが,後見と保佐の
取消権や後見の包括的代理権は,禁治産・準禁治産制度におけるそれと変わり
がない。取消権による行為能力制限や代理権の存在は,本人保護のため大きな
役割をはたすが,他方で,第三者が本人に介入するものでもある。他者の介入
や人の能力を制限することは,必要最小限にとどめなければならない。これは,
個人の尊厳や法の下の平等,さらに国連・障害者権利条約12条が定める,平等
の法的能力の享有が要求する原理である。したがって,ドイツ世話法における
ように,特別必要な場合以外は行為能力制限を行わず,後見人等の権限は,本
人の状況に必要な限度で付与するしくみに転換させることが求められる。
次いで,民法858条が本人意思の尊重を定めてはいるものの,成年後見人等に
本人の財産上の利益保護を優先させる傾向があることである。本人の身上保護
に留意しつつ,本人の意思を重視した実務を実現するため,成年後見人等の行
為基準として,本人の意思と最善の利益との調整の指針を示す必要がある。
 また,成年後見人の権限が財産に関する代理権に限定され(民法859条),
医療の同意に関する権限がないため,身寄りのない本人に医療を保障すること
が十分にできないということもあげられる。
成年後見人等による財産流用が増加したことを受けて,監督体制の充実,強化
も強く叫ばれている。成年後見制度に対する信頼の基礎は家庭裁判所の監督に
あるが,新たな監督体制の整備も必要となろう。
さらに,未だに数多く残る欠格事由があげられる。後見開始にともなう選挙権
の喪失は公職選挙法等の改正により解消したが,公務員の欠格事由をはじめと
する数々の欠格事由の存在は,差別的制約となり,成年後見制度利用に対する
障害をも生じさせる。特定の法律行為ができないということから,直ちにその
他の行為もできないと結びつけるのは明らかに不合理である。
現行成年後見制度に対するこれらの問題提起と超高齢社会の進展による判断能
力減退者の増大を背景に,2016年4月,成年後見制度の利用の促進に関する法
律が制定された。同法は,成年後見の理念として,成年被後見人等の他の者と
の平等を旨とした尊厳,成年被後見人等の意思決定の支援と自己決定権の尊重,
身上の保護の重視をかかげ(3条1項),この理念の下で,保佐,補助さらに
任意後見制度の利用促進,欠格条項の見直し,必要な医療や介護が受けられる
ための支援あり方等が検討されることとなっている。この利用促進法の下で,
これらの課題がどのように整理されるのか,その動向に期待したい。
ただし,本書は,成年後見の制度論を解説するものではない。成年後見実務に
おいてしばしば直面するケースを題材にして,成年後見人等が,実際の実務で,
どのような判断の下にどのようなプロセスで対応しているかを示し,またその
裏づけとなる法的制度を解説するものである。成年後見実務上の一般的課題ば
かりでなく,経験のある実務家であっても対処に悩むいわゆる困難事例も取り
上げた。後見実務に携わる実務家が,既に直面しているか,あるいはいつかは
直面するケースである。同時に,本人の意思の尊重と身上保護の調整を現行実
務の中でどのように進めるべきかということに関する課題も提供している。経
験を積み重ねた実務家が提供する有益な実践例として参考にしていただければ
幸いである。
  
2016年9月
赤沼 康弘


編者・執筆者紹介

赤沼康弘:弁護士(東京弁護士会)
土肥尚子:弁護士(東京弁護士会)
相原佳子:弁護士(第一東京弁護士会)  
小山操子:弁護士(大阪弁護士会  
横松昌典:弁護士(第二東京弁護士会)
井上直子:弁護士(東京弁護士会)
田中朝美:弁護士(東京弁護士会),司法書士(東京司法書士会)  
浅田登美子:弁護士(第一東京弁護士会) 
清水光子:弁護士(東京弁護士会)
伊藤よう子:弁護士(東京弁護士会)
小此木清:弁護士(群馬弁護士会)
後藤真紀子:弁護士(東京弁護士会)
熊田 均:弁護士(愛知県弁護士会)
佐々木育子:弁護士(奈良弁護士会)
矢野和雄:弁護士(愛知県弁護士会)
坂井崇徳:弁護士(東京弁護士会)  
吉野 智:弁護士(東京弁護士会)  
岡垣 豊:弁護士(東京弁護士会)
奥田大介:弁護士(東京弁護士会)  
八杖友一:弁護士(第二東京弁護士会)  
坂野征四郎:弁護士(東京弁護士会)  
渡辺裕介:弁護士(熊本県弁護士会)
末長宏章:弁護士(札幌弁護士会)
北野俊光:弁護士(東京弁護士会)  
森 葉子:弁護士(東京弁護士会)  
山本英司:弁護士(東京弁護士会)




詳解 アライアンス契約の実務と条項


詳解 アライアンス契約の実務と条項
編・著者奈良輝久・日下部真治・神田孝・元芳哲郎 編
発行年月2016年10月
ISBN978-4-417-01701-1
税込価格6,372円(本体価格:5,900円)
在庫有り
  
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■解説
企業提携契約作成の指南書!

基本的スキルの向上から最新の理論的問題の理解まで

□主要な契約類型ごとに実践的な設例を掲げ,詳しい解説とともに条文の基本的な
 記載例からバリエーションまでを豊富に掲載。
□契約書作成・チェックの知識,手法,ひな形を基本から体系的に整理。


はしがき
本書は,いわゆるアライアンス契約――企業提携契約――に関する契約書作成
の指南書である。アライアンス契約は,今や,多くの企業間で網の目のように
締結されている契約ないし「契約群」であり,企業法務に携わる者にとって日
常的に扱う,身近な契約ないし「契約群」となっている。したがって,契約書
の作成・チェックが日常的な業務となっている企業法務関係者にとって,基本
的なスキルが要求される業務の一つであると言って過言ではない。
では,かかる現状に対し,専門書が対応できてきたかというと,なるほど,近
時,契約書のドラフトに関する書籍は多数発刊されており,それらの多くは,
アライアンス契約の中核をなす契約――例えば,これを本書について見れば,
フランチャイズ契約,サブ・フランチャイズ契約,技術ランセンス契約等が挙
げられる――に関して触れられてはいる。しかし,ことアライアンス契約(企
業提携契約)という観点に焦点を当てて見てみると,アライアンス契約の契約
書作成,チェックの知識や手法,ひな形について体系的に整理した書籍は未だ
に少なく,企業の法務担当者や弁護士等の実務法曹にとってかゆいところに手
が届く状態からはいまだ程遠い状況にあったと言わざるを得ない。
本書は,常日頃,各種アライアンス契約のドラフト,修正等に携わっている弁
護士が集まり議論しつつ,作成したものであって,アライアンス契約(企業提
携契約)の各種契約書作成,チェックの実務に携わる要点を一通り明らかにし
てある。
また,本書は,総論編(第1章)と各論編(第2章)に分かれているが,総論
編では,秘密保持条項,競業避止義務条項,表明保証条項,完全合意条項等,
アライアンス契約において喫緊の課題となっている理論的な問題についても,
紙数の許す限り突っ込んだ記述を加えており,単に,契約条項のドラフトをす
る上で役に立つ書籍というだけでなく,その条項の文言の背景をなす,理論的,
解釈論上の問題についても,読者において一歩突っ込んだ最新の議論ができる
よう,工夫を凝らしてある。更に,各論においても,冒頭に設例形式で実践的
な問題を設定し,詳しい解説を掲げると共に,解説内で取り上げる条文の記載
例についても,まさに基本となる基本条文のほか,必要に応じ記載例を追加的
に記載するなどして読者の便宜に資するようにしてある。無論,文献,判例等
についても可能な限り引用するよう努めたことは言うまでもない。
本書が,実際に企業法務に携わる者にとって,指南書たり得る書籍であるか否
かは,読者の判断を待つほかないが,筆者らは,自らの業務で使用する際に役
立つ書籍にしようとして本書を作成したのであって,その目的は一定程度,達
成できているのではないか,と自負している。
本書の作成に当たっては,編者に加わっている,日下部真治,元芳哲郎弁護士
の所属するアンダーソン・毛利・友常法律事務所のご厚意により,会議室を提
供していただいたのみならず,同事務所,あるいは他事務所(四樹総合法律会
計事務所等)の若き俊英にも参加していただき,各自,有意義な原稿を作成し
ていただいた。本書は,編者を中心に合計20回を超す編集会議による議論を経
て出来上がったものであり,多忙な業務の合間を使って原稿を用意して下さっ
た方々,議論に参加して下さった方々には,この場を借りて深く御礼申し上げ
る次第である。
最後になるが,本書は,また,青林書院の若き俊英 加藤朋子女史の編集者とし
て類稀な能力に導かれて一冊の書籍として完成したものである。原稿をなかな
か出せずにいた執筆者を叱咤激励して一冊の書籍の完成に導いてくれた加藤女
史の真摯な熱意と努力に,執筆者一同に代わり,深く感謝の意を表させていた
だく。
本書がアライアンス契約実務に携わる企業法務関係者に少しでも役立つことを
希望しつつ,はしがきを終える。

2016年9月
編集者
奈良 輝久
日下部真治
神田  孝
元芳 哲郎



編者・執筆者紹介

編  者
奈良 輝久:四樹総合法律会計事務所
日下部真治:アンダーソン・毛利・友常法律事務所
神田  孝:弁護士法人心斎橋パートナーズ 
元芳 哲郎:アンダーソン・毛利・友常法律事務所
 
執 筆 者(以下,執筆順)
元芳 哲郎:(上掲)
若松  亮:四樹総合法律会計事務所
金子 涼一:アンダーソン・毛利・友常法律事務所 
日下部真治:(上掲)
神田  孝:(上掲)
宮坂 英司:宮坂法律事務所
行村洋一郎:アンダーソン・毛利・友常法律事務所
佐橋 雄介:アンダーソン・毛利・友常法律事務所
林  紘司:四樹総合法律会計事務所
堂免  綾:かなめ総合法律事務所
奈良 輝久:(上掲)
池田 亮平:アンダーソン・毛利・友常法律事務所 
林  達朗:アンダーソン・毛利・友常法律事務所


新・注解 商標法 (上巻)


新・注解 商標法 (上巻)
編・著者小野昌延・三山峻司 編
発行年月2016年09月
ISBN978-4-417-01696-0
税込価格16,200円(本体価格:15,000円)
在庫有り
  
在庫があります

■解説
○商標法の理論・実務を細大漏らさず取り込んだ最新作。
○膨大な文献・審決判例を徹底網羅,逐条解説の到達点を示す。
○序章・第1条〜第35条を収録。
○第一線の研究者・実務家によるわが国最大級の新・商標法コンメンタール。


はしがき
「ブランド(brand)」は,元来「brander」という古代ノルド
語から生まれた言葉で,「焼きごて」や「焼き印」の意味であったが,今日
の「ブランディング」や「ブランド・イメージ」という言葉に表わされる「
ブランド」は,まったく元来の言葉を超えた意味のものとして用いられてい
る。
「ブランド」が元来の意味を超え,変形し,発展して用いられているように

「商標法」も新しい観点から考える時期に発展してきている。それは,より
広い「表示法」の一つとして,暖簾の保護の観点にとどまらず,消費者保護
の観点を取入れるべきである。
これは編者である私の考えなのか,解釈論か立法論かなどの議論はあろうが
,そのまえに,早急に解決すべき実務問題が山積みしている。
というのは,この10年の間に,毎年のように商標法の改正がなされた。
また,審査基準も,次々と改定された。最高裁判所の判決によって,解決さ
れた問題もあった。
そこで,注釈書としては最も詳細なものであった旧版は,その一部では,使
用に堪えないものとなった。そこで,これらの問題の解説に,当代一流の多
くの専門家の御協力を願った。その結果旧版上下巻にはない改訂と,旧版上
下巻でほとんど改訂を要しないが,ここ10年間の補訂を行ったゆえに,増
頁になったものの,旧版を引用するなどして,極力上・下2巻にとどめた。
次はどうしても3巻になるかもしれない。
そこで,注釈書としては最も詳細であった旧版の内容を引用することによっ
て,これを補い,なおこの10年の間にお亡くなりになった方の代わりの方
を選ぶなどの作業のために,このたび三山峻司氏に編者に加わっていただい
た。その編集的努力と共に,注解書の参考文献や事項索引など全般に亘る調
整にあたっていただいた。これだけでも,本書の価値は極めて大きくなった。
これらは同氏の個人的な労力と高い能力の提供による。
いち早く原稿を提出下さった執筆者には,校正中に数次の審査基準の改定に
ともなう訂正などの御迷惑をおかけし,かつ,当該分野では専門家中の専門
家であるので,執筆過程で出てきた修正を加えたい要求にも,時間的な関係
で,かつ,全体との調整のため必ずしも応えられなかったところがあった。
残念ながら将来の問題とした。次回に,改訂の機会があれば,今回は御海容
願い,次の改訂に是非とも御参加賜りたい。この場をお借りしてお詫び申し
上げる。
最後に,本書の作成に携わっていただいた青林書院編集関係者の方々に,
厚く御礼申し上げる。

  平成28年8月
小野 昌延  


編集者
小野 昌延:弁護士・法学博士
三山 峻司:弁護士・弁理士・京都産業大学大学院法務研究科教授


執筆者
小野 昌延:上掲

福井 陽一:弁理士
茶園 成樹:大阪大学大学院高等司法研究科教授
宮脇 正晴:立命館大学法学部教授
末吉  亙:弁護士
井関 涼子:同志社大学法学部教授
小松陽一郎:弁護士・弁理士
工藤 莞司:弁理士・首都大学東京法科大学院講師
樋口 豊治:弁理士
齋藤  恵:弁理士
竹内 耕三:大阪大学大学院高等司法研究科客員教授・弁理士
後藤 晴男:弁護士・弁理士
平山 啓子:弁理士
松尾 和子:弁護士・弁理士
三山 峻司:上 掲
泉  克幸:京都女子大学法学部教授
伊原 友己:弁護士・弁理士
藤本  昇:弁理士
山田威一郎:弁護士・弁理士
盛岡 一夫:東洋大学名誉教授
田倉  整:弁護士
眦帖―ぜ:弁理士
藤田 晶子:日本大学法学部大学院知的財産研究科准教授・弁護士
押本 泰彦:弁理士
三山 裕三:弁護士
松村 信夫:大阪市立大学大学院特任教授・弁護士・弁理士
南川 博茂:弁護士
平野 惠稔:弁護士
重冨 貴光:弁護士・弁理士
溝上 哲也:弁護士・弁理士
小池  豊:弁護士
町田 健一:弁護士
鈴木 將文:名古屋大学大学院法学研究科教授
齊藤  整:弁理士
大西 育子:弁理士・博士(経営法)
三上 真毅:弁理士
村林 楼譟Ц喫杆郢
井上 裕史:弁護士・弁理士
古関  宏:弁理士
木棚 照一:名古屋学院大学法学部教授・早稲田大学名誉教授・弁護士
並川 鉄也:大阪大学知的財産センター客員教授・弁理士
松井 宏記:弁理士
川瀬 幹夫:弁理士
田倉  保:弁護士・弁理士
塩月 秀平:弁護士
岩坪  哲:弁護士・弁理士
小泉 直樹:慶應義塾大学大学院法務研究科教授
杉本ゆみ子:弁理士
高橋 康夫:弁理士
足立  泉:弁理士
中川 博司:弁理士
竹原  懋:弁理士
中村  仁:弁理士
川本真由美:弁理士
下坂スミ子:弁理士
愛知 靖之:京都大学大学院法学研究科教授
小橋 常和:東京高等検察庁検事
山名 論平:広島地方検察庁検事
     (上・下巻すべての執筆順)






新・注解 商標法 (下巻)


新・注解 商標法 (下巻)
編・著者小野昌延・三山峻司 編
発行年月2016年09月
ISBN978-4-417-01697-7
税込価格15,120円(本体価格:14,000円)
在庫有り
  
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■解説
○商標法の理論・実務を細大漏らさず取り込んだ最新作。
○膨大な文献・審決判例を徹底網羅,逐条解説の到達点を示す。
○第36条〜第85条,事項索引,判例索引を収録。
○第一線の研究者・実務家によるわが国最大級の新・商標法コンメンタール。


はしがき
「ブランド(brand)」は,元来「brander」という古代ノルド
語から生まれた言葉で,「焼きごて」や「焼き印」の意味であったが,今日
の「ブランディング」や「ブランド・イメージ」という言葉に表わされる「
ブランド」は,まったく元来の言葉を超えた意味のものとして用いられてい
る。
「ブランド」が元来の意味を超え,変形し,発展して用いられているように

「商標法」も新しい観点から考える時期に発展してきている。それは,より
広い「表示法」の一つとして,暖簾の保護の観点にとどまらず,消費者保護
の観点を取入れるべきである。
これは編者である私の考えなのか,解釈論か立法論かなどの議論はあろうが
,そのまえに,早急に解決すべき実務問題が山積みしている。
というのは,この10年の間に,毎年のように商標法の改正がなされた。
また,審査基準も,次々と改定された。最高裁判所の判決によって,解決さ
れた問題もあった。
そこで,注釈書としては最も詳細なものであった旧版は,その一部では,使
用に堪えないものとなった。そこで,これらの問題の解説に,当代一流の多
くの専門家の御協力を願った。その結果旧版上下巻にはない改訂と,旧版上
下巻でほとんど改訂を要しないが,ここ10年間の補訂を行ったゆえに,増
頁になったものの,旧版を引用するなどして,極力上・下2巻にとどめた。
次はどうしても3巻になるかもしれない。
そこで,注釈書としては最も詳細であった旧版の内容を引用することによっ
て,これを補い,なおこの10年の間にお亡くなりになった方の代わりの方
を選ぶなどの作業のために,このたび三山峻司氏に編者に加わっていただい
た。その編集的努力と共に,注解書の参考文献や事項索引など全般に亘る調
整にあたっていただいた。これだけでも,本書の価値は極めて大きくなった。
これらは同氏の個人的な労力と高い能力の提供による。
いち早く原稿を提出下さった執筆者には,校正中に数次の審査基準の改定に
ともなう訂正などの御迷惑をおかけし,かつ,当該分野では専門家中の専門
家であるので,執筆過程で出てきた修正を加えたい要求にも,時間的な関係
で,かつ,全体との調整のため必ずしも応えられなかったところがあった。
残念ながら将来の問題とした。次回に,改訂の機会があれば,今回は御海容
願い,次の改訂に是非とも御参加賜りたい。この場をお借りしてお詫び申し
上げる。
最後に,本書の作成に携わっていただいた青林書院編集関係者の方々に,
厚く御礼申し上げる。

  平成28年8月
小野 昌延


編集者
小野 昌延:弁護士・法学博士
三山 峻司:弁護士・弁理士・京都産業大学大学院法務研究科教授

執筆者
小野 昌延:上掲
福井 陽一:弁理士
茶園 成樹:大阪大学大学院高等司法研究科教授
宮脇 正晴:立命館大学法学部教授
末吉  亙:弁護士
井関 涼子:同志社大学法学部教授
小松陽一郎:弁護士・弁理士
工藤 莞司:弁理士・首都大学東京法科大学院講師
樋口 豊治:弁理士
齋藤  恵:弁理士
竹内 耕三:大阪大学大学院高等司法研究科客員教授・弁理士
後藤 晴男:弁護士・弁理士
平山 啓子:弁理士
松尾 和子:弁護士・弁理士
三山 峻司:上 掲
泉  克幸:京都女子大学法学部教授
伊原 友己:弁護士・弁理士
藤本  昇:弁理士
山田威一郎:弁護士・弁理士
盛岡 一夫:東洋大学名誉教授
田倉  整:弁護士
眦帖―ぜ:弁理士
藤田 晶子:日本大学法学部大学院知的財産研究科准教授・弁護士
押本 泰彦:弁理士
三山 裕三:弁護士
松村 信夫:大阪市立大学大学院特任教授・弁護士・弁理士
南川 博茂:弁護士
平野 惠稔:弁護士
重冨 貴光:弁護士・弁理士
溝上 哲也:弁護士・弁理士
小池  豊:弁護士
町田 健一:弁護士
鈴木 將文:名古屋大学大学院法学研究科教授
齊藤  整:弁理士
大西 育子:弁理士・博士(経営法)
三上 真毅:弁理士
村林 楼譟Ц喫杆郢
井上 裕史:弁護士・弁理士
古関  宏:弁理士
木棚 照一:名古屋学院大学法学部教授・早稲田大学名誉教授・弁護士
並川 鉄也:大阪大学知的財産センター客員教授・弁理士
松井 宏記:弁理士
川瀬 幹夫:弁理士
田倉  保:弁護士・弁理士
塩月 秀平:弁護士
岩坪  哲:弁護士・弁理士
小泉 直樹:慶應義塾大学大学院法務研究科教授
杉本ゆみ子:弁理士
高橋 康夫:弁理士
足立  泉:弁理士
中川 博司:弁理士
竹原  懋:弁理士
中村  仁:弁理士
川本真由美:弁理士
下坂スミ子:弁理士
愛知 靖之:京都大学大学院法学研究科教授
小橋 常和:東京高等検察庁検事
山名 論平:広島地方検察庁検事
      (上・下巻すべての執筆順)


  


情報・コンテンツの公正利用の実務


情報・コンテンツの公正利用の実務
編・著者上村哲史・齋藤浩貴 編著
発行年月2016年09月
ISBN978-4-417-01698-4
税込価格4,536円(本体価格:4,200円)
在庫有り
  
在庫があります

■解説
○他人の情報・コンテンツを利用する場合(複製,試験・検定,出所,キャラ
 クター,コンペ,企画書,フリー素材,3Dプリント,写り込み,写し込み,
 パロディ,フェアユース,引用,転載,テレビ番組,社内研修,商品画像,検
 索エンジン,まとめサイト,リンク,プロバイダ責任,オンラインゲーム,動
 画投稿サイト,キュレーション,ストレージサービス,メタタグ・・・),何に
 留意すればいいのか―?
○基本的な法的知識と実務上問題となる具体例を網羅的に解説!


はしがき
情報・コンテンツを利用する場合において,権利者の許諾を得る必要があるの
か(許諾を得なければ権利侵害となるのか)というのは,情報・コンテンツを
取り扱うすべての事業者にとって常に悩ましい問題です。
そのため,当職らの下にも,日々,情報・コンテンツを取り扱う事業者から様
々な疑問や相談が寄せられています。
そこで,これらの疑問や相談に応えるべく,権利者の許諾を得る必要のない情
報・コンテンツの利用(以下「公正利用」といいます)とはどのようなものか
,公正利用といえるためにはどのような要件が必要なのか,などの考え方を整
理することといたしました。
本書は,様々な読者を想定し,仝正利用といえるかを判断するのに必要とな
る基本的な法的知識を解説する「基礎編」と,公正利用といえるかが実務上
問題となり得る具体的なケースについてQ&A形式で解説する「実務編」との大
きく2つのパートに分けて構成されています。
そして,本書がこの一冊に当たれば公正利用の大抵のことがわかる本となるこ
と(公正利用の「バイブル」となること)を目指し,本書Q&Aでは,情報・コ
ンテンツの公正利用に関する様々な問題をできる限り網羅的に取り上げていま
す。解説にあたっては,高度化するネットワーク社会において,権利者の権利
を適切に保護するとともに,公正な利用を適切に行うことによって文化の発展
を図るという,権利者・利用者双方の利益の調整に由来する法システムと実務
の状況を明らかにするよう努めました。
もっとも,すべての問題を完全にカバーすることは不可能であり,また,時代
とともに,公正な利用の範囲に関する考え方や裁判例も変遷し,新しい論点が
発生する可能性もありますので,もし版を重ねる機会がありましたら,かかる
時代の変遷もふまえ,より一層のQ&Aの拡充を図っていきたいと思っています。
当職らといたしましては,本書が情報・コンテンツを取り扱う事業者の悩みを
解決し,事業者において情報・コンテンツを安心して利用する一助となれば幸
甚です。
最後に,本書の刊行に向けて,ご尽力いただきました青林書院編集部の長島晴
美氏に,心からお礼を申し上げる次第です。

  平成28年8月

執筆者代表  齋藤 浩貴
上村 哲史


編著者
齋藤 浩貴:弁護士 森・濱田松本法律事務所 パートナー
上村 哲史:弁護士 森・濱田松本法律事務所 パートナー

執筆者
池村  聡:弁護士 森・濱田松本法律事務所 
佐々木 奏:弁護士 森・濱田松本法律事務所 アソシエイト
田中 浩之:弁護士 森・濱田松本法律事務所 アソシエイト
桑原 秀明:弁護士 森・濱田松本法律事務所 アソシエイト
嶋村 直登:弁護士 森・濱田松本法律事務所 アソシエイト
呂   佳叡:弁護士 森・濱田松本法律事務所 アソシエイト


法人破産申立て実践マニュアル


法人破産申立て実践マニュアル 法人破産申立ての羅針盤。
編・著者野村剛司 編著
発行年月2016年09月
ISBN978-4-417-01691-5
税込価格4,860円(本体価格:4,500円)
在庫有り
  
在庫があります

■解説
○法人破産申立てを実践するための知識とノウハウを一挙公開。
 後継の破産管財業務との連携も含めて解説した本格的な内容。
○『破産管財実践マニュアル』の共著者である野村剛司弁護士が主宰する
 「なのはな勉強会」の実践的研究成果の集大成。


はしがき
近年,破産申立てにおける申立代理人の義務や責任の問題がクローズアップ
されています。確かに,義務や責任の問題も重要ですが,それは大前提とし
て,実務上,申立代理人として普通のことを普通に処理する,もう少し上手
に処理する,さらによりよく処理する,という観点が重要だと常々考えてお
ります。
この点,法人破産申立てにおける申立代理人の活動として何が普通なのか,
どこに注意し,何を考えて行動したらよいのかという点自体が十分に認識さ
れていないのではないかと思われ,危機感を抱いておりました。
これまで企画した『破産管財実践マニュアル』〔第2版〕と『民事再生実践
マニュアル』がご支持いただけたのは,当たり前のことが丁寧に説明され,
それを基礎にさらによりよい実務を目指す方向性が明確だったからだと思い
ます。本書の目指す方向性も同じです。申立代理人は,様々な検討や配慮を
して行動していますが,その行動の一つ一つに意味合いがあることを認識し
ていただけると今後のよりよい倒産処理実務に繋がっていくと思います。破
産管財人は一定の経験を積んだ弁護士が選任されますが,申立代理人は弁護
士誰もが担当する可能性がありますので,特に大切ではないかと考えており
ます。
本書は,大きく5部構成となっています。第1部の「総論―法人破産申立て
概説」は,編著者である筆者がこれまでに書いた論文や研修会等で話したと
ころをまとめたもので,法人破産申立ての全体像や申立代理人の役割,心構
えをわかっていただけると思います。また,密行型とオープン型を明確に捉
えています。第2部の「破産申立ての基礎知識」は,破産法の基礎知識と法
人破産の利害関係人をコンパクトにまとめています。第3部の「相談と手続
選択」では,初めから破産ありきではなく,事業再生の可能性を探り,最後
の手段として破産があることを認識いただきます。そして,破産を選択せざ
るを得なくなった場合に,第4部の「法人破産申立て」において,密行型と
オープン型の違いを意識しつつ,申立代理人の活動につき詳細に説明してい
ます(破産管財人の立場からのコメントも付しています)。第5部の「資料
集」では,実践的な書式や資料を紹介していますので,参考にし,事案に応
じて適宜修正してご利用ください。
事業破綻時の混乱の中で,本書に記載したことのすべてがそのとおりできる
わけではないでしょうが,常に意識し,考えて行動するのと,気付かずにス
ルーしてしまうのとでは大きな違いがあると思います。
ここで,本書の執筆者が集う「なのはな勉強会」の成り立ちを紹介しておき
たいと思います。
筆者は,平成20年から同志社大学法科大学院,平成21年から神戸大学法
科大学院の非常勤講師として,大阪大学法科大学院では何度かゲストスピー
カーとして,実務家の目から倒産法の授業や演習を担当し,また,司法修習
生の修習担当もし,多くの教え子が法曹となり活躍しています。単にロース
クールの教師と学生という関係や司法修習の修習担当と修習生という関係だ
けでなく,その縁を大切に,法曹となった後も,理論の裏打ちを前提とする
,実務的な感覚の共有を図る場を設けたほうがよいと考え,平成24年1月
から,「なのはな勉強会」を始めました。この勉強会の約5年間の成果物が
本書となります。
本書は,署名原稿で,執筆担当の文責となっていますが,原稿が出来上がる
までの過程では,各執筆者が勉強会で発表し,忌憚のない意見交換が行われ
,筆者も「毎日コメント」と題して日々思うところを勉強会のメーリングリ
ストに投稿し,その気付きの中で,原稿が修正されるということが繰り返さ
れました(数多くのボツ原稿があります)。最後まで自らの力で原稿を書き
上げた彼らは,その過程で格段に成長したと思います。もちろん,まだまだ
粗削りの面は否めませんが,今後も経験を重ね,磨かれていくものと期待し
ております。
本書は,申立代理人となる弁護士を対象とした本ですが,破産管財人となっ
た弁護士,裁判官,裁判所書記官,破産事件における数多くの利害関係人と
幅広くご利用いただけますと幸いです。今後もよりよい法人破産申立てが実
践されることにより,倒産処理制度に対する国民の信頼が得られるよう執筆
者一同精進したいと思います。
最後になりましたが,本企画を快くお引き受けいただいた株式会社青林書院
及び編集長の宮根茂樹氏に感謝申し上げます。また,数多くの意見や情報を
提供いただいた「なのはな勉強会」のメンバーにも感謝したい。

平成28年8月
野村 剛司


編著者
野村 剛司:弁護士 なのはな法律事務所

■執筆者
田口 靖晃:弁護士 盒響躪臻[Щ務所
須磨 美月:弁護士 大水綜合法律事務所
西村 一彦:弁護士 くすのき法律事務所
藤田 温香:弁護士 岩本法律事務所 
小西  宏:弁護士 グローバル法律事務所
津田 一史:弁護士 林邦彦法律事務所
西原 文子:弁護士 太田・柴田・林法律事務所 
西村 雄大:弁護士 梅田法律事務所 
林  祐樹:弁護士 共栄法律事務所 
林  良介:弁護士 樹陽法律事務所 
赤木 翔一:弁護士 辰野・尾崎・藤井法律事務所 
尾形 優造:弁護士 弁護士法人大江橋法律事務所
河端  直:弁護士 弁護士法人なにわ共同法律事務所 
龍村 昭子:弁護士 弁護士法人淺田法律事務所 
冨田 信雄:弁護士 弁護士法人関西法律特許事務所 





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