大コンメンタール刑事訴訟法〔第三版〕第1巻

大コンメンタール刑事訴訟法〔第三版〕第1巻

大コンメンタール刑事訴訟法〔第三版〕〔全11巻〕

  • 編・著者中山善房・古田佑紀・原田國男・河村博・川上拓一・田野尻猛 編
  • 判型A5判
  • ページ数730頁
  • 税込価格13,200円(本体価格:12,000円)
  • 発行年月2022年06月
  • ISBN978-4-417-01838-4
  • 在庫

    有り

■解説

待望の第三版刊行開始!
捜査・公判協力型協議・合意制度の導入をはじめ, 刑事司法における実務の変化に応える本格的注釈書!

●最新の法律及び規則の改正を盛り込むとともに,近時の判例・学説も取り入れて全
 11巻を全面的に改訂・増補。
●実務の動向を踏まえ,現行刑事訴訟法の客観 的な解釈・運用について詳細に解説し,
 利用価値の高いコンメンタールをめざす。


大コンメンタール刑事訴訟法〔第三版〕【全11巻】
★第1巻〈第1条〜第56条〉
第2巻〈第57条〜第127条〉
第3巻〈第128条〜第188条の7〉
第4巻〈第189条〜第246条〉
第5巻〈第247条〜第281条の6〉
第6巻〈第282条〜第316条〉
第7巻〈第316条の2〜第328条〉
第8巻〈第329条〜第350条の29〉
第9巻〈第351条〜第434条〉
第10巻〈第435条〜第507条〉
第11巻〈刑事訴訟特別法〉



第三版はしがき
 本書の初版(全8巻)の第1回刊行から四半世紀が経過して,裁判員制度の
導入などの刑事手続の大きな改正が相次ぎ,刑事司法の実務はその姿を大きく
変えた。一部とはいえ,検察官と被疑者との間でいわゆる司法取引が行われ,
また一般の国民から選任された裁判員が法壇に座って事前に整理された争点を
中心とした集中審理が行われるという今日の捜査・公判の形は,初版刊行の当
時においては到底現実感を持って想像できなかった姿と言っても過言ではない
であろう。
 そのような変化の中にあって,本コンメンタールは,刑事訴訟法の解釈・運
用の状況を的確に示すものとして,幸いにも多くの実務家及び研究者の方々に
参照され,支持されてきたものと自負している。
 本コンメンタールは,第二版(全11巻)の刊行により,法律及び諸規則の改
正や判例・学説の動きに合わせ,アップデートを行ったが,第二版の第1回刊
行から10年が経過し,この間,実務においては裁判員裁判の定着と運用の改善
が進められるとともに,立法においては,実体法の改正に伴うものを含め,累
次にわたり注目すべき改正が行われてきた。中でも,協議・合意制度や取調べ
の録音・録画制度の導入など,法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」
の調査審議の結果に基づく刑事訴訟法等の改正(平成28年法律第54号)は,裁
判員制度を導入するなどした司法制度改革以上に,より直接的に捜査実務に変
化をもたらしており,この改正を機に,第二版の内容を全面的に見直して改訂
を図り,最新の法令,判例,学説はもとより実務の動向をも織り込んで現行刑
事訴訟法の客観的な解釈・運用状況を明確にし,利用価値の一層高いコンメン
タールを目指し,第三版を刊行することとした。
 第三版では,平成23年法律第74号以降の改正を取り扱っているが,同法は,
サイバー犯罪その他の情報処理の高度化に伴う犯罪等に対処するための刑法及
び刑事訴訟法の改正等を内容とするものであり,また,第二版刊行後の最重要
判例の一つである最〔大〕判平29・3・15集71巻3号13頁も,GPS捜査を題材
として,強制処分と任意処分の限界について,最高裁が判断を示したもので,
刑事訴訟法及び刑事司法の実務も,情報通信技術の高度化,国際化など社会の
変化に大きく影響を受けていることが特徴的である。
 第三版の編集・解説の方針も,基本的に初版・第二版と同様であるが,実務
に精通した第一線の執筆陣を新たに迎え,最新の法令,判例,学説,実務の動
向を幅広く盛り込み,今日の刑事訴訟法の解釈・運用の到達点を的確に描出す
るようお願いした。
 この第三版が,初版及び第二版と同様,実務家及び研究者の方々に広く支持
され,活用されることを切に願うものである。

 2022年5月 
 中山 善房 
 古田 佑紀 
 原田 國男 
 河村  博 
 川上 拓一 
 田野尻 猛 


編集者 
中山 善房 元東京高等裁判所判事
古田 佑紀 弁護士・元最高裁判所判事
原田 國男 弁護士・元東京高等裁判所判事
河村  博 弁護士・元名古屋高等検察庁検事長
川上 拓一 弁護士・早稲田大学名誉教授
田野尻 猛 最高検察庁検事

執筆者 
中山 善房 前掲
永井 敏雄 弁護士・元広島高等裁判所長官
石井 俊和 東京高等裁判所判事
河村  博 前掲
  (河上 和雄〔第二版執筆〕)
辻  裕教 仙台高等検察庁検事長
(所属・肩書きは本書刊行時)







■書籍内容

第1編 総  則
〔総則 前注〕

第1条 〔この法律の目的〕

第1章 裁判所の管轄

〔第2条─第19条 前注〕
第2条 〔土地管轄〕
第3条 〔関連事件の併合管轄〕
第4条 〔審判の分離〕
第5条 〔審判の併合〕
第6条 〔関連事件の併合管轄〕
第7条 〔審判の分離〕
第8条 〔審判の併合〕
第9条 〔関連事件〕
第10条 〔同一事件と数個の訴訟係属〕
第11条 〔同一事件と数個の訴訟係属〕
第12条 〔管轄区域外の職務執行〕
第13条 〔管轄違いと訴訟手続の効力〕
第14条 〔管轄違いと要急処分〕
第15条 〔管轄指定の請求〕
第16条 〔管轄指定の請求〕
第17条 〔管轄移転の請求〕
第18条 〔管轄移転の請求〕
第19条 〔事件の移送〕

第2章 裁判所職員の除斥及び忌避

〔第20条─第26条 前注〕
第20条 〔除斥の原因〕
第21条 〔忌避の原因,忌避申立権者〕
第22条 〔忌避申立ての時期〕
第23条 〔忌避申立てに対する決定〕
第24条 〔簡易却下手続〕
第25条 〔即時抗告〕
第26条 〔裁判所書記官の除斥・忌避〕

第3章 訴訟能力

〔第27条─第29条 前注〕
第27条 〔法人と訴訟行為の代表〕
第28条 〔意思無能力者と訴訟行為の代理〕
第29条 〔特別代理人〕

第4章 弁護及び補佐

〔第30条─第42条 前注〕
第30条 〔弁護人選任の時期,選任権者〕
第31条 〔資格,特別弁護人〕
第31条の2 〔弁護人選任の申出〕第32条 
第33条 〔主任弁護人〕
第34条 〔主任弁護人の権限〕
第35条 〔弁護人の数の制限〕
第36条 〔被告人の国選弁護〕
第36条の2 〔資力申告書の提出〕
第36条の3 〔私選弁護人選任申出の前置〕
第37条 〔職権による選任〕
第37条の2 〔被疑者の国選弁護〕
第37条の3 〔選任請求の手続〕
第37条の4 〔職権による選任〕
第37条の5 〔複数の弁護人の選任〕
第38条 〔国選弁護人の資格・報酬等〕
第38条の2 〔選任の効力の終期〕
第38条の3 〔弁護人の解任〕
第38条の4 〔虚偽の資力申告書の提出に対する制裁〕
第39条 〔被告人・被疑者との接見交通〕
第40条 〔書類・証拠物の閲覧・謄写〕
第41条 〔独立行為権〕
第42条 〔補佐人〕

第5章 裁  判

〔第43条─第46条 前注〕
第43条 〔判決・決定・命令〕
第44条 〔裁判の理由〕
第45条 〔判事補の権限〕
第46条 〔裁判書謄本等の請求〕
第6章 書類及び送達

〔第47条─第54条 前注〕
第47条 〔訴訟書類の非公開〕
第48条 〔公判調書の作成・整理〕
第49条 〔公判調書閲覧権〕
第50条 〔公判調書未整理の場合の当事者の権利〕
第51条 〔公判調書の記載に対する異議申立て〕
第52条 〔公判調書の証明力〕
第53条 〔訴訟記録の公開〕
第53条の2 〔個人情報保護法・公文書管理法の適用除外〕
第54条 〔送達〕

第7章 期  間

〔第55条─第56条 前注〕
第55条 〔期間の計算〕
第56条 〔法定期間の延長〕

判例索引