
大コンメンタール刑事訴訟法〔第三版〕第6巻
- 編・著者中山善房・古田佑紀・原田國男・河村博・川上拓一・田野尻猛 編
- 判型A5判
- ページ数706頁
- 税込価格13,750円(本体価格:12,500円)
- 発行年月2022年07月
- ISBN978-4-417-01839-1
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有り
■解説
待望の第三版刊行開始!
捜査・公判協力型協議・合意制度の導入をはじめ, 刑事司法における実務の変化に応える本格的注釈書!
●最新の法律及び規則の改正を盛り込むとともに,近時の判例・学説も取り入れて全11巻を全面的に改訂・増補。
●実務の動向を踏まえ,現行刑事訴訟法の客観 的な解釈・運用について詳細に解説し,利用価値の高いコンメンタールをめざす。
大コンメンタール刑事訴訟法〔第三版〕【全11巻】
第1巻〈第1条〜第56条〉
第2巻〈第57条〜第127条〉
第3巻〈第128条〜第188条の7〉
第4巻〈第189条〜第246条〉
第5巻〈第247条〜第281条の6〉
★第6巻〈第282条〜第316条〉
第7巻〈第316条の2〜第328条〉
第8巻〈第329条〜第350条の29〉
第9巻〈第351条〜第434条〉
第10巻〈第435条〜第507条〉
第11巻〈刑事訴訟特別法〉
第三版はしがき
本書の初版(全8巻)の第1回刊行から四半世紀が経過して,裁判員制度の導入などの刑事手続の大きな改正が相次ぎ,刑事司法の実務はその姿を大きく変えた。一部とはいえ,検察官と被疑者との間でいわゆる司法取引が行われ,また一般の国民から選任された裁判員が法壇に座って事前に整理された争点を中心とした集中審理が行われるという今日の捜査・公判の形は,初版刊行の当時においては到底現実感を持って想像できなかった姿と言っても過言ではないであろう。
そのような変化の中にあって,本コンメンタールは,刑事訴訟法の解釈・運用の状況を的確に示すものとして,幸いにも多くの実務家及び研究者の方々に参照され,支持されてきたものと自負している。
本コンメンタールは,第二版(全11巻)の刊行により,法律及び諸規則の改正や判例・学説の動きに合わせ,アップデートを行ったが,第二版の第1回刊行から10年が経過し,この間,実務においては裁判員裁判の定着と運用の改善が進められるとともに,立法においては,実体法の改正に伴うものを含め,累次にわたり注目すべき改正が行われてきた。中でも,協議・合意制度や取調べの録音・録画制度の導入など,法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」の調査審議の結果に基づく刑事訴訟法等の改正(平成28年法律第54号)は,裁判員制度を導入するなどした司法制度改革以上に,より直接的に捜査実務に変化をもたらしており,この改正を機に,第二版の内容を全面的に見直して改訂を図り,最新の法令,判例,学説はもとより実務の動向をも織り込んで現行刑事訴訟法の客観的な解釈・運用状況を明確にし,利用価値の一層高いコンメンタールを目指し,第三版を刊行することとした。
第三版では,平成23年法律第74号以降の改正を取り扱っているが,同法は,サイバー犯罪その他の情報処理の高度化に伴う犯罪等に対処するための刑法及び刑事訴訟法の改正等を内容とするものであり,また,第二版刊行後の最重要判例の一つである最〔大〕判平29・3・15集71巻3号13頁も,GPS捜査を題材として,強制処分と任意処分の限界について,最高裁が判断を示したもので,刑事訴訟法及び刑事司法の実務も,情報通信技術の高度化,国際化など社会の変化に大きく影響を受けていることが特徴的である。
第三版の編集・解説の方針も,基本的に初版・第二版と同様であるが,実務に精通した第一線の執筆陣を新たに迎え,最新の法令,判例,学説,実務の動向を幅広く盛り込み,今日の刑事訴訟法の解釈・運用の到達点を的確に描出するようお願いした。
この第三版が,初版及び第二版と同様,実務家及び研究者の方々に広く支持され,活用されることを切に願うものである。
2022年7月
中山 善房
古田 佑紀
原田 國男
河村 博
川上 拓一
田野尻 猛
■編集者
中山 善房 元東京高等裁判所判事
古田 佑紀 弁護士・元最高裁判所判事
原田 國男 弁護士・元東京高等裁判所判事
河村 博 弁護士・元名古屋高等検察庁検事長
川上 拓一 弁護士・早稲田大学名誉教授
田野尻 猛 最高検察庁検事
■執筆者(第6巻)
高橋 省吾 弁護士・元東京高等裁判所判事
白木 功 公証人・元最高検察庁検事
石井 俊和 東京高等裁判所判事
田野尻 猛 前掲
(吉田 雅之〔第二版執筆〕)
辻 裕教 仙台高等検察庁検事長
■書籍内容
第2編 第一審
第3章 公 判
第1節 公判準備及び公判手続
第282条〔公判廷〕
第283条〔被告人たる法人と代理人の出頭〕
第284条〔軽微事件における出頭義務の免除・代理人の出頭〕
第285条〔出頭義務とその免除〕
第286条〔被告人の出頭の権利義務〕
第286条の2〔出頭拒否と公判手続〕
第287条〔身体の不拘束〕
第288条〔被告人の在廷義務,法廷警察権〕
第289条〔必要的弁護〕
第290条〔任意的国選弁護〕
第290条の2〔公開の法廷における被害者特定事項の秘匿〕
第290条の3〔公開の法廷における証人等特定事項の秘匿〕
第291条〔冒頭手続〕
第291条の2〔簡易公判手続の決定〕
第291条の3〔決定の取消し〕
第292条〔証拠調べ〕
第292条の2〔被害者等による被害に関する心情その他の意見の陳述〕
第293条〔弁論〕
第294条〔訴訟指揮権〕
第295条〔弁論等の制限〕
第296条〔検察官の冒頭陳述〕
第297条〔証拠調べの範囲・順序・方法の予定とその変更〕
第298条〔証拠調べの請求,職権証拠調べ〕
第299条〔同前と当事者の権利〕
第299条の2〔証人等の身体・財産への加害行為等の防止のための措置〕
第299条の3〔証拠開示等の際の被害者特定事項の秘匿の要請〕
第299条の4〔証人等の氏名・住居の開示に係る措置〕
第299条の5〔裁判所による裁定〕
第299条の6〔書類・証拠物,公判調書の閲覧等の制限〕
第299条の7〔弁護人の違反行為に対する処置〕
第300条〔証拠調べの請求の義務〕
第301条〔自白と取調べの請求の制限〕
第301条の2〔取調べの録音・録画制度〕
第302条〔捜査記録の一部についての証拠調べの請求〕
第303条〔公判準備の結果と証拠調べの必要〕
第304条〔人的証拠に対する証拠調べの方式〕
第304条の2〔被告人の退廷〕
第305条〔証拠書類に対する証拠調べの方式〕
第306条〔証拠物に対する証拠調べの方式(1)〕
第307条〔証拠物に対する証拠調べの方式(2)〕
第307条の2〔簡易公判手続〕
第308条〔証明力を争う権利〕
第309条〔証拠調べに関する異議申立て,裁判長の処分に対する異議申立て〕
第310条〔証拠調べを終わった証拠の提出〕
第311条〔被告人の黙秘権・供述拒否権,被告人質問〕
第312条〔起訴状の変更〕
第313条〔弁論の分離・併合・再開〕
第313条の2〔国選弁護人選任の効力〕
第314条〔公判手続の停止〕
第315条〔公判手続の更新〕
第315条の2〔簡易公判手続の決定の取消しと公判手続の更新〕
第316条〔合議制事件と1人の裁判官の手続の効力〕