青林書院



実例 少年法


実例 少年法
 
編・著者河原 俊也 編著
判 型A5判
ページ数292頁
税込価格4,180円(本体価格:3,800円)
発行年月2023年07月
ISBN978-4-417-01861-2
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■解説
「令和の少年実務」の実情を分かりやすく詳解!
●事件処理において比較的よく生じる問題や法改正に伴って生じてきた問題を
 取り上げ、実務的な解決の一例を示す
●第1編「設問と解説」は、少年事件を現に担当している裁判官が、第2編「特別
 論稿」は、ベテラン刑事裁判官、少年事件に精通した研究者、弁護士が執筆
●少年事件を担当するに当たってよき「相談相手」となる1冊


はしがき
 昭和40年代以降、少年事件の数は基本的に減少し続けており、家庭裁判所で
も、職種を問わず、少年事件を担当する者の数が減少している。その結果、
実務的なノウハウ等の継承が難しくなっており、知識や経験が乏しい裁判官
が、どんなに難しい事件であっても、相談相手や手ごろな文献の乏しい状況
で処理に当たらなければならないという事態は少なくない。
 他方、少年事件と同様、比較的若手の法曹が担当することの多い令状事件に
ついては、実務上相応に発生する問題を取り上げて解説をしている書籍が多数
刊行されており、それらを読めば、実務経験等が乏しい者であっても、判例、
学説等を容易に調べて適切な事件処理ができる状況にある。
 以上のような問題意識から、少年事件の処理に当たって比較的よく生ずる問
題や最近の法改正に伴って生じてきた問題を取り上げて、実務的な解決の一例
を示したのが本書である。事件処理に当たって「相談相手」となる手ごろな文
献を目指したので、引用文献や裁判例については、基本的に、入手、参照しや
すい最低限度のものにとどめている。
 第1編の設問と解説の執筆者は少年事件を現に担当している中堅裁判官であ
り、第2編の特別論稿については、ベテラン刑事裁判官、少年事件に精通して
いる研究者や弁護士に執筆してもらった。少年事件を担当する裁判官、弁護士
のほか、研究者や法科大学院生等を念頭に置いて、「令和の少年実務」の実情
を執筆するのにふさわしいメンバーである(少なくとも筆者以外の方は)と自
負している。執筆担当者によって表記や体裁等、解説の形式的記載に多少の相
違はあるが(筆者が担当した「総論」も各解説を踏まえて変化を付けている。
)、当該設問を分かりやすく解説しようとした工夫の現れである。特に若手の
法曹が少年事件を担当するに当たって、本書がよき「相談相手」となり、手軽
に参照してもらえればうれしい限りである。なお、本書の内容については、各
執筆担当者の私見である。
 本書の刊行については、今回も青林書院編集部の長島晴美さんに大変お世話
になった。記して謝意を表する。
                       令和5年5月5日 こどもの日
                   千葉家庭裁判所判事 河 原 俊 也



編著者・執筆者紹介
(執筆者は執筆・掲載順,肩書きは刊行当時)

編 著 者
河 原 俊 也  千葉家庭裁判所少年部部総括判事
        【第1編第1問〜第8問総論】

執 筆 者
真 鍋 秀 永  大阪家庭裁判所少年部部総括判事
        【第1編第1問設問と解説】

藤 永 祐 介  千葉家庭裁判所少年部判事  
        【第1編第2問設問と解説】

佐 藤 正 信  高松高等裁判所刑事部部総括判事
        (前東京家庭裁判所少年部部総括判事)        
        【第1編第3問設問と解説】

池 上  弘  福島地方・家庭裁判所郡山支部判事        
        【第1編第4問設問と解説】

平 野  望  横浜家庭裁判所少年部判事        
        【第1編第5問設問と解説】

佐 藤  基  東京高等裁判所刑事部判事
        (前横浜家庭裁判所少年部部総括判事)        
        【第1編第6問設問と解説】

堀内 健太郎  札幌家庭裁判所判事補        
        【第1編第7問設問と解説】

岩  貴 彦  大阪地方裁判所刑事部判事
        (前千葉地方裁判所刑事部判事)          
        【第1編第8問設問と解説】

江 見 健 一  東京高等裁判所刑事部判事        
        【第2編論稿1】

松 田 和 哲  弁護士、千葉県弁護士会副会長
        (前子どもの権利委員会委員長)        
        【第2編論稿2】

川 出 敏 裕  東京大学大学院法学政治学研究科教授
        【第2編論稿3】




■書籍内容
第1編 設問と解説
第1問  審判運営
《総 論》
   ‐年審判の目標
  ◆ゞ軌蘚措置(保護的措置)
   少年審判期日の流れ 
  ぁ[碓嫖 
 《設問と解説》
  設問1 設問2 設問3  
 1 はじめに   
   ⑴ 審判の目標/⑵ 審判期日の位置付け/⑶ 社会調査とカンファ
    レンス/⑷ 在宅事件と身柄事件
 2 各設問の検討
    ⑴ 設問1について/⑵ 設問2について/⑶ 設問3について
 3 おわりに 
第2問  処遇選択
 《総 論》
   /拡宿坡始決定
  ◆”埆菠決定
   知事又は児童相談所長送致決定
  ぁ(欷扈菠決定
    ⑴ 保護観察決定/⑵ 児童自立支援施設又は児童養護施設送致決定
    /⑶ 少年院送致決定
  ァ仝〇ヾ荏致決定(逆送決定)
    ⑴ 刑事処分相当検送決定/⑵ 年超検送決定
  Α〇邯慨兒
  А.弌櫂肇薀鵐鼻Ε薀奪札襦愎誉犬砲弔い討涼脳蓮戞覆澆垢砂駛次1979)
    から
   《設問と解説》
  設問1
  1 問題の所在
  2 特定少年に対する保護処分の犯情の軽重による制約
   ⑴ 特定少年に対する保護処分の定め/⑵「犯情の軽重」における考慮要素
   ⑶ 犯情において前歴や被害弁償を考慮するか/⑷ 本設問前段にお
     ける犯情の上限の考え方
  3 要保護性による処遇選択
   ⑴ 非行事実と要保護性/⑵ 要保護性の評価の在り方/⑶ 本設問
   前段における要保護性の評価/⑷ 処遇勧告の要否
  4 少年院の収容期間の定め方
   ⑴ 少年院の収容期間/⑵ 少年院の収容期間の定め方/⑶ 本設問
   前段における少年院の収容期間
  5 特定少年に対する保護観察
   ⑴ 特定少年に対する保護観察の類型/⑵ 6月の保護観察/⑶ 2
   年の保護観察/⑷ 本設問後段における保護観察の選択
  設問2
  6 問題の所在
  7 刑事処分相当の検察官送致
   ⑴ 検察官送致の要件と効果/⑵ 禁錮以上の刑が定められている
     犯罪事件/⑶ 非行事実の存在/⑷ 刑事処分相当性
  8 少年法20条2項の原則検察官送致
   ⑴ 原則検察官送致の趣旨/⑵ 原則検察官送致の例外事由と判断枠組み
  9 特定少年の原則検察官送致
   ⑴ 特定少年の原則検察官送致の趣旨/⑵ 特定少年の原則検察官   
     送致の例外事由と判断枠組み
  10 本設問について
   ⑴ 本設問前段について/⑵ 本設問後段について
第3問  児童相談所から送致されてくるぐ犯事件
 《総 論》
   “鷙圓里△訃年の意義
  ◆[燹 〃
   非行事実の記載例
 《設問と解説》
  設問1  設問2
  1 設問1
    ⑴ はじめに/⑵ ぐ犯少年と児童福祉法上の要保護児童との関係/
    ⑶ 児童相談所の性格/⑷ 児童相談所からの家庭裁判所への事件送致
    ⑸ ぐ犯少年/⑹ 令和3年少年法改正/⑺ 設問1の検討
   設問2
    ⑴ 呼出し・所在調査/⑵ 同  行/⑶ 付添人/⑷ 設問2のまとめ
  
 第4問  否認事件
 《総 論》
  ‐年審判の非形式性と適正手続による事実認定
  ⊃拡修僚仞兵
  事実認定についての心構え
  《設問と解説》
  設問1  設問2
  1 はじめに
  2 審理計画の策定 
    ⑴ 事件受理段階の検討/⑵ 合議決定の当否/⑶ 付添人の選任と        
     意見交換/⑷ 証人尋問の予定・検察官関与決定の判断/⑸ 事前打     
     合せ/⑹ 証人尋問実施をめぐる近年の裁判例
  3 否認事件における調査官調査
    4 捜査段階では自白していた場合はどうか
    ⑴ 少年による自白の問題/⑵ 自白の任意性/⑶ 自白の信用性・
    補強法則
  5 少年の住所が管轄外であった場合
  6 覚醒剤自己使用事件の場合
    ⑴ 薬物犯罪における故意の内容/⑵ 少年審判における事実認定のポイン       
     ト
第5問  観護措置質問手続と一時帰宅
  《総 論》
   /歓抜嬖未瞭睛董期間等
  ◆ヾ儻鄙蔀峽萃蠎蠡海琉賣
    ⑴ 手続の説明/⑵ 人定質問/⑶ 黙秘権告知/⑷ 付添
    人選任権告知/⑸ 審判に付すべき事由の要旨の告知/⑹ 弁解聴
    取/⑺ 観護措置通知先の確認/⑻ 調書の読聞け/⑼ 決
    定告知/⑽ その他
  《設問と解説》
  1 はじめに
    ⑴ 観護措置と一時帰宅の意義/⑵ 少年鑑別所における少年の鑑別      
    ⑶ 観護措置の目的/⑷ 観護措置の要件/⑸ 観護措置を執る
    時期/⑹ 観護措置の期間/⑺ 観護措置の終了/⑻ 異議
    の申立て
  設問1
  2 妊娠中絶を希望している女子少年について
  3 別件で既に少年院送致決定を受けている少年について
  4 その他の一時帰宅相当事案について
  設問2
  5 調査官事前面接
  6 観護措置質問手続
  7 出頭確保のための方策
    設問3
  8 観護措置の必要性 
  9 観護措置質問手続
  10 少年鑑別所への押送
  第6問  調査及びカンファレンス
  《総 論》
   )‥調査
  ◆ー匆馗敢 
   カンファレンス
《設問と解説》
  設問1
  1 書記官による事前点検とは何か
    ⑴ 終局までのアウトライン/⑵ 書記官による事前点検の内容
    ⑶ 書記官による事前点検の意義
  2 裁判官による法的調査
    ⑴ 裁判官による法的調査の意味/⑵ 裁判官による法的調査の内容       
    /⑶ 小  括
  3 法的調査と社会調査
    ⑴ 法的調査と社会調査の違い/⑵ 法的調査と社会調査の共通部分等
    ⑶ 社会調査の出発点
  4 社会調査の留意点 
    ⑴ 社会調査のアウトライン/⑵ 在宅事件の場合/⑶ 身柄事件
    の場合/⑷ 否認事件の場合の注意点
  5 社会調査の留意点の伝達手段・方法
    ⑴ 伝達手段・方法が定まっていない場合/⑵ 法的調査の成果を効果的に       
    伝達する手段・方法/⑶ カンファレンス・シ−ト
  設問2
  6 カンファレンスを行う意義
    ⑴ 刑事裁判における量刑判断の概要/⑵ 法的調査における犯情の内容と     
    程度の判断の概要/⑶ 社会調査を行う意味/⑷ 再犯のおそれを予測する
    ために解明されるべき要素/⑸ 小  括
  7 社会調査のプロセスとカンファレンスのタイミング
    ⑴ 社会調査のプロセス/⑵ カンファレンスのタイミング
    ⑶ 小  括
  8 裁判官と調査官の意見の一致と相違
    ⑴ 判断の差異の理由/⑵ 最終カンファレンスにおける考慮事項/
    ⑶ 小  括
  
第7問  犯罪被害者等への配慮 
  《総 論》
   ‐年審判非公開の原則と法改正
  ◆“鏗下堋敢
    《設問と解説》
   設問   設問2
  1 設問1について
    ⑴ 被害者調査の目的/⑵ 被害者調査の対象事件/⑶ 被害者調
    査の方法等/⑷ 被害者調査の対象者/⑸ 被害者調査の調査事項
    /⑹ カンファレンス
  2 設問2
    ⑴ 審判傍聴/⑵ 被害者等からの意見聴取/⑶ 家裁全体として
    検討、準備すべき事項
第8問  少年の刑事事件
  《総 論》
   ‐年被疑事件の捜査
  ◆仝〇ヾ荏致決定をした場合の手続の流れの概要
   55条移
  ぁ\觜襍困瞭知 
  ァ〃困亮更
   《設問と解説》
  設問1  設問2   設問3
  1 少年の勾留についての概説
   ⑴ 勾留の一般要件等/⑵ 少年の勾留の加重要件─「やむを得ない場
   合」/⑶ 勾留に代わる観護措置/⑷ 勾留場所の指定/⑸
   取扱いの分離/⑹ 特定少年の特例について/⑺ 少年の接見等禁止
   について
  2 少年の勾留請求についての検討
   ⑴ 勾留の一般要件の検討/⑵ 「やむを得ない場合」かの検討/⑶
   勾留場所の検討/⑷ 勾留は認められないが、勾留に代わる観護措置は認
   められる場合/⑸ 勾留質問での留意点
  3 設問1について
   ⑴ 設問1 米端貂承修了例)について/⑵ 設問1◆別義飲食の事
   例)について
  4 設問2について
   ⑴ 特定少年の勾留について/⑵ 接見等禁止についての留意点
  5 少年の刑事裁判についての留意点
    ⑴ 社会記録の取寄せ⑵ 刑についての特則/⑶ 55条移送
   /⑷ 氏名等の秘匿、着席位置等の配慮/⑸ 迅速な審理
  6 設問3について
   ⑴ 争点整理の留意点/⑵ 公判審理等の留意点

第2編 特別論稿
論稿1  少年事件の抗告審における保護処分決定の審査
    ,呂犬瓩
   ◆‐年事件の抗告審
    ⑴ 少年事件の抗告審の概要/⑵ 抗告審の構造/⑶ 抗告審にお
    ける審査
    処分不当の審査
     ⑴ 「処分の著しい不当」の意義/⑵ 保護処分決定の論理過程の把握      
    /⑶ 抗告審の審査
   ぁ‘団蠑年の処遇選択の審査
   ➄ 事実誤認の審査
     ⑴原決定の判断と抗告理由/⑵ 抗告審の審査
   Α)[甍稟燭凌該
     ⑴法令違反の意義/⑵ 手続きの法令違反/⑶ 法令適用の誤り      
    /⑷決定への影響
   А,わりに

論稿2  「対話」に基づく付添人活動の実践
   ‐年審判と付添人活動の本質
    ⑴ 少年法1条「健全育成」と成長発達権保障/⑵ 少年審判の本質は「対
    話」にある/⑶ 付添人活動のモデル論
  ◆ヾ超調整活動
    ⑴ 環境調整活動とは/⑵ 「内的」環境調整活動/⑶ 環境調整と        
    して捉える被害者対応
   捜査段階の弁護活動
    ⑴ 捜査段階の弁護活動における少年事件ならではの留意点/⑵少年事件
    と黙秘
  ぁ/拡獣奮での付添人活動
    ⑴ 基本的な活動/⑵ 裁判所とのカンファレンス/⑶ 付添人意
    見書/⑷ 審判廷での付添人の役割/⑸ 在宅事件・在宅試験観察
    への向き合い方
  ァ[疣3(2021)年改正少年法における特定少年の位置付け
    ⑴ 特定少年の付添人活動のスタンス/⑵ 特定少年の保護者への対応
  Α〆埜紊
論稿3  少年法改正の内容と今後の課題
   ,呂犬瓩
  ◆(神期の少年法改正
    ⑴ 改正の内容と背景/⑵ 少年法の基本理念への影響/⑶ 実務
    の対応
   令和3年改正
    ⑴ 改正に至る経緯/⑵ 改正の内容と意義/⑶ 実務における運
    用の方向性

    事項索引
    判例索引

 

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