大コンメンタール刑事訴訟法〔第三版〕第2巻
大コンメンタール刑事訴訟法〔第三版〕〔全11巻〕
- 編・著者中山善房・古田佑紀・原田國男・河村博・川上拓一・田野尻猛 編
- 判型A5判
- ページ数600頁
- 税込価格11,880円(本体価格:10,800円)
- 発行年月2024年08月
- ISBN978-4-417-01877-3
- 在庫
有り
■解説
全面改訂による第三版【第5回配本】(全11巻)
捜査・公判協力型協議・合意制度の導入をはじめ, 刑事司法における実務の変化に応える本格的注釈書
●最新の法律及び規則の改正を盛り込むとともに,近時の判例・学説も取り入れて全11巻を全面的に改訂・増補。
●実務の動向を踏まえ,現行刑事訴訟法の客観的な解釈・運用について詳細に解説し,利用価値の高いコンメンタールをめざす。
大コンメンタール刑事訴訟法〔第三版〕【全11巻】
第1巻〈第1条〜第56条〉
★第2巻〈第57条〜第127条〉
第3巻〈第128条〜第188条の7〉
第4巻〈第189条〜第246条〉
第5巻〈第247条〜第281条の6〉
第6巻〈第282条〜第316条〉
第7巻〈第316条の2〜第328条〉
第8巻〈第329条〜第350条の29〉
第9巻〈第351条〜第434条〉
第10巻〈第435条〜第507条〉
第11巻〈刑事訴訟特別法〉
第三版はしがき
本書の初版(全8巻)の第1回刊行から四半世紀が経過して,裁判員制度の導入などの刑事手続の大きな改正が相次ぎ,刑事司法の実務はその姿を大きく変えた。一部とはいえ,検察官と被疑者との間でいわゆる司法取引が行われ,また一般の国民から選任された裁判員が法壇に座って事前に整理された争点を中心とした集中審理が行われるという今日の捜査・公判の形は,初版刊行の当時においては到底現実感を持って想像できなかった姿と言っても過言ではないであろう。
そのような変化の中にあって,本コンメンタールは,刑事訴訟法の解釈・運用の状況を的確に示すものとして,幸いにも多くの実務家及び研究者の方々に参照され,支持されてきたものと自負している。
本コンメンタールは,第二版(全11巻)の刊行により,法律及び諸規則の改正や判例・学説の動きに合わせ,アップデートを行ったが,第二版の第1回刊行から10年が経過し,この間,実務においては裁判員裁判の定着と運用の改善が進められるとともに,立法においては,実体法の改正に伴うものを含め,累次にわたり注目すべき改正が行われてきた。中でも,協議・合意制度や取調べの録音・録画制度の導入など,法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」の調査審議の結果に基づく刑事訴訟法等の改正(平成28年法律第54号)は,裁判員制度を導入するなどした司法制度改革以上に,より直接的に捜査実務に変化をもたらしており,この改正を機に,第二版の内容を全面的に見直して改訂を図り,最新の法令,判例,学説はもとより実務の動向をも織り込んで現行刑事訴訟法の客観的な解釈・運用状況を明確にし,利用価値の一層高いコンメンタールを目指し,第三版を刊行することとした。
第三版では,平成23年法律第74号以降の改正を取り扱っているが,同法は,サイバー犯罪その他の情報処理の高度化に伴う犯罪等に対処するための刑法及び刑事訴訟法の改正等を内容とするものであり,また,第二版刊行後の最重要判例の一つである最〔大〕判平29・3・15集71巻3号13頁も,GPS捜査を題材として,強制処分と任意処分の限界について,最高裁が判断を示したもので,刑事訴訟法及び刑事司法の実務も,情報通信技術の高度化,国際化など社会の変化に大きく影響を受けていることが特徴的である。
第三版の編集・解説の方針も,基本的に初版・第二版と同様であるが,実務に精通した第一線の執筆陣を新たに迎え,最新の法令,判例,学説,実務の動向を幅広く盛り込み,今日の刑事訴訟法の解釈・運用の到達点を的確に描出するようお願いした。
この第三版が,初版及び第二版と同様,実務家及び研究者の方々に広く支持され,活用されることを切に願うものである。
2024年7月
中山 善房
古田 佑紀
原田 國男
河村 博
川上 拓一
田野尻 猛
編 集 者
中山 善房 元東京高等裁判所判事
古田 佑紀 弁護士・元最高裁判所判事
原田 國男 弁護士・元東京高等裁判所判事
河村 博 弁護士・元名古屋高等検察庁検事長
川上 拓一 弁護士・早稲田大学名誉教授
田野尻 猛 最高検察庁公安部長
執 筆 者
河村 博 前掲
(藤永 幸治〔第二版執筆〕)
川上 拓一 前掲
加藤 俊治 名古屋地方検察庁検事正
(渡辺 咲子〔第二版執筆〕)
(所属・肩書きは本書刊行時)
■書籍内容
第1編 総 則
第8章 被告人の召喚,勾引及び勾留
〔第57条─第98条 前注〕
第57条〔召喚〕
第58条〔勾引〕
第59条〔勾引の効力〕
第60条〔勾留〕
第61条〔勾留質問〕
第62条〔令状〕
第63条〔召喚状の方式〕
第64条〔勾引状・勾留状の方式〕
第65条〔召喚の手続〕
第66条〔勾引の嘱託〕
第67条〔嘱託勾引の手続〕
第68条〔出頭命令・同行命令〕
第69条〔急速を要する場合〕
第70条〔勾引状・勾留状の執行者〕
第71条〔管轄区域外における執行〕
第72条〔被告人の所在捜査,勾引状・勾留状の執行の嘱託〕
第73条〔勾引状・勾留状の執行手続〕
第74条〔護送中の仮留置〕
第75条〔勾引された被告人の留置〕
第76条〔勾引された被告人に対する弁護人選任に関する告知と教示〕
第77条〔勾留するときの弁護人選任に関する告知と教示〕
第78条〔弁護人選任の申出〕
第79条〔勾留と弁護人等への通知〕
第80条〔勾留と接見・授受〕
第81条〔接見・授受の制限〕
第82条〔勾留理由開示の請求〕
第83条〔勾留理由開示の手続〕
第84条〔勾留理由開示の方式〕
第85条〔受命裁判官による開示〕
第86条〔勾留理由開示請求の競合〕
第87条〔勾留の取消し〕
第88条〔保釈の請求〕
第89条〔必要的保釈〕
第90条〔裁量保釈と考慮事由〕
第91条〔不当に長い勾留の取消し,保釈〕
第92条〔検察官の意見の聴取〕
第93条〔保釈保証金,保釈の条件〕
第94条〔保釈の手続〕
第95条〔勾留の執行停止〕
第96条〔保釈,勾留の執行停止の取消し〕
第97条〔上訴と勾留に関する処分〕
第98条〔保釈・勾留執行停止の取消し等の場合の収容手続〕
第9章 押収及び捜索
〔第99条─第127条 前注〕
第99条〔差押え,提出命令〕
第99条の2〔記録命令付差押え〕
第100条〔郵便物等の押収〕
第101条〔領置〕
第102条〔捜索〕
第103条〔公務上秘密と押収〕
第104条〔同前〕
第105条〔業務上秘密と押収〕
第106条〔令状〕
第107条〔差押状・記録命令付差押状・捜索状の方式〕
第108条〔差押状・記録命令付差押状・捜索状の執行〕
第109条〔執行の補助〕
第110条〔執行の方式〕
第110条の2〔電磁的記録に係る記録媒体の差押えの執行方法〕
第111条〔押収捜索と必要な処分〕
第111条の2〔協力要請〕
第112条〔執行中の出入禁止〕
第113条〔当事者の立会い〕
第114条〔責任者の立会い〕
第115条〔女子の身体の捜索と立会い〕
第116条〔夜間執行の禁止〕
第117条〔夜間執行を許す場所〕
第118条〔執行の中止と必要な処分〕
第119条〔証明書の交付〕
第120条〔押収品目録の交付〕
第121条〔押収物の保管,廃棄〕
第122条〔押収物の代価保管〕
第123条〔還付,仮還付等〕
第124条〔押収贓物の被害者還付〕
第125条〔受命裁判官・受託裁判官〕
第126条〔勾引状等の執行と被告人の捜索〕
第127条〔同前〕
判例索引